宇宙世紀に転生憑依したのですが、失敗したうえにとんでもないことになってます~超?・機動戦士ガンダム 作:ひいちゃ
その戦いで、全人類の半数が犠牲となり、人々は己の行いに恐怖した……。
* * * * *
ティターンズのバスクは凶行に走った。
オーストラリアのトリントンに、核並みの破壊力を持つ、加粒子反応弾を使用したのだ。
それは、ペガサスJr.のクルーに衝撃を与えた。
その頃、バスクから戦略攻撃の支援を強要された狗は、彼に一矢報いようとその牙を研いでいたのだった。
―――やっぱり、今日も反応なし、ですね。居候さんのほうはどうですか?
―――人をセンサー代わりに使うなよ。……こっちもだめだ。俺の感覚にも引っかかるものはなかったよ。
フリーダムのコクピットで、俺たちは、そう脳内会話を交わしていた。やはり、緊張を強いられてきたからなのか、ソフィーの声に少し元気がない。
―――だ、大丈夫か? あれから3日も、満足に寝てないんだろ?
―――は、はい……。寝てないといっても、三時間は寝ていますから……。
―――まぁ、寝ていると言えば、寝ていると言えるだろうが、ちょっときつすぎないか……?
ブライトさんに、ソフィーをもう少し休ませてやってくれ、と伝えたいところだけど、できないからなぁ……。ソフィーが真面目な性格というのもあるが……。
トリントン基地が、ティターンズによる戦略攻撃を受けた。基地は壊滅し、基地司令官ホーキンス大佐も、おそらく基地と運命をともにしたと思われる。
トリントンが襲われたとなれば、次は間違いなく、南洋同盟かこのラサだろう。かくして、正統政府及び俺たち不正規隊は、高い緊張をもって、ティターンズの戦略攻撃部隊の捜索をしているわけだ。
しかし、必死になって、休息時間を削って捜索しているにも関わらず、奴らを見つけることはできなかった。南洋同盟軍のほうも然りだ。
戦略攻撃を諦めた? いやそんなはずはない。奴らがそんな甘い奴らではないのは、これまでの戦いを見てわかっていたことだ。
そしてそのとおりだった。必死になって探した甲斐があり……!!
「こちらスレッガー。見つけたぞ!! ラサの北東、190kmの地点だ!!」
スレッガーさんのコア・ブースターがついに、奴らの部隊を発見したのだ!!
ペガサスJr.のブリッジに、みんなが集まってくる。スクリーンには、コア・ブースターのガンカメラに映し出された映像……トレーラーを護衛する数機のGMたちが映し出されていた。
そのGMはどれも、黒く塗られたナイトシーカーだった。間違いない……。
―――ミハルさん……。
そう、ミハルが所属していて、これまでにも宇宙で何度かやりあったあの部隊だ。ソフィーの心が揺れ動く。
「よし、マーカー。奴らを迎え撃つのに最適なポイントを割り出してくれ。奴らの弾道ミサイルの射程外で頼む」
「わかりました」
そしてブリッジ・オペレーターのマーカーが計算をはじめる。結果はすぐに出た。
「割り出しました。ラサから北東に90kmの地点にある渓谷地帯です!! ここは、奴らが陸路でラサに至るためには必ず通過しなければならない地点であり、しかも、一方向からしか侵入できないため、迎え撃つには最適です!!」
「よし、奴らがここを超えるまで……いや、奴らがここに入ってくる前に到達して準備を整えたいが……どうだ、ミライ?」
ブライトさんに言われて、ミライさんが考え込みながら答える。
「行けないことはないわね。……また機関部のスタッフに、エンジンの整備が早まった、と文句を言われることを除けば」
そう言ってミライさんは苦笑を浮かべた。でも、その表情からは、不安や不可能といった要素は感じられない。
それを見て、ブライトさんも苦笑を浮かべてうなずいた。
「よし、その渓谷地帯に急行するぞ。ミライ、最大戦速!! フラゥ、政府にこのことを報告しておいてくれ」
「了解!!」
そして俺たちは、そこへ……奴らとの決戦の地へと向かったのだった。
―――居候さん! 『俺たち』じゃなくて『私たち』です!!
―――わ、わかってるよ……。
* * * * *
「中尉、飛行物体が接近! 木馬だと思われます! この速度でいけば、木馬が先に、渓谷に到達すると思われます!!」
副隊長の報告に、ラスティ・ハウンズ隊隊長、アルヴィー・ホーフマン大尉は複雑な笑みを浮かべた。
「さすが歴戦の勇者たちというところだな。我々を迎え撃つに最適なポイントを割り出し、そこに我々よりも先に到達することの重要性を認識し、そして実際に迅速にそこに向かう。侮ることはできんな」
(でもそうでなくては困るのだがな……)
「よし、全機、戦闘準備! 渓谷に突入するぞ。狗の最後の誇りを見せてやれ!!」
「了解!!」
ホーフマンの号令に、隊員たちは揃って返事を返し、そしてライフルを構えて渓谷内に突入していった。
* * * * *
かくしてソフィーたちは、敵との戦闘に突入した。……が、俺たちはいきなり苦戦を強いられることになった。
ソロモン周辺での戦いや大気圏突入時の戦いでわかっていたことではあったが、奴らはさすがに手練で、さらに奴らの中に核(仮)積みがいることを考えると、間違って流れ弾がそいつに当たらないように気をつけなければならないのだ。
しかも向こうもそれをわかっているのか。
「くそ、うまく位置取りしやがって! これじゃ、撃てば、核持ちまで巻き込んじまう!!」
幸いながらに核持ちは、ジムの一機がそれらしいランチャーを装備していたので、それで判別できたのだが、他の奴らがうまく位置取りして、立ち回ってくるのだ。うかつに撃てば、それたり回避された弾が、核持ちにあたってしまうような位置をキープしてくるので、こちらもうかつに攻撃することができず、攻めあぐねていたのだ。
なんとか、核持ちを無力化することができれば……。
それを、刹那も考えていたらしい。彼のダブルオー・クァンタから通信があった。
「なんとか、俺が核持ちに接近し、無力化してみる。他の奴らを頼む」
「わかった。任せたぞ!」
「了解。行くぞ!!」
ハヤトの返事に応えたと同時に、クァンタの姿が俺たちの前からかき消えた。そして次の瞬間には、核持ちの目前にその姿が。勝った!!
しかし。
「させん!」
「なに!?」
核持ちのそばで戦っていた隊長機らしいジム・ナイトシーカーがそれに反応し、クァンタに応戦してきたのだ!! しかも、刹那とほぼ互角の戦いをしてやがる。すげぇ!!
しかし、これで刹那に核持ちを無力化してもらう作戦はおじゃんになってしまった。どうするか……。
そこに。
「見つけた、羽持ち! ソフィーの仇!!」
「!!」
ミハルのものらしきジムが、こちらに切りかかってきた! ソフィーはそれに応戦しながら、呼びかける。
「ミハルさん、私は死んでいません! あなたは旧連邦軍に洗脳されているんです。目を覚ましてください!!」
「何を戯言を!!」
だが、やはりミハルは戦いをやめることはない。眼の前にソフィーがいるのに。
ミハルにこんな洗脳と強化を施した旧連邦軍に怒りを禁じ得ないが、今はそれどころではない。
奴らの巧みな戦術の前に、俺たちは徐々に押され、後退し続けていた。このままでは、やがて渓谷を突破されてしまう。そうなったら俺たちの負けだ。なんとかしなければ……。
* * * * *
「ソフィーの仇……! 今度こそ必ず……!」
そうつぶやきながらジム・ナイトシーカーを駆るミハル・ラトキエ。そこに、通信が入る。本人は操作をしてないのに、勝手に回線がつながった。
そして聞こえてきたのは、醜悪な野太い声。バスクの声だ。
「貴様に命を与える。『お前の求めるものはすでにない』」
「……!!」
その瞬間、ミハルの様子が変わった。一瞬、彼女の身体が硬直する。
そして彼女の何かが砕け散った感じがした。大切な何かが。そして。
* * * * *
「うわああああ!!」
「ミハルさん!?」
ミハルの駆るジムの動きが急に変わった。突然動きが荒々しく殺意のあるものに変わったのだ。
「きゃあ!!」
―――くっ……!!
突然、ジムがフリーダムを蹴り飛ばした。その強い衝撃でフリーダムは吹き飛ばされる。そしてそれから、彼女のジムはまるで狂戦士のように、目についたものに襲いかかっていく。それはまさに、不正規隊も奴らの部隊も関係なしだ。
ジムの一機を破壊したところで、今度はライフルを乱射した!!
なんてことしやがる! もし核持ちに命中したらただじゃすまないぞ!!
* * * * *
そのミハルの暴走は、ホーフマンにも見えていた。
彼は冷静ながらも、その内に怒りを沸き起こしながら吐き捨てた。
「バスク・オムめ……。あのコマンドワードを使ったのか。『狡兎死して走狗烹らる』……奴らにとって、我々はもう利用価値がないということか。だが、お前の思い通りには……させん! 何よりも……」
そしてホーフマンは、眼前のクァンタに対し、ビームサーベルを振るい牽制すると、後ろにバックステップし、ミハルのナイトシーカーへと走っていった。
「トラキエ准尉は私の娘のような存在だ!!」
* * * * *
ミハルはなおも暴れ続けている。既にその周辺には、彼女の餌食となったジム・ナイトシーカーが無残な残骸をさらしていた。
もちろんこちらも無傷ではない。既に、カイのガンキャノンが両脚を破壊されて擱座し、ハヤトのEWACジムも、両腕を破壊されるほどの損傷を受けている。それはまさに、旧連邦の尖兵だったころのルシアを彷彿とさせるほどだ。
ミハルのジム・ナイトシーカーが、猛然と突進してくる。ソフィーはビームライフルを撃って牽制するが、ミハルはそれを荒々しくも鋭い動きでかわしていき、さらに俺たちに迫る!
そしてビームサーベルを振るう。それで、ビームライフルを持っていた右腕を切断された。
フリーダムを飛翔させて後退する。だが、ナイトシーカーも、同じくバーニアをふかして追いすがってくる!!
「きゃあっ!!」
ソフィーの悲鳴。ミハルがフリーダムを蹴り飛ばし、地に叩き落としたのだ。そして、ビームサーベルでフリーダムのコクピットを貫き、とどめを刺そうと、襲いかかってきた。その時!
* * * * *
ミハルは目を剥いた。そして呆然とつぶやく。その瞳には理性の輝きが戻っていた。
「ち、中尉……?」
そう、眼の前の羽つきに止めを刺そうと上空から襲いかかってきたところに、ホーフマンのジム・ナイトシーカーが割り込んできて、羽つきをかばってその刃を受けたのだ。
敬愛する上司を自分が討ってしまった、その衝撃が洗脳とバスクのコマンドワードによって砕かれた彼女の人格が元に戻ったのは、果たして奇跡か、それとも彼女にくだされた罰なのか。
「トラキエ准尉、元に戻ったのか。よかった……」
「中尉……中尉……」
絶望に沈んだ表情で呆然とつぶやくミハルに、ホーフマンは柔らかい微笑みを向けた。それは、実の娘に向ける表情のようであった。
そしてすぐにホーフマンは真顔に戻って告げる。
「狗たちに次ぐ。作戦は失敗、そして我々の任務はこれで終わりだ……。最後の任務を伝える……。PDは正統政府軍に降伏しろ。そして他の各機は、投降するなり、逃亡するなり自由にしろ。これ以上……狗となって、ティターンズに……つながれる必要はない……」
通信機を通じて、隊員からの、痛切な了解の返事が聞こえてくる。そして。
「トラキエ准尉……いやミハル……。どうしようもない狗だった私だが……最後にお前のような娘ができて……幸せだった……ぞ……」
そして、ホーフマンはうなだれ、二度と口を開くことはなかった。
「中尉……中尉……! いやああああああ!!」
* * * * *
俺たちをかばうように、ミハルの前に立ちはだかったジム・ナイトシーカーが、ミハルの刃に貫かれたその時、ミハルの様子が変わった。
まるでかんしゃくを起こしたような、そんな動きをとったかと思うと、膝をつき、そして倒れ伏したのだ。その様子は、ミハルに大変なことが起こったのを伝えるようなものだった。
「ミハルさん!!」
ソフィーは、そんなミハルのジムの前にフリーダムを停めると、コクピットを降りて、親友の元に駆け寄っていった。
それを横目に、敵のMSはあるものは投降し、またあるものは撤退していった……。
* * * * *
「ミハルさん……」
ペガサスJr.の医務室。そこで、ソフィーがベッドに寝かされたかつての親友を、目を潤ませて見守っている。その傍らには、ルシアと、そして刹那の姿もある。
戦いが終わったあと、ミハルはペガサスに収容された。しかし、無事に助けられたのはいいのだが、彼女はそれからずっと目を覚まさないのだ。
ソフィーが不安そうな表情で、刹那のほうを向いて問いかける。
「刹那さん……。ミハルさんは、どうなんでしょうか……?」
「あぁ……。ティエリアの話では、洗脳の影響と、大切な人を自分が討ってしまったことによるショックで、精神にダメージを受けてしまったのが原因だそうだ……」
「……」
そこで、ソフィーが再びミハルに目を戻す。
「幸いながらに、生命に問題はなさそうだが、いつ目を覚ますか、何より目覚めるかどうかはわからない。宇宙に上がったら、俺たちの世界やラクスたちの世界の技術を使って、精神治療を行う手はずにはなっているが……」
「そんな……! ミハルさん……」
ソフィーの目から涙がひと粒流れた。それと同時に、精神世界に、ミハルとの思い出が流れていく。
* * * * *
「なんだって!? それは本当なのか?」
ペガサスJr.のブリッジで、ブライトが、ホログラムのティエリアに問いかけていた。
「あぁ。ミハルという少女が持っていたディスク。それには、これまで彼らが行ってきた非道な作戦と、ティターンズのバスクからの指示の音声などが収録されていた。おそらく、彼らのせめてもの良心だったのだろう」
「そうか……。だがこれで、ティターンズの悪行を世に知らしめることができる。そうなれば……」
「あぁ。もしかしたら、それで中立派の旧連邦軍基地や部隊、ティターンズ内の反対分子を取り込むことができるかもしれない」
「そうなれば、我々正統政府と救国評議会との勢力差を覆すことができるかもしれんな……よし。フラゥ、ラサに通信をつなげてくれ」
「了解しました」
そしてフラゥが通信機器を操作。少しして、マリナ・マーセナス大統領の兄、ローナン・マーセナスの姿が現れた。
「報告を待っていたよ。戦略攻撃部隊は撃破できたようだね」
「はい。戦略弾頭を持ったジムのパイロットは機体ごと投降し、他のパイロットたちは撤退あるいは投降しました」
「そうか、それはよかった」
「はい。それと……」
そしてブライトが、ディスクの件を報告する。それを聞き、ローナンが強くうなずいた。
「そうか、それは朗報だ。こちらのほうも、マリナとジオン共和国のキャスバル首相とで、全世界の人々に呼びかける共同声明の発表会をしようと思っていたところだったのだ」
「キャスバル……シャア大佐も、ついに新生ジオンの首班となる覚悟を固められたのですね」
「あぁ。それが父ジオン・ダイクンの子であり、その理想を受け継ぐ自分の使命と考えられたようでな」
「そうですか……よかった」
表情を緩ませるブライト。シャアがキャスバルとして立ってくれれば、きっとこれからの宇宙世紀に明るい兆しが訪れる。宇宙において、シャアと接触した彼は、なんとなくそんな予感を抱いていたのだ。
「この共同声明で、その情報を公開すれば、きっと形勢を逆転することができるだろう。さっそくそのディスクの内容をこちらまで送信してくれ」
「了解しました。さっそくお送りします」
そして通信は切れた。すぐさま、ブライトがフラゥに指示を出す。
「よしフラゥ。音声データをラサに送信してくれ」
「了解しました」
* * * * *
「おのれ、虫けらどもめ……!!」
ジャブローの司令室の中で、バスクは怒りに顔をこれ以上ないほどに赤くしていた。
全ては、数日前に発表された地球連邦正統政府と、新生ジオン共和国の合同声明からだった。あそこから全ては変わってしまったのだ。
その共同声明で明かされたのは、バスクがラスティ・ハウンズに命じて行わせた悪行の数々。それが音声データとともに公開されると、その影響はすぐに出た。
それまでティターンズが力によって押さえつけていた旧地球連邦の部隊や基地が、相次いで正統政府への合流、あるいは中立という反応を取り出したのだ。そればかりではなく、旧連邦の瓦解で、一時分離していた旧国家もこぞって正統政府に帰順していった。
「大佐、報告します。中東アスラン基地が、正統政府に合流しました……」
「えぇい!! アスラン基地に加粒子反応弾を撃ち込め!! そうすれば、寝返りおった奴らも、恐れをなして戻ってくるわ!!」
そう怒鳴るバスクに、報告してきた士官は、申し訳ないような怯えるような表情を浮かべて口を開いた。
「いえ、それが……」
士官が話すところによれば、どの戦略ミサイル基地、戦略ミサイル部隊も、正統政府に降伏、または中立を表明しこちらからの指示を拒否しているという。その任務の性質からどの基地の隊員も、極めて強い正義感と倫理観を秘めていたのだ。
軍事力で制圧しようにも、大半の部隊が離脱し、バスクやジャミトフのシンパや、旧連邦時代から彼らの指揮下にあった部隊ぐらいしか残っていない現状では、とても回せる余裕はない。
つまり、現状では、離脱した連中を引き戻し、ティターンズや救国評議会の凋落を止めるのは不可能、ということだった。
(おのれ、駄馬どもめ……。我らの正義を理解しようとせず、ましてや追い落とそうとするとは……!!)
そう怒りを燃えたぎらせるバスク。そんな彼は、自分の正義が歪んだもので、そもそも正義ではないことに気づいていない。それは怒りのせいか、それとも彼の醜い精神性のせいなのか。
そして彼は、士官が見守る中、打開策を組み立て始める。そして。
「こうなっては仕方あるまい。ただちに我がティターンズ各艦、打ち上げ準備! ソロモンの友軍と合流する。準備を急げ!!」
「は……ははっ!!」
そして士官は慌てて司令室を出ていった。
(ソロモンにはまだ私のシンパの艦隊がいる。それと、例のブツを使えば、ジオンなどたやすくひねり潰せよう。それから折返しで、ブツでラサを破壊すれば問題はない)
それは、彼、そしてティターンズを破滅に導く方程式だった。だが、それを知るのは後世の者たちのみである……。
* * * * *
「ティターンズは宇宙に逃げていったか……」
ラサの正統政府庁舎地下にある、正統政府軍作戦室(仮称)。そこでブライトさんが、報告を聞いてつぶやいていた。
ティターンズや救国評議会に屈していた旧国家や基地、部隊が、奴らから離れていく中、ティターンズの艦隊がジャブローから宇宙へ脱出していった。地上の部隊がほとんど失った中、宇宙の戦力と合流して巻き返しを図るつもりだろう、というのが、正統政府軍首脳部とジオン共和国のトップが話し合って導き出した推論だ。
また、ティターンズという戦力を失ったことで、救国評議会は瓦解。正統政府に降伏した。少なくとも、地球上については動乱は収まった、と言っていい。だが。
「だが、ティターンズをこのまま放置するわけにはいかんな」
通信スクリーンに映し出されているジオン共和国のキシリア女史がそう言う。それに、同じくスクリーンに映っているワッケイン氏もうなずく。
「確かに。彼らが宇宙で大事を起こす可能性もある。それを見逃すわけにはいかんだろうな。それでなくても、奴らが宇宙で体制を立て直して地球に戻ってきたら元の木阿弥だ」
「そうですな。我らもただちに宇宙に上がり、合流したほうがいいでしょう」
それで話は決まり、会議は終わった。それから時をおかず、ブライトさんが指示を出す。
「よし、各員、宇宙に上がる準備を始めろ!! フラゥ、この件をローナン氏に伝達を頼む!!」
「了解!!」
それにその場にいたクルーがみな返事を返す。それはもちろんソフィーも。心の中に哀しみを宿しながら。
そしてその声にはこれまでとは違うものを感じた。
そう、彼らも感じていたのだ。決戦の予感を……。
※感想、募集中! あと、『テテテUC』を書いてくださる方も募集中です!
* 次回予告 *
それはマスクの軌跡。彼の謎の一端、それはあの結末から始まっていた。
次回、『マスク』
君たちは生き延びることができるか?
※次の更新は、9/21 13:00の予定です。お楽しみに!
テテテUCのフロンタル、原作UCフロンタルの記憶を受け継いでてほしいですか?
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受け継いでてほしい
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受け継いでてほしくない