宇宙世紀に転生憑依したのですが、失敗したうえにとんでもないことになってます~超?・機動戦士ガンダム   作:ひいちゃ

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宇宙世紀0079、サイド3はジオン公国を名乗り、地球連邦政府に宣戦布告した。
その戦いで、全人類の半数が犠牲となり、人々は己の行いに恐怖した……。

* * * * *

敵の秘密兵器に対しての対策への協力を要請されたペガサスJrは東南アジアへ向かい、そこで友軍部隊を救出した。
だがそこで彼らが知ったのは、またもこの世界に存在するはずがない技術が新兵器に使われているという事実であった。


Re:Act.06『救出への制限時間』

 相棒であるソフィーの眼を通して、俺が見たもの……それは、敵のMAの背後に取り付けられた、X字の金属板だった。

 

 それを見て、俺は見覚えがあるものだということに気づき、衝撃を受けた。

 これは……機動新世紀ガンダムXの舞台、アフターウォーに登場する技術、サテライト・システムだ……!

 

 太陽光発電で得たエネルギーを月面からスーパー・マイクロウェーブにして発射し、機体側でそれを受け取って、とんでもない威力のビームを撃つシステム……!

 確か劇中では、コロニー一つを楽々破壊できるほどの威力があったはず……。

 

 なんでそんなものが……。ましてやジオン軍に……。

 

――居候さん? どうしたんですか?

――い、いや、なんでもない……。そうだ、ソフィー。レオンさんあたりに、「これはどこかから発射されたエネルギーを受信するシステムなのでは?」と話を振ってみてくれないか?

――??? はい、わかりました。

 

 だがその必要はなかった。写真を見て、レオンさんがこのことに気が付いたからだ。

 

「もしかしてこの背部のプレート……これはもしや、宇宙から送信されたエネルギーを受信するためのものでは?」

 

 それを聞き、ブライトさんとコジマ大隊長が目をむいて、写真に見入る。その通りだとすれば、これは想定より深刻な脅威になりえるからだ。

 

「そう言われてみれば、確かにそのためのものに見えるな……」

「だとすれば、とんでもないものになる……。どれほどのエネルギーが送られてくるかわからないが……最悪の場合、基地が吹き飛ばされただけじゃすまない被害になる可能性もある。アマダ少尉の保護はもちろんだが、一刻も早く、その新兵器を破壊しなければ……」

 

 どうやら、俺たちが入り込める雰囲気ではなくなったようだ。カレンさんに肩を叩かれたことをきっかけに、ソフィーはブリッジを出て行ったのだった。

 

* * * * *

 

「わーい、カレンお姉ちゃん、これやってー」

「はいはい。任せなっと」

「ソフィーお姉ちゃん、これであそぽー」

「うん、いいよ。それー」

「レツ、キッカ、あまり二人に迷惑かけちゃダメだぞー」

 

 そして、子供たちの部屋で、ソフィーとカレンさん、そしてミハルは、カツ、レツ、キッカの三人と戯れていた。そう、子供たちの面倒を見るのも、ソフィー(とフラゥ)の重要な役割なのだ。

 

「ミハルさん、子供たちの世話、手伝わせてごめんなさい」

「ううん、いいよ。私、弟たちの世話で手慣れてるから。ソフィーもフラゥさんと一緒とはいえ、大変だね」

「えぇ。でも、私も子供好きですから」

 

 そう、バレた一件があってから、ソフィーとミハルはさらに仲良くなった。ソフィーこそ敬語が抜けてない(これが彼女の素だそうだから仕方ないが)ものの、ミハルは崩した口調でソフィーに接するようになったのだ。もう親友と言っていいんじゃないかな。本当にほほえましい。

 

 と、そこで、ソフィーが、彼女と同じくキッカの相手をしているカレンさんに目を向けた。

 

「ん、なんだい?」

「カレンさんも、子供の相手うまいなぁって」

「そうかい? 私は、子供たちに一時的にせよ戦争のことを忘れさせたい、と思ってるだけだよ。こんなご時世だからこそね」

「……そうですね」

 

 そこで、ふとソフィーが。

 

「そういえば、シロー・アマダ隊長ってどんな人なんですか?」

「どんな人って、普通の兄ちゃんって感じの奴だよ。理想主義的で甘ちゃんなのが玉に瑕だけどね」

「甘ちゃん?」

「あぁ。あいつが赴任して最初の一言はいまだに覚えてるよ。『絶対に死ぬな』ってね。あの時は、とんだ甘ちゃんが来たものだ、と思ったね」

 

 そう言って、カレンさんは苦笑いを浮かべる。確かに誰かが死ぬ戦争で、『絶対に死ぬな。自分も死なせないよう努力する』なんて言ったら、確かに甘い感じがするよな。でも、この隊長は……。

 

「でも、本当に、私たちを死なせないように全力を尽くしてね。それで私たちも評価を変えたのさ。サンダースの『俺は死神』病を治したのも、隊長のおかげだしね」

「へぇ……。それはぜひ会ってみたいですね」

 

 と、そこで警報ベルが鳴った。どうやら、そのアマダ隊長を発見したらしい。

 

* * * * *

 

 一方そのころ、とある雪山に二人の男女の姿があった。

 

 ホワイトベース隊、ジオン軍の双方が追っている連邦軍少尉シロー・アマダと、ジオンのアイナ・サハリンの二人である。

 即席で作ったかまくらの中で難を逃れた二人は、身を寄せ合いながら、それぞれの機体に備え付けられていた保存食を食べていた。

 

 その中、シローがアイナに保存食を手渡す。

 

「ありがとうございます、シロー。でもいいのですか? あなたはそれほど食べていないのでは?」

「ははは、それが出撃前にカレーを食べすぎてさ。これでおなか一杯なんだ。いいから食べなよ」

 

 シローがふざけたようにそう言うと、アイナはいろいろな感情がミックスさせた表情を浮かべながら、それを受け取った。

 その感情は嬉しさと戸惑いと……自嘲と罪悪感。

 

「ありがとうございます。でも私は……」

「アイナ?」

「私は、そこまでしてもらえる女性じゃないのに……」

 

 アイナの眼から一筋の涙が零れ落ちる。

 

「シロー、あなたも知っているでしょう? 私はあのアプサラスで、基地の人々を殺しつくしました。それも通常の戦いでではなく、ただ一方的な虐殺で……」

「アイナ……」

「私はお兄様のためとはいえ、この手でたくさんの人の命を奪いました。そんな罪にまみれた私に、そんな厚意をいただく資格は……」

 

 そこで少しの沈黙。それが、アイナが背負う罪の重さを物語っているかのようであった。

 

 そして、その罪を数えるかのように、少しの沈黙が流れた後、シローが口を開いた。

 

「アイナ、それは違う」

「え?」

「資格がどうとかじゃない。俺は、アイナだから助けたいと思ったんだ」

「シロー……」

 

 そこで、シローは自分の手を見ながら続けた。

 

「それにたくさん殺したか少なかったとかじゃない。俺たち軍人は、必ず誰かを殺してる。アイナが罪を背負っているなら、軍人はみんな罪を背負ってるんだ」

「……」

「でも、俺はそれでも戦い続ける。いつか、殺してきた命に見合うだけの平和で幸せな時が訪れるように。そのことを信じて。罪の償いは死を選ぶことや、罪に押しつぶされることでは償えない。奪った命と同じだけ、いやそれ以上の幸せな未来をもたらすことだけなんだ。俺はそう思う」

 

 そこで少しの沈黙。そして、アイナが迷いと決意をミックスさせた表情でシローのほうを向いた。

 

「私にもできるでしょうか? 戦い続けて、幸せな未来をもたらして罪を償うことが……」

「それは何とも言えないな。俺はアイナじゃないんだから」

「……」

「でも、その覚悟があれば、きっといつか幸せな未来を築き上げ、罪を償うことができると思う。一人じゃ不安なら、俺も一緒に償う。二人で罪を分け合い、償っていこう」

「シロー……」

 

 話が終わるころには、吹雪は晴れ、鮮やかな青空が顔を見せていた。それと同時に、半壊した彼の陸戦型ガンダムから通信機のコール音が聞こえてくる。

 

「助けだ、友軍が助けに来てくれた! 助かるぞ、俺たち!」

「よかった……」

 

 二人が見上げる向こうには、ホワイトベースの姿が近づいてくるのが見えた。だが!

 

* * * * *

 

「二人の人影を発見! 近くに半壊した友軍機も確認しました。どうやら、捜索対象のシロー・アマダ少尉のようです」

 

 ホワイトベースのオペレーター、マーカー・クランがそう報告する。その報告を聞き、ブリッジ内がにぎわった。

 

「無事だったか、よかった……」

 

 コジマ大隊長が、目尻に浮かんだうれし涙をぬぐいながら、冷静さを装いながら言う。

 

「もう一人は女性に見えるな。あれが新兵器のパイロットか?」

「敵の女性パイロットと恋仲になるなんて、本当に甘ちゃんだよ、まったく」

 

 カレンさんとサンダース軍曹もそう嬉しそうに言葉を交わす。でも、いきなり恋仲になったと決めつけるのは早いのではなかろうか、と思う俺であった。

 それに、こんな冬山でイヤンをしたら、身体に悪いと何かの本にあったしな。

 

 しかし、そんな喜ばしい雰囲気もつかの間。

 

「大変です! 本艦とは反対側の方向からジオン軍らしき部隊が接近!」

「なんだと!? もしや、あの女性兵士と新兵器を回収しに来たのか! ただちに出撃! 二人の身柄をジオンから守り切るんだ!」

「了解!」

 

 ブライトさんの指令を受け、ソフィー、ミハル、アムロ、カイ、ハヤト、セイラさん、スレッガーさん(ベルファストから加入してきたのだ)、カレンさん、サンダース軍曹がブリッジを出てMS格納庫へと走っていった。

 

* * * * *

 

 降下した俺たちは、接近するジオン軍に接近し、戦闘を開始した。

 

――戦ってるのは私ですよ、居候さん!

――わ、わかってるよ。ほら、あのザクがこちらに銃口を向けてるぞ!

――はい!

 

 降下中のソフィーのリフター装備GMが、そのザクのザクマシンガンを盾で防ぎながらビーム・スプレーガンを撃つ! その一射は、ザクの頭部を撃ちぬき態勢を崩し、次の一射で胴体を撃ちぬいて爆散させた!

 

 アムロのガンダムは、接近してきたグフのフィンガーバルカンを、ジャンプしてかわし、ビームサーベルでそのグフを真っ二つにした。カイとハヤトのガンキャノンも、ホワイトベースのカタパルトの上から支援砲撃を行っている。

 そして、カレンさんとサンダース軍曹の陸戦ガンダムも負けてはいない。パラシュート降下して着陸すると、見事なコンビネーションで、敵のグフやドムと渡り合う。

 カレンさんがキャノン砲で支援砲撃を行い、サンダース軍曹の機体がビームサーベルやマシンガンで近接戦闘を挑んでいる。それはもう、見事な戦い方だ。さすが歴戦なだけはあるな。

 

 っと。

 

――ソフィー、また来てるぞ!

――了解です!

 

 右から接近してきたザクのバズーカを、ジャンプしてかわし、空中からビーム・スプレーガンを連射して仕留める。だが! そうしてザクを倒したソフィーの視界に、見逃せない奴がいるのに俺は気づいた!

 

 あれは……グフ・カスタム!? ノリスさんか!? しかもかの機体は、シローとアイナの二人のほうに向かっている!

 

――いけない、ソフィー! あのグフを逃がすな!

――え、あ、はい!

 

 そしてソフィーは着地してすぐに後を追おうとするも、そこで別のグフの攻撃を受けて足止めを強いられた!

 

* * * * *

 

「グフ……!」

「ノリス……!」

 

 シローとアイナの前までやってきたグフ・カスタムは膝をつき、その手を差し伸べた。

 

「アイナ様、お迎えに参りました。さぁ、ギニアス様のもとに帰りましょう」

「……」

「アイナ……」

 

 うつむき、沈黙しているアイナ。そのアイナをシローはただ見つめているのみだ。

 そして。

 

「アイナ様?」

「……ごめんなさい、ノリス。それはできません」

 

 そしてアイナは銃を抜き放ち、グフ・カスタムのモノアイを狙い撃った!

 

「あ、アイナ様、何を!?」

「私は多くの兵士たちを虐殺し、このアプサラスの開発に協力した罪、それに向き合い、ここにいるシローと償う覚悟を決めました。やはり、アプサラスのような大量破壊兵器は開発するべきではないのです。私は、そのアプサラスの開発を阻止することを、罪を償う第一歩にしたい」

「アイナ……」

 

 毅然と言い放つアイナの銃口は揺るぎもなく、グフのモノアイに狙いを定め続けている。

 それからアイナの覚悟を感じ取ったのだろう。ノリスは沈痛な表情で口を開いた。

 

「ということは、お兄様に……ギニアス様と袂を分かつことも覚悟のうえですな?」

「はい。お兄様は道を誤り、罪を犯し続けています。私は唯一の肉親として、彼を止めなければならない。そう思っています」

「わかりました。そこまで言うなら、もう何も言いますまい。次に出会った時は、お互いに敵同士。情をはさまずに立ち向かってこられるがよろしい。こちらも手加減はいたしません」

「……望むところです」

 

 そしてグフ・カスタムが立ち上がった。そして、機体から撤退の信号を打ち上げる。

 それを受けて、友軍のザクやグフが引き上げる中、ノリスのグフ・カスタムも二人に対して踵を返す。そして。

 

「そこの連邦軍兵士! 敵である私が言うのもなんだが、アイナ様を頼む。その命が無駄に失われることのなきよう」

「あ、あぁ」

 

 そして、ノリスのグフ・カスタムもその場から離脱していった。そして、帰還の途中、ノリスは寂し気な、でもどこか子の巣立ちを見届けた親のような微笑みを浮かべてつぶやいた。

 

「アイナ様は自らの道を見つけられたか。袂をわかってしまったが、悪い気はしないな」

 

* * * * *

 

「シロー・アマダ少尉で間違いないな?」

「はい。救出、感謝いたします」

 

 ブライトさんの言葉に、彼の前の青年、シロー・アマダ少尉はそう答えて、深々と一礼した。

 うん。本当にその姿や振る舞いから、人の好い熱血兄ちゃんというのがよくわかるな。カレンさんの説明にまさにぴったりという感じだった。

 

「君の処遇についてだが、極東方面軍司令部が壊滅したことで、臨時措置で、コジマ大隊長を指揮官とした独立部隊として、私の艦に出向という扱いになった。よろしいか?」

「はい」

「うむ。そして……」

 

 そこでブライトさんは、シローの傍らの女性に目を向けた。

 

「君が、あの新型兵器の?」

「はい、テストパイロットをしていました、アイナ・サハリンと言います。新型兵器……アプサラスの開発をしていた兄、ギニアスに協力していました」

「ふむ……」

 

 その新型兵器で基地を吹き飛ばしただけあり、サンダース軍曹とカレンさんは敵意に満ちた目でアイナをにらんでいた。コジマ大隊長でさえ、厳しく鋭い視線を送っている。

 その視線を受け止めつつ、アイナはかすかに震えた声で口を開いた。

 

「私はアプサラスで虐殺を行いました。その罪から免れようとは思いません。ですが、私自身の罪を償うため、そして兄を過ちを正すため、アプサラス阻止に協力させてください。せめて、アプサラスを破壊するまでは。虫がいい願いでしょうが、お願いします」

「ふむ……」

 

 少し考え込むブライトさん。そして彼は、傍らのレオンさんに視線を送った。

 

「いかがでしょうか、レオンさん?」

「私に与えられた任務は、そのアプサラスについての調査と、その破壊です。彼女の処遇については何の権限もありません。艦長の思う通りにしていいと思います」

「……わかりました」

 

 そして、再びアイナに向き直る。

 

「了解した。君の協力を受け入れよう。アプサラスの破壊、あるいは完成阻止まで、君の身柄は第08MS小隊の協力者として、彼らに預けることにする。その後については、それからのことだ」

「ありがとうございます……」

「感謝されることではない。我が艦にもすでに、そんな立場の者がいるしな。だが、さすがにその立場ゆえ自由に行動させるわけにはいかん。シロー、君がアイナの監視を担当してくれ」

「了解しました。でも、いいのですか?」

 

 シローがそういうと、ブライトさんは苦笑した。

 

「正直言うと甘いと感じなくはないが、他の小隊の面々では、彼女憎しが強すぎて、扱い方が悪いものになる懸念があるからな。だが言っておくが、彼女の立場は極めて厳しいものだ。彼女が本艦に害を為した場合、君にもそれ相応の責任をとってもらう。心しておくように」

「わかりました。ですが俺は、彼女はそんなことはしないと信じています」

「うむ、それでいい」

 

 その会話を聞き、カレンさんは肩をすくめる。もうこういうのには慣れているみたいだ。

 

「本当、相変わらず甘ちゃんだね」

「そうだな。だが、それでこそ俺たちの隊長だろう」

「まぁ、そうだけどね」

 

 真面目にそう言ってくるサンダース軍曹に、そう苦笑を返すと、カレンさんはかすかに微笑みを浮かべたまま、アイナに歩み寄った。

 

「あんたのその覚悟、受け取ったよ。あんたのしでかしたことがしでかしたことゆえ握手はできないが、よろしく頼む」

「はい、ありがとうございます。こちらこそ……」

 

 そして新たな仲間を得たホワイトベースを、夕日が夕焼けの色に染めていたのだった……。

 

 




狂った兄、届かぬ忠言。
届かぬ忠言は、心のありようを捻じ曲げられ、ペガサスへの牙となる。
そして悪魔の咆哮が、ソフィーたちを襲った。

Re:Act.07『狂気の咆哮』

君たちは生き残ることができるか?

※次の更新は、12/9 13:00の予定です。お楽しみに!!

テテテUCのフロンタル、原作UCフロンタルの記憶を受け継いでてほしいですか?

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