横須賀鎮守府の日常   作:イーグルアイ提督

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電とイチャコラ

核兵器の事件から一週間たった。

何とか平和な日常に戻りつつある。

 

「ふああああ・・・」

 

「大きな欠伸なので・・・ふああぁ」

 

「欠伸がうつったな」

 

「うつっちゃいましたね」

 

お茶を飲みながら電と談笑する。

仕事もちゃんとしてるがな。

 

「そういや、いそかぜの調子はどうだ?」

 

「もうすっかり元気ですよ、ただその・・・」

 

「ん?」

 

「うらかぜさんが落ち込んでた いそかぜさんを励まそうと私の艦長だよって言ったら・・・」

 

「なんとなく予想ついたぞ・・・どうせ独占欲に駆られて・・・か?」

 

「そうなのです・・・」

 

「・・・無理してでも艤装直しといたほうが良かったかな・・・」

 

この前の戦闘でいそかぜは艤装が完全に大破、本人も瀕死の重傷を負ったが奇跡的に助かった。

だが、艤装は解体処分とするしかなかった。

そのため、いそかぜは書類上、解体処分となった。

解体と言っても普通の女の子に戻っただけで本人の希望で海軍に在籍もできる。

もちろん、退役して普通の生活を送ることもできる。

今のいそかぜ は表面上俺の補佐だが、殆どうらかぜの専属オペレ-タ-だ。

 

「なんか日に日に加速するよな・・・過労死しなきゃいいけど・・・」

 

「あはは・・・それは心配なのです・・・」

 

それにしても毎日毎日・・・仕事が同じような物で飽きてくる。

最もそんな事を言ってしまえば終わりだが。

 

「あ、12時・・・」

 

「んあ?そうだな、どした?」

 

「あの・・・今日お姉ちゃんたち帰ってくるので・・・お出迎えに行きたいのです・・・」

 

「そういや今日だったな、東京の港か?」

 

「はい!14時には帰ってくるってメ-ル来たのです!」

 

「じゃあ、行っておいで。俺は悪いけどこの仕事片付けないと・・・」

 

「あ・・・」

 

電は少し悲しそうな顔をする。

仕事中の俺をほっといていいのか考えているんだろう。

 

「んな悲しい顔すんな、誰かに秘書だけ任してきてくれないか?それが終わったら行っておいで。そこらへんで暇してるヘリのパイロット捕まえれば東京まで行ってくれるよ」

 

「はい!あの・・・お仕事頑張ってください、なのです!」

 

「おう、ありがとな」

 

電はルンルンで出ていった。

さて・・・誰かすぐに秘書に出来そうな子っていたっけ・・・

 

「経理の書類多いなホント・・・計算するだけでも大変だよコレ・・・」

 

予算案の提出に必要な事が多いため雑にするワケにはいかない。

電は正直なところ、数学が苦手らしく計算は遅い。

俺も数学は高校時代万年赤点レベルだったので大変だ。

俺何でパイロットになれたんだろう・・・

なんてしてるうちに誰かが扉の前に来た。

 

「ん?誰か居るのか?」

 

「うぇ!?なんで分かるの!?」

 

「その声・・・曙か?」

 

なんとなく気配があったからな。

と、そんな話は置いといて。

 

「もしかして・・・お前が秘書代理か・・・?」

 

「そうよ!何か文句でもあんの?このクソ提督!」

 

「んだよお前かよ・・・このツンドラ娘・・・」

 

「はぁ!?ツンドラ!?」

 

「ツンドラだろ。ツンドラ気候のように冷たいだろお前」

 

「・・・べつにしたくてしてるんじゃないし・・・」

 

「ん?なんか言ったか?」

 

「何も言ってないわよ!」

 

「そうかい、とりあえずそこの計算だけ頼めるか?支出の所だけでいい」

 

「ふ~ん・・・予算関係?」

 

「ああ、ちょっと基地防衛に力入れすぎてこの辺の部署を作る余裕ないんだよな・・・」

 

「もうちょっと考えなさいよ・・・」

 

「返す言葉もない・・・」

 

「でも・・・その考えなしのおかげで私たちがこうやって守られてるのよね」

 

「それ・・・褒めてんのか馬鹿にしてんのか」

 

「どっちでもないわよ?」

 

「そっか」

 

「へへ」

 

「そういや・・・お前の笑った顔初めて見たな」

 

「うぇ!?」

 

「いつもしかめっ面ばかりだったからな。もっと笑え」

 

「うううるさいわね!この会話全部電に報告するわよ!」

 

「いらん誤解招きそうだからやめろ!」

 

なんて半分喧嘩しながら書類を整理する。

 

「うあぁぁ・・・途中から変な単語おお過ぎて目が回る~・・・」

 

「変な単語って・・・ああ・・・これか」

 

曙が見ていた書類は基地防衛のための装備の書類だ。

各部署から申請が届いている。

 

「警備班は・・・ふむふむ、7.62mm口径の小銃を100挺・・・弾薬・・・」

 

具体的にはFN社製のMk17を100挺発注か・・・

 

「曙、FN社ってところに発注かけてくれるか?」

 

「えふえぬ・・・どこそれ」

 

「ベルギ-の会社」

 

「はぁ!?外国語なんて分かんないわよ?!」

 

「ああ、いや。メ-ル送ってくれ、このPCで」

 

「だから外国語は書けないし読めないのよ・・・」

 

「日本語で大丈夫だぞ、向こうで翻訳してくれるらしい」

 

「あ。そうなの?じゃあ任せて」

 

前までは頑張って英語にして送信してたんだが・・・いい時代になったもんだ。

 

「んでお次が防空司令部・・・は見なかった事にしよう」

 

「どうしたの?」

 

「対弾道ミサイル迎撃レ-ザ-砲の建造・・・って・・・ここにエクスキャリバ-ぶったてろって言うのかあいつ等・・・」

 

「エクスキャリバ-って何?」

 

「ベルカ戦争って知ってるか?」

 

「ああ、なんか私たちが沈んだ何十年もあとの戦争よね」

 

「そうそう、まぁベルカ公国はお前も知ってるドイツだった国なんだけど、そこが弾道ミサイル防衛のために高さが1㎞もあるレ-ザ-砲作ったんだよ。んでそれとおんなじもん作れって・・・」

 

「どうしたのかしらね防空司令部は・・・・」

 

「わかんね・・・とりあえず却下」

 

他は弾薬とか電子機器の部品か・・・

防空司令部はどうしちゃったんだいったい。

 

「ふぅ、終わったわよ」

 

「5時か・・・すまん、ありがとうな」

 

「お礼なんていらないわよ、クソ提督」

 

「それは優しい声色で言うセリフじゃないぞ、ツンドラ娘」

 

「う・・・うるさいわね・・・」

 

「じゃあクソ提督って言うのやめろよ」

 

「いやよ、呼び慣れたし」

 

「ほう、じゃあ語呂がいいツンドラ娘でも大丈夫だな」

 

「んなっ!?こ、このぉ・・・」

 

「ふははは!どうした!何か言ってみろ!」

 

と仕事が終わり、若干高いテンションで煽る。

 

「こ・・・この・・・このクソてーとくぅぅぅ!!」

 

そして曙さん、ソファ-に隠してあった俺のヘソクリを取り出す。

何で我が妻でも知らないヘソクリの場所しってるんですかアナタ。

 

「そのツンドラ娘やめないと・・・これを電に報告・・・いや燃やすわよ!!」

 

「な・・・なぜその場所を・・・」

 

「やめるの?やめないの!?」

 

「もう言いません」

 

「はぁ・・・とりあえず返すわ」

 

「・・・なんだかんだ言って返してくれるところ優しいな」

 

と、褒めたはずなのに・・・

 

「・・・・」

 

無言でライタ-に火をつけた。

 

「なんで!?俺褒めたよね?褒めたよね!?」

 

必死に抗議するが、ゆっくりと火を近づける。

 

「ノォォォォォォォォォ!!!!!」

 

叫んでいたらやめてくれた。

曙は封筒を元の位置に戻してくれた。

 

「曙さんや・・・ワイ褒めたやろ・・・」

 

「・・・知らないわよ!」

 

そういって部屋を出ていった。

 

「ツンドラ娘め・・・」

 

早く電帰ってきてくれないかな。

 

「ふああ・・・課業終わりのラッパか・・・」

 

国旗の方向に向かって敬礼してまた席に着く。

 

「30分ほど寝ようかな・・・」

 

そのまま机に突っ伏して寝てしまった。

 

 

 

 

 

 

 

「・・・さん!」

 

「ん~・・・・」

 

「司令官さん!起きないと風邪ひくのです!」

 

「ん~・・・・?もうちょい・・・」

 

「もうちょいってもう7時なのです!ごはん食べるのですぅぅ!!」

 

電の声で目が覚める。

 

「ふあああ・・・まだ30分も経ってないだろ・・・?」

 

と時計を見ると7時だった。

 

「あれ?7時?」

 

「そうなのです!部屋に帰っても居ないので・・・」

 

「ふあああ・・・すまん、心配かけたな」

 

「大丈夫なのです。それよりもご飯作るので部屋に帰るのです」

 

「ん、そうだな」

 

「お疲れなのです?」

 

「そう見える?」

 

「ん~・・・なんとなく?」

 

「よく俺の事見てるな」

 

そういいながら軽く頭を撫でてやる。

電は気持ちよさそうな顔をしていた。

 

「今日の晩御飯は何だ?」

 

「えっと・・・司令官さんが好きなビ-フシチュ-なのです!」

 

「お!やった!」

 

「えへへ、なんか今の可愛かったのです」

 

「んあ?そうか?」

 

二人で晩御飯を作り、のんびりと過ごす。

 

「そういや最近忙しかったよな~・・・」

 

「そうですね~・・・」

 

「こうやって二人で居ると本当に安心するな」

 

「それは私もなのです」

 

なんて会話しながら食べ終わった食器を片付けて、順番に風呂に入る。

俺はその間、冷蔵庫に入っていた炭酸飲料を飲みながらテレビを見ていた。

 

「は~・・・やっぱデモやるよね~」

 

つけたチャンネルは艦娘反対派のデモだった。

まぁ見た目は女の子だ。

こういう連中が出てくるのは仕方ないだろう。

さすがに戦争反対派はほとんど存在しなくなったらしいが・・・

 

「まぁ、重巡航管制機に空襲されたりICBM飛んで来たりしてるのに言ってる場合じゃないもんな」

 

独り言を言いながらテレビを見ていると電が風呂から出てきた。

 

「お先なのです~」

 

「おかえり、んじゃ俺も行ってくるわ」

 

「はい!お湯加減はいい感じでしたよ」

 

「そりゃよかった」

 

つい一ヶ月前に自室の風呂を増設したのでわざわざ寒い中風呂場に行かなくて済む。

一応、艦娘寮には個々の建物に浴場があるので寒い中風呂に移動する必要はないが、その他職員用の浴場は別の位置にあるので移動がめんどくさい。

 

「ふ~・・・今日も疲れた・・・」

 

のんびりと20分くらい入っていた。

 

「上がったよ~」

 

返事がなかった。

ドライヤ-の音がするから髪乾かしてるのかな?

 

「お~い、電?」

 

「あ、司令官さん上がったのです?」

 

「髪、乾かしてやろうか?」

 

「はい、お願いなのです!」

 

電は俺の足の上にチョコンと座り、ドライヤ-を手渡してきた。

ふんわりといい香りがした。

 

「電の髪の毛ってホントサラサラだよな」

 

「えへへ、どうしたのです?」

 

「触ってて気持ちいいなと思ってな」

 

「えへへっ」

 

「なぁ電、ちょっとお願いしていいか?」

 

「どうしたのです?」

 

「ちょっとポニ-テ-ルしてみて」

 

「いいですけど・・・髪留めのゴムあったかな・・・」

 

電は足の上を離れてゴムを探していた。

俺はそれを眺めている。

 

「あ!あったのです!」

 

電はそのまま髪をくくってポニ-テ-ルにしてくれた。

 

「どう、ですか?」

 

「すっげぇ似合ってるぞ!可愛いな、やっぱり」

 

「え、えへへ・・・照れるのです・・・」

 

「いいもの見れたな。今度電とどこか行くときはその髪型にしてほしいな」

 

「司令官さんが望むのならいくらだってしますよ」

 

電は微笑みながらそう言ってくれた。

 

「お、こんなことしてる間に11時だな、寝るか」

 

「はい!あ、暖房はずっとつけときますか?」

 

「寒いからつけたままにしとこうか」

 

「じゃあこのままで」

 

二人で布団に潜り込む。

電は俺の方向に向いて寝るようだ。

 

「なぁ電、二人は元気にしてたか?」

 

「はい、元気だったのです、でも司令官さんに挨拶に言ったら寝てたって言ってたのです」

 

「あちゃ~・・・悪い事したかな・・・」

 

「また明日行くって言ってたので大丈夫なのです!」

 

「そうだな・・・そうだ、明日は祝日だしみんなでどこかに出かけるか」

 

「賛成なのです!」

 

「んじゃ明日はお出かけだな」

 

「楽しみなのです」

 

「俺もだよ」

 

電はそのまま俺を抱き枕のようにして抱きついてきた。

 

「司令官さん・・・おっきい・・・」

 

「お前はちっこくて可愛いな」

 

「むっ・・・私はすぐに大きくなるのです」

 

電は少しふくれっ面で言う。

これもまた可愛い。

 

「そうだな・・・そろそろ寝るか」

 

「そうですね・・・おやすみない、司令官」

 

「おやすみ」

 

そういって昼寝したのに気付けば夢の世界だった。




最近サイレントハンタ-買った提督です。
使用潜水艦はもちろん、SeaWolf級原子力潜水艦・・・え?なんか違うって?
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