宇宙世紀に転生憑依したのですが、失敗したうえにとんでもないことになってます~超?・機動戦士ガンダム   作:ひいちゃ

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宇宙世紀0079、サイド3はジオン公国を名乗り、地球連邦政府に宣戦布告した。
その戦いで、全人類の半数が犠牲となり、人々は己の行いに恐怖した……。

* * * * *

目論見を潰されたバスクは、切り札の部隊を出し、トリントンとペガサスJr.を潰そうとする。
AIに率いられたその部隊の戦術に、ペガサスJr.は苦戦を強いられるが、思わぬ援軍によってこれを切り抜けるができたのだった。


Re:Act.33 『動くもの』

 俺たちペガサスJr.はなんとか間に合った。大急ぎに急いだペガサスJr.は、ティターンズが侵攻準備を整える、ちょうどその前日にラサに到着したのだ。機関部スタッフが、『この戦いが終わったらすぐに整備しなけりゃ』とぼやいてたっけ。

 

 そんなわけで、到着した時にはまだ戦いは始まっていなかった。俺……。

 

―――居候さん! 私たち、ですっ!!

―――……。

 

 ……ソフィーたちは、戦いが始まるまでの間、少しの休息を与えられることになった。ブリーフィングルームでくつろいでいるだけだが、それでも少しは休むタシになるだろう。なお、ソフィーの姿が、姉のルシアの隣にあるのは言うまでもない。

 でも、戦いが目前に迫っているのに、平然といびきをかいているカイは只者ではないな。

 

「お姉ちゃん、疲れてませんか?」

「あぁ。ここに来るまでの間にもゆっくり休んでいたからな。大丈夫だ。ソフィーのほうは大丈夫か?」

「はい。大丈夫、元気いっぱいです」

「そうか、だが無理するなよ」

「はい。お姉ちゃんこそ無理しないでくださいね」

「わかっている」

 

 そうややぶっきらぼうに返しながらも、ルシアが優しい微笑みを浮かべた。それを見つめるソフィーの心の中も温かい感情の波動が流れている。

 

 その一方、アムロはなにか難しい顔をしていた。どうしたんだろう? そのアムロに、シャアが声をかけた。

 

「どうしたのかね? アムロ君」

「わかりません……。でも感じるんです。尋常ではなく強い、必ずこのラサを陥落させるという意思を……」

 

 そのアムロの言葉に、ランバ・ラルが唸る。問題ないという思いと、気にかかるという2つの思いが入り混じった声で。

 

「ふむ……。奴らもこれが正念場だから、このラサを潰すという強い意思を持っているのは当たり前とも言えるが……」

「はい。アムロ君はニュータイプです。その彼が、こう言うということは、我々でも気づかない、ニュータイプである彼にしかわからないなにかを感じているのかもしれません。一応、政府やシロー君たち歩兵部隊にも注意を促しておいたほうがいいでしょう」

 

 そんな話を聞いているところで、俺……というか、俺の宿主であるソフィーの視界に、一人の女性が映った。確か、あの人は見たことがない気がするが……。

 

* * * * *

 

 一方その頃、バスク・オムの旗艦、ペガサス級ドゴス・ギア。

 そのブリッジで、バスクはジャミトフからの通信を受けていた。

 

「そちらの準備はどうなっている?」

「はっ、全て準備は万端整えております。連中も準備を整えているようですが、それをものともせず叩き潰すことができるかと」

「そうか。ここが我々にとっても、そしてお前にとっても正念場だ。虎の子のAI部隊を不要な戦いで使い潰した借り、ここで返してもらうぞ」

「はっ……心得ております」

「うむ。では朗報を期待している」

 

 通信は切れた。その暗転したスクリーンを見つめたまま、バスクは忌々しげな表情を浮かべ、そして吐き捨てた。

 

「おのれ、ジャミトフ・ハイマンめ……。口先三寸で上り詰めたくせに、偉そうにしておって……。だが彼が言ったように、ここが私にとっても正念場だ。どんな手を使ってでも、蝿どもを叩き潰さねば……」

 

* * * * *

 

 そして、いよいよ戦いが始まった。

 

 さすがにティターンズもこれが正念場だけあって、かなりの数のMS(モビルスーツ)や航空部隊を繰り出してくる。

 その次から次へと襲いかかる敵を、ソフィーたちは撃退し続ける。

 

「やあっ!!」

 

 アムロが気合一閃! 襲いかかってきたジムをビームサーベルで一刀両断する。かと思えば。

 

「まさか我々が、地球のために戦うとは思わなかったな、ラル大尉」

「そうだな。だが相手も連邦軍だ。やっていることはいつもと変わらんよ」

 

 シャア大佐とランバ・ラルが、それぞれの乗機であるゲルググとグフ・カスタムで大暴れする。

 

―――居候さんっ!!

―――おうっ!!

 

 俺の視界にFCSのスクリーンがオーバーレイすると同時にロックオンし、そしてフルバースト!!

 ビーム・ランチャーとソリッドシューターが、的確に敵機を貫いていった。

 

「そこっ!!」

「やれやれ、次から次へと」

 

 セイラさんのGファイターやスレッガーさんのコア・ブースターが、敵のフライマンタを撃墜しつつ、敵のMSに対し支援攻撃を行う。

 

 『荒野の迅雷』ことヴィッシュ・ドナヒュー大尉率いるオーストラリア駐留ジオン部隊や、シロー隊長率いる歩兵部隊も、必死に敵を迎撃する。

 

 みんなの奮闘あって、なんとかソフィーと俺たちは持ちこたえることができている。だが、それでもやはり数が多い。もう休んだり、予備兵力にすることができないくらいだ。

 いや、それどころか、これ以上なにかあったら……。

 

 そう思ったその時だ。

 

 上空からなにかが飛んできたのだ。それは町に落ちたかと思うと大きな爆発を起こし、建物をなぎ倒していった!!

 

* * * * *

 

 インドを中心とする南アジアを統括する政治勢力、南洋同盟。その首都デリーでは、重要な会議が持たれていた。

 

 それは、今激戦が繰り広げられている地球連邦正統政府の暫定首都であるラサに対し、援軍を送るべきか否か、ということだ。

 

 その会議の席上、南洋同盟の元首であるダハード首相はある報告を受けていた。

 

「なに? ティターンズが弾道ミサイルを?」

「はい。ティターンズはなりふり構わぬ戦略攻撃をもって、戦局の好転を図っています。どうやら核ではないようですが……。スタッフの分析では、このままではジオンの二大エースや木馬の力を持ってしても、正統政府の敗北は必至と思われます」

「ふむ……となれば、一刻も早く援軍を送らねばなるまいが……」

 

 だが、そのダハードに対して、閣僚の一人が手を挙げて意見する。

 

「お待ちください首相。ここで援軍を出せば、正統政府軍が負けたあと、ティターンズは我らを正統政府の同類、自分たちの敵とみなして攻め込んできますぞ。しかし、今援軍を出さずにいれば、中立を保ったとして見逃してもらえるかもしれません。援軍派遣はお見送りください」

「私も彼の意見に賛成です。ティターンズと我々は、インド北部で睨み合っており、状況はギリギリのところです。ここで兵力を増援のために引き抜けば、バランスが崩れ、ティターンズの侵攻を招くことに繋がりかねません。余計な戦力の移動は避けるべきだと思われます」

 

 その言葉に、ダハードは眉をひそめて返した。

 

「ほう? では君たちは、この前の革命も余計なことだったと言うつもりかね?」

「い、いえ、それは……」

 

 そう言ったところで、ダハードは苦笑を浮かべた。

 

「すまない、少し意地悪なことを言ってしまったな。しかし、我々はあの革命の時に、この後の苦難を国全部で受け止め、立ち向かう覚悟を固めていたはずだ。今、我が身かわいさのために手のひらを返せば、その覚悟を裏切ることになりはしないだろうか? そんな国をどの国が、そしてどこの人が受け入れるだろう」

「そ、そうですな。ですが……」

 

 続いてダハードは真剣かつ真摯な表情を顔に刻んで続ける。

 

「それに、ティターンズはハナからこちらを敵対勢力として見ている。こちらがどう動こうとも、どっちみち、正統政府の次は我が南洋同盟だ。なら、ここで正統政府を助け、ティターンズの暴虐をくじくのが、結局南洋同盟のためになると私は思う」

「確かに……」

 

 そこで周囲を見回す。誰も反対意見を口にするものはいなくなった。

 

「よし、反対意見はないようだな。それでは、ラサに援軍を送ることに決定する。ただちに援軍を出発させてくれたまえ。それと軍務省は、援軍派遣した後の防衛態勢を策定してくれ。迅速にだ」

「了解しました」

 

 軍務大臣がそう言ってうなずいたところで、ダハードは立ち上がり、そして言った。

 

「これはただの戦いではない。地球を救う戦いでもあるが、何より我々の覚悟と信念を守る戦いでもある。後世に汚名を残すことがないよう、我々の道を貫こうではないか」

 

* * * * *

 

 一方、トリントン湾岸基地。そこの司令官室では、ホワイト・ディンゴ隊隊長マスター・P・レイヤー中尉をはじめとする、所属部隊の隊長たちが、上司である基地司令、スタンリー・ホーキンス大佐と相対していた。

 

「大佐、各部隊、出撃準備完了いたしました」

 

 そのレイヤー中尉の報告に、ホーキンス大佐はうなずき、そして厳しい表情で口を開いた。その表情が、これからの任務がいかに困難なものかを物語っていた。

 

「うむ。それでは、ホワイト・ディンゴとレッド・ポッサム、グリーン・イキドナはただちにラサに向けて出撃。正統政府軍を援護してくれ。第三主力部隊『イエロー・クオッカ』は基地に残り、警戒にあたってもらう」

「はっ!」

「敵は多勢であり、かなり厳しい戦いが予想される。だが、なんとしてもこの任務を成功させ、地球連邦と地球圏の未来を守ってもらいたい。吉報を期待している」

「了解しました!!」

 

 大佐の訓示に、レイヤー中尉をはじめとした隊長たちが力強く敬礼を返す。いずれの表情や瞳にも、任務に対する恐れなどは一切ない。必ず任務をやり遂げるという決意と自信のみが浮かんでいた。

 

* * * * *

 

 戦況はとんでもないことになってしまった。

 なんとティターンズは、短距離弾道ミサイルによる無差別攻撃を仕掛けてきたのだ。上空から次から次へとミサイルが落ちてくる。

 

 幸いにも、市民は地下シェルターに避難させているので人的被害は少ないが、それでもミサイルによって建物が次々と崩れていく。

 俺たちは、建物の崩落を避けたり、ミサイルを避けたりすることに気を取られ、徐々に敵を迎撃する余裕を失いつつあった。ソフィーが俺の言葉に突っ込むことがないということは、そういうことなんだろう。

 

 そうしている間にも、ソフィーと俺のフリーダムの上空から三発のミサイルが飛来してくる。

 

―――居候さん、ミサイルの迎撃頼みます!!

―――あいよ!!

 

 FCSの照準を、飛んでくるミサイルに合わせ、そして両腰のソリッド・シューターと右肩のビーム・キャノンを発射!! これを撃ち落とす。

 しかし、一息ついたのもつかの間!!

 

―――!!

 

 さらに二発のミサイルが飛来。俺達の至近に着弾!! 直撃を受けることはなかったものの、爆発で左腰のソリッドシューターを破壊された。

 

 その一方。

 

「ふ……こんなもので私を止められると思っているとは、なめられたものだな」

「全くだな。こんなことで我らを止めることはできぬわっ!!」

 

 華麗な動きで、ミサイルを回避、あるいは迎撃し、返す刀で接近してきたジムを切り払うシャア大佐や、激しい動きでミサイルをかわしながら、敵MSを迎え撃つランバ・ラルはさすがだが、そんな彼らもやはり疲れからか動きに切れがなくなってきているように感じられた。

 

「うわぁ!!」

「カイさん!!」

 

 カイとハヤトの悲鳴。見ると、カイのガンキャノンがミサイルの爆発に巻き込まれ、ダメージを受けていた。その装甲ゆえか大きな損傷はなかったようだが、それでも一部の装甲がはがれ、中のメカがのぞいていた。

 

* * * * *

 

 バスクの座乗するペガサス級ドゴス・ギア。そのブリッジで彼は傲岸不遜かつ獰猛、そして非道な笑みを浮かべていた。

 

 彼のドゴス・ギアの周囲では、弾道ミサイルキャリアに改装されたミデアが、次々とミサイルを発射している。

 

「よし、攻撃やめ。もう奴らも抵抗力をほとんど失った頃合いだろう。予備兵力を投入、連中を一気に踏み潰せ」

「了解」

 

 彼の指示と副官の了解にあわせ、ドゴス・ギアの前方に展開していたジム隊が前進をはじめる。

 

「それで、スパイからは何か言ってきたか?」

「はい。無事にターゲットの確保に成功。安全圏に向かっている、とのことです」

「よし。女狐を手中に納め次第、降伏勧告を出せ。これですべて終わりだな」

 

 そう言ってバスクは、再び満足そうな残忍な笑みを浮かべた。

 

* * * * *

 

 ソフィーたちは、引き続き激闘を繰り広げていた。

 戦いは劣勢も劣勢。何しろ、弾道ミサイル攻撃はやんだとはいえ、それまでの戦いでみんなかなり消耗しているのだ。そこに新たな部隊を送り込んできて、こちらを一気に蹂躙しようとしているのである。

 

 後方支援が本分であるガンキャノンが、ジムと白兵戦を演じているところからしても推して知るべしだろう。シャアのゲルググやランバ・ラルのグフ・カスタムの動きも少し精細をかきつつあり、アムロのガンダムも動きがかなり鈍くなってきている。

 

 もはや、俺たちは組織的な抵抗ができなくなりつつあった。このまま戦いが進めば、間違いなくそうなるだろう。

 

 苦闘を続けるソフィーと俺。だが、ジムの一機を撃破したところで、その隙をついてジムの一機が襲いかかってくる!! やばい!!

 

 振り下ろされようとするジムのビームサーベル。そこに……!!

 

* * * * *

 

 その頃、地上とシェルターとをつなぐ秘密通路。そこをマリナ・マーセナスとスパイ、そして数人の兵士が歩いていた。

 

 スパイは銃をマリナに突きつけながら言う。

 

「変なことを考えないといいわよ。その美しい頭に穴を開けられたくなければね」

「……」

 

 沈んだ表情のマリナを、醜悪な笑みを浮かべながら引き連れて歩くスパイ。だがその余裕はすぐに崩れ去ることになった。

 突然、マリナとスパイをはさんで歩いていた兵士たちの中の、後ろを歩いていた一人の兵士が吹き飛ばされたからだ。

 

 背後に向きなおり、銃を構える二人。そこに立っていたのは……。

 

「ぐふふ、やっと見つけたぞ。我が恩人の家族をかどわかそうとする賊どもめ。貴様らの腐った肉などうまくもないが、好き嫌いは言っておれぬわ。せいぜいおいしいフリカッセにしてやるから感謝するがいい」

 

 そう、無骨な鎧のような戦闘服に身を包んだオフレッサーだった。

 

「あ、あなたたち! その野蛮人を足止めしなさい!!」

 

 そのスパイの命令を受けて、兵士たちが銃を構えるが……。

 

「馬鹿め、そんなへなちょこな銃が、この装甲服に通用するかっ!!」

 

 それと同時にオフレッサーが突進する!! 兵士たちが銃撃を仕掛けるが、その銃弾はことごとく、オフレッサーの装甲服に弾かれてしまう。

 オフレッサーの右手のトマホークがひらめく!! その一閃で、たちまち兵士たちは吹き飛ばされ、壁に叩きつけられて絶命した。彼の力を持ってすれば、敵の身体を真っ二つにすることもできるだろうが、それをしなかったのは、目の前に女性のマリナがいるからだろうか。

 

「ぶ、武器を捨てなさい! この人がどうなってもいいの!?」

「ふふふ、やってみるがいい。その次の瞬間、お前もあの兵士たちと同じことになるぞ」

「ひっ……!」

 

 そう言って、オフレッサーが鋭く強い闘気を放つ。それを叩きつけられたスパイは、思わず尻もちをついてしまう。その顔は恐怖に引きつっている。

 その女スパイに斧の柄の端を叩きつけ、昏倒させたオフレッサーは、マリナの前でひざまずいた。

 

「ご無事で何よりです、マリナ大統領」

「あ、ありがとうございます、オフレッサー……。おかげで助かりました……」

 

 そしてオフレッサーは立ち上がると、通信機のスイッチを入れた。

 

* * * * *

 

 不意を突いて襲ってきたジムが、こちらに対してビームサーベルを振り下ろそうとする。やばい!!

 今からでは、ダメージを受けられるのは避けられない!!

 

 そこに。

 

 一発のバズーカ弾が飛来してきて、そのジムに命中!! ジムは頭部を破壊されてのけぞった。

 

「……!!」

 

 そしてソフィーが例の能力を発動!! 目にも止まらぬ速さでビームサーベルを抜き放ち、そのジムのコクピットに突き刺し、これを沈黙させた。

 

 一息ついたソフィーがバズーカが飛んできた方を見ると、そこには……。

 

「あれは……!」

 

 接近してきたのは、数機のミデアと、それを護衛するように展開しているリフター装備のジムたち。

 それらにはいずれも、南洋同盟を表すマーキングがなされている。南洋同盟の援軍か!!

 

 南洋同盟のMSは果敢にティターンズ部隊に襲いかかっていく! 南洋同盟所属のフライマンタが上空からミサイルを発射し、ガンキャノンと接近戦を展開しているジムを撃破してくれた。

 

 そして、援軍はそれだけではなかった!

 

* * * * *

 

 ヴィッシュのゲルググは、二機のジムと相対している。いつもの彼なら、二機の相手など問題はないが、今の消耗した彼には、それは難しいものだった。

 二機のジムが前進し、ゲルググが後退する。そして、ジムたちが襲いかかろうとしたその時。

 

 一発のビームが飛んできて、ジムの一機を貫き、撃破した。もう一機のジムが動揺したその隙を突き、ヴィッシュのゲルググが後退から突進に転じた。そしてビームサーベルを閃かせ、ジムを一刀両断!

 

 ジム二機の戦いを制したヴィッシュの元に着地したのは、一機のジム・コマンドだった。

 

「ホワイト・ディンゴ……」

「間に合ってよかった。お前と一杯飲み交わすことなく、死に別れることになったら後悔してもしきれないからな」

 

 そう言うレイヤー中尉のジム・コマンドの後方からは、オーストラリア方面軍の部隊が接近していた。

 

* * * * *

 

「第一部隊、通信途絶!!」

「第三部隊から報告。損耗率7割を超えたとのこと!!」

「第二部隊より増援求むとの要請!!」

 

 それまでの雰囲気から一転。ドゴス・ギアのブリッジには戦況が好ましいものではないと表す報告が多数乱れ飛んでいた。その様子に、バスクは歯噛みする。彼は怒鳴るように副官に問いただす。

 

「むむぅ……小娘を拉致せよと命じていたスパイはどうした!?」

「それが……数分前から連絡が途絶えました」

「うぬぬぬ……!! かまわん。損害などどうでもいい。攻めて攻めて攻めまくれ!! 撤退など許さん!!」

 

 激昂し、戦闘続行を命じる上官を、副官が諌めようとする。

 

「お待ちください。予備兵力どころか、護衛のための戦力まで引き抜き、今やこの司令部の防衛さえもままならない状態です。このままでは、我が艦も危険な状況に……!」

「黙れ、このままではジャミトフ閣下に申し訳が……!」

 

 そこに、ドゴス・ギアに随伴していたミデアの一機が、ビームに貫かれて爆散した。その衝撃で、ドゴス・ギアが大きく揺れる。

 

「ぐっ……!!」

「大佐、敵の攻撃がこちらにも及んできました。このままでは……」

「えぇい、わかったわ!! 全軍撤退せよ!!」

 

 バスクの号令一下、ドゴス・ギアをはじめとした攻略部隊は転進し、撤退を開始した。

 前線のMS部隊も、離脱する余裕があるものは撤退していき、そうでないものは投降した。

 

 戦いは終わったのだ。

 

* * * * *

 

 そして戦いは終わった。激しく厳しい戦いだった。もう今回はやられるんじゃないかと思えるほどだったが、なんとか切り抜けることができた……。

 

 官邸の前では、南洋同盟の部隊を率いてきていた、『僧正』ことレヴァンさんと、ブライトさんが握手をかわしている。

 

「増援、感謝いたします。レヴァン氏」

「いえ。お礼なら増援を決断された首相にお願いします。それに、貴方がたは未来の希望の光。それを絶やすわけにはいきませんから」

 

 また、他方では、レイヤー中尉と荒野の迅雷が缶のドリンクを飲み交わしていた。

 

「君とこうして飲み交わすことができる日が来るとは思わなかった。荒野の迅雷」

「私もだ。ホワイト・ディンゴ。できれば今度は、平和になった地球圏で酒を飲み交わしたいところだな」

 

 また宿主であるソフィーも、他のメンバーとともに、シャアやランバ・ラル、ラグナレクのクルーたちと楽しく談笑している。ともに死線をくぐり抜けてきたからだろうか。 

 

 連邦とジオンの人々が親しそうにしている光景。それは、新たな時代……アースノイドとスペースノイドがともに歩む時代の到来を感じさせるものだった。ほんのわずかの可能性かもしれないが。

 

 何はともあれ、大きな戦いは終わった。死闘というには生ぬるい、厳しすぎる戦いだったが、それでもなんとか制することができた。

 

 そしてこの勝利は、この戦いにおける大きな転換点のきっかけとなったのだ。

 




※感想、募集中! あと、『テテテUC』を書いてくださる方も募集中です!

* 次回予告 *

宇宙で活動を行うキシリアは、その過去と相対することになる。
葬られるのは彼女か、それともその過去か?

次回、『閑話5:宇宙のキシリア』

君たちは生き延びることができるか?

※少し多忙になってきたため、次回は更新をお休みさせていただき、別のお話を公開させていただきます。ご了承くださいませ。次の更新は、8/17 13:00の予定です。
※作者の就職が決まったので、これからは更新日がずれたり不定期になるかもしれません。そうなったら申し訳ありません(汗 でも未完結にならないように頑張ろうと思っています。

テテテUCのフロンタル、原作UCフロンタルの記憶を受け継いでてほしいですか?

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