横須賀鎮守府の日常   作:イーグルアイ提督

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敵潜水艦

 

「あっつ・・・」

 

エアコンが効いていても日差しが暑い。

もう夏だ。

 

「あついのですぅぅぅ・・・・」

 

俺の横でも電が汗だくになっていた。

無駄に日当たりがいいのでエアコンがなかなか効かない。

 

「こんな日に限って余計なこととか起こったりするんだよなぁ・・・」

 

「縁起でもないのです・・・」

 

「まったくな」

 

アイスでも食べながら休憩しよう・・・

冷凍庫のほうに向かおうとしたとき、電が窓のほうを指差した。

 

「司令官さん、何かこっちに飛んできて・・・」

 

「え?」

 

振り向こうとしたそのときだった。

 

「うわッ!?」

 

突然爆発音、衝撃。

窓ガラスが割れる。

 

「電!無事か!」

 

「あ・・・はい・・・何とか・・・」

 

突然の出来事に若干放心状態だ。

外を見るとレ-ダ-が破壊されていた。

 

「レーダ-がやられた・・・!」

 

そしてまた遠くから轟音が聞こえる。

俺は双眼鏡を取り音のする方向を見る。

 

「クソッタレが!巡航ミサイルだ!!」

 

俺は電を抱きかかえるようにしてその場に伏せる。

その直後にミサイルが近くの建物に着弾した。

激しい衝撃で意識を失った。

 

 

~数時間後~

 

「う・・・」

 

まだ耳鳴りがする。

体が痛い。

 

「生きてるのか俺は・・・?」

 

意識が戻ってくると同時に腕に激しい痛みを感じた。

金属片が腕に刺さっていた。

 

「クソ・・・痛ぇ・・・電・・・」

 

電は俺の腕の中にすっぽり納まっていた。

 

「おい・・・電・・・電・・・!」

 

呼吸、心拍を急いで確認する。

 

「はぁ・・・よかった・・・」

 

生きている。

幸い怪我もなさそうだ。

俺は自分の腕に刺さっていた金属片を引っこ抜き、立ち上がる。

鎮守府のいたるところから煙が上がっていた。

 

「無事な施設は・・・」

 

見渡す限り、瓦礫だらけだ。

司令室があるこの建物と工廠、ドックだった。

弾薬庫と資源保管庫、燃料タンクはすべて破壊されていた。

司令室も大穴が開いていた。

 

「う・・・ん・・・」

 

「電!よかった・・・目を覚ましたか・・・」

 

「あれ・・・どうしてここで・・・」

 

「鎮守府が攻撃を受けた、被害は甚大だ」

 

「攻撃・・・って・・・司令官さん!!腕から血が!!」

 

「あ・・・ああ、これか。大丈夫だ」

 

「でも!」

 

「止血も消毒もした。それよりも・・・」

 

艦娘たちを呼んでくれといおうと思ったら、アンドロメダ、ケストレルが司令室に飛び込んできた。

 

「隊長!!」

 

「大丈夫だ、それより状況は」

 

「防空司令部および航空基地は壊滅・・・その・・・」

 

「どうした?」

 

「生存者・・・無し・・・でした・・・」

 

「・・・!?」

 

「それと・・・東京が・・・」

 

「東京が・・・どうしたんだ」

 

「核攻撃を・・・受けました」

 

ああ・・・意識を飛ばせるならそうしたい。

防空司令部と航空基地が壊滅で生存者無し?東京が核攻撃?

冗談もいい加減にしてくれ。

 

「核攻撃は東京郊外で発生したので都心の被害はないのですが・・・」

 

「不幸中の幸い・・・か」

 

「いえ・・・それが・・・これが最悪のニュースだと思います・・・」

 

「何だ?」

 

「私の偵察機が・・・見ちゃったの・・・」

 

「何をだ、ケストレル」

 

「・・・潜水艦型の艦娘が・・・こっちに向けてミサイルを・・・」

 

「・・・今なんていった・・・?艦娘だと!?」

 

悪い冗談だ。

深海棲艦以外が人間を攻撃?

これが本当なら・・・

 

「ケストレル、それはお前の偵察機が見つけた情報だよな?」

 

「う、うん」

 

「絶対に外部に漏らすな、いいな」

 

「隊長・・・あとその艦娘なんですが・・・」

 

「何だ?」

 

「2隻確認しました」

 

「2隻・・・」

 

俺は頭を抱える。

2隻の潜水艦型艦娘が攻撃してきた。

チラっと見えたあのミサイルはP-700グラニ-ト・・・ピョ-トルたちが積んでいる巡航ミサイルだ。

これを積める潜水艦は・・・

 

「オスカー型潜水艦・・・アンドロメダ、今すぐユ-クトバニアの潜水艦の音響デ-タを集めろ、あと駆逐艦もだ!」

 

「了解しました!」

 

「司令官さん・・・私・・・私たちの仲間がやったんですか・・・?」

 

電は今にもなきそうな声で言ってくる。

ケストレルは居心地の悪そうな顔だった。

 

「ケストレル、対潜哨戒機を上げれるか?あと耳貸してくれ」

 

「わかった。電、ちょっとごめんね」

 

「たぶんだが・・・その艦娘を場合によっては撃沈することになる。現代艦のお前らのみで編成するつもりだが・・・全員に心の準備をさせておいてくれ」

 

「・・・分かった」

 

「はぁ・・・」

 

ケストレルが部屋を去っていった。

俺は核攻撃をわざわざ人の少ない郊外に行った理由を考える。

相手が本当に艦娘なら何故仲間を攻撃する・・・?

ミサイルを郊外に落としたのは寸前で民間人を殺すのが怖くなったのか?

 

「こんなこと考えてもな・・・」

 

電は少し放心状態だ。

幸い、艦娘寮と俺たちの部屋がある場所が無事だ。

 

「電・・・こっち来い」

 

「・・・」

 

「大丈夫、何かの間違いだ。お前らが俺たちを攻撃なんて何の利益があってするんだ?」

 

「・・・」

 

電は少し震えている。

ショックがでかいよな・・・

 

 

 

 

 

~オペレ-ションル-ム~

 

「よし、全員休め」

 

全員が椅子に座って画面を見る。

この作戦会議に電は居ない。

アイツには悪いが・・・どうしても知ってほしくない情報があったからだ。

 

「状況は分かってると思うが・・・当鎮守府は攻撃を受け、東京にも核弾頭が打ち込まれた」

 

スクリ-ンに敵の姿を映す。

あの二隻の潜水艦だ。

 

「こいつら二人を探し出して話を聞け。抵抗したら即・・・撃沈しろ」

 

「げき・・・ちょっと!あんた自分が言ってることが分かってんの!?」

 

バ-ベットが抗議してくる。

 

「ケストレルから話は聞いただろ、覚悟しろって」

 

「・・・分かってるけど・・・」

 

「とにかく、何故やつらが攻撃にいたったのか分からない。その情報だけでも持ち帰ってくれ」

 

「了解」

 

「細かい指示は追って出す。とにかく出撃を急いでくれ」

 

 

 

 

 

~マイケル・マ-フィ~

 

鎮守府を出発して数時間以上たった。

いまだにソナ-、レ-ダ-ともに反応がない。

今回の編成は旗艦を私に、うらかぜ、ケストレル、バ-ベット、ピョ-トル、クズネツォフだ。

 

「見つけたいけど・・・複雑だよ・・・」

 

「どうしたの?うらかぜ」

 

「・・・相手ってさ・・・いそかぜと同じ・・・艦娘って思うと・・・」

 

「艦娘って決まったわけじゃないけど・・・まぁ私も心中は複雑よ」

 

まぁ・・・ただ、相手が敵なら容赦しない。

そういうことだ。

 

「マーフィ!対潜哨戒機が何か見つけた!」

 

<<こちらアンドロメダ、音紋分析します>>

 

私は無言で武器の安全装置を解除する。

私の艤装は他の子と違い、兵士のようだ。

主砲とミサイル類はこのM4のような武器から発射される。

銃身下につけられたグレネ-ドランチャ-にアスロックと書かれた弾を装填する。

 

「アンドロメダ、どう?」

 

<<分析終了しました。艦種はオスカ-型潜水艦およびタイフ-ン級潜水艦と確認!そちらより北100km地点です!>>

 

「了解。艦隊、進路3-6-0。最大戦速」

 

「了解!」

 

ピョ-トルとクズネツォフの返事がなかった。

 

「嘘だ・・・嘘だ・・・そんな・・・僕の同志・・・?」

 

「ピョ-トル、行きますよ。あいつらは人類を攻撃した。祖国の裏切り者です」

 

「そんなこと言ったって!!」

 

「つべこべ言わずに来てください、張り倒しますよ」

 

「・・・・」

 

無言でついてくる・・・が足取りは重そうだ。

 

「・・・!ソ-ナ-探知!潜水艦!」

 

「私が浮上するように言うわ」

 

「待ってよ!敵だったら!」

 

「敵だったらもう撃ってきてるわ」

 

うらかぜを黙らせて無線で相手を呼ぶ。

 

「こちら日本海軍所属ミサイル駆逐艦マイケル・マ-フィ。あなたたちをもう見つけている、味方なら浮上しなさい」

 

すると数分後、海中から何かが浮上してきた。

白く長い髪・・・もう一人はショ-トヘアでソ連の星がついた帽子をかぶっている。

間違いなく艦娘だ。

 

「はじめまして、クソッタレの海軍艦娘」

 

「開口一番口悪いわねピロシキ野郎」

 

「あら、口が悪いのはあなたね。私は野郎じゃないわ」

 

「それは失礼、メス豚野郎」

 

「結局野郎ついてんじゃないのピザ野郎!!」

 

「それはあなたも一緒よ!」

 

こいつとは絶対仲良くなりたくないわ。

 

「アホみたいな話はもう終わって、あなたたちに聞きたいことがあるの」

 

「聞きたいこと?」

 

「・・・あなた、ミサイルを日本に向けて撃ったわよね」

 

「それが?何か問題でも?」

 

その言葉を聞いたうらかぜがつかみかかる。

 

「アンタ自分がしたことが分かってるの?!何人も死んだんだよ!本来ならアンタ達みたいな艦娘が守るはずだった人が!!」

 

「・・・人の事情も知らずによく言うわね。シンビルスク」

 

「はい」

 

「もう一発行っとく?」

 

もう一発・・・まさか・・・

 

「やめなさい!今度はどこを狙うつもり!?」

 

「う~ん・・・そうねぇ・・・私たちが大っ嫌いなアイツを消させてもらうわ」

 

「R-39用意良し」

 

撃たせてたまるか!

私は砲を向ける。

 

「やめなさい!どうして深海棲艦じゃなくて私たちを狙うのか教えなさい!」

 

「はぁ・・・アメリカ人ってどうしてこんなにうるさいかなぁ・・・シンビルスク、発射待て」

 

「了解。あ、今私を沈めようとか思っても無駄ですよ、そんな素振り見せたら私、自爆しますから。積んであるすべての核弾頭が炸裂してこの海域が大変なことになるかも知れませんよ」

 

シンビルスクと呼ばれた艦娘は笑顔で恐ろしいことを言う。

 

「あんたもさぁ・・・艦娘なら提督いるんでしょ?」

 

「いるけど・・・それが?」

 

相手は思い出すだけでも嫌そうな顔をする。

 

「提督ってさ、私たちの指揮官であってその理解者のようなものよね」

 

「まぁ・・・そうね」

 

「そんな人にさ・・・こんなことされて嫌にならない?」

 

突然服を脱ぎ始める。

一瞬、何考えてるのか分からなかったが私は彼女の体を見て悟った。

彼女はブラック鎮守府の艦娘だったということだ。

 

「提督がね・・・こういうこと好きなのよ。私たちを痛めつけてそこから・・・」

 

「・・・後は察したわよ」

 

「最初は我慢してた、他に行くところが無かったから。でもアイツは・・・私の・・・妹を・・・!」

 

彼女は鬼のような形相になる。

 

「ねぇ・・・分かる?私の妹さぁ・・・あのクソ野郎に犯されてる最中に殺されたんだよ?」

 

「・・・」

 

私は黙って話を聞く。

この会話は提督にも聞こえるようにしてあった。

 

「どこで聞いた話か知らないけど、首絞めたら気持ちいいんですって、妹は苦しんでるのにね!!」

 

彼女の怒りが頂点に達しているんだろう。

ただそのとき、彼女の艤装にある魚雷発射缶が開いた。

 

「たまたまさぁ・・・提督に用事あって行ったら司令室で妹が冷たくなってるのよ。最後に心の中できっと言ったでしょうね、お姉ちゃん助けてってさぁ!」

 

「とんでもないクソ野郎ね。で、それはいいんだけど、魚雷発射缶開いてるわよ」

 

「ああ・・・ここ?壊れてるのよ・・・直せる場所もないからほっといてるんだけどね」

 

「あらそう。ただ、へんな真似したら沈めるからね」

 

砲は彼女に向けたままにしておく。

魚雷で撃たれたらたまったもんじゃない。

 

「それで・・・続きだけど、見た瞬間何が起きてるのか分からなかったわ。でもね、あの野郎なんていったと思う?お前の妹はよかったが・・・壊れちまった、お前でいいからさっさと脱げ・・・」

 

「そろそろ胸糞悪くなってきたんですけど・・・」

 

うらかぜ の眉間にしわが寄ってきていた。

 

「私は脱ぐ振りをして拳銃を抜いて撃ち殺してやったわよ、まぁそれが無くてもその日、殺すつもりで提督に会いに行ったんだけどね。で、私たちはそれぞれ別の鎮守府に向かった。まさか・・・そこも同じような場所なんて思わなかったけど」

 

「・・・そこも・・・」

 

「ええ。そこでシンビルスクと出会って二人で任務中に逃げたわ。ただ、私たちの周りは提督に変な忠誠心を抱いたヤツばかりだったからすべて沈めたけど・・・で、私たちはこんなヤツら守りたくも無いしむしろ殺してやるってなった。どう?分かった?」

 

「まぁまぁね。じゃあどう?私たちの鎮守府にきたら・・・」

 

「絶対嫌ね。だって・・・私たちがこんなひどい目にあってるのに幸せそうに暮らしてる人間も・・・艦娘も許せないから。シンビルスク」

 

「はい、何でしょうかクルスク」

 

「撃て」

 

「огонь(発射)」

 

「なっ・・・!?」

 

シンビルスクからSLBMが発射された。目標は飛行進路からしてトラック島だ。

まだブ-スト段階・・・!

 

「SM-3用意!」

 

「撃たせないわよ」

 

クルクスから低速の魚雷が発射された。

私は回避しようとしたため、目標のロックオンが遅れる。

 

「悪いわね、もう私たち人類の敵になるって決めたから」

 

「私より幸せなんて許しません」

 

「そういうことだから」

 

二人は潜行を始めた。

その間にもSLBMは射程外に達してしまう。

 

「提督!トラックに退避命令をだしなさい!」

 

<<分かってる!それと・・・あいつらをどうにかしてつれて帰ってやれないか>>

 

「それなら頑張ってみるけど・・・期待しないでほしいわね、何人も仲間を理不尽な理由で殺されて頭にきてるから」

 

<<・・・分かってる。状況は把握している、ただ・・・なるべく沈めないでやってくれ>>

 

「はぁ・・・アンタも大概優しすぎなのよ」

 

<<・・・うるさい>>

 

「マーフィ!発射管注水音!」

 

「ケストレル、バ-ベット、クズネツォフ!対潜装備持ってる機は全部上げなさい!ピョ-トル、あんたも対潜装備を用意!」

 

「・・・分かった、僕も準備する」

 

うらかぜが水中を必死で捜索してくれている。

そしてこっちを見て叫んだ。

 

「クルスクが魚雷発射!!」

 

「デコイ散布!全艦、対潜戦闘用意!ありったけの対潜兵器をばら撒きなさい!!」

 

艦娘同士の戦闘・・・演習ならしょっちゅうだが・・・これは実弾だ。

あの子たちも・・・もっといい場所で生まれていればよかったのに・・・

私は心の中で少し彼女たちに同情しつつアスロックを発射した。




久々の投稿でいろいろむちゃくちゃだけど許してね☆
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