部屋に差し込む日差しが暖かくなってきたこの頃。
鎮守府には銃声が響いていた。
この前の艦娘の陸戦訓練命令、あれをウチでも実施している。
教官にマーフィ、その助教にジェームズが付いている。
2人とも銃の扱いや戦い方も完璧だった。
あの2人が教えたら大丈夫だろう。
ただシンビルスクが訓練用に使っている建物のくらい場所に出てきて訓練生を脅かして1部お化け屋敷みたいになっている。
その度にマーフィにシンビルスクが怒られているのだが・・・
「落ち着かねぇ・・・」
「そうですか?」
銃声の響く場所で仕事はまったく落ち着かない。
電も居たらきっと同じことを言うだろう。
だが当の電はその陸戦訓練に行っていて居ない。
代わりにアンドロメダがいる。
「そういえばこの命令どうしますか?」
「そうだなー・・・」
アンドロメダが差し出した命令文書
内容は深海棲艦の工廠らしき施設を発見、これを強襲、深海棲艦の生産能力の低下とどうやって深海棲艦が生まれるのかを調査せよとの事だった。
別の鎮守府との合同作戦でもある。
そしてこの作戦には今陸戦訓練を行っている艦娘を投入する。
「そういえば隊長、不知火さんと夕立さんの成績がトップクラスらしいですよ」
「みたいだな、モニターの映像も見たがコイツらノリノリだな・・・」
夕立はM240などの軽機関銃を好み少しトリガーハッピー気味だった。
セカンダリーのハンドガンも50口径のデザートイーグルを好んでいた。
そして不知火はMk18.mod0やショートバレルのM3ショットガンなど短めの武器を好んでいて、戦い方はジェームズやマーフィに仕込まれたSEALsのようなスタイルだった。
不知火は陸戦が好きなのか何なのか同じ部屋の陽炎曰く、今までに見たことないくらいご機嫌で
「私は不知火じゃありません。ジョン・ぬぃっく です」
とか言い出したらしい。
陸戦訓練の前に何かロン毛のおっさんが出てくる映画も見ていたらしい。
「不知火はノリノリだし夕立は火力バカだし・・・いいコンビなのか何なのか・・・」
「どうします?陸戦組は各鎮守府2名ずつってなってますけど」
「コイツらで大丈夫だろ。不知火は閉所戦闘や格闘も上手いし標的を素早く切り替えて射撃するのも得意みたいだからな。夕立もトリガーハッピー気味とはいえ、射弾をある程度集中させてるから制圧射撃でいい仕事しそうだ」
「では司令部にそのように伝えますね」
「了解」
・・・普通の兵士より能力が高いとはいえ・・・見た目は10代の女の子に銃を持たすなんてな・・・
複雑な気持ちだ。
「はぁ・・・」
アンドロメダが出ていき1人になった部屋でため息を着いた。
作戦は1週間後だ。
それまでは艦娘の陸戦訓練に当てられる。
明日からは夕立と不知火を集中的に訓練しよう。
〜不知火〜
もう硝煙の臭いを嗅ぎ慣れた。
私は目の前のターゲットを作業するように撃ち抜いていく。
私と夕立が集中的に訓練され始めてもう4日だ。
《オーケー、オールクリア。前よりタイム上がったんじゃない?》
「ありがとうございます」
《ただちょっとハンドガンへの切り替えにもたつき気味だからそれは要演練ね。とりあえずお疲れ様》
私はキルハウスと呼ばれる建物から出る。
「お疲れ様っぽい!」
「お疲れ様、次はあなたね」
「ソロモンの悪夢、見せてあげる!」
夕立は大きな機関銃を持ち上げて薬室に初弾を装填した。
私はそれを見ながら水分補給をする。
「・・・ちょっと撃ちすぎました」
使った弾薬を確認した。
前より10発ほど増えている。
私は少ない弾薬で敵を倒すというやり方をしていた。
弾薬は無限ではないのだから節約するに越したことはない。
《ぽいぽいぽーい!!》
《ちょっと撃ちすぎよ!!》
《まったく戦場は地獄っぽーい!!ひゃっはー!》
《一つのターゲットに20発は撃ちすぎよ!!》
ターゲットの頭の部分が千切れるまで弾を撃ち込んでいた。
「撃ちすぎ・・・」
私は呆れ気味に呟いた。
私と夕立の作戦はあと3日後だ。
〜提督〜
モニターを前に作戦説明の準備をする。
今回は他の鎮守府との合同作戦だ。
特に隠す必要もないが、現代艦達はなるべく秘匿しておきたい。
もし司令部が知ったらほぼ確実に全ての作戦へ参加させられるだろう。
上からすれば最強の武器なのだから。
そんな事考えてると作戦に参加する艦娘達が集まりだした。
「んーっと・・・全員いるかー?」
人数を数えたら全員いるようだ。
「よし、始めるか。まぁ知っての通り敵基地攻撃だ。ただ今回は敵基地の壊滅とは言え、敵基地の調査も含まれる。だから今回ウチは航空戦力を主体として目標周辺の敵性勢力を精密攻撃する」
モニターに敵基地の画像を出す。
基地周辺の防空装備は事前に偵察したところ高射砲や対空機関砲が主のようだ。
「ただこの対空装備の近くに対空レーダーらしきものを見つけた。もしかするとレーダーを使い正確に攻撃してくる可能性がある。今回は海軍の基地航空隊も合同で出撃前する。その目標の指示などはウチの部隊持ちだ。んで、そのためにE-767、AWACSをウチから上げる。コールサインはマジックだ」
その後も淡々と作戦説明をして行き、最後の陸戦の説明に移る。
「陸戦要員に不知火と夕立が含まれてるのは知ってるよな?それと一緒にウチの鎮守府の陸戦部隊も出す。コールサインはハンマーだ。不知火、夕立は艦隊ともに前進、周囲の安全を確保したのちに上陸、艤装は上陸地点に置いてハンマーの到着を待つのとと他の陸戦要員との作戦確認をしておけ」
「了解しました」
「了解っぽい!」
「いいか、危なくなったら後方にジェームズとマーフィ、ケストレル、ピョートル、クズネツォフが待機している。必要に応じて支援要請を行え。艦隊の任務はあくまで陸戦要員の護衛だからな。」
そう言ってブリーフィングを締めくくる。
その時、不知火が俺の方に来た。
「どうした?」
「いえ、これが最後かも知れませんので」
そう言って不知火は自分の識別票を渡してきた。
「帰ってこなかったらこれを陽炎に渡してください」
「・・・形見は受け取らない」
「いいから持っててください。もしこれさえ無くなったら陽炎に渡せるものが無くなります」
「はぁ・・・分かったよ、でもこれは後でお前に返すからな。分かったか?」
「はい」
「じゃあ気合入れて行ってこい、全員帰ってくるまでが任務だからな。一人でも欠けたら任務失敗だ」
不知火はそれを最後まで聞かずに部屋を出た。
「こういうフラグじみた事はやめてくれマジで・・・」
一人識別票を握って呟いた。
〜赤城〜
港を出て18時間ほどたった。
もう間もなく作戦海域だ。
「皆さん、作戦通りに行きます」
「了解!」
「加賀さん、艦載機を上げましょう」
「了解です赤城さん」
艦載機を発艦させていく。
大空に何10機もの航空機が展開された。
〜メビウス1〜
「メビウス1より全機、久々の実戦だから気合入れていくよ!」
《メビウス2ラジャー》
《ほーい》
気合の入れ方は様々だがまぁ大丈夫だろう。
《隊長、どうする?低空から行くか上から行くか》
「今回は艦爆隊もいるからなるべくカバー出来る位置で。各人が思う位置でいいよ、散開!」
《りょーかーい》
隊を分散させる。
あたりは若干暗さの残る早朝だ。
《隊長、下方に敵艦隊確認!》
「了解!艦攻隊は向かってる?」
《現在降下中!》
「了解、そのまま4と5が援護について!」
《了解!エンゲージ!》
2機の零戦が降下していく。
自慢じゃないけどウチの隊員は1人1人が1個飛行隊に相当する戦闘力だから100機でも一気に来ない限り大丈夫だ
《マジックよりメビウスリーダー、艦攻隊に気づいた敵航空母艦より艦載機発艦中》
「了解!みんな聞いた?」
《了解!》
《聞こえてるよー》
全員から返答がある。
大丈夫だろう。
《メビウスリーダー、海軍航空隊が当空域に接近中、誤射に注意せよ。またケストレルよりF-14Dが4機発艦、制空権確保に向かっている》
「了解!頼もしいのがいっぱい来たわね!」
《隊長!敵機視認!単機だから偵察機みたい!》
「分かった、迎撃に向かえる?」
《まっかせてー!》
私は艦爆隊の後方に待機したままでいる。
そろそろ敵機がこっちに気づくはずだろう。
《マジックよりメビウスリーダー、発艦した敵艦載機のうち10機がそちらへ向かった、至急迎撃せよ》
「ラジャー!メビウス1エンゲージ!」
《こちらノーマッド61、間もなく作戦区域に侵入》
《マジックよりノーマッド61、まだ敵はそちらに気付いていないようだ、なるべく低空を飛行しレーダーに補足されるな》
《ノーマッド61了解》
《こちらメビウス4!艦攻隊に迫る敵航空機の半数を撃墜!こちらの被撃墜数は無し!艦攻隊は魚雷の投弾体制に入ったよ!》
《了解メビウス4、艦攻隊へ敵対空砲火に注意せよ》
《こちら艦攻隊、了解!》
無線が飛び交う。
順調なようだ。
「見つけた!」
艦爆隊を狙う敵機を発見した。
「明石さん特製の空対空ロケットでも喰らえ!」
出撃前前に明石さんと夕張さんが搭載してくれた空対空ロケット。
これは目標着弾前に複数の子弾に分散して敵を攻撃する物だった。
子弾1発の威力は30mm機関砲弾クラスらしい。
「発射!」
10機の敵機は密集して接近中だった。
いい的だ。
ロケットに気づいた敵は反転しようとするが遅い。
「おやすみ!」
空に花火のように爆炎が上がる。
4機撃墜だ。
「残り6機!!」
味方を4機もやられて頭に来たのか深海棲艦の異形の戦闘機は後ろを取ろうとしてくる。
「甘い甘い!」
右旋回で回避中にすれ違った敵に機関砲を撃ち込みさらに1機落とした。
「あー・・・でもやっぱしつこいなー・・・」
後方に3機ついている。
アレやるかー。
「よっ・・・と!」
機体を80度近くピッチアップさせる。
だが高度は変わらずだが速度は急減速する。
コブラとよばれる機動だ。
これで敵機は私を追い越した。
機首を下げると慌てて逃げようとする敵機の後ろを取った。
「おやすみー、いい夢見てね〜」
ラダーを切って機首を左右に揺らし横薙ぎにするように機関砲と機銃弾をばら撒く。
被弾した敵機は3機とも撃墜された。
《マジックよりメビウスリーダー、敵戦闘機撤退を開始。追撃は避け艦爆隊の護衛に復帰せよ》
「了解、歯ごたえないなーホント」
《敵偵察機撃墜!!高いところ飛びすぎだよもー!!》
《マジックより艦爆隊へ。グローバルホーク無人偵察機から得た情報によると敵基地周辺に強固な対空防衛網が張られている。レーダーによる観測射撃を行っているようだ。ただしレーダーは低空が死角になっている、低空を飛行し爆撃を行え》
《艦爆隊了解!!》
《マジックよりメビウスリーダー、艦爆隊の護衛を上空のF-14Dが引き継ぐ、艦攻隊の支援に迎え。またもう間もなく呉鎮守府の艦隊が当海域に侵入》
「了解!」
《呉の航空隊が到着後、艦爆隊の援護をそちらの支援に回す》
「了解、艦爆隊から一旦離れる!」
《こちら呉艦隊旗艦の神通です・・・聞こえますか?》
《マジックより神通、よく聞こえる》
《海域の状況を教えてください》
《横須賀艦隊の航空隊が敵機動艦隊と交戦中、また艦爆隊が低空で敵基地に進攻している。》
《了解しました、私たちの近くに敵はいますか?》
《確認出来ない、そのままの進路を維持して目標へ向かえ》
《了解しました》
呉の艦隊も到着したみたいだ。
これで戦力の増強が期待できる。
「赤城さん!そっちはあとどれ位になりそう?」
《もうあと2時間ほどで敵基地に肉薄できます、航空隊の皆さんも補給は遠慮せずに行ってください》
「了解!」
《マジックより旗艦赤城へ、空母は現在位置で停止し駆逐艦と巡洋艦を先行させろ。護衛に後方からネイサン・ジェームズが急行中》
《了解しました。加賀さん、ここで止まりましょう》
《分かったわ》
〜不知火〜
空母と別れて敵基地に向かう。
今いるのは、利根と筑摩、夕立と私だ。
私たちは艤装のほかに上陸後に使う小銃と弾薬、ボディアーマーを艤装に付けている。
「不知火に夕立よ、上陸後に敵を追い払うは吾輩達に任せて一気に行くのじゃ!」
「分かってます」
「危なくなったらすぐ呼んでね」
「はい」
《こちらノーマッド61!不知火へ、聞こえるか?》
「聞こえます」
《そちらが上陸して10程で現地に到着する、到着後は当機のドアガンで近接支援を行う》
「了解しました」
《こちらハンマー1!降りた後はそちらの援護を任せてくれ!》
「了解です。頼りにしてます」
そうして交信を終える。
「さっきから、のーまっどだとか、まじっくだとかよく分からんのじゃ・・・」
「姉さん、電子機器とか弱いものね」
「筑摩は詳しいのか?」
「そこそこですかね?」
「今度教えて欲しいのじゃ!」
「え、2人でですか?」
「当たり前なのじゃ」
「喜んで教えますね」
2人きりという単語を聞いた筑摩は何かすごく嬉しそうな表情をする。
「私がもう手取り足取り隅から隅まで全部教えますね!」
「ん、え?あ、ありがとうなの・・・じゃ?」
妹の突然のテンションの上がり具合いに姉は混乱していた。
その時、管制機から無線がはいる。
《マジックより利根へ》
「な、なんじゃ!?」
《方位0-3-6に敵駆逐艦を確認。数2。そちらへ向かっている》
「ぜ、ぜろ・・・すりー・・・しっくす・・・?」
「姉さん、36度って事です」
「あ!そ、そういう事か!いや、分かってたぞ?」
《マジックより利根へ、了解か?》
「分かったのじゃ!」
《その駆逐艦を撃破すれば敵基地まですぐだ》
「了解したぞ!」
「敵、確認しました!射程圏内です!」
「砲撃開始!」
「発射!」
轟音と共に砲弾が発射された。
「不知火と夕立はそのまま行くのじゃ!」
「了解」
「了解っぽい!」
《マジックより不知火、そのままの速度で前進せよ。敵基地には複数の沿岸砲が配備されている。攻撃に注意》
「了解しました」
もう敵基地のある島は目視できている。
「夕立、砲戦準備」
「了解っぽい!」
《不知火さん!聞こえますか?》
「はい」
《呉艦隊所属の吹雪です!私も同じ陸戦要員なのでよろしくお願いします!》
「了解しました」
《マジックより不知火、もう間もなく舞鶴艦隊も到着予定。陸戦要員は川内と那珂》
「了解しました」
「軽巡って期待出来そうっぽい!」
「そうですか?」
他の鎮守府はきっと上の出した装備で訓練してその通りの装備だろう。
期待は出来ない。
「不知火さん!発砲炎確認っぽい!」
「回避します」
砲の射程まではまだ遠い。今は回避だ。
《マジックより不知火へ。後方に展開する友軍艦隊より沿岸砲台に向け巡航ミサイルが発射された。着弾まで持ちこたえろ》
「対空陣地へは撃てないのですか?」
《対空陣地の正確な位置を特定出来ていないため攻撃は不可能だ》
「了解」
《着弾まで10分ほどかかる》
「了解、この距離を維持して回避します」
《こちらメビウス1!敵機動艦隊の攻撃に成功!空母を撃沈!》
《マジック了解、艦攻隊は補給が必要な機のみ帰投せよ。その他は他鎮守府艦隊の援護に回れ》
《艦攻隊了解、隊を分散させる》
《マジックより不知火、舞鶴所属艦隊が当海域へ進入。基地到達まではまだ1時間ほどかかる見込みだ》
「了解しました。」
その間に安全確保ですね。
そう呟いて前進と回避を続ける。
「不知火さんあれ!」
夕立が指さす方向から多数の巡航ミサイルが飛来した。
「前進を再開します」
《不知火!利根じゃ!敵艦隊を撃破!そちらに戻るぞ!》
「了解しました。感謝します」
目標まであと数マイル。
上空をミサイルが通過していった。
敵の砲撃はまるで命中しない。
「敵も大甘照準ですね」
「エイムが甘いっぽい!」
数十秒後敵基地に爆炎が見えた。
着弾だ。
《マジックより不知火。グローバルホーク無人偵察機から新たな情報。敵は防御陣地を構築中だ、接近し艦砲射撃を行え》
「了解」
もうすぐ射程内だ。
《こちらマジック、敵の防御陣地には重機関銃及び迫撃砲の配置を確認した。上陸後に集中砲火を浴びせるつもりらしい。先制攻撃で撃破せよ》
「了解。艦爆隊は?」
《早期警戒レーダーを回避しつつ接近中。もう間もなくだ》
遠くからエンジンの音が聞こえてくる。
空爆を先に行われた方がいいかも知れない。
「不知火さん!いつでも撃てるっぽい!」
「了解、射撃開始!」
敵陣地へむけて12.7cm榴弾を撃ち込む。
敵はまだ砲撃に気付いていないようだった。
また砲撃の直後に頭のすぐ上を艦爆隊が飛行していった。
「着弾確認。マジック、効果はどうですか?」
《現在偵察機が向かっている。待機せよ》
あちこちから煙が立ち上っている。
何発は命中しただろうか。
《確認、敵陣地の20%弱にダメージを与えた。のこりは艦爆隊に任せて前進》
「了解」
ここから一気に速度を上げていく。
上陸まで5分とかからない。
「夕立、一気に行きます」
「了解っぽい!」
すぐ目の前では艦爆隊が敵陣地と対空陣地に対して空爆を行っていた。
《マジックより舞鶴航空隊、敵艦隊の約50%を撃沈》
《舞鶴航空隊、了解》
《舞鶴所属の艦隊はそのままの進路を維持せよ。横須賀艦隊の陸戦要員は上陸を開始した》
《了解!急ごう!》
《マジックより艦爆隊へ、敵対空設備にダメージ。あとひと踏ん張りだ》
私たちもあと一息で目標に着く。
「ついたっぽーい!」
「マジック、こちら不知火です。上陸に成功しました」
《マジック了解。ノーマッド61の到着及び他の味方の到着を待て》
「了解。夕立、周りを警戒しつつ装備を変えます」
「了解っぽい」
夕立はいつものお気楽な感じから雰囲気を変えた。
私も訓練より急いで武装を用意する。
「OKっぽい」
「ノーマッド61の到着まで待ちましょう。利根、聞こえますか?」
《聞こえるのじゃ!》
「夕立と上陸に成功しました。周辺の警戒をお願いします」
《了解なのじゃ!》
《マジックよりメビウスリーダー、当該空域の敵性航空機の排除を確認。上空警戒にあたれ》
《了解!》
《こちらノーマッド61、もうまもなく到着する!》
《了解ノーマッド。まだ目標には少数ながら対空装備があると思われる》
《61了解!細心の注意を払い接近する!》
《マジックより艦爆隊へ、損害を報告せよ》
《10機中が4機が落とされたが全員のパラシュートを確認している!》
《了解、ノーマッド61は兵員を降下させた後にCSARを実施せよ》
《了解!》
無線からは現在の戦況か聞こえてくる。
今はこっちが有利のようだ。
「夕立、敵は見えますか?」
「まだ居ないっぽい」
その時だった、耳元に風切り音がして咄嗟に振り向くと後ろに置いた艤装に銃弾が当たり火花を散らしていた。
「コンタクト!」
「どこ?!」
上陸地点にあった装甲車の残骸に隠れて敵を探す。
ふと基地のまるで研究所のような四角い施設の上にキラキラ光るものを見つけた。
スナイパーだ。
「居ました。距離200m、あの建物の屋上です」
「見えたっぽい!!」
夕立が制圧射撃を開始した。
「艦爆隊聞こえますか?」
《こちら艦爆隊!》
「私たちから見て丁度正面の四角い研究所のような施設の屋上にスナイパーらしきものがあります。機銃掃射を要請」
《了解!目標位置確認!》
すぐに上からエンジン音が聞こえてきた。
同時に曳光弾も大量に目標の位置に降り注ぐ。
《こちら艦爆隊、効果は不明だか敵はビビっただろう》
「了解、感謝します」
「どうする?」
「今のうちに陣地を確保します」
「あそこがいいと思う」
夕立が指さす先にはまだ損傷を受けていない重機関銃が配置された土嚢で作られた機関銃陣地があった。
「あそこに行きましょう」
なるべく急ぎながらも警戒をおこたらずに進む。
「グロイっぽい・・・」
「・・・」
そこには空爆の破片を食らったのかそれとも重機関銃の直撃でも食らったのかおびただしい量の血痕と何かも分かりたくない破片がいっぱいあった。
でもそんな事でここを放棄するわけにはいかない。
「夕立は50口径についてください」
「了解!」
遠くからヘリの音もする。
《こちらノーマッド61!もう5分もかからない!目標地域は安全か?》
「今のところ敵は確認できません」
《了解!》
《不知火さん!吹雪です!聞こえますか?》
「聞こえます」
《あと20分ほどで到着します!》
「了解」
《こちら川内、私たちもあと40分ほどかかるけど到着するよ》
「了解しました」
私は初の陸戦ということで少し気分が高揚していた。
心拍数も早くなっているような気がする。
まるで始めて陸戦訓練を受けた時みたいだ。
いや、それよりもきっと興奮しているだろう。
私はそんな事思いながら銃を握り直した。
LINEグループで艦娘がCoDキャラになった時の話を見てて思いついた(