「んだぁぁぁぁ!!!終わるかちくしょう!!」
大量の事務仕事を前に叫ぶ。
時間は2200だ。
昼はあんなに暇だったのにいきなり夜に仕事が舞い込んだ。
電は疲れていたようなので先に部屋に帰らせた。
「はぁ・・・海風にでもあたるか・・・」
俺は冷蔵庫からよく冷えたビールを持って外に出る。
今日は月が良く見え外が明るい。
「はぁ・・・誰が仕事手伝ってくれないかな・・・」
なんて事呟いてると埠頭に小さな灯がみえた。
タバコの火のようだ。
「誰だあれ」
近づいてみると。
「あら?ジェームズか?」
「提督?」
「奇遇だな。てか、お前タバコ吸うんだな」
「まあね。なんか吸ってないとやってらんないよ」
「昼みたいな元気さも無さそうだが」
「あんなのキャラ作ってるって分からない?」
ジェームズは冷たくそういった。
「まったくさぁ・・・私にも色々あるだよ。まぁ、こうやってタバコ吸うのもみんなが居ない時にしてるけど」
「そうか」
俺も隣に座りビールを開けた。
「何勝手に隣に座ってるの?」
「いいだろ別に」
「まぁいいけど・・・てかもう1本ないの?」
「ビールか?生憎、お前がいるとは分からなかったしな」
「気のきかない提督だね」
「うるせぇ」
昼とはずいぶん性格が違う。
今のジェームズはとても冷たい感じがする。
「で、提督。ビール飲んだら帰るの?」
「んー。まぁそうだな。お前と話していたい気もするが」
「なにそれ口説いてるの?」
「俺はもう電が居るから他には要らん。ただ単にお前の話が聞きたいだけだ」
「はぁ・・・まぁいいか。提督なら艦娘じゃないし」
「なんでまた艦娘が苦手なんだ?」
「苦手って訳じゃないけどね。昔の事のせいでね」
「なるほどな」
ビールを飲みながら聞く。
「私ってね、ある意味で人類最後の希望の艦・・・ラストシップだったのよ」
「ラストシップ?」
「そ、ラストシップ。感染すると致死率が90%以上の病気が流行ってたんだ」
「また恐ろしいな」
「最初は極秘任務で出てる間に流行ってたから私自身も病気の事は知らなかった。ただ、ウイルス学者が乗ってた」
ジェームズはそのまま続ける。
ジェームズ曰く、そのウイルス学者はウイルスの原子株を見つけてワクチンを作りたかったらしい。
「そしたらどこから嗅ぎつけたのがロシア人が原子株を渡せってキーロフ級で襲ってきてね、まぁ大変だったよ」
「キーロフ級か・・・キーロフ級は苦手か?」
「どういう意味それ。まぁ、苦手だよ、正直ね」
「そうか・・・」
「どうしてそんな事聞くの?まるでここにキーロフ級いるみたいだよ」
「いやまぁ・・・一人居るんだがな・・・」
「ふーん・・・名前は?」
「ピョートル・ヴェリーキー」
「ヴェルニじゃないならいいよ。アイツには借りがあるから」
「借り?」
「仲間一人殺された。まぁそれだけ」
「・・・そうか」
「なに暗い顔してるの?」
「いや、悪いこと聞いたかなって思ってな」
「別に大丈夫だよ。んで、続きだけどさ。ヴェルニにを海の藻屑にしたあとはワクチンが完成した。まぁそれだけなら良かったけど」
ウイルスの免疫を持ったグループが襲いかかってきたらしい。
今度は原子力潜水艦を持ってきて。
「アスチュート級潜水艦だったかな。アキレスって言ってた。おかしいよね、同盟国の潜水艦なのに」
「どうしてみんなお前を狙ったんだ?」
「ヴェルニは原子株を奪ってワクチンを作ってそれで世界を掌握しようとした。アキレスは単に私が邪魔だった。免疫者だけの社会を作ろうとしたらね」
「世紀末だな・・・」
「ホントに。ま、そんな所で私はどうしても艦娘に対して不信感が取れないんだよね。何かしてくるわけじゃないけど」
「トラウマってのはなかなか取れないもんだよ。そうだ、いそかぜにでも相談してみろ。いい話相手になってくれるかもな」
「なんで?同じイージスだから?」
「・・・アイツは仲間を沈めたんだ」
「そうなんだ・・・」
「まぁ、わざとではないしな。そんなわけだ、アイツならいい相談相手になってくれるかもしれない。ケストレルはお前と似通った感じかもな」
「ケストレルって・・・あの空母艦娘だっけ?」
「そうそう、アイツの場合は戦争中だったが・・・アイツもアイツで姉を沈めたんだ。まぁ、正確には俺達が沈めた」
「え?どういう事?」
「俺はアイツが艦の時代に乗艦してたんだよ」
その時の戦争の話をした。
オーシアやユークトバニアという国名に首を傾げてはいたが。
「そうなんだ。なんかそれ聞いたら安心したよ、私だけじゃなかったんだね」
「そういう事だ。お前1人苦しまなくていいよ」
「ありがと、すっきりしたよ」
ジェームズはもう1本タバコを加えてポケットをゴソゴソしていた。
「2本目か」
「昼間はなかなか吸えないからね。ニコチンの補給だよ」
「そか。まぁ健康には気をつけろよ」
「はいはい・・・ってあれ、火がつかない」
「オイル切れか?」
「あ〜あ・・・提督火、持ってない?」
「火か・・・あ〜、マッチならあるぞ」
「それでいいや」
「ほらよ」
マッチを投げて渡す。
彼女は見事にキャッチした。
「どーもね」
ジェームズはタバコに火をつけていた。
月明かりに照らされてタバコを吸ってる横顔がなんだか映画の主人公みたいだった。
「なに見てんの?」
「いや、何となく」
「あ、そ」
ジェームズはマッチを投げ返してきた。
「んじゃ、風邪ひくなよ」
「言われなくても大丈夫だよ」
そう言ってその場を去った。
〜次の日〜
「んあ・・・」
起きると執務室の机だった。
「やべ、あのまま寝てたのか・・・」
口元のヨダレを拭っていたらドアがノックされた
「はいよー」
「司令官さん!ここにいたのですかー!」
「ありゃ、電?」
「昨日帰ってこないから凄い心配したんですからね!!」
「すまん、まさかの寝落ちしてた」
「お仕事終わったのです?」
「あぁ・・・なんとか・・・」
昨日の夜、マーフィが寝て暇になったシンビルスクが執務室に来たので頼み込んで手伝ってもらった。
幽霊に手伝わせるって凄い構図だが・・・
電とそんな話をしていると鹿島が入ってきた。
「おはようございます提督さん、今日の訓練って何がありますか?」
「あー・・・そだ、ジェームズの戦闘能力のデータが欲しいからな、鹿島がその情報収集係で」
「了解しました」
鹿島は敬礼して出ていった。
「そういえば司令官さん」
「ん?なんだ?」
「司令官さんタバコ吸うのです?」
「またどうした?」
「いえ、なんだが服からタバコの臭いがしたので・・・」
「あぁ、ジェームズか」
「ジェームズさんですか?」
「アイツ、タバコ吸ってるからな。まぁ、本人はそういうキャラじゃないから言わないでって言ってたが」
「それ言っちゃっていいのですか・・・」
「電には隠し事無し、だろ?」
「そうですけど・・・ま、まぁ私は誰にも言わなければ問題ないですね!」
そんな話をしてたら今度はジェームズが入ってきた
「おっはよー!」
「おっす」
「今日ってなんかあるの?」
「お前の戦闘能力を把握するテストみたいなのするぞ」
「ほう!私の本気を見せる時が来たようだね!」
「まぁ怪我しない程度に頑張ってくれ」
「はーい!」
ジェームズは気分良さそうに出ていった。
ホントに昨日とは別人だな・・・
最近またあんまり面白い事書けてないような・・・
思いつきで自衛隊生活日記的なの書いてみようか(・∀・)