宇宙世紀に転生憑依したのですが、失敗したうえにとんでもないことになってます~超?・機動戦士ガンダム 作:ひいちゃ
その戦いで、全人類の半数が犠牲となり、人々は己の行いに恐怖した……。
* * * * *
ホワイトベースはシロー・アマダとアイナ・サハリンの二人を救出することができた。
兄との対決と、アプサラス開発阻止を決意したアイナを加え、ホワイトベースは先へと進む。
「アプサラス?」
かつてルウムと呼ばれた宙域。そこのデブリに隠れているエターナルのブリッジ内で、ホログラムのティエリアがそうラクスに問いかけた。
「はい。よくわかりませんが、拠点攻撃用の機動兵器のようですわ」
ラクスに続けて、バルトフェルドが口を開いた。
「連邦軍のネットワークをハッキングして情報収集したところ、そのアプサラスからのビーム攻撃で、連邦軍の基地が跡形もなく消滅したそうだ。いやはや、とんでもないもんだ」
それを聞き、刹那が苦渋に満ちた表情を浮かべて呻く。
「俺たちの世界のメメント・モリのようなものか……」
ティエリアも顔をしかめる。今、二人の脳裏には、メメント・モリで焼き尽くされる中東の国々や、それによって虐殺される人々の姿が浮かんでいた。
「そんな兵器が作られ、使われるのを看過するわけにはいかない。さっそく武力介入したいのだが、かまわないか?」
刹那がそう言うと、ラクスとバルトフェルドの二人はともにうなずいてくれた。
「えぇ。私たちも、そんな大量破壊兵器を許すわけにはいきませんから」
「実際僕たちの世界は、そのせいで絶滅の危機にまで行ったからな。よろしく頼むよ」
「了解した」
そしてエターナルから、一機のMSが人知れず発進し、地球へと向かっていった。それに気づいたものは、関係者以外、だれもいなかった。
* * * * *
「ノリス! お前が出撃をしていながら、アイナを連れ戻すことができなかったとはどういうことだ!!」
アジアの某山脈にある、ジオン軍の秘密基地。そこでは、アプサラスの開発責任者であるギニアス・サハリンが、ノリスを叱責していた。
ノリスはただ、頭を下げて叱責を受けている。
「申し訳ありません、ギニアス様。アイナ様の意思が非常に硬かったので……」
「それでも連れ戻すのが、お前の役目であろうが! おのれ……」
そう吐き捨てるギニアスの眼と声には、どこか狂気を帯びているように感じられた。アプサラスを完成させてサハリン家再興を果たさなければならないという妄執と、アイナが自らの手から離れたというその事実が、彼を正気の座から追いやろうとしているかのようであった。
それを感じ取ったノリスがあえて言う。
「ギニアス様、お言葉ではございますが、これ以上、アプサラス開発に固執するのはいかがなものかと愚行いたします」
「何ぃ?」
「アプサラスはただの戦略兵器を越え、虐殺のための道具となりつつあります。そのようなものを完成させ、家を再興させても、サハリン家の始祖はお喜びにはなりますまい。アイナ様も、そのような虐殺兵器の開発を続けること、そして、それに協力していることに心をお痛めになられておりました。再興のためには、他にも手段が……」
「ほう……? そしてお前もアイナと同じく、アプサラスの開発に心を痛めているのか? 私に逆らうのか?」
「それが必要とあれば……。誤りを正すのが忠臣の役目ゆえ」
ただ、そのノリスの言葉も、ギニアスには聞こえていないようだ。彼が銃を抜こうとポケットに手を入れるよりも早く、黒ずくめの男たちがノリスたちを拘束し、ギニアスは、狂気をはらんだ瞳のままで言う。
「お前まで私のもとを離れるとはな。残念だが、お前をこれ以上私の忠臣とするわけにはいかん。ならば、その身体を、私のサハリン家再興のための道具として使わせてもらうのみだ」
「ぎ、ギニアス様……!」
ノリスは二人の軍人を振りほどこうとするが果たせなかった。ノリスは歴戦の軍人というだけあって、腕力も相当なものがあったはずだが、兵士たちはまるで人ならざるもののような頑強さを持っていたのである。
「連れていけ。例のシステムの実験台、そして部品とするのだ」
「……了解」
「ぎ、ギニアス様! 正気を取り戻してくだされ!! ギニアス様!!」
その叫びもむなしく、ノリスは、二人の軍人に拘束されたまま、闇の中へとひきずられていった。
その様子を見ながら、ギニアスは妄執に彩られた声で言う。
「正気なら、とうに捨てているさ。サハリン家再興のための悲願を抱いた時から、な」
* * * * *
ホワイトベースの格納庫にて。
「すごい改造されちゃってるなぁ……」
シロー隊長が、修復、改装されている自分の陸戦型ガンダムを見ながら感嘆したように言う。
そう、彼のガンダムは、原作でのEz-8を通り越して魔改造されているように見えたのだ。
サンダース軍曹も、感嘆したような、あきれたような表情で言う。
「確かに隊長のガンダム、原型と同じところが、少しもないように見えますな」
「これを担当したのは、アストナージとかっていう20前の整備士らしいけどね。本当にすごい腕を持っているよ、これは」
カレンがそう言ったところに、そのアストナージさんがやってきた。
「そう言っていただき、恐悦至極。メカニック冥利に尽きるってもんだね」
「あぁ、ありがとう。それで、どのように改装したか聞いてもいいかい?」
シロー隊長がそういうと、アストナージさんはすぐにうなずいた。
うわ、その瞳がダイヤみたいに輝いて見えるぞ。
「おう。とりあえず、損傷した部品は艦内の予備パーツや、予備パーツがない部分は、済まないがGMのパーツで補っておいたよ。でも、GMのパーツについては、色々工夫してガンダムのパーツに近い性能を出せるようにしておいたから、操作感はあまり変わらないはずだ。それに、関節部には、試験段階のマグネットコーティングを施しておいたしな」
――マグネット・コーティング!?
――知っているんですか、居候さん?
――あ、あぁ。わかりやすくいえば、磁気素材を塗布して磁力で関節の負担をやわらげ、機体の追従度を上げる技術だ……、って何かの本で読んだことがある。
――なるほどー……。
そして、アストナージさんの説明も、だいたいそんな感じだった。だが。
「しかし、あくまで試験段階だからな。どこまで追従できるかは何とも言えん。一応、テスト運転をしたほうがいいと思うが……」
「あぁ、時間があればな。時間がなければ仕方ない。戦闘中にテスト運転としゃれこむことにするさ。後、何やらごてごてとついているようにみえるが?」
確かに、シロー隊長の陸戦用ガンダムには、あたかもフルアーマーのように追加装甲らしきものや、追加武装らしきものがたくさん取り付けられている。
「あぁ。とんでもないデカブツと戦うみたいだからな。艦内の資材や予備兵装を使って、増加装甲や、外付け式のキャノン砲やミサイルランチャーをこしらえたんだ。さすがに増加装甲を装備した状態では機動力は落ちるが、外付けの兵装も含めて、必要な時にはパージできるから問題ないと思うぜ。そうそう、ちゃんと複座にもしておいたからな」
「いたれりつくれりだな。本当にありがとう」
「あの……私たちの機体にはないんですか?」
ソフィーがそう言うと、アストナージさんは肩をすくめ、申し訳なさそうな様子で答えてくれた。
「すまない。シローのガンダムの強化にパーツを使いすぎて、そちらに使える分がなくなっちゃったんだ。まぁ、ガンダムやガンキャノンはあれだけで十分強いから問題ないだろ」
そういうが……。
「あの……私の機体は、普通のGMなんですけど……」
「そうだったな。でも、ないものは仕方ない。技術と努力と根性でどうにかしてくれ」
そこで、敵発見のアラートが鳴り響いた。
* * * * *
そして、敵発見を受けて、ソフィー(と俺)たちは、ホワイトベースから発進していった。
なお、シロー隊長の陸戦ガンダム(アストナージさん命名、
さて、月夜の中、着地したソフィーたちは、さっそくジオンのMS隊と激戦を開始する。今回はどうやら本隊が出てきたらしく、かなり熾烈な戦いが繰り広げられている。
「そこっ!」
アムロのガンダムがビームライフルで、ザクを撃ちぬく!
「うわっと!!」
「カイさん、うかつだぞ!」
敵の攻撃を食らって態勢を崩したカイのガンキャノンを、GファイターをSEZ-8にとられて降下できなかったハヤトのガンキャノンが、上空のホワイトベースから援護する!
「ソフィー、右からも来てる!」
「はい、ミハルさん!」
――前のザクが突っ込んできたぞ、気をつけろ!
――は、はい!
もちろん、ソフィーとミハル、そして俺が乗るGMも、三人で力を合わせながら敵のMSと戦っていく。俺とミハルの警告を受けて、右から撃ってきたザクのマシンガンをシールドで防ぎ、すぐにビームスプレーガンで撃ちぬく! それと同時に、ジャンプして、前方から来たザクをかわし、バルカンで牽制、さらに着地と同時にビームサーベルで切り払う!
そして、シロー隊長も負けてはいない!
「火力には火力だああああ!!」
前方から押し寄せてくる敵MSたちに対し、シローがSEZ-8の両肩に装備されたミサイルランチャーをフルファイアして蹴散らしていく。数の差などものともしないほどの戦いぶりだ。しかし……。
――あの……シロー隊長、それ、中の人がやった別の役で言ったセリフ……しかも、その発言の後、仮死状態になってたし……。
――はい?
――い、いや、なんでもない……。
やべ、口に出てたか。
まぁ、なんやかやありながらも、敵を撃破していく俺たちだが、その俺たちの前に、一機のグフカスタムが立ちはだかった!
そのグフカスタムに対し、アムロがビームライフルを撃つが、グフカスタムは、鮮やかな動きでそれをかわし、腕からワイヤーカッターを放つ! アムロはそれをかわすが、頭部アンテナを少し破損させられてしまう。
「このぉ!!」
シロー隊長がSEZ-08の両腕に装備されたキャノン砲でグフカスタムに一斉砲撃をかけるが、なんとグフカスタムは、そのことごとくを鋭い動きでかわし、さらにかわし切れなかった一発をなんとヒートサーベルで一刀両断した! なんて奴だ……!
さらにガトリングを撃つ! SEZ-8の胸部の追加装甲はその一斉射だけでズタボロになり、装甲としての役目を果たせなくなった。すぐさまその増加装甲をパージする。
しかし、なんというすさまじい戦い方。まるで鬼神のごとくだ。鬼神? ま、まさか……!?
「アイナ、あのグフに乗ってるのはまさか……!」
「えぇ、おそらくノリス……。でも、ノリスの操縦でもあそこまでは……」
やはりそうか。だがアイナさんが持っている疑念の通り。あの動き、あの激しさや鋭さは、人が乗っているMSはありえないレベルだ。そう、乗っているのが強化人間でない限り、身体のほうがもたないはずの……。
そしてそこに。
「ふはははは!!」
高笑いとともに、巨大な影が俺たちの前に現れた!
* * * * *
俺たちの前に姿を現した巨大な影……! それはまさに、俺たち……いや、連邦軍が血眼にして追っている巨大MA、アプサラスだった!!
しかし、俺たちが目撃した残骸のものとは形が違う。横に長いフォルム。おそらくはあれの改良型……確か、原作ではアプサラスⅢと呼ばれていたか……だろうか。
そしてやはり、その背面には、X字上のプレートが輝いていた。
「ついに来たか、連邦軍の走狗ども、そして裏切者の妹よ! だが、完成したこの機体があれば、お前たちなど蟻にすぎん!」
「兄さん!」
そして、アプサラスはその細い固定アームを地面に突きさすと、メガ粒子砲の発射態勢に入った。それと同時に、闇夜に浮かぶ月から一条の光線が。あれは……まさか!?
――ソフィー、すぐにみんなに注意を促してくれ! 多分、どでかいのが来るぞ!
――え……あ、はい!
「皆さん、気を付けてください。メガ粒子砲が来ます!」
「なんだって!? 了解!」
「わかりました!」
言うやいなや、MS隊は散開した。
「背中のプレートを破壊すれば!」
アムロのガンダムがジャンプして、アプサラスに飛び掛かり、その背後のプレートを破壊しようとするも……。
「!!」
そのガンダムの前にノリスのグフカスタムが立ちはだかり、ヒートサーベルで切りかかった! そして押し返したところで、ガトリングを放つ! なんとかそれはシールドで防いだが、シールドは破壊されてしまった。
そうしている間に、アプサラスは狙いを……。
――いけない、あいつ、ホワイトベースを!
――え!?
* * * * *
敵MAが狙いをホワイトベースに定めたことは、艦のブライトたちにも見てとれた。
「いかん、緊急回避だ、ミライ! 全速回避、バーニアがいかれてもかまわん!!」
「はい!」
アプサラスの砲口の輝きがさらに強くなる。ブライトの額を汗が伝った。
「来るぞ、総員、衝撃に備えろ!!」
そしてアプサラスからビームが放たれた! ホワイトベースはなんとかその射線から逃れることはできたが、左舷エンジンをそのビームがかすめる。そのエネルギーでその装甲が溶けていき……。
ドグワアアアアア!!
ホワイトベースの左舷が激しい爆炎に包まれた!!
狂気の刃は、なおもホワイトベース隊を襲う。
その中、天より来る者により解き放たれた魂は、誤りを正す力となりえるのか?
Re:Act.08『散華』
君たちは生き残ることができるか?
※次の更新は、12/16 13:00の予定です。お楽しみに!!
テテテUCのフロンタル、原作UCフロンタルの記憶を受け継いでてほしいですか?
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受け継いでてほしい
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受け継いでてほしくない