宇宙世紀に転生憑依したのですが、失敗したうえにとんでもないことになってます~超?・機動戦士ガンダム   作:ひいちゃ

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宇宙世紀0079、サイド3はジオン公国を名乗り、地球連邦政府に宣戦布告した。
その戦いで、全人類の半数が犠牲となり、人々は己の行いに恐怖した……。

* * * * *

宇宙に出た不正規隊は、グラナダ攻略のため、月のフォン・ブラウンに誕生したタイタンズの力を借りようとする。そこで彼らが知ったのは、旧連邦とアナハイムの闇だった。
そして一方、その不正規隊とフォン・ブラウンには、その闇の一端を宿したジオンのカレリナが迫っていた。


Re:Act.40 『カレリナ逆襲』

「ジオンのMS(モビルスーツ)隊接近! ジオンのMS隊接近! 全艦、第一級戦闘配備! MS隊は準備ができ次第、ただちに出撃せよ!! 繰り返す!!」

 

 アナウンスが鳴り響く中、ソフィーをはじめとするMS隊の面々は、急いでハンガーに駆け込んでいく。ジム・フリーダムをはじめとしたMSは、ここに来るまでの間に無事に修理を終えている。あとは乗り込んで出撃するだけだ。

 

———居候さん! 出撃するのは私達です!!

———わ、わかってるよ……。 ……?

 

 その時、俺の意識に、何か違和感のようなものが触れた。そしてそれは、俺だけではなかったようだ。

 

———……居候さん、感じましたか?

———あぁ。なんだろうな、これは……。

 

 違和感と、それに対する正体のわからない不安感を感じながら、ソフィーは再びハンガーに駆け出した。

 

* * * * *

 

 そして、ペガサスJr.から発進するソフィーのフリーダムをはじめとするMS隊。ダリルさんのサイコ・ザクをはじめとする、ベンガル同胞団のMS隊も同じく出撃してくる他、境界で待機しているエターナル、レナウン、ラグナレク、そしてジオン共和国艦隊からも出撃しているそうだ。(なお、共和国のMSは、エース機以外は識別のため、緑と白で塗装されているらしい)

 

 そして前方からは、ジオンの部隊が接近してきている。その先頭を進むのは、ピンク色のゲルググ。

 

———よし、先制攻撃、やってしまおうぜ!!

———はい。フリーダム・シルエット、展開します!!

 

 フリーダムの肩と腰に、ビーム・ランチャーとソリッドシューターが展開される。俺は、視界にFCSスクリーンが展開されると同時に、敵に次々とロックオンしていく。ピピッという電子音とともに、マーカーが点灯していく。そして。

 

———落ちろおおぉぉぉぉぉぉ!!

 

 それらとビームライフルをフルバースト!! 決して少なくはないザクやドムを撃破することに成功した。しかし、ソフィーと俺が驚愕したのは、そのうちの一機。ピンクのゲルググだ。奴は常人を超えた鋭い機動で、ビームを回避したのだ。その動きは……。

 

———なぁ、あのゲルググ……。

———はい。もしかしたら、私やお姉ちゃんと同じなのかも……。

 

 そう、脳内会話を交わしている間にも、奴はこちらに迫ってくる。そしてビームライフルを撃ってくる。それをこちらもかわし、ビームライフルを撃ちながらビームサーベルを抜く。

 

 そしてゲルググもツイン・ビームソードを抜き放ち、そして切り結ぶ!

 

「くっ……えぇい!!」

 

 ソフィーはフリーダムのバーニアを全開にして、ゲルググを押していく。そして押し切ったところで、ビームサーベルを振るう!! しかし、ゲルググはそれを後退してかわすと、上昇。またたく間に、こちらの背後に回り込んでいた!! なんという機動力、そして動き!!

 

———……!!

 

 そして、ソフィーも例のモードを発動させた。こちらも同レベルの動きでそれを回避し、ビームライフルを連射する。しかしそれも、ゲルググは余裕でかわしやがった。

 

 他方、他のほうに意識を向けてみると、他の面々もジオンのMSと激闘を繰り広げていた。

 

「そこっ!!」

 

 アムロのガンダムがリック・ドムと切り結びながら、ビームライフルでザクを撃ち抜いていく。

 

「おとなしくやられてなって!!」

「ただで通れると思うな!!」

 

 カイのガンキャノンやルシアのヴァーチェⅡが、肩キャノン砲やビームバズーカで援護射撃をしながら、アムロたちを突破してきたザクを迎え撃つ。

 

「セイラさん、ペガサスの4時が開いてる。フォローを!!」

「了解!!」

「くっ、させるか!!」

 

 ハヤトのEWACジムが、指揮管制を行いながら、接近してきたリック・ドムを迎撃する。

 

 俺達は激戦の渦中にあった。何しろ、敵の数はこちらの二倍ぐらい多い。しかも手練だ。崩れることはないが、それでも楽勝という言葉からは、地球からアステロイドベルトまでの距離の三倍は程遠い。

 俺たちは、敵を迎撃するだけで精一杯だった。幸いにも、友軍はこちらに接近中だ。なんとかそれまで持ちこたえることができればどうにかなる……。

 

———居候さん! 『俺たち』じゃなくて『私たち』です!!

———……。

 

 しかし、目前のゲルググの実力もすごい。反応速度や操縦速度もさることながら、その攻撃の激しさ、速さはソフィー以上だ。その攻めの前に、相棒は防戦一方だ。

 

「ぬるい、ぬるいんだよ!!」

「!!」

 

 そして、ゲルググのツイン・ビームソードがひらめき、フリーダムの手からビームライフルを弾き飛ばした。バルカンを放つも、巧みに動き回り、時にはシールドで防ぎながら、それをかわしていく。

 

———しまった、後ろに!!

———……!!

 

「もらったよ!!」

 

 こちらの攻撃を振り切って、後ろに回り込んできたゲルググが腕の速射砲を構えてきた。やべぇ!!

 その時だ。

 

「やらせん!!」

 

 そこに、突然刹那さんの00クァンタが現れ、ゲルググを牽制してくれた。助かった!!

 

———よし、ここから反撃だ。行くぜ、相棒!!

———はい!!

 

 そうだ。ソフィーと俺は一人じゃない!!

 これを機にこちらも反撃に転じる。ソフィーが例のモードによる鋭く疾い機動で、ゲルググの攻撃をかわし、攻撃をしかけ、やつの動きは俺のニュータイプ能力で追ってフォローする。

 

 俺と相棒の能力をフルに発揮し、協調し、ソフィーたちは刹那さんの力も借りながら、ゲルググと互角の戦いを演じていた。

 

* * * * *

 

「あははは、やってくれるじゃないか! そうでなくちゃ面白くないよ!!」

 

 カレリナ・リースは、ジム・フリーダムと00クァンタの二機を相手にしながらも、なお余裕を崩さなかった。まるで戦いを楽しむかのように、敵の攻撃をあしらい、反撃をしていく。

 

 だが、その時だ。

 

「……っ!!」

 

 カレリナの身体をよくわからない悪寒が貫いた。身体を不快という言葉が生ぬるいほどの何かが暴れまわるような。

 彼女の本能が叫んでいた。これ以上続けると何かがやばい、と。

 

 こみ上げる何かを飲み込みながら、彼女は忌々しそうに吐き捨てる。

 

「ちっ、まだ調整が完全じゃなかったのか……。あの研究者たちめ。あとで半殺しにしてやる!!」

 

 そう言って、カレリナはゲルググを母艦のほうへと向けた。

 

* * * * *

 

 一体どうしたというのだろう? 突然ゲルググの動きが鈍ったかと思うと、反転して撤退していったのだ。

 まぁ、だけど……。

 

———なんとか助かりましたね……。

———あぁ、今回はなんとか互角に戦えたが、次どうなるか……。

 

 見ると、後方から次々と友軍が駆けつけてきてくれている。それにあわせて形勢は逆転し、ジオンのMSたちは皆、我先にと撤退していくのだった。

 

* * * * *

 

 ジオンの部隊を撃退した、新連邦軍不正規隊(イレギュラーズ)とジオン共和国軍、そしてベンガル同胞団の連合軍は、フォン・ブラウンとグラナダの境界付近にある、旧連邦軍の研究施設を強襲した。

 

「もらった!!」

 

 アムロのガンダムが、リック・ドムを振り向き撃ちで撃ち抜く。

 

「カイさん、4時の方向からザクが来るぞ!!」

「了解!!」

 

 ハヤトの指揮管制を受け、カイのガンキャノンがキャノン砲でペガサスJr.に突っ込んでくるザクを撃ち落とす。

 

「そこだ!!」

「喰らえ!!」

 

 刹那さんのクァンタが量子ジャンプを駆使して、敵を翻弄しつつ敵を駆逐していき、ダリルさんのサイコ・ザクが敵の攻撃をかわしながらマシンガンやバズーカ、シュツルム・ファウストなどの火器などをフルバーストして敵を撃破していく。

 

 意外と、施設の守りはそれほど固くなかった。どうやらジオンは、フォン・ブラウン攻撃に、この施設の警備部隊の大半を差し向けていたようだ。施設には、不正規隊の全MSの数より少し少ない程度のMSしか残っていなかった。

 そうであれば、数も質も勝るこちらが負ける理由はほとんどない。ほどなくして施設は陥落した。

 

* * * * *

 

 施設を制圧し、中の人たちを解放するべく内部に突入した俺たちは絶句した。

 

 施設には、チューブにつながれ、カプセルに入れられた人々が多くいた。おそらく、オルタナティブ・タイプの素養がある人たちだろう。実験体として入れられていたのだ。

 彼らはみなこちらに、安堵と期待の視線を贈り続けている。俺たちの様子から、自分たちを解放するために来たことを感じ取ったのだろう。

 

 彼らは五体無事ならいいほうで、中には腕や足がないものも存在した。それも実験の結果なのか。改めて、こんな非人道な実験をした奴らに怒りが燃え上がる。「正義の怒りをぶつけろガンダム」ってやつだ。

 

———本当に、アナハイムのあのおっさんも一発殴ってやりたいところだな。

———……気持ちは理解できます。あと、「俺たち」じゃなく、「私たち」ですからね!

———へいへい……。

 

 その中で特に驚愕したのは、ある一室にいた一団だった。

 彼らはみな、幸いながらに五体無事であった。しかし問題はそこではなかった。彼らは皆……。

 

「み、みんな全く同じ姿形だって……。まさかあんたら……」

「クローンなんですか!?」

 

 衝撃を顔に貼り付けたような表情のカイとアムロの質問に、全く同じ顔、同じ身体の男性たち、その代表らしき男がうなずいて言った。

 

「そんな感じだが少し違う。研究所の奴らは我々を『カーボン・ヒューマン』と呼んでいた」

 

 カーボン・ヒューマン……確か、ガンダムSEEDにそんな言葉が出てきたな。SEEDについてはあまり知らないので、どんなものかはよくわからないが。

 そのことについて、研究資料を手に入れたフラナガン博士が説明してくれた。

 

「ふむ……資料によると、全くの他人に処置を施すことによって、その人物を目的の人物そっくりにする技術のようですな」

 

 そう言うフラナガン博士に、同行していたキシリア女史が皮肉をこめて言った。

 

「貴様にとっても初耳の技術のようだな。てっきりフラナガン機関も関わっているのではないかと思ったが」

 

 そう言われて、フラナガン博士は慌てふためいて言った。

 

「と、とんでもない。この技術の研究からは、我がフラナガン機関は弾かれておりましたし、何より我々が目指すのは人類の革新。こんな醜悪な技術など願い下げでございます。それに我が機関の動向については、キシリア様もご存知のはずでは」

「わかっている。釘を刺す意味も込めて皮肉を言っただけだ。くれぐれもこの技術……いや、この施設にある全ての技術を持ち帰ろうとするなよ。このカーボン・ヒューマンのことも忘れろ」

「は……」

 

 キシリア女史の命に、フラナガン博士はタオルで額の汗をぬぐいながらそう答えた。

 

 その一幕を見ながら、ブライトさんが集められた収容者たちに対して説明を行う。

 

「これから君たちの身柄は、我々新地球連邦政府、及びジオン共和国、そして南洋同盟の連合が預かることになる。希望があれば、それぞれの国の国民として受け入れる用意もあるので言ってほしい」

 

 それを聞き、収容者たちから安堵や喜びの声があがる。本当に嬉しいようだ。

 

 さて、次はいよいよグラナダ攻略か……。いよいよ大詰めが近づいて来る予感を、俺は感じ取っていた。それはもちろん、ソフィーもだっただろう。

 

 




※感想、募集中! あと、『テテテUC』を書いてくださる方も募集中です!

* 次回予告 *

フォン・ブラウンからグラナダへの道は天然の要害だった。
不正規隊は、要害の脇を通る細道にグラナダ攻略を賭けるが……?

次回、『グラナダ奪回作戦(前)』

君たちは生き延びることができるか?

※次の更新は、10/12 13:00の予定です。お楽しみに!!

テテテUCのフロンタル、原作UCフロンタルの記憶を受け継いでてほしいですか?

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