宇宙世紀に転生憑依したのですが、失敗したうえにとんでもないことになってます~超?・機動戦士ガンダム 作:ひいちゃ
その戦いで、全人類の半数が犠牲となり、人々は己の行いに恐怖した……。
* * * * *
レオン・リーフェイが持ち込んだのは、ジオンの悪魔の兵器、アスタロスの話。
それを奪取、処分するため、ペガサスJr.はオーストラリアに向かう。
だが、そのアスタロスを奪い取ろうと、バスクも策を練っていたのだ。
「いよいよか」
ジオン軍ヒューエンデンHLV基地、その休憩スペースで、オーストラリア駐屯軍のエース、ヴィッシュ・ドナヒューが、隊の副隊長に問いかけた。副隊長が答える。
「はい。トリントン基地から、木馬らしき船が出発したのを確認したのを確認しました。進路は間違いなく、このヒューエンデンを目指しています。それと進軍速度が通常より速いです」
「奴らもここにアスタロスがあるのを把握したか。『ティターンズ』から距離を置き中立の立場を保っているというのに、向こうの情報担当は有能だな。うちの情報担当に爪の垢を飲ませたいくらいだ」
そこでカップのコーヒーに口をつけ、喉を潤す。
「それと、他の連邦軍部隊もトリントンを出て、こちらの囮に向かって出撃していった模様です」
「ご苦労なことだ。連邦軍から離れたのに、我が軍の掃討任務をするとは」
ヴィッシュがそう言って苦笑する。そこに。
「それはこちらも同じだがな」
そう苦笑交じりに入ってきたのは、オーストラリア駐屯軍の司令官、ウォルター・カーティスである。
「ジオン本国があんなことになっているのに、まだそれに従っている我々も彼らと似たようなものだろう」
「確かにそうですな」
「世間話はここまでにしておこう。先程も話した通り、交戦が始まり次第、月の階段を発動する。他の部隊が敵を誘導するのと合わせて、諸君たちには、退路を確保しながら派手に立ち回り、連邦軍の目を本当の階段から引き離してくれたまえ。相手がホワイト・ディンゴと木馬だから、簡単にはいかないかもしれないが」
カーティスの司令に対し、ヴィッシュがびしっと立ち上がり敬礼を返す。
「了解いたしました。それで、マッチモニードの連中の動きはどうでしょうか?」
ヴィッシュに聞かれて、カーティス司令官は顔をしかめた。あまりいい状況ではないらしい。
「わからん……。今のところは大きな動きを見せていない。だが、彼らの主であるキシリア・ザビはジオンから離脱したと情報が入っている。マッチモニードにとっては梯子を外されたも同然だから、彼女を見限り、独自の動きを見せる可能性があるな」
「そうなって奴らがアスタロスをギレン・ザビの元に持ち帰ろうとしたら最悪ですな……」
「うむ、そうならないように手を打つ必要がある。ドナヒュー大尉、君に密命を与える。マッチモニードがそのような動きを見せたら、最優先でそれを阻止せよ。そのためには、多少のイレギュラーも許可する」
「はっ」
* * * * *
一方、ペガサスJr.。そこのブリーフィングルームでは、ソフィーたちペガサスJr.隊と、ホワイト・ディンゴ隊との間でブリーフィングが行われていた。
「各部隊は順調みたいですね」
アムロがスクリーンに映し出されている戦況図を見てそう言う。彼がそう思う通り、戦況図には、ジオン軍を押していく他部隊の様子が映し出されていた。
それを受けて、レイヤー中尉が言う。
「あぁ。だが、この作戦の第一目標はアスタロスの奪取、または処分だ。我々の活躍次第でこの作戦が成功するか失敗するかが決まる。油断は禁物だぞ」
「は、はい……」
ソフィーが緊張しながらそう答える。その横で、ハヤトは何か難しい顔をしていた。
「どうしたんだよ、隊長殿? 緊張してるのかい?」
カイの軽口に、ハヤトは難しい顔を崩さずに口を開いた。
「いや……確かに、包囲作戦はうまく言っているように見えるんだが、うまく行き過ぎているようで違和感が……」
俺たt
―――居候さん、『私達』ですっ!!
―――……。
ソフィーや俺たちが戦況図を見てもよくわからないが、隊長として指揮にあたっていたハヤトには何か感じるものがあったのだろうか?
ソフィーたちが頭を悩ませる中、ブリーフィングに参加していた(戦闘には参加しない)ソフィーの姉、ルシアが口を開いた。
「なら、この戦況図をそのまま読まずに、部隊を機体に置き換えて見直してみたらどうだ? そうすれば見えてくるものもあるかもしれない」
「部隊を各機体に……?」
そして改めて戦況図を見つめるハヤト。
「確かに、ジオンの各部隊は後退し、孤立していくように見えるが……。だが、各部隊の間はどんどん広くなって……まさか……!?」
そこでハヤトはスレッガーさんに目を向けた。
「スレッガー中尉、頼みがあります」
「なんだ?」
「もし俺の予想があたっていたら、今からではジオンの目論見を阻止するのはほぼ不可能でしょう。次善の策を打つ必要があります」
* * * * *
そして戦いが始まった。ペガサスJr.から発進したソフィーたちは地上に降下し、基地を守る隊と戦いを繰り広げていく。
「マイク、レオン!」
「了解!」
「了解です」
レイヤー中尉たち、ホワイト・ディンゴが見事なコンビネーションで、自分たちと同数のザク相手に有利に立ち回り、撃破していく。
もちろん俺たちも。
「そこっ!!」
動き回りながらマシンガンを撃ってくるザクに対し、それを先読みしたアムロが、ガンダムのビームライフルでそれを撃破する。
「カイさん、あのビルの陰にザク1機!!」
「あいよっ!!」
ハヤトの管制を受け、カイがビルの陰に隠れたザクにキャノンを発射する。
もちろんソフィーと俺も。
「えぇいっ!!」
ソフィーがジム・フリーダムのビームライフルで量産型のグフを撃破した。そこに、俺の意識に感じるものがあった。
―――ソフィー、上からくるぞ!
―――はいっ!!
上から襲いかかってきたザクを後ろに飛び退いてかわす。それと同時に俺がソリッド・シューターをロックオンする。そして発射! ザクはそれをかわそうとしたが、ヒートホークを握っていた左腕を吹き飛ばされた。
ソフィーは、奴に反撃する隙を与えず、ビームサーベルを抜いてザクに突っ込む。そして、胴体を貫いて撃破した。
俺たちは、ジオン軍に対して有利に戦っていた。何しろ、こちらにはホバートラック『オアシス』とペガサスJr.、さらにハヤトのEWACジムと三枚の支援があるのだ。
しかし、敵を撃破しながら進む中、俺はあるものを感じた。それは大きなプレッシャー……
―――気をつけろ、ソフィー。多分デカブツが来るぞ!
―――は、はいっ!
果たしてそれは現れた。戦いの白煙の中現れたもの。それは……。
「な、なんだあれはぁ!?」
カイが驚きの声をあげる。それは大型の戦車に、これまたビーム砲を積んだ戦車のような機体だった。
* * * * *
俺たちの前に現れたのは、ビーム砲を積んだ戦車のような機体。そしてその周囲に展開するザクとゲルググだった。
「あのゲルググ……荒野の迅雷か!!」
「知っているんですか?」
ソフィーの問いに、レイヤー中尉からすぐに返事がかえってくる。
「あぁ。ここオーストラリアのジオン軍のエースだ。俺も何度か刃を交えたことがある。手ごわい相手だ」
そう言う中尉の声には緊張と同時に、どこか嬉しさのようなものが感じられた。ランバ・ラルが言っていた『戦士という人種の度し難さ』というものなのだろう。
……っと、話している場合じゃないな。
敵のデカブツがこちらにビームを撃ってきた! みんなが散開してそれをかわす。
「ありゃ、直撃したらただでは済まないな……」
そう緊張したようなハヤトの声。確かにあれはガンダムのビームライフル……つまり、戦艦の主砲と同レベル、それより若干上の威力がありそうだ。これはさすがに
「だが、こんなデカブツ、横に回り込めば……っと!?」
先走ったカイのガンキャノンが横に回り込もうとしたら、横に配置された機関砲の迎撃を食らった。そこに荒野の迅雷が乗ったと思われるゲルググが襲い掛かる。
「させません!!」
そこにソフィーがフリーダムを飛びあがらせ……。
―――居候さん!!
―――おうっ!!
俺の視界にFCSのスクリーンがオーバーラップする。そして照準をゲルググに合わせ……
―――落ちろおおぉぉぉぉぉ!!
ビーム・ランチャーとソリッドシューターのフルバースト!! だがゲルググはそれを鮮やかな動きでかわしやがった。しかもそれだけではない!!
「!!」
フリーダムのほうに、僚機のグフが襲い掛かってきた! 空中で体勢がなかなか整わない中、なんとかグフの攻撃をかわすが、そこに別のグフがフィンガーバルカンを撃ってくる!!
「くっ……!」
なんとかシールドで防ぐ。そして着地したところをゲルググが襲ってきた!
「させん!!」
しかしそれはなんとか、レイヤー中尉のジム・コマンドがゲルググにとびかかって防いでくれた。助かった……。
だけどこいつらは手ごわい。個々の実力もさることながら、ホワイト・ディンゴの面々と同じく、見事なコンビネーションで立ち回ってくるのだ。
これは苦戦は覚悟しといたほうがよさそうだ。
* * * * *
「さすがはホワイト・ディンゴだな。それに、木馬の連中もいい動きをする」
そう言いながらゲルググを駆って戦うヴィッシュ・ドナヒュー。そこに、撤退中の味方を率いるカーティス司令官から通信が届く。
「ドナヒュー中尉、聞こえるか」
「司令官?」
通信機から聞こえてきたカーティス司令の声は、緊張と焦り、そしてヴィッシュへの信頼の色に満ちていた。
「ケースBが起こった。管制塔から異常事態発生を知らせる報告があったあと沈黙したのだ。どうやらマッチモニードの連中が管制塔を占拠したらしい」
「やはり連中、暴発してしまいましたか……」
「うむ。出撃前にも話したとおり、奴らがブツを打ち上げる前に、最優先でケースBに対処してくれ。これも先に話した通り、どんな手をとることも許可する」
「了解しました」
そうして通信は切れた。ヴィッシュはゲルググを操り、敵MSと銃火を交えながら、友軍に通信を入れる。
「私とMS隊は管制塔に向かう。ライノサラスは引き続き派手に暴れまくり、連中を牽制していてくれ。ただし、ライノサラスを突破し我々を追跡する機体があった場合は、無理に阻止しようとしなくていい」
「わかりました」
「了解しました!」
「よし、やるぞ!!」
そして荒野の迅雷は、乗機のゲルググを後方に大きくジャンプさせた。
* * * * *
ジオンの連中の動きが大きく変わった。ゲルググをはじめとしたMS隊が大きく後退をはじめたのだ。何か大変なことが起きたのだろうか?
それをハヤトが察知したのか、ハヤトから通信が入る。
「レイヤー中尉、ホワイト・ディンゴ隊はあのMS隊を追跡してください。その先に何かある気がします。ここは俺たちがなんとか踏ん張ってみます」
「了解した。気をつけてくれよ」
「はい」
そしてレイヤー中尉のジム・コマンドをはじめとしたホワイト・ディンゴがジャンプしてデカブツを飛び越えて、ゲルググたちを追撃しようとする。もちろん、デカブツは機銃でそれを阻止しようとするが……。
「させない!!」
アムロのガンダムがビームライフルを撃って、それを牽制したのだった。
* * * * *
レイヤー中尉たちホワイト・ディンゴを送り出し、俺たちはデカブツと激闘を繰り広げていた。護衛のMS隊がいなくなったおかげで多少は楽になったが、苦戦から善戦になった程度だ。
デカブツのビームや機銃、ミサイルをかわしながらデカブツにビームやキャノン砲、マシンガンを当てていく。困ったことに、Iフィールドバリアを積んでいるらしく、こちらからのビームは弾かれてしまう。
「やはりビームはだめか。ならバズーカで!!」
アムロのガンダムはビームライフルをしまうと、バズーカに持ち替えてデカブツに発射した!
そして炸裂!! バルカンやマシンガンよりは効いたようだが、やはりビームほどの効果は得られないようだ。こちらもソリッドシューターで攻撃する。
そして戦いを続ける俺たち。そのうちわかってくることがあった。
ホバートラック『オアシス』が分析結果を知らせてくる。
「どうやら、ビーム砲用にジェネレータをたくさん積んでいる影響からか、奴らの探知能力は高くないようです。それも、左右に回り込んだ時の反応が良くないことからすると、レーダーは前方にしか効かないように感じます。おそらく左右と後ろは目視で対応しているんでしょう」
「ということは、奴らの気をそらせればなんとかなりそうですね」
オアシスからの報告に、ソフィーがそう返す。さらにハヤトからも報告が届く。
「それとセンサーの分析結果によると、奴の周囲のミノフスキー粒子は前半分に集中していて、後ろは極めて薄くなっている。もしかしたら奴のビームバリアは、後ろが薄くなっているのかもしれない」
「まぁ、当てたわけではないから、仮説に過ぎないだろうけどね」
ハヤトにカイがそう軽口で返す。さらにアムロが続けた。
「でも奴を倒すためにもっとも有効な可能性のある仮説だと思います」
「よし、アムロ。俺たちが奴の注意をひきつけている間に、背後に回り込んで、ビームライフルをお見舞いしてやってくれ」
「わかりました!」
「よろしくおねがいします、アムロさん!!」
そして各機は散開した。デカブツの注意を引きつけるように激しく動き回りながら攻撃を浴びせていく。
カイのガンキャノンが機銃をかわしながらキャノン砲を撃つ。
ハヤトのEWACジムが左右に横飛びしながらマシンガンを当てていく。
ソフィーと俺のフリーダムは、ジャンプしながらソリッドシューターを発射。
動き回りながら攻撃を仕掛ける俺たち。だがデカブツは、これだけ攻撃を浴びせても沈黙する気配がない。本当に化け物だ。
だがこうして激しく動き回り、攻撃を浴びせていけば、いずれ隙はできる。そしてそれはできたのだ!
ちょうどデカブツがソフィーと俺のフリーダムに向いたところで、奴らの視線がアムロのガンダムから外れる形になったのだ!!
「今だ!!」
アムロのガンダムがその隙をついてジャンプし、奴の背後に回ろうとする!! ビーム砲では旋回速度が追いつかず、機銃は装甲とシールドで防がれ、ガンダムはなんとか奴の背後に着地することができる。
そしてすかさず、ビームライフルを構えて撃つ!! ビームは奴のIフィールドに威力を若干減衰されながらもデカブツの後背に突き刺さり、大爆発を起こした!!
しかし、デカブツに止めを刺すまでには至らなかったようだ。ビーム砲が回転し、ガンダムの方を向く!!
「アムロさん!!」
「!!」
ソフィーの叫びとともに、ビーム砲が発射された! ガンダムはシールドを手放し、横にジャンプしてかわそうとする。
しかし、それでもかなりの威力なのか、ガンダムの左腕が溶かされ、爆発を起こした!!
そしてそれと同時に。
ドグワアアアァァァッッ!!
デカブツの上部、ザクの上半身部分が盛大に吹き飛んだのだ。あのビームライフルでダメージを受けたところに、今の発射が爆発の引き金を引いたのだろうか。
爆発を起こしながらデカブツが沈黙する中、アムロのガンダムが立ち上がる。
「大丈夫でしたか、アムロさん?」
「はい。なんとか……。でもすごい威力でした。もし直撃をもらったらどうなっていたか……」
そうながらデカブツをながめる俺たち。そこにハヤトから声がかかる。
「よし、それじゃ俺たちも、レイヤー中尉たちに合流しよう」
* * * * *
一方、ヴィッシュのゲルググと彼の部下のグフは、レイヤーたちホワイト・ディンゴを誘導しながらHLVの発射場に向かっていた。
怪しまれないように時々反撃を返し、さらに引き離したりせず、かといって捉えられずといった微妙な距離を取りながら移動していく。
並のパイロットなら、これが誘導だとはなかなか見抜けないだろう。それだけヴィッシュたちの誘導は巧妙だった。だが、ホワイト・ディンゴたちは並のパイロットではなかった。
「おかしい。あの荒野の迅雷の動き、あれはただの後退ではない。俺達を誘導しようとしている動きではないのか?」
そのレイヤーの疑問に、マイクが答える。
「確かにそうですね。ただ後退するならもっと移動速度も雑ですし、引き離すためにもっと反撃してきてもいいはずです」
そこにレオンが報告する。
「おかしいですね、この先にはHLVの発射場と管制塔があります」
「俺たちをそこに誘引しようというのか? だとしたら……」
「何か?」
レオンの質問に、レイヤーはジム・コマンドを駆りながら答える。
「荒野の迅雷もアレの存在には思うところがあったのではないのか? だから俺たちを利用して、アスタロスを処分しようと……」
「なるほど……。敵に利用されるのは気に食いませんが、ブツを処分できるのなら喜んで彼の思惑にのりましょうか」
そう会話を交わしているうちに、彼らは発射場までやってきた。そこでゲルググたちは、管制塔のほうに移動していく。
「あれは……? 俺達にあの管制塔を撃ってほしいというのか? よし。マイク、レオンはHLVをやってくれ。俺は管制塔をやる」
「わかりました」
そして管制塔の前でゲルググが立ち止まったところで、レイヤーはビームライフルの照準を合わせ、そして撃った!! ゲルググたちが飛び退いた次の瞬間、ビームが管制塔に直撃!! 中のマッチモニードたちを消滅させた後、彼らの棺を爆散させた。それと同時に、HLVもマイクとレオンの攻撃を受けて、大爆発を起こしたのだった。
そこでヴィッシュからの通信が入る。
「よくやってくれたな、ホワイト・ディンゴ。おかげでこちらの心残りが消えた。これでお前たちと心置きなく戦える」
そう言って、ゲルググが一歩進み出て、ツイン・ビームソードを抜いた。グフたちもヒートソードとガトリングを構える。
「こちらにしてはまんまと利用されて不本意だったがね」
「そちらも、アスタロスを危険視して、ここに攻めてきたのだろう? ならば願いかなったりだろう。お互い様だ」
「確かにな」
そう言って二人同時に苦笑したのは何の因果か。そして、二機が同時に踏み出したと同時に、最後の戦いが幕を開けた!
* * * * *
まさに激闘だった。レイヤー率いるホワイト・ディンゴ。そしてヴィッシュが指揮するジオン部隊。
どの部隊も、全力を振り絞り、巧みなチームワークで互角に渡り合っていた。それは戦いというより、まるで舞踏のよう。
グフのヒートソードを、マイクのジムがシールドで受け止め、蹴り飛ばしたところにマシンガンを浴びせる。グフはそれをバックジャンプしてかわしていく。
レオンのジム・スナイパーⅡが撃ったビームライフルを、もう一機のグフが激しい動きでかわしていく。そしてヒートワイヤーを発射! ビームライフルに絡みつき、電撃が放たれる! ジム・スナイパーⅡがたまらずビームライフルを手放したところで、それは爆発を起こした。
レイヤーのジム・コマンドとヴィッシュのグフも激闘を繰り広げていた。ビーム・ライフルを撃ち合い、ビームサーベルとツイン・ビームソードで鍔迫り合いを演じる。
永遠に続くと思われた戦い。だがそれも終わりを告げる時が来た。
激闘の結果、ついに二機のグフが撃破されたのだ。一機のグフのパイロットは戦死、もう一機のほうはなんとか生存となったが。
「見事だ、ホワイト・ディンゴ。お前たちに負けたのなら悔いはない。心からそう思う」
「……どうしても降伏する気はないのか?」
「ない。まだ作戦は続行中だ。それを果たすまで、剣を置くつもりはない。お前もそうなのだろう? ホワイト・ディンゴ」
「……そうだな」
レイヤーはそう言って苦笑を浮かべ、うなずいた。彼が逆の立場でもそうしただろうから。
そして両者が決着に向けて動き出そうとした直後。
バン! バン! バン!
突然花火の音が上がり、それと同時にペガサスJr.が激闘の場に接近してきた。
通信が入る。
「連邦軍、ジオン軍、両軍に告げる! ただちに戦闘を中断せよ。これ以上闘う理由はない!!」
さらに勧告は続く。
「ジオン軍に告げる。君たちが脱出させようとしていた友軍の潜水艦は、既にこちらによって捕捉され、降伏している。君たちの作戦は失敗した。これ以上戦う理由は存在しないはずだ。ただちに降伏されたし!」
* * * * *
その少し前。オーストラリア北西の沖合。
「無念だが……了解した。降伏を受け入れよう」
セイラのGファイターと対潜仕様に換装されたスレッガーのコア・ブースターが飛び交う中、かの機体にばらまかれた機雷に囲まれたユーコン潜水艦。そこで指揮をとるウォルター・カーティスが、降伏を受け入れていた。
トリントン部隊の攻勢を受けたジオン軍の後退が実は、各部隊を引き離し、包囲網に穴を開けるためのものと気づいたハヤトが、もしかしたら奴らはその包囲網を突破し、海から逃げるつもりなのではと考え、スレッガーに突破先の方向の海上哨戒を頼んでいたのだ。
* * * * *
「ジオン軍に告げる。君たちが脱出させようとしていた友軍の潜水艦は、既にこちらによって捕捉され、降伏している。君たちの作戦は失敗した。これ以上戦う理由は存在しないはずだ。ただちに降伏されたし!」
再び流れるブライトさんからの降伏勧告。それを受けて、ゲルググがビームソードを下ろす。その柄からビームの刃が消える。
「月の階段を読まれていたとは……。我々の負けだ。了解した、降伏勧告を受け入れよう」
「君たちの処遇だが、先程シャア大佐から連絡があった。希望する者は、キシリア・ザビ率いる独立勢力の構成員として受け入れる、とのことだ。それを望む者がいれば申し出てくれ」
「キシリア・ザビの独立勢力か……。ギレン総帥の暴走を受けて離脱していたとは聞いたが……。いいかもしれない。少なくともこのままジオンで戦い続けるよりはマシかもしれんな」
そう言って、荒野の迅雷はかすかにほほえみをもらした。
* * * * *
一方その頃、ラサ攻略の準備を進めている、北京周辺のティターンズ部隊では……。
「なんだと!? アスタロスが消滅!? おのれ、駄馬どもめ……! 我らの目論見を台無しにしおって……!!」
バスク・オムが手すりに拳をたたきつけ、怒りに顔を赤くしていた。
一つの戦いが終わったオーストラリアに、再び大きな戦いが巻き起ころうとしている……。
※感想、募集中! あと、『テテテUC』を書いてくださる方も募集中です!
* 次回予告 *
目論見を壊されたバスクの悪意と、悪魔のシステムがペガサスJr.に迫る。
この脅威を打ち砕く手がかりはどこにあるのか?
次回、『悪魔の人工知能 F・J』
君たちは生き延びることができるか?
※次の更新は、7/27 13:00の予定です。お楽しみに!
※作者の就職が決まったので、これからは更新日がずれたり不定期になるかもしれません。そうなったら申し訳ありません(汗 でも未完結にならないように頑張ろうと思っています。
テテテUCのフロンタル、原作UCフロンタルの記憶を受け継いでてほしいですか?
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受け継いでてほしい
-
受け継いでてほしくない