宇宙世紀に転生憑依したのですが、失敗したうえにとんでもないことになってます~超?・機動戦士ガンダム   作:ひいちゃ

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宇宙世紀0079、サイド3はジオン公国を名乗り、地球連邦政府に宣戦布告した。
その戦いで、全人類の半数が犠牲となり、人々は己の行いに恐怖した……。

* * * * *

ノリスをはじめとするジオン部隊と戦闘に入ったホワイトベース隊。
その彼らの前に、ついにギニアスのアプサラスⅢが現れた!
その毒牙を受けたホワイトベースの運命は!?


Re:Act.08『散華』

 アプサラスから発射されたメガ粒子砲がホワイトベースに伸びていく!

 

 ホワイトベースはそれを必死に回避しようとするも、エンジン部をビームがかすめ……!

 

 ドグワアアアアアア!!

 

 爆炎を放ち、ホワイトベースの片側のエンジンが爆発した!!

 

* * * * *

 

 そのホワイトベース艦内。

 

「不時着するぞ、総員、衝撃に備えろ!!」

「は、はい!!」

 

 クルーたちが対衝撃姿勢をとる中、ホワイトベースは煙を吐きながら高度を急速に下げていき、そしてついにジャングルに不時着した!!

 激しい振動を衝撃がクルーたちを襲う……!

 

「きゃあ!!」

「あうっ……!」

「くっ……!」

 

 フラゥやミライが悲鳴をあげ、ブライトが悲鳴をかみしめる中、ホワイトベースは木々をなぎ倒しながらジャングルを滑っていき、そして止まった。

 

「くっ……全員、無事か?」

 

 ブライトの問いかけに、まずフラゥがこたえた。

 

「は、はい……なんとか大丈夫です……」

 

 続いて、ミライも。

 

「私も大丈夫です……。腕を少しけがしたくらいで……痛っ……」

 

 悲鳴をあげて右腕を抑えたミライに、ブライトが言う。かすかに心配を込めた声で。

 

「大丈夫そうには見えないな。もしかしたら骨を折ってしまったんじゃないのか? もうこの船は動かないんだ。医務室に行ってみてもらえ。フラゥ、ミライを医務室に連れて行ってやってくれ」

「了解」

 

 フラゥに付き添われてブリッジを退出していくミライを見送ると、ブライトは頭上のオペレーター二人にも大事はないか問いかけた。幸いなことに、二人ともけがはないようだった。

 

「よし、艦内の損害状況はどうだ?」

「エンジンが爆砕したのが幸いでしたね。他の部分への誘爆はなかったようです。左舷格納庫もビームで中破しましたが、人員がいなかったこともあり、被害者は出ていません」

「そうか……それはよかった。しかし、この艦はこれ以上は何もできん。あとはMS隊に任せるしかないか……」

 

 そしてブライトは、正面の窓、その先に視線を移した。

 

* * * * *

 

 ホワイトベースの撃墜、そして不時着に衝撃を受けたソフィー(と俺)たち。しかし、敵のほうは衝撃から立ち直る時間から与えてくれないかのようだ。

 アプサラスが各所から蒸気を噴出させるのと同時に、ノリスのグフカスタムと、他の護衛MS隊が襲い掛かってきたのだ!

 

――ソフィー、衝撃を受けてるところ済まないが、敵が来たぞ!

――え? あ、はい!

 

 そして再びMS戦が各所で展開された。アムロのガンダムがビームサーベルでザクを切り払い、シロー隊長のEz-8がビームライフルでドムを撃ち抜く。

 しかし、今度の敵はそれまでとは違った。ノリスのグフと同様に、人では耐えきれないほどの機動力でこちらをかく乱し、さらに人を超えるほどの連携で攻め立ててくるのだ。その攻撃で、こちらは振り回され、苦戦しまくっている。

 もしやこれは……!

 

 その俺の推測は当たっていたようだ。ザクやグフ、ドムたちが、ノリス機を司令塔とした見事なフォーメーション……いや、ノリス機に操られているような動きを見て、俺はそれを確信した。

 

――やはりそうか!

――居候さん?

――あいつらは、ノリス機に遠隔制御されているんだ!

――えぇ!?

 

 そう、おそらくあのザクやグフたちに組み込まれているのは、モビルドールシステム。機体を自律制御するものだ。一種のAIと言ってもいい。もちろんこれだけでは、あれだけの統率や連携はできない。そこで、あのノリスグフだ。

 あれにはおそらく、ゼロシステム(もしかしたらその簡易版……カトルのサンドロックに一時積まれていたもののようなもの……かもしれないが)が積まれている。高度な戦況分析を行い、的確な戦術を提示してくれるシステム。だがその一方で、乗り手を発狂させ、システムの木偶にしてしまう危険性を持ったシステム。

 

 そんな危険なシステムだが、戦況分析システムとしては極めて優れたものであることは変わりない。

 おそらくあのノリスのグフは、ちょうどゼクスやドロシーがやったように、ゼロシステムで分析・提示された動きを、各MSのモビルドールシステムに伝達して操っているんだろう。

 

 とはいえ、それがわかったところで……。

 

――ということは、あのグフを倒せば……!

――あぁ、倒せれば、な……。ぐっ!!

 

 不意打ちに放たれたバズーカを受けて、左腕を破壊されて吹き飛ばされるソフィーのGM。

 そう、わかったところでどうなるものでもないんだ。ノリスのグフを倒すまでが一苦労である。

 

 ノリスのグフも人を超えた動きで獅子奮迅の動きを見せるうえに、護衛のザクやグフ、ドムもノリスをカバーするかのように、見事な連携で妨害してきやがる。

 

「そこ……うわっ!!」

 

 アムロが、ノリス機の動きを読んでビームライフルを撃とうとするが、その隙をついて斬りかかってきたザクに、ヒートホークでビームライフルを切り落とされてしまう!

 

「うわぁ!」

「ハヤト! ちくしょうめ!」

 

 カイやハヤトのガンキャノンも、ノリスや取り巻きたちの連携の前に苦戦を強いられているようだ。

 まずい、このままではまたサテライトキャノンが……!

 

 って言ってるそばから!

 

――ソフィー、またあれがくるぞ!!

――は、はい!

 

* * * * *

 

 狂気に満ちた表情で、照準モニターを見つめるギニアス。そのモニターには、次々とホワイトベース隊のMSたちをロックオンしていくのが映し出されている。

 

「ふふふ……。妹をたぶらかした愚か者たちめ。このアプサラスは太いビームを撃つだけではないことを教えてやろう!!」

 

 チャージ完了を知らせるアラームが鳴る。それとほぼ同時にギニアスの指がトリガーを引く。それは狂気のなせる技なのか。

 

 そして、アプサラスから無数のビームが放たれた!!

 

* * * * *

 

 アプサラスから発射されたのは、無数の光条だった。って、拡散ビーム砲かよ! あんなのも撃てるのか!?

 

――なんとか根性入れて避けろ! あんなのくらったらただじゃすまねぇぞ!

――そんなこと言われても……きゃっ!!

 

 俺の警告もむなしく、俺のGMは両足を破壊されて擱座してしまった!

 

――居候さんのじゃなくて、私たちのGMです! 間違えないでください!

――わ、わかってるって……。

 

 というか、地の文に突っ込みを入れるなよ……。

 って、それどころじゃない。周囲を見ると、他の機体もビームを食らって擱座してしまっている。無事なのは、アムロのガンダムとシロー隊長のEz-8ぐらいだ。

 そのアムロのガンダムには、取り巻きのザクやグフが襲い掛かって、アムロはその相手で手一杯になってしまっている。

 

 そして、Ez-8には、とどめを刺そうというのか、ノリスのグフが襲い掛かった!

 

 その時、彼を制止しようというのか、Ez-8のコクピットから誰かが出てきた。あれは……アイナさん!?

 

* * * * *

 

「お願いです、ノリス。もうこんなことはやめてください!」

「アイナ、危険だ。やめるんだ!」

 

 少しでも正気に戻ったのか、グフの動きが止まった。

 

「私はあなたと戦うことにためらいはありません。でも、そんな、お兄様の操り人形になり果てたあなたと戦いたくはありません。正気に戻ってください!」

「……」

「それは本来のあなた、そしてあなたが望むあなたではないはずです。お願いです! 元のあなたを取り戻して!」

「ううぅ……がああああ!!」

 

 しかし、アイナの説得より、ゼロシステムの支配のほうが強かったのか、グフは再びヒートサーベルを振り上げ、振り下ろした!

 シローが機体を回避させたおかげで、コクピットをやられるのだけは避けられたが、それでも右腕を斬りおとされて仰向けに倒れこんでしまう!!

 

「きゃあ!」

「ぐうっ!!」

 

 シートのシローに倒れこむアイナ。そして、ノリスはとどめを刺そうと、ガトリングの砲口をコクピットに向けた。

 

 その時!!

 

* * * * *

 

 アイナさんの説得もむなしく、ノリスのグフはEz-8を攻撃し、擱座させてしまった!

 そして、今度こそとどめを刺そうと、ガトリングの砲口をEz-8に向けた! やばい!!

 

 なんとかしようにも、俺たちのGMは両足を破壊されて動けない。アムロのガンダムは、他の取り巻きの相手で精いっぱいだ。

 万事休す!!

 

 その時だ。

 

「……え?」

 

 突然、グフの右腕が切断され、地響きを立てて地に落ちたのだ。

 そして宙に浮かぶMSらしき機体。あれは……!

 

 美しい極彩色に彩られた機体。その背中の羽もあって、まるで天使のよう。

 

 あれは……間違いない。ガンダム00のラストに出てきたELSクアンタだ。なぜあの機体が……マイスターの刹那がこの世界にいるんだ!?

 

 そんな俺の困惑と疑問をよそに、ノリスはクアンタを標的に定め、襲い掛かっていった!

 だがクアンタは、その怒涛なような攻撃を鮮やかにかわしていき、逆に的確に攻撃を当てていく。

 

 攻撃を次々と受けて損傷していくノリスのグフ。しかし、ノリスはなおもゼロシステムに操られているのか、ガラクタ一歩手前の状態でありながらも、戦いをやめようとはしない。

 

 それを見てとったのか、クアンタは先手を取り、グフに突進していった!

 通信機からアイナさんの悲鳴が届く。

 

「やめてぇ!!」

 

 その悲鳴もむなしく、クアンタの剣の一閃が決まった! さらに蹴りを食らわせる。それでグフは吹き飛ばされ、地にたたきつけられ、ガラクタと化した。

 

「ひどい……そこまでする必要があったのですか!?」

「その通りだ! 相手にはもはや戦う力はなかったはずだ! なのに……」

 

 アイナさんとシロー隊長の非難を黙って受け入れるクアンタ。そして通信が返ってきた。

 

「憎むなら俺を憎んでくれていい……。だが、それよりも今は……」

 

 何かを押し殺すかのような刹那の声。そしてクアンタは目前のアプサラスへと向き直る。

 その様子が、彼自身の沈痛とした思いを体現するかのように。

 

 そう、かつて仲間のロックオンの大切な人を、彼を助けるためとはいえ、彼の代わりに討った時のような。

 

 それを知っている俺としては、それ以上は何も言えなかった。その時。

 

「い、いいのです、アイナ様……」

 

 ノリスの声。その声に狂気は感じられない。そしてそれとともに、大破というには生ぬるいほどのグフが立ち上がった。

 

* * * * *

 

「ノリス、元に戻ったのですか!?」

 

 アイナさんの言葉に、半壊というのも生ぬるいほどの状態のグフは、Ez-8のほうを振り向いた。

 なぜだろう、俺にはそのグフがうなずき、微笑んでいるように見えたのだ。

 

「はい。あのガンダムの攻撃で、システムが壊れてくれたようです。おかげで、呪縛から逃れることができました」

「よかった……」

 

 安堵の空気が広がる。その時!

 

「!!」

 

 また天空から一条の光がアプサラスに伸びていった。またサテライトキャノンが撃たれようとしている!!

 

「くそっ、今度あれを食らったら……!」

 

 シローが焦りにうめく。

 

「……」

 

 そこでノリスのグフが、まるで騎士のようにヒートサーベルを構えた。

 

「大丈夫です。私にお任せください。システムの呪縛から解き放たれたこの命、使いどころは間違えませぬ」

「ノリス?」

 

 そして、ノリスのグフはアプサラスに向き直った。そして、バーニアを全開にしてアプサラスへ向かっていく。

 

「……角なしのパイロット、お前とはもう一度、全力で誇りを賭けて戦いたかったぞ……!」

「ノリス!!」

 

 そして、アプサラスの背部のプレートが金色に輝く。その瞬間、ノリスのグフがアプサラスに体当たりした!!

 

* * * * *

 

 ノリスのグフは、全力をもってアプサラスを押し出そうとしていた。しかし。

 

「うぬ。これだけの出力を出しても押し出せぬのか、この化け物め……!」

 

 あれだけの巨体、そしてそれに見合った出力の前に、その動きは遅々として進まない。

 このままでは、チャージが完了し、サテライトキャノンが撃たれてしまう……!

 

 その時!

 

 ガスッガスッ!!

 ドゴオオォォォォ!!

 

 何が突き刺さる音と、炸裂音。見ると、アプサラスの態勢が崩れていた。

 

 背後を見ると、バズーカを構えたガンダムと、ソードビットを展開していたELSクアンタの姿が。彼らが、バズーカとソードビットで援護してくれたのだ。

 

「かたじけない……。ぬおおおおおおお!!」

 

 ノリスは一瞬にやりと笑うと、リミッターを解除し、バーニアの噴射を限界突破させた!!

 

「我が愛機よ。これが最後の舞台だ。私の期待を裏切ってくれるなよ!!」

 

 グフ・カスタムは主の意を受けたように、より力強くバーニアをふかし、アプサラスを押し出していく。

 機体の各所が小爆発しているのにもかかわらず、その姿はどこか力強かった。

 

「の、ノリス・パッカード……! 貴様ああぁぁぁぁ!!」

「ギニアス様、地獄へ参りましょう。不肖、このノリスもお供いたします……!」

 

 そしてその次の瞬間!!

 ついにアプサラスはその場から押し出され、目標を失ったスーパーマイクロウェーブがそこに着弾した!!

 

 アプサラスのジェネレータ出力と同等かそれ以上のパワーを持つスーパーマイクロウェーブは、着弾した周囲のものを焼き尽くしていく。それは、アプサラスやグフ・カスタムも例外ではない。

 

 スーパーマイクロウェーブの熱が、アプサラスの装甲を溶かしていく。そして、その熱で、プロペラントが誘爆して……。

 

「うおおおぉぉぉぉ!!」

「アイナ様……」

 

 二人の最期の言葉を飲み込み、アプサラスは大爆発を起こして果てたのだった……。

 

* * * * *

 

―――なんとかなりましたね……。

―――あぁ。だが……。

 

 なんとかアプサラスは倒れた。だが、それはノリスの壮絶な最期があったからこそ……。

 確かアイナさんは、彼をとても慕っていたはず。その彼女の心中はいかばかりであろうか……。

 

「アイナ……」

「いいのです、シロー……。ノリスは最期に呪縛から解き放たれ、自らの誇りと想いのままに散ることができました。それだけでも彼には悔いはなかったのではと思います……。それにいずれは……」

 

 そんなシロー隊長とアイナさんの会話が通信機から聞こえてくる。そして、彼女が最後にこぼした言葉。その意味を俺は察し、黙ってしまう。

 なぜなら、彼女はがそのあとにつづけようとした言葉は……。

 

 この時、既にあのELSクァンタが立ち去っていたことに気づいた者は誰もいなかった。

 

 




戦いは終わった。だが、二人にはその戦いのツケが待っている。
ホワイトベース隊は、それを待っている二人に何を思うのか?

Re:Act.09『太平洋、地に染めて(前編)』

君たちは生き残ることができるか?

※次の更新は、12/23 13:00の予定です。お楽しみに!!

テテテUCのフロンタル、原作UCフロンタルの記憶を受け継いでてほしいですか?

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