「潜水艦たちの用意は?」
「できているのです!」
「空母は!」
「OKなのです!」
「よっしゃ!作戦開始!」
数日前の深海棲艦からのメッセ-ジ・・・核攻撃を行える能力を有するというものだ。
今、俺たちはその阻止に向かっている。
~数時間前~
「作戦内容を説明する。今回の相手はみんなからすれば未知の相手だ」
薄暗いブリ-フィングル-ム。
あの忌々しい核ミサイル基地を攻撃する作戦を開始しようとしていた。
「今回の目標、それはミッドウェ-島基地攻撃及び真珠湾基地攻撃だ」
作戦目的は、2つの基地を同時に攻撃し破壊すること。
ただし、直接攻撃にはBMD能力を有する艦は参加できない。
BMD能力を持つ、いそかぜ、マイケル・マ-フィ。
この二隻が艦隊後方で防空及び対弾道ミサイル防衛を行う。
まずは、ミッドウェ-島。
ここのはレ-ダ-ピケット艦が半円状に4隻ずつ基地の近くまで展開しており、強固な監視網を敷いている。
ここに潜水艦隊を送り、ピケット艦を4隻ずつ同時攻撃、撃沈し基地に向かう。
基地に近海に到着次第、シンファクシの散弾ミサイルで基地を攻撃する。
この潜水艦隊の後方にマイケル・マ-フィが万が一のため待機する。
真珠湾攻撃隊は航空母艦を中心に編成、航空攻撃による基地の破壊を行う。
現代艦組は誘導貫通爆弾で直接ミサイルサイロを攻撃、戦艦隊は砲撃でサイロを破壊する。
旧軍空母組は上空警戒及び弾着観測。必要あれば徹甲爆弾によるサイロ攻撃を行う。
真珠湾にはピケット艦の存在は確認されていないがレ-ダ-が多数配備されている。
このため、最初に いそかぜ から電子攻撃及び、電磁攪乱ミサイル「アポト-シスV」でレ-ダ-及び基地機能をマヒさせる。
ただし、アポト-シスは比較的低速のミサイルのため最終手段となる。
「内容はこうだ。かなり難しい作戦になるが・・・」
「・・・失敗すれば日本は核の炎に包まれる・・・でしょ?」
「ケストレルの言う通りだ」
その威力はツァ-リボンバクラスの100Mtという情報を確認している。
「あまりこんなことは言いたくないが・・・どんな手段を用いても核攻撃だけは行わせるな!」
「了解!」
~現在~
「電、お前もそろそろ出撃準備だな」
「はい!でも大丈夫なのです!絶対に成功させるのです!」
「気合いは十分だな・・・よし!頼むぞ!」
「はい!」
電は司令室を出て、作戦に向かう。
核兵器・・・
「失礼します、秘書艦を交代しました」
「ああ、頼むぞアンドロメダ」
「はい」
情報処理が得意なアンドロメダに補佐を任せ、俺はPCにある情報を入力する。
「隊長・・・その座標・・・どこをさしているのか分かっているのですか?」
「分かっているよ」
その座標・・・それはつい昨日、衛星が見つけてきた敵の都市のようなものだ。
深海棲艦の国のような場所・・・
それが北極付近に存在する。
写真にはヲ級やタ級が艤装を外し仲良く歩いている物や、その子供のような物を映っている。
幸せそうに暮らしている深海棲艦たちが居た。
・・・・・・そして入力した情報は俺の鎮守府に設置してある弾道ミサイルの目標情報だ。
この間、アトラスから更新を行い、配備したLGM-30ミニットマン。
弾頭はW87・・・475㏏の威力がある。
ちょっとした街なら消し飛ぶ威力だ。
今、そのミサイルはその、罪のない深海棲艦が暮らしている街に向けられている。
ボタンを押せば発射だって可能だ。
「・・・隊長・・・あなたはどういうことをしているのか承知の上ですよね?私だって軍人です、その行動を非難するつもりはありません・・・でも・・・」
「分かっている・・・分かっているつもりだ。でも俺は、お前らのためなら鬼だろうが悪魔だろうがなってやる」
死んだら地獄確定だろうがな~・・・
まぁ、今はそんな事どうでもいい。
「アンドロメダ、敵の頭に分かりやすいように伝えろ。お前らが核を打てば、こっちだってお前らの愛する者の頭の上に向けて発射すると」
「・・・了解しました。・・・・・核抑止・・・ですね」
「ああ・・・まるで冷戦だよ」
電が知ったら嫌われそうだな・・・
まぁ、向こうが撃たなければこっちだって発射はしない。
だが、俺たちの上は・・・どういう行動をとるか・・・
俺たちの隊はなるべく察知されない行動・・・それに核兵器による行動の制限・・・
「アンドロメダ、もう一つ奴らに送ってくれ。今すぐ、核兵器の廃棄又は基地の放棄を行えば核攻撃は行わないと約束する・・・と」
「了解しました。平和的解決・・・ですよね」
「ああ。あとはこのメッセ-ジを聞いた本部がどう反応するか・・・」
「どう・・・とは?」
「威力不足とはいえ、俺も核兵器を持っている。上からすれば今すぐ発射して街を攻撃、敵の士気と行動能力を下げろってな」
「・・・ありえそうですよね」
「ああ・・・」
所持している俺がこんなことを言うのはアレだが、核兵器は決して使っていいものではない。
自分も使わず、相手にも使わせない・・・この使用方法で何とか保っている。
撃てば撃ち返される・・・それの繰り返しがどういうことかはどんなバカにでも理解できるハズだ。
撃って撃たれて撃ち返して・・・地球の終わりだ。
「頼むから発射するなよ・・・こっちからも撃たなければいけなくなる・・・」
~シンファクシ~
核兵器・・・私はそれがどんな物か今一理解していない。
私は弾道ミサイルを運搬する潜水艦だが・・・
核攻撃を行ったことも受けたこともない。
「・・・核って言葉・・・あまり聞きたくないでち」
ゴ-ヤが突然呟く。
「そういや・・・お前はそうだったな」
第二次大戦を生き延びた潜水艦・・・
しかも、その核兵器を運ぶ巡洋艦を撃沈した艦だ。
ただ・・・核兵器を運搬した後の・・・だが。
「大丈夫よ、うちの司令官なら絶対に撃たせないわよ」
「そうなのね!元気だすの!」
それでもゴ-ヤは少し落ち込んでいた。
「攻撃艦隊の現状は?」
近くにいた いそかぜに聞いた。
「そうですね・・・現状は問題なし・・・です」
「了解。なぁ、お前は核兵器の威力ってのは分かるのか?」
「私も正直、微妙です。ただ、生物化学兵器の恐ろしさはよく理解していますが・・・」
「化学兵器・・・か。どうして人間はそんなものを作れるのか・・・私のこのミサイルも・・・」
私に積んである散弾ミサイル・・・高度5000Ft以下の物体を無差別に破壊するミサイルだ。
これでオ-シア相手に戦った。
このミサイルで何人も殺したが・・・やっぱり気分がいいものではない。
「あ、そろそろ待機位置ですね。私はこのままここで対空警戒を行います」
「了解した」
いそかぜと離れ、潜行する。
敵艦はもうすぐの位置に迫っていた。
う~む・・・びみょう?