宇宙世紀に転生憑依したのですが、失敗したうえにとんでもないことになってます~超?・機動戦士ガンダム 作:ひいちゃ
その戦いで、全人類の半数が犠牲となり、人々は己の行いに恐怖した……。
* * * * *
ペガサスJr.は、再びカレリナ隊の強襲を受けた。
強化されたカレリナのパワーに苦戦するソフィーと主人公だったが、刹那の援護、そして二人の協調によりなんとかこれを退けることができたのであった。
そしてペガサスJr.はいよいよ、グラナダ奪還に挑む。
「やはり固められているな……」
偵察部隊からもたらされた情報を前に、ブライトが腕を組んでうなる。
ジオン軍は、さすがア・バオア・クー、ソロモンと並ぶ、敵の本国への侵攻を防ぐ要衝だけあり、かなりグラナダの守りを固めていたのだ。
防御設備だけでなく、戦力のほうも、自由に動かせる戦力の中からいくらかを引き抜いてグラナダの防衛にあてていた。3割ほどではあるが、それでも、地球連邦正統政府改め新地球連邦軍・不正規隊、ジオン共和国軍、そしてタイタンズの連合軍よりやや多い数である。
籠城戦には防衛側の三倍の戦力が必要ということを考えると、この攻略戦はかなりの難儀が考えられた。
「戦力もかなりのものだな。無理に攻略しようとすれば大きな消耗は避けられんだろう」
「このあと、ジオンとティターンズとの決戦の場に突入して、両軍を制して戦いを終わらせなければならないことを考えると、それは避けたいところですね」
ドズルとキシリアも、グラナダの状況を見て頭を悩ませている。
「しかし、フォン・ブラウンを使わせてもらうにしても、向こうにもタイタンズの補修や生産があるだろうし、それに甘えているわけにもいかない。やはり我々独自の拠点は持ちたいところだ。やはり、グラナダは攻略せねばなるまい」
ワッケインの言葉に、ドズルはうなずくと、改めてグラナダの周辺図に目をうつした。そして、ジオン軍の配置図をしばらく見つめて、口を開いた。
「グラナダに行くには3つのルートがある。大きな渓谷地帯を抜けるルート。そして、その渓谷地帯の東西を抜ける脇道が2つだ。この戦力配置図を見るに、ジオンは渓谷地帯には堅固な防御拠点を築き、西側のルートに防衛隊の半分を置いているようだな」
ドズルの分析にワッケインが疑問を呈する。
「どうしてジオンはもう片方、東側のルートには軍を置いていないのでしょう?」
「そのルートは石柱やクレーターが多く、艦隊の移動には不向きなのだ。かと言って、飛び越えようとすればグラナダのレーダーに捕捉されてしまう。だからここから侵入することはないと踏んでいるのだろう。だが、そこにこそ付け入る隙があるかもしれん」
そして少しの間の沈黙。そして。
「ブライト艦長、貴官たち不正規隊にはかなり無理をさせることになるが、貴官たちの実力を見込んでやってもらいたいことがある。よろしいか?」
ドズルに問われたブライトの返事は決まっていた。彼はためらうことなくうなずいた。
* * * * *
そして俺たちペガサスJr.の
ただ、ここにペガサスJr.をはじめとした艦隊はいない。艦隊はもう一つのルートの始点に展開している。
さて、ハヤトのEWACジムに同乗しているブライトさんが、俺たちに作戦を説明する。(ペガサスJr.の指揮はミライさんに委託しているそうだ)
「いいか、MS部隊はこのルートをMSで強行突破し、そして迅速に防衛拠点の後ろを抜けて、もう一方のルートの終点に向かう。そして、艦隊と、そのルートの敵を挟撃して殲滅する」
「了解、任されて!!」
「ただ、ジオンがこのルートを完全に放置するとは思えん。最低限の警戒設備を配置している可能性はある。くれぐれも気をつけて進め。前進!!」
「了解、行きます!!」
「行きます!!」
かくして、アムロのガンダムとソフィーのジム・フリーダムを先頭に、MS隊は密集した巨大な石柱やクレーターの隙間で構成されたそのルートに突入していった。
* * * * *
一方、グラナダ市内の収容所。その二人用の収容房に囚われていた兵士の一人が、外に立っている見張りに質問する。
「なぁ、なんか外が騒がしいがどうしたんだ? これじゃお気に入りのロックが聞こえやしない」
「あぁ。新連邦軍の艦隊が、グラナダ正面の防衛拠点に攻めてきたんだとさ。まぁ、あそこは堅固だからな。すぐ追い払えるだろうさ」
「へぇ……」
そこで、その囚人の口元が緩む。それから少しあと。
牢屋で喧嘩の殴り合いの音が聞こえてきた。
「おい、何やってる!!」
勢い良く収容房の扉を開ける見張り。彼の目に映ったのは、自分に迫ってくる椅子だった。
見張りはその直撃を受けてのけぞる。そこに、囚人の一人が飛びかかった。
「あんたに恨みはないし恩ばかりだが、すまんな!!」
そして殴り飛ばして気絶させる。
「まだ俺好みのビートは途切れていないようだな。仲間を救出してから行くとしようぜ。MSデッキへ。万雷の拍手が俺たちを待ってるぜ」
「了解だ、イオ」
そして二人は看守から鍵を奪うと、同じく囚われてる仲間たちを救出していくのだった。
* * * * *
「くそ、クレーターの岸壁や岩塊に反響して、レーダーが役に立たない!」
ハヤトの愚痴が通信機から聞こえてくる。
このルートに突入してすぐ、俺たちは、ジオンがなぜこのルートから敵が侵入してくることがないと読んでいるか、その理由を身をもって理解することになった。
このルートには石柱がたくさん乱立していて、まるで石柱の密林というべきありさまで、道に迷わないほうがおかしいほどだったのだ。
さらに、この石柱やクレーターの岸壁がレーダー波を反響していて、レーダーは役にたたない。そして、ソフィーの例の能力も、この迷路を抜けるのには無力である。
―――……。
―――いや、お前が約立たずと言っているんじゃないから……。
そして月にはGPSなんてものはない。自分たちの目とカンで進むしかないのだ。
さらに言うと、それに時間をかけているわけにもいかない。防衛拠点のある渓谷地帯には、俺たちからジオンの目をそらすため、タイタンズの部隊が陽動攻撃を仕掛けているのだ。彼らにあまり負担をかけないようにするためにも、こちらの動きをさとられないためにも、隠密に、そして迅速に、このルートを突破しなければいけない。
「しかし、本当に迷いますね……。アムロさん、ニュータイプのカンでどうにかなりませんか?」
「申し訳ありませんが無理ですね……。というか、千里眼持っているんじゃないんですから……」
そんな会話をかわしながらおそるおそる進んでいく。しかしそこで思わぬところから救いが!!
「えーと、あっちの方向みたいだな」
それはカイからだった!
「カイさん、道わかるんですか!?」
驚いた声をあげるアムロに、カイが得意そうな口調で返す。
「あぁ。ホワイトベースに乗る前、野外活動の訓練受けてたことがあってな。地図書いたり、方角調べたり、こんな密林進むのはなれてるぜ」
なんてこった。カイにそんな特技があったとは。軟弱者なだけじゃなかったんだな。
「これでなんとかなりそうだな。よしみんな、カイの道案内に従って、迅速にこのルートを突破するぞ!!」
「了解!!」
そして俺たちは、ブライトさんの号令に応え、カイを先頭にして今まで以上にスピードをあげ、ルートを突き進むのだった。
* * * * *
そして俺たちはついに、ルートを突破した!! 開けた先にグラナダが見える。今の所、出撃する気配はなさそうだ。このまま、ジオンに気づかれる前に、もう一つのルートに突っ込めればいいのだが……。
しかし、そうそううまくはいかないらしい。俺たちが進んでいたルートから出ようとしたところで、カイが声をあげた。
「しまった! パッシブソナーに反応! 敵のレーダーにひっかかった!!」
「なんだと!?」
パッシブソナーというのは、相手のレーダー波を受信して敵の位置を探るソナーのことだ。つまり、敵の設置した小型レーダーか何かにこちらが捕捉された、ということ。
「いかん。グラナダから敵が出てくるかもしれんぞ。全機、急いで西側ルートに向かうんだ!!」
「了解!!」
移動速度を上げて、グラナダの前を横切る。汗を額が伝う。
―――居候さん! 汗が伝うのは、私の額です!
―――わ、わかってるよ……。
だから、人の地の文にツッコミを入れるなよ……。
しかし、果たして敵が出てくる前に抜けることができるか……? 戦慄と緊張が俺たちを包み込んだ。
※感想、募集中! あと、『テテテUC』を書いてくださる方も募集中です!
* 次回予告 *
ジオンのレーダーに捕捉されたペガサスJr.隊。
だがそこに、思わぬ救いがあった。それはロックの音楽とともに、彼らの前に現れた。
次回、『グラナダ奪回作戦(後)』
君は生き延びることができるか?
※次の更新は、10/19 13:00の予定です。お楽しみに!!
テテテUCのフロンタル、原作UCフロンタルの記憶を受け継いでてほしいですか?
-
受け継いでてほしい
-
受け継いでてほしくない