横須賀鎮守府の日常   作:イーグルアイ提督

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一年近くほったらかしてすみませんでした!




ブラック鎮守府の捜査

「ガサ入れ・・・ですか・・・」

 

執務室に俺と海軍本部の将校。

 

「うむ。ブラック鎮守府の摘発でな。それで捜査に・・・」

 

「なんで俺なんすか」

 

「ほら君あれじゃん・・・元グリーンベレーじゃん」

 

「元グリーンベレーの俺に勝てるもんか・・・とか言わせたいんですかアンタは。あと俺はSEALsです」

 

「そうだっけ?まぁいいや、とにかく君の鎮守府から地上戦が出来る艦娘を1人連れて行ってくれ。表向きは鎮守府と鎮守府の情報交換みたいなものだ」

 

「だから他のヤツに頼めっての・・・はぁ・・・了解しました」

 

なんで一々俺にこんな任務が・・・提督の仕事じゃねーだろこれ。

この話電が聞いてなくて良かった。

上の言う摘発なんて対象が生きてようが死んでいようが構わないって意味だからな・・・

 

「陸戦得意なヤツなんて居たっけな・・・不知火ですら陸は苦手って言ってたし・・・」

 

「まぁ考えておいてくれ。出発は明日だ」

 

「明日!?」

 

「こういうのは一刻を争うからな」

 

「いくら何でも急すぎるだろ・・・」

 

「報酬は弾むぞ?」

 

「良いように使いやがってからに・・・了解しました」

 

将校は納得したのか頷いて出ていった。

 

「はぁ・・・陸戦得意そうなのはイージスの連中か・・・いそかぜは・・・休暇だしマーフィーはまだ怪我治ってないし空いてるのはジェームズか」

 

早速ジェームズを呼び出す。

ちょうど近くに居たのかすぐに来た

 

「はいよ、呼んだ?」

 

「お前これとか使える?」

 

M9とMP7を渡す。

 

「うん、普通に使えるよ。どしたの?陸で戦えって?」

 

「まぁ・・・そんなもんだな。ブラック鎮守府摘発だと」

 

「それで陸戦できそうなのが私だからって事ね・・・まぁいいよ。任せて」

 

ジェームズは了承してくれたようだ。

それにしても上もブラック鎮守府は即死刑みたいな事言ってるのにまだやるヤツいるのか・・・

大抵は艦娘を性欲処理機だと勘違いした馬鹿相手だが。

 

「あ、そうだ。銃は自前のがあるからいいよ。それに私拳銃のほうが慣れてるから長いのは提督が持っときなよ」

 

「長いのつっても隠し持てるサイズだからな、俺も拳銃くらいか」

 

最悪体術もあるから大丈夫だろう。

 

「電に言わなくていいの?」

 

「言ったら素直に行かせてくれないだろ、上もそれを知って電が居ない時にいつも来やがるんだよ・・・」

 

「好きな人の手を汚させたくないんでしょ。まったくラブラブだね」

 

「どうした?お前も誰か欲しいのか?」

 

少しからかってみた。

 

「私は別に・・・」

 

ジェームズは少しだけ顔を赤くしてそっぽを向く。

 

「まぁ俺は止めりゃしないから街に出て彼氏でも作ってこい」

 

「だから私は別にって言ってるじゃん!」

 

「そうか?今さっきちょっと顔赤くしてたぞ?」

 

さらにからかうとジェームズはその自前の拳銃を取り出して向けてきた。

 

「殺すぞボケナス」

 

「オーケーオーケー。落ち着こう。俺が悪かった」

 

ジェームズはそのまま部屋を出ていった。

ブラック鎮守府なんて胸糞悪いのが大半だし片付けたところでスッキリしないんだよなぁ・・・保護した艦娘には心に傷を負ってるし治すのも簡単にはいかない。

 

「準備つってもなぁ・・・」

 

持ち物は護身用の拳銃とダミーの書類くらいだ。

今日はもうさっさと寝よう。

電は明日まで姉達と遊びに行っている。

 

「とりあえずメールで送っとくか」

 

電に明日から少し居ないとメールを送るとすぐに返ってきた。

可愛らしい絵文字付きで気を付けてねという感じだった。

 

「可愛いなホント・・・」

 

ケータイで電と撮った写真を眺めていた。

大半が寝顔の写真だったが・・・

 

 

 

 

 

〜翌日〜

 

「用意はいいか?」

 

「いいよ、タバコもバッチリ買ってきたから」

 

「そこかよ準備って!」

 

なんてツッコミながらヘリに乗り込んだ。

目標の鎮守府は1時間ほど飛行したところにある。

 

「ブラック鎮守府か・・・」

 

「どした?」

 

「いや、その人って私たちの事なんて思ってるんだろうって思ってね」

 

「さぁな・・・ただの兵器とか思ってる奴も居れば性欲処理の愛玩動物としか思ってないのも居るしな・・・」

 

人それぞれとしか言いようがない。

共通してるのは胸糞悪い事しかないくらいだ。

 

「ねぇ提督」

 

「なんだ?」

 

「提督は私たちの事どう思ってるの?」

 

「なんだいきなり。まぁ・・・なんだ。家族みたいなもんだな」

 

「そっか」

 

なんて話をしてるうちに鎮守府に着いた。

 

「じゃあまた帰りは呼ぶ、操縦お疲れさん」

 

「了解しました!お気を付けて!」

 

ヘリが離陸していくと出迎えの提督と艦娘が出てきた。

秘書は鹿島だった。

提督は見た目人の良さそうなおじさんといった感じだ。

特に艦娘に疲労の色も見えない。

 

「ようこそ、そちらが秘書ですかな?」

 

「DDG151ネイサン・ジェームズです」

 

「DDG・・・はて」

 

「まぁそのへんはゆっくり中で話しましょう」

 

「そうですな」

 

司令部に案内される。

特に変わった雰囲気はないが。

 

「それで情報交換とは」

 

「えーっと・・・あーなんだっけ」

 

書類を探しながら思い出す。

たしか訓練に関してだ。

 

「あ、思い出した。艦娘にも格闘訓練をしろって事でその訓練のやり方についてです」

 

「ほう、格闘訓練ですか。ベッドの上でですかな?」

 

相手の提督はイタズラっぽく笑う

 

「もう提督さんったら、ふふ」

 

「とりあえず下ネタは置いといて」

 

本題に入る。

 

「格闘経験者はいるんです?」

 

「あー・・・確か元アメリカ軍人だったヤツが・・・鹿島、すまないがクックを呼んできてくれ」

 

「了解しました」

 

「元アメリカ軍って奇遇ですね、俺もですよ」

 

「ほう!海軍ですかな?」

 

「海軍は地上に降りてからだったかな」

 

「ということは元パイロットですか!」

 

「そうですね」

 

なんて話をしていたら黒人のおっさんが入ってきた。

 

「あぁ、クック。この人も元アメリカ軍人らしいよ」

 

「ほう」

 

雰囲気で察する。

たぶん俺と同じ特殊部隊出だろう。

さて、俺は本題の捜査でもしようかな

 

「提督、鎮守府を案内してもらっていいですか?」

 

「ええもちろん。鹿島、連れていってやれ」

 

「了解しました」

 

「ジェームズさん・・・だったかな、手伝って欲しい事があるからこっちに来てもらっていいかい?」

 

「了解」

 

「じゃあジェームズ、後でな」

 

あからさまに今、ジェームズと俺を切り離したな。

気の所為だといいが。

ジェームズは何かを察して雰囲気が変わった。

 

「じゃ、よろしく」

 

「はい」

 

鹿島に連れられて歩く。

特に鎮守府に変わった施設があるわけでもない。

ていうか俺の鎮守府が変わりすぎなだけか・・・

 

「えーっと、ここが工廠ですね。ちなみに向こうが鎮守府の防空指揮所になります」

 

「へぇ、武装は?」

 

「そうですね・・・高射砲と・・・えっとたしかソ連から輸入した自走砲でえっと・・・ZS・・・」

 

「ZSU?」

 

「それです!たしか四連装でした」

 

「てことはZSU-23-4か」

 

「はえ・・・お詳しい」

 

「うちの鎮守府にも似たようなのいっぱいあるからな」

 

「あ、あとこれはクックさんのご意見で導入した、ハンビーって車ですね」

 

「なるほど」

 

1時間くらいに案内してもらい司令部に帰ろうとした時だった。

 

「あっ」

 

「どした?」

 

「すみません、ちょっと靴紐が」

 

「そうか」

 

一瞬気にしなかったがよく見たら靴紐なんて着いていない。

俺はとっさに拳銃に手をかけて言う

 

「何考えてる、靴紐なんてついてないぞ」

 

「・・・命令なんです」

 

鹿島は突然スタンガンを取り出して突っ込んできた。

 

「あぶなっ!おい動くな!」

 

「命令守らないと・・・分かってください提督さん!」

 

「分かれもクソも知るか!!いいか動くな!」

 

だが鹿島はまた体当たりしようとしてくる。

 

「この・・・!」

 

上手く相手の首を締めあげれるように捕まえれた。

 

「さっき聞いてたか知らんが俺は元は特殊部隊出の人間だ、格闘でどうにか使用なんざ100年早いんだよボケナス」

 

「か、はっ・・・!」

 

「正直に話せ、あの提督はどこに行った。この鎮守府で何をしてる」

 

「な、何も知りません・・・!」

 

「知らないならなんでスタンガンで攻撃した?」

 

「・・・」

 

「黙りか?まぁいい、お前はここで寝てろ」

 

「・・・!!かはっ!」

 

気絶させるために手に力を込める。

鹿島の目が少し虚ろになってきた。

 

「・・・許せ、起きた時にすべて終わってる。」

 

 

 

 

 

〜ネイサン・ジェームズ〜

 

鍵の閉まる音を私は聞き逃さなかった。

スカートを触るフリをして足のホルスターのP226のハンマーを起こした。

 

「いやー、良かった。あの提督さん強そうですもんね」

 

「そりゃSEALsだからね」

 

「ところで私は君に聞きたい事が沢山あるんだ」

 

口調も変わっている。

よく見ると窓は簡単に割れない加工が施してあるしドアは鍵がかかっている。

 

「聞きたいこと?」

 

「あぁ、君はとても可愛い。好みの男性はいるのかな?」

 

「別に。いないけど」

 

「あぁ、その冷めた態度も素晴らしい・・・」

 

「・・・何言ってるの?さっきから」

 

大体何が起きそうかは察した。

下手に拳銃を出すと向こうも武器を使ってくる可能性もある。

少し弱めの女の子を演じるか。

 

「それでだね、聞きたい事って言うのは全部君の体に聞くから大丈夫だよ・・・」

 

「ちょ、やだ・・・やめてよ」

 

「ふふふ、もう逃げられないよ」

 

「何それ、帰るから」

 

ドアに行き手をかける。

もちろん開かない。

 

「あれ、鍵?」

 

「大丈夫、すぐ気持ちよくなるから・・・ふふふ」

 

「ひっ・・・!」

 

敢えて怯えた雰囲気を出す。

 

「あぁ、いいねぇ・・・その怯えた顔・・・すぐに気持ちよくしてあげるからねぇ・・・」

 

ゆっくりと近づいてくる。

武器は何も無さそうだ。

私は必死にドアを開けようとするフリを続けた。

 

「や、やだ!来ないで!」

 

「怖がらないでいいよ・・・」

 

男は私から5歩くらいに近づいた。

 

「・・・まあ、ちっとも怖がってないけどね」

 

「なっ・・・!?」

 

拳銃を抜いて少し距離を取る。

初弾は装填済、ハンマーも起きている。

つまりは私が引き金を引けば弾丸は発射されるという事だ。

 

「艦娘ならこういう事しないって思ってた?残念だけど、私は陸戦も得意だから。アーレイ・バーク級を舐めないで欲しいかな」

 

私はいたずらっぽく笑いながら言うが銃口は決して逸らさない。

 

「わ、私を撃てば君の立場は無くなるぞ」

 

「なにそれ。というか、私が独断で拳銃を突きつけてるって思ったの?これ、上からの命令だから。アンタを捕まえろって」

 

「な、なら撃てるわけ・・・」

 

「下半身に脳みそでも着いてるの?あの上の連中が生け捕りを重視してるわけないでしょ。提督のところに来た命令だと、死体でも問題ないって来てるから」

 

「・・・」

 

相手の提督は俯いた。

 

「そういう事だから妙な真似は・・・」

 

その時だった。

相手は突進してくる。

 

「うわっ!?」

 

・・・しまった、油断した。

押し倒される形になってしまった。

持ってきていたP226が手を離れてしまう。

 

「ふふ、何だかんだ女の子だ」

 

「ちょ・・・クソっ・・・!」

 

いくら艦娘といえど、体格のいい男に押さえつけられてはどうしようもない。

 

「は、離して!!」

 

「あぁ・・・まずその減らず口を塞ごうか」

 

「なにを・・・んぐっ!?」

 

口に丸めた布を押し込まれた。

しかも何か薬でも入れてるのか妙に甘い。

両手を押さえつけられているから逃れようがない。

 

「・・・さて、ではその体を拝見させていただこうかな」

 

「んんっ!?」

 

この野郎、動けないのをいい事に・・・

男が私の服の前をはだけさせ下着に手をかけようとした時だった。

数発の銃声と共にドアが蹴破られる。

 

「ジェームズ!!」

 

提督・・・。

 

「なん・・・!?」

 

「てめぇこの野郎・・・良くも俺の可愛い部下に手を出しやがったな」

 

提督の額には青筋が浮かんでいた。

だが、私を押さえつけている相手も往生際が悪いのか私が落とした拳銃に手をかけようとした。

 

「この豚野郎が!」

 

提督は数発発砲した。

相手の腕に何ヶ所か風穴が開く。

 

「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

撃たれた事で相手は私の上から少し動いた。

おかげで右手がフリーだ。

思いっきり顔面を殴りつける。

 

「ぷはっ!提督、あとちょっとで大事な処女が持ってかれる所だったよ」

 

「そりゃすまん」

 

「まぁでも・・・ありがと」

 

ふと相手のほうを見たら無線機を手にしていた。

 

「総員に告ぐ!横須賀からの訪問者はスパイだ!射殺せよ!!」

 

「おまっ・・・!!」

 

基地中に警報が鳴り響いた。

 

「ふ、ふふふ、これでお前らもおしまいだ・・・」

 

「てめ・・・」

 

提督が拳銃を向けようとした時だった。

相手の方が先に発砲した。

その弾丸が私の足に当たった。

 

「あぐっ!?」

 

それ見た提督は無言で応射、相手は額を撃たれて崩れ落ちた。

 

「大丈夫か!?」

 

「な、何とか・・・」

 

当たったと言っても太ももを掠めて少し肉が抉られた程度だ。

デカい切り傷といったくらいだが・・・。

痕が残りそうだ・・・

 

「とにかく逃げるぞ!」

 

「んじゃおぶって」

 

「お前な・・・」

 

私を担ぎ上げて提督は航空機がありそうな格納庫に向かった。

 

「まったく面倒な事になったぞちくしょうめ・・・」

 

「まったくね・・・いてて・・・」

 

「大丈夫か?」

 

「まぁ何とか・・・それよりもなんかさっきから体が火照ってる気がする・・・」

 

「そういえば顔も赤くなってるな・・・さっさと帰るか」

 

物陰に隠れながらそんな話をした。

 

「っとそうだ。上に連絡して警備兵を止めないとな」

 

「そだね、撃たれたらたまんないし」

 

「まったくだ」

 

それにしてもさっきからやたらと体は熱いしなんかドキドキするし・・・なんなんだ。

提督は無線で本部と連絡を取り合っていた。

 

「提督・・・」

 

「ん?どした?」

 

「ううん、何でもない」

 

「そか」

 

「連絡は終わり?」

 

「あぁ、30分ほどで本部の憲兵が来る。それまでは念の為隠れないとな・・・」

 

ふと周りを見渡すと人目に付かなさそうな場所に小屋があった。

 

「あそこは?」

 

「ん?あぁ、あそこにするか」

 

「んじゃ、運ぶのよろしく」

 

「はいはい、お姫様」

 

そうして小屋の中に走り込んだ。

 

 

〜提督〜

 

「はぁ・・・はぁ・・・」

 

「大丈夫か?」

 

「へ!?う、うん、大丈夫・・・」

 

「とは言っても何か変だぞ・・・出血は止まってるし・・」

 

ジェームズは妙にトロンとした顔をしている。

・・・なんかどっかで見たことあるような。

 

「お前まさか風邪ひいてたな?」

 

「え!?な、何してるの!?」

 

「何って熱あるか見るんだよ」

 

おでこに手を乗せてみる。

汗ばんではいるが熱はない。

 

「んー・・・俺の体温が高いのか?」

 

こうなったら・・・という感じでおでこ同士を合わせてみる。

 

「ッッッッ!!!」

 

ジェームズからは声にならない声が上がる。

 

「ど、どした!?」

 

「な、なななんでもない!!」

 

「そ、そか・・・」

 

だがジェームズは苦しそうに呼吸していた。

 

「はぁ・・・はぁ・・・」

 

「・・・」

 

まさか口に突っ込まれてた布に毒でも仕込まれていたのか・・・。

いやそれならもっと早くに効果が出ているはずだ。

 

「ジェームズ、とりあえずそこのマットレスに横になれ」

 

「だ、大丈夫」

 

「いいから」

 

体調不良なのにずっと立たせておくわけにもいかない。

少し汚れてはいるが倉庫代わりだったのだろう、小屋にマットレスがあったのでそこに寝転ばせた。

 

「・・・暑い・・・」

 

「ん?そうか?ってお前何してる!!」

 

「・・・暑いから・・・」

 

暑いからと言いながらシャツのボタンを外し始めた。

・・・下着がこんにちわしてる。

 

「バカお前、下着見えてるぞ!」

 

「・・・提督になら見られていいよ」

 

「何仰ってるんでございますの!?」

 

「・・・だって助けに来てくれた提督カッコよかった」

 

「部下を助けるのは当たり前・・・ってだから更に脱ごうとするな!!仮にも異性の前だぞ!!」

 

「・・・だから提督になら・・・」

 

妙に色っぽい顔をしながらそう言う。

・・・そして俺はピンと来る。

 

「お前媚薬かなんか飲まされたな!?」

 

「なにそれ・・・ていうかもう・・・」

 

そしてジェームズは我慢ならんというように俺の手を引っ張った。

 

「おわっ!?」

 

「提督・・・」

 

「ちょ、まっ・・・俺は妻帯者だぞ!!」

 

「・・・私じゃダメなの・・・?」

 

「ダメとかダメじゃないとかじゃなくて・・・いやダメだろ!!」

 

ジェームズは俺の顔を顔を近づけてくる。

何とか片手で押さえつけて耐えてはいるが。

 

「提督・・・お願い・・・」

 

「お願いじゃなくて!!」

 

「私、提督の下で居られて良かったって思ってるのに・・・」

 

「思ってるのにじゃないわ!ていうかお前薬効きすぎだよ!!」

 

いつものクールな感じとは打って変わって今度はなんか妙にエロいお姉さんと化していた。

 

「提督・・・好きなの・・・」

 

「分かった、俺のこと好きなんだな!分かったから落ち着けってこの野郎!!」

 

「・・・この間からずっと我慢してるのに・・・」

 

「知るかんな事!てか薬のせいでお前変な事になってんだ分かってるのか!?」

 

「私の正直な気持ちだよ・・・!」

 

「分かった、分かったからとりあえず離せぇぇ!!」

 

遂には足を腰に絡めて俗にいうだいしゅきホールド状態になった。

・・・まずい、俺の体制的にバランスを崩すとコイツとキスすることになる・・・

するのが嫌とかではないが・・・いろいろダメなので必死の抵抗を続けた。

 

「いかん・・・そろそろキツい・・・」

 

「ていとく・・・お願い・・・」

 

「んぐぐぐぐ・・・」

 

その時だった。

 

「大佐!!」

 

小屋のドアが開けられた。

 

「大・・・佐・・・」

 

「違う違う違う違う!!誤解だ誤解!!」

 

「・・・邪魔しやがって・・・」

 

本部の憲兵隊の到着でようやく解放された。

その後は鎮守府の艦娘の保護等の処理を任せて帰路につく。

ほんの5時間ほどだったのにどっと疲れた・・・。

ジェームズは薬が効きやすい体質なのか帰りの航空機の中でも火照った顔をしたままだった。

さすがに人目があるからかあと一歩で踏みとどまってるようだが・・・。

そんなこんなで横須賀に戻り、執務室に帰ってきた。

今回は突然だったので誰にも代理を頼まずに出たから執務室はカラだった。

・・・これがまずかった。

 

「提督・・・人、居ないね」

 

「ちょ、待て!」

 

ジェームズさんのスイッチ、オン。

鍵も閉められた。

だが、今度は運がいい事に帰ったことに気づいたマーフィが執務室に来たのだった。

 

「あれ?提督ー?いないの?」

 

「ま、待ってくれ!今開ける!」

 

「・・・チッ」

 

ジェームズは不機嫌そうに舌打ちをした。

その後は状況を説明してマーフィに連れて帰って貰った。

俺は疲れきった体で部屋に戻りシャワーを浴びた。

今日は電は泊まりだとさっきメールが入っていた。

・・・戸締りはしっかりしとこ・・・

 

「さてと・・・1杯飲んで寝るか」

 

冷蔵庫からビールを取り出して飲む。

 

「ふぁ・・・」

 

布団に潜って目を瞑ればすぐに眠りに落ちた。

この時俺はジェームズの薬の効きやすさをもっと理解しておくべきだった・・・。

 

「ん・・・?」

 

何かが体の上にいる。

そして俺が使ってないタイプのシャンプーの香り。

・・・目を開けるとジェームズがいた。

なお全裸。

 

「ジェームズ!?」

 

「あ、起きちゃった」

 

「おま・・・!」

 

よく見るとまだ顔が火照ってる。

何時間効果持続してんねん!!

 

「提督・・・私、2番目でいい、だから・・・」

 

「何が!?あと服着ろ!!」

 

あんのクソ野郎、ジェームズになんて事しやがる!!

おかけで大変な目にあってるんだぞ!!

と今頃地獄でBBQにされてそうなあの鎮守府の提督に心の中で恨み言を言う。

 

「もう我慢出来ない!」

 

「んぐ!?」

 

不意打ちのようにキスをされた。

 

「えへ、やっと出来た」

 

見たことないような幸せそうな顔。

・・・あぁもうどうにでもなれ・・・

 

「ねぇ提督・・・続き、いい?」

 

「あぁもう・・・どうにでもなれ・・・」

 

このクソ提督と自分を心の中で罵った。

 

「ちゃんと避妊はするから、ね?」

 

「そこまでやるの!?」

 

予想してなかった言葉。

 

「だって好きなんだよ、提督」

 

「いや、あの・・・これ逆レ〇プって奴じゃね!?」

 

「そうだけど」

 

「そうだけどじゃねぇぇ!!」

 

「お願い、今夜だけ・・・」

 

ジェームズは今にも泣きそうな顔だった。

 

「・・・あのな、なんでそこまでして」

 

「受け入れてくれたから・・・」

 

「何が?」

 

「私のこと、過去の事とか・・・」

 

「あぁ・・・」

 

「その頃から・・・ちょっと気になってた」

 

ジェームズは軽く泣きながら続けた。

 

「電がいるのは知ってる・・・けど、私、今日助けてくれて、それに受け入れてくれて・・・何回も提督には助けられたから・・・」

 

「・・・そうか」

 

・・・全裸でそんな事申されましても・・・とムード台無しの事を心の中で思う。

 

「だから私、提督が好き」

 

「・・・俺は」

 

「分かってる・・・分かってるけど・・・お願い、今日だけは提督と寝させて」

 

「・・・分かったよ・・・」

 

泣きながらここまで言われてどう断ろうか分からなくなったので諦めた。

・・・電に黙ってこれだと・・・殺されても文句は言えんな・・・

そう思いながら夜を越した。

 

 

 

〜ネイサン・ジェームズ〜

 

「あぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」

 

「・・・・やっちまったな」

 

「ヤッちまったよホントに!!!うわぁぁぁぁ!!!」

 

私はいろいろ思い出し提督の布団に顔を埋めて叫ぶ。

 

「あ、あれ全部薬のせいだから!!」

 

「・・・ここまでしといてか?」

 

あたりに散らばる昨日はお楽しみでしたねという痕跡。

 

「言わないでぇぇぇぇ!!!」

 

「・・・とりあえず服着ろ」

 

「そうする!!」

 

私は急いで服を着た。

・・・とりあえず昨日言ったことは本心ではあるけど・・・

アホ!私のアホ!!もう後戻り出来ないじゃん!!!

 

「・・・俺も大概クズだな・・・」

 

提督は天井を見つめてそう呟いた。

 

「私!全部私のせいだから!!」

 

「半分くらいは俺のせいでもあるがな・・・」

 

「ごめんなさいぃぃぃ!!!」

 

私と提督はその後、なんとも言えない空気で部屋を片付けた。




エロ漫画の読みすぎなストーリーになったと思ってる(

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