吹き込む風が寒くなってきたこの頃。
秋刀魚が食べたい。
「はぁ~・・・腹減った~・・・」
「もう、まだ3時なのですよ?」
「んなこと言ってもだな・・・」
「もう・・・私がおにぎりでも作ってきてあげるのです」
「お!さんきゅー!あ、塩は電の手汗でい・・・ぎゃああああ!!!」
「なんか言ったのです?」
「何も!何も言ってないから指折れるぅぅぅぁぁぁぁ!!」
なんだよ!嫁の手汗で塩味が付いたおにぎりとか最高だろ!
と、なんか思考がおかしくなってる俺がいた。
こんな季節だしね、仕方ないね。
「さて、おにぎり作ってくるのです!具は何がいいですか?」
「あァん・・・指痛いよぅ・・・あ、具は電の髪のk・・・ぎゃあああああああ!!!」
「いっぺん・・・死んでみる・・・?なのです」
「ごめんなさいすいません許してくだぎゃああああああああああ!!!」
「いったいなんで今日に限ってそんなに変態さんなんですか・・・司令官さん・・・」
「うぅ・・・痛いよぅ・・・」
「これ聞いてないですね・・・具はこっちで決めますね」
腕を変な方向に曲げられて関節外れそうになったでござる。
で、なんでこんなに今日は変態なのかって?
HAHAHA!俺も分からねーぜ!
そんなこんなしてると司令部から電話が
「はいもしもし」
<<大佐か?ちょっとした偵察任務を任せたいんだが・・・>>
「はぁ、偵察ですか・・・む、まさか女風呂を!?」
<<いやまて・・・いろいろマズイから>>
「じゃあ・・・女湯の露天風呂を空撮ですか?!よっしゃ任せろ!」
<<ねぇどうしたの!?今日どうしたの!?>>
「俺も分からねーぜ!!HAHAHA!!」
<<いやまぁ・・・この近海に深海棲艦の活動が活発になってる場所があるんだ。どうも泊地を建設中らしい>>
「つまり・・・」
<<つまり?>>
「そこの泊地の女風呂を偵察っすね!」
<<いやちげーだろ!!どんだけ女風呂好きなんだお前!!>>
「はぁ!?女風呂とか最高のパラダイスじゃないっすか!!」
<<君いったいどこで拾い食いした?!昨日何食った!?>>
「え、昨日?昨日なら電と体を重ね・・・ああああああああああああああああ!!!!」
<<え、ちょ、大佐?大佐・・・大佐ァァァァァァ!!!!>>
俺氏、突然意識を失う。
ボクが一体・・・何をしたって言うんだ・・・
突然の頭部への衝撃のあと俺は意識を失った。
~電~
今日の司令官さんどうしたのです・・・あ・・・そういえば今朝盛大に転んで頭打ってたのです・・・
「女風呂とか最高のパラダイスじゃないっすか!!」
司令室の前にお茶とおにぎりを持ってきた時、そんな声が中から聞こえた。
何話してるのですかこの変態は・・・。
いやでも・・・今日は頭打っただけなのです、きっとそのせいでおかしくなってるだけなのです!私は司令官さんを信じるのです!
「司令官さん、入り・・・」
「え、昨日?昨日なら電と体を重ね・・・」
私はその言葉の続きを瞬時に理解して司令官さんの顎にアッパ-を入れた。
た、確かに昨日はしましたけど!そこから先ほかの人に言われるの恥ずかしいのです!!
「司令官さんの変態!変態変態!!なのです!!」
「それは我々の業界ではご褒美・・・で・・・す・・・」
何か変態的な言葉を言い残して、司令官さん撃沈。
<<あ、あの、もしもーし!>>
「電話代わったのです」
<<ああ、電か。大佐はどうしたんだいったい・・・>>
「あの・・・頭をぶつけて・・・」
<<ああ・・・OK、状況を理解した>>
「それで、何の御用なのです?」
<<ああ、内容は・・・>>
近海での偵察任務だ。
この近くで敵の活動が活発になっている地域が確認され、近くには泊地のような物が建設中らしい。
またすごくどうでもいい情報だが、この海域、やたらと秋刀魚がいるとか・・・
すごくどうでもいいのです・・・
「了解なのです、司令官さんが起きたらまた伝えるのです」
<<ああ、作戦自体の決行はなるべく急ぎで頼む>>
「了解なのです」
電話を切ったのはいいが・・・司令官さん・・・どうしよう・・・
そんな事を考えていると。
「う~ん・・・」
「あ!司令官さん!元に戻ったのです?」
「元ってなんだよ・・・いてて・・・」
「あの、司令官さんが寝てる間に任務が来たのでお伝えしときますね」
「ん?任務?」
「はい、付近の海域を偵察だそうです」
「はいよ、んじゃ早速、赤城、加賀、アンドロメダ、いそかぜを呼んでくれるか?」
「了解なのです!」
司令官さん・・・元に戻ってよかったのです・・・いやもう本当によかったのです。
~提督~
「・・・が今回の任務内容だ。いそかぜは付近の索敵、アンドロメダは情報処理だ。あと念の為、鎮守府の即応戦力としてシンファクシを待機させる」
「そういえばシンファクシさんの姿を最近見てなかったんですけど・・・」
「ああ、アイツならユ-クの実家に里帰りしてたぞ」
「じ、実家あったんですか・・・」
「建造された工廠じゃなかったか?」
「ああ・・・オクチャブルスクの・・・」
てか、潜水艦の里帰りってなんかすごい壮大な気がする。
そんな話は置いといて。
「まぁ、そんなわけだ。出撃準備急げ!」
「了解!」
~赤城~
そろそろ偵察隊を上げないと。
あの子たちはもういつでも飛び立てるみたい・・・
うん、行きます!
「艦載機発艦はじめ!」
「・・・発艦はじめ」
私と加賀さんが放った矢が空中で光、十数機の航空機に変わる。
「メビウス隊、加賀航空隊ともにレ-ダ-コンタクト・・・」
アンドロメダさんは隣で偵察機の情報を受け取る準備を始めていた。
「レーダーに敵影ありません、空域、海域ともにクリアです」
「いそかぜさん、それは偵察海域もですか?」
「いえ、偵察海域には靄のようなものがかかっていてレ-ダ-には何も・・・たぶん、電波妨害の可能性が・・・」
電波妨害・・・知らない子ですね!
「それだと・・・私もデ-タ受信ができないですね」
「一応、アンドロメダさんと私の電子装置は強力ですし、問題はないと思いますよ」
「念の為、ECCM起動します」
「了解」
二人からはもはやどこの国の言葉か分からない単語が飛び交っていた。
加賀さんのほうを見ると涼しい顔をしていたので・・・
「加賀さん、今の二人の話、何かわかりました?」
「ええ」
「さすが加賀さ・・・」
「まったく分からないわ」
ですよねー・・・
~メビウス隊~
「まもなく偵察空域に到着、偵察準備」
<<こちら2、眼下に何か見えた・・・写真撮るね>>
<<こちら加賀航空隊、敵機か?>>
<<いや、たぶん違うよ。敵機はお願いね!>>
<<赤城さんトコのは偵察に集中してくれ、尻はアタシ達が護る>>
「頼もしいことで・・・」
偵察空域は驚くほど静かだ。
無理いって増設してもらったレ-ダ-にはまだ何も映っていない。
スイッチをいじり、レンジを10nmから25nmに変更する。
すると小さな光点が映った。
「メビウス1より加賀航空隊、現在地から20マイルくらいに反応・・・たぶん・・・航空機だと思う」
<<了解、迎撃に向かう>>
「今回は私たち、レ-ダ-積んでて重いからホントに頼むからね!」
<<ああ、任せろ>>
6機の烈風が旋回して迎撃に向かった。
私たちは散開しているため、敵機に補足されると回避が難しい。
「メビウス1から被弾姫、聞こえる?」
<<ちょ!!だから誰が被弾姫よー!!>>
「何か異常ある?」
<<無視かーい!スルーですかー!!異常はありませんよーだ!>>
「ならいいんだけど・・・なんかまたアンタが一番最初に落ちそうな気がして・・・」
<<なんでよー!!>>
「乙女の勘ってヤツかな?」
<<そんま物騒な勘があってたまるか!って言いたいんだけど・・・敵影目視・・・>>
「ちょ、早く逃げなさい!!」
<<う~ん・・・難しいかも>>
「難しいかもじゃないわよ!!私が守ってあげる、早く!」
<<こういう時だけ優しいんだから・・・>>
「冗談言ってる場合じゃないわよ!!」
私はすぐに旋回してメビウス8のいるほうに向かう。
「加賀航空隊!こちらメビウス1!援護要請!」
<<ま--れ!!----右に避け------撃----->>
「何?!聞こえない!!」
<<アンドロメダよりメビウス隊!緊急離脱してください!パ-ンパ-ンパ-ン!コードU、ユニフォ-ム!ユニフォ-ム!>>
コ-ドU・・・私たちが決めたフォネティックコ-ドがある。Uはアンノウンを示している。
つまり・・・不明機が接近しているのだ。
「もう・・・目の前・・・だよ!!」
機体が重い・・・!でも・・・敵機よりは機動性が残ってる!!
「オメガ!ブレイクレフト!ブレイクレフト!!」
<<くっ・・・こいつ・・・!!>>
私は落ち着いて照準を合わせる。
後ろには別の敵機が食いつこうとしていた。
「くっ・・・でも!!こいつだけは!!」
照準があと少し・・・あと少しで合う!
「発射!!」
<<撃墜!ありがと!!>>
「お礼はいいから後ろのどうにかしてー!!」
敵機に食いつかれ、ハイGバレルロ-ルで敵の照準を外そうともがく。
「ハァハァ・・・!!くそっ!!」
Gのせいで呼吸も苦しい。
でも、苦しさから逃げようと旋回を緩めれば撃墜される。
<<隊長!!そのまま機首下げて!!>>
「え?」
私は思わず機首下げを行う。
後ろを振り向くとちょうど敵機の機関砲が火を噴いたのが見えた。
同時に・・・
<<当たれぇぇぇぇ!!>>
敵機が爆発を起こすのも見えた。
「グッキル!グッキル!!」
<<ハァハァ・・・ふぅ・・・スプラッシュワン!>>
「まさか助けられるとは・・・それもオメガに」
<<まさかって何よー!!>>
「えへへ、冗談だよ、じょーだん」
横を飛んでるオメガに笑顔を向け正面に向きなおすと・・・
「あ・・・」
火を噴きながら突っ込んでくる敵機のロケット弾が迫っていた。
油断した・・・
「オメガ・・・ごめん・・・」
私の最期の言葉をオメガに言う。
静かに目をつぶる
空で死ねるなら・・・まぁ・・・いいか。
<<うわああああああああああああああああ!!!!>>
オメガの悲鳴のような声と爆発音。
目を開けると小さな破片と爆煙が空に散っていた。
「オメ・・ガ・・・?」
被弾したのはオメガだろう。
その機影をさがすと。
「オメガ・・・どこ!?」
<<こ、ここだよ~>>
「どこ・・・どこよぉ!!」
<<ここだって!>>
その瞬間、胴体に複数の穴が開いたオメガの機体が目の前を横切った。
「あなた・・・被弾して・・・」
<<えっへっへ~、いつもの事じゃん>>
「いつもなら脱出してるでしょ!!」
そうだ、いつもなら被弾したら必ず脱出している。
でも・・・
「オメガ、赤城さんまで帰って!」
<<え~、大丈夫だよ>>
「帰りなさい!!これは命令よ!!」
<<・・・>>
<<オメガ?どうしたの?>>
<<こちら3、隊長、状況は?>>
「ごめんみんな、ちょっと待ってて」
今はオメガを帰らせないと・・・
脱出できたなら何か不思議な力か何かで母艦まで帰れるが・・・墜落か撃墜は帰れないのだ。
つまり・・・死ぬということになる。
「オメガ!お願いだから帰還して!」
<<・・・無理・・・かな>>
「・・・?」
<<燃料タンクに穴が開いてるの。それに左のエルロンの反応がまるで無い・・・エレベ-タ-も反応が薄い・・・急激な機首上げとかが全然できないよ>>
「そ、それ・・・」
つまり・・・ほとんど操縦不能だ。
「だったら脱出!脱出しなさい!!」
<<それも・・・無理かな>>
「なんでよ!!」
<<キャノピ-のフレ-ムが歪んじゃって・・・扉が開かないんだ>>
「あなたどんな状況でも脱出したじゃない!!脱出してよ!お願いだからぁ・・・!」
私はいつの間にか涙声になっていた。
目の前で仲間を失うなんて嫌だ!
「そうだ・・・機銃でキャノピ-を撃てば・・・!」
私はそう思いつくが・・・すぐに現実に戻る。
もしオメガに当たったら?
さっきの空中戦の最中に7.7mm機銃が給弾不良を起こしている。
今残っているのは機関砲のみだ。
しかし20mmなんて口径が人体をかすめれば?
「どうすれば・・・!」
<<無理だよ>>
「なんで諦められるのよ!!」
<<何でって・・・私自身が・・・被弾してるもん>>
「え・・・?」
背面飛行を行いオメガの真上を通過する。
・・・コクピットに血が広がっていた。
「ち、血が・・・」
<<ケフッ・・・だから・・・無理なんだよ>>
「やめてよ!無理なんて言わないでよ!!」
何とか助ける方法は・・・
そんな事を考えていると被弾しているオメガを狙って敵機が迫ってきた。
「この・・・邪魔するなァァァァァ!!!」
残りの20㎜弾を敵機に叩き込んだ。
その間にオメガの高度はどんどん下がっている。
<<ああ・・・レ-ダ-が消えた・・・配電盤がイカれてる>>
「お願い・・・生きて!死なないでよ!!あなたどんな状況でも脱出して笑顔で帰ってきてたでしょ!!」
<<・・・>>
<<隊長・・・>>
「なによ!アンタは黙っててよ!!」
私は思わず僚機に怒鳴りつける。
<<・・・敵機が撤退を始めた、加賀さんの航空隊が勝ったみたいだよ>>
「だから黙ってって!!そんな事どうでもいいのよ!!!」
完全に冷静さを失っていた。
どうする・・・どうすれば・・・機体をぶつけてキャノピ-を・・・ダメ!それじゃオメガが・・・
<<隊長、下に敵の空母が見える・・・>>
「空母・・・」
確かに眼下に敵の空母を発見した。
そして私は最悪の状況を予想してします。
・・・体当たり・・・
「オメガ・・・やめて・・・そんなことしないで!!」
<<えへへ、やっぱりわかったんだ>>
「やめてって!!お願い!帰ろうよ!!」
しかしオメガは急降下に入る。
外れかけていたエルロンがその急降下の影響で吹き飛ぶ。
「やめ・・・やめて!!オメガぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
<<えへへ、いい声・・・最期に命令違反をごめんなさい・・・>>
「オメガァァァァァァァ!!!」
数秒後に敵空母の艦載機発着口に機体が飛び込み大爆発を起こす。
敵空母はその爆発で轟沈した。
「オメガ・・・バカ・・・バカ!!バカバカバカァ!!!!!!」
~いそかぜ~
「メビウス8・・・レ-ダ-ロスト・・・」
「こちらも確認しました・・・同時に敵空母撃沈確認」
「レーダーロストってどういうことですか!?」
「赤城さん・・・一機・・・落ちました」
「そんな・・・・」
赤城さんはその場に膝をつく。
「赤城さん」
加賀さんは冷静に赤城さんい声をかける。
「・・・これは戦争なんです」
「だからしょうがないんですか?!そんなの・・・」
「でも私たちは艦の時代にも多くの未帰還機がいました。敵だって・・・」
「・・・・・」
・・・私はその状況を眺めるしかできなかった。
「・・・偵察・・・終了しました。敵泊地・・・確認できず、です」
「了解しました」
泊地に見えたのは過去に作られた陸軍のLCAC用の基地と放置されたLCACだった。
こちらの損害は14機中、4機撃墜だった。
メビウス隊の隊長機は燃料が尽きかけるまで捜索を続けていた。
曹候補生一次通ったぜ!でも航空学生は落ちたぜ・・・
てのは置いといて、メビウス隊の一機が被撃墜、MIAと言うのはやりすぎたか・・・