sideレイヴン
喧騒とは、正反対の様な存在であり、かの少女はその移動する空間の全ての視線を集めていた。
能面にも思える澄ました顔は、憂いを帯びて、幸薄である。美少女と言えば言葉が負ける。春の陽気につられてか、髪はほのかに紅色を揺らし、微かに桜を思わせる。流し目に意味はなけれど、男子はほぅと息を漏らし、ましてや女子ですら視線をずらすことすらはばかれる。今見なければ勿体ない。そう思わせるだけの魅力は儚さにあるのだろうか。
「なにあれヤバくない…?」
「腰細?!なに?!モデルの個性かなんか?」
視線をずらせば制服であるが、その歳にしては少しばかり大人びていた。日本人には無い体型で艶やか。決して下品とは言わず、健全な…しかし引き締まっているだろう腰と、長い脚はどうしても目を惹いた。しかしそれとは別に、その長い足には包帯が巻かれている。ファッションとして…という訳では無さそうだ。
見ればわかるが、周りには同じ制服に袖を通している様々な見た目の少年少女がいるが、一様に彼女を見ている。雄英という狭き門を通る学友としての羨望、または新しく入る後輩としての期待。
ちなみに当の本人はその様々な視線を一様に感じ、ただ殺気のような害意では無いことだけを理解してるが、どうにもい心地が悪そうだ。
『人気者ですね。マスコットでは無いのですが…』
いつかの調教師の言葉をエアは借りた。
「あー!!あの時の!!」
後ろから声をかけられたのは、教室の手前に差し掛かった廊下でのことである。
1-Aと記された紙と、その他服が宙に遊んでいるのだ。
『レイヴン、あの時の光学迷彩の子ですね。』
あぁ、久しぶりだと伝えると嬉しそうに手であろう部位を振って…いや全身を動かして答える。
「そうだよ!!あの時はありがとー!!でもすぐどっか行っちゃうんだもん!!!名前聞く前にさ!!」
凄い勢いで手を掴まれブンブンと振られ、困惑気味でレイヴンであると、伝えた。
「れい…ぶん?じゃあレイちゃんだね!私透、葉隠透!よろしくね!!」
顔は見えなくとも、きっと彼女は笑顔なのだろう。見られなくてもとは、心がけの良い事だ。きっと可愛いのだろうと、思ったことを伝えながら、あまりにも大きな教室の扉を開けた。
「ふぇ?!///」
『…前々から思ってましたが、レイヴンってたらしですよね。』
失礼な。
side麗日お茶子
扉を開ける音と共に入ってきたのは赤みがかった白髪に、赤い目をしとる可愛い女の子やった。
私は麗日お茶子!個性は無重力!今日が雄英高校の入学式やってんけど、始まるまで時間があるし、入試の時に私のことを助けてくれたもさもさ頭の地味めの男の子に話しかけた。
話しながら周りをみればほとんどの子が来てたんだけど、あと2人来てないっぽくて、どんな子なんかなーって思ってたら、めっちゃびっくり。
真っ赤な目が綺麗で、すっごく可愛い子と、あと透明な子が入ってきて、皆話しを辞めるぐらい、その子はすごく可愛かったんよ…
でも直ぐに雄英高校がどんな高校かってのを知ることになる。その女の子に見とれてる暇は全然なかった。
「お友達ごっこしたいなら他所へ行け。ここは…ヒーロー科だぞ。」
エナジーゼリーをヂュッ!て一瞬で飲みきった芋虫みたいなのがその女の子の後ろから出てきたのは、すっごく驚いた。
「「「(なんか!!!いるぅ!!!)」」」
あ、なんやろ、今全員の声が重なった気がする。
sideレイヴン
「ヒーロー科だぞ。」
振り返るとそこに寝袋に入った無精髭の目立つ男がぬらりと立っていた。
『ヒーロー情報と照合…抹消ヒーロー《イレイザー・ヘッド》…ランキング圏外です。個性は抹消…だそうですよレイヴン。しかし見た目は不審…んんっ…』
「まぁ、すぐ静かになったのは合理性に富むね。担任の相澤消太だ。」
そう名乗った男、相澤はグラウンドに集合しろという言葉と、服装について伝えると、そそくさと教室を出ていった。
ざわつく教室を他所目に鞄の中から服を取りだし着替えようとすると女子陣からすごい勢いで止められた。エアからも止められた。
『レイヴン?!?!』
「ちょ、ちょっと何してるん?!」
「まっ!?レイちゃんストーップ!更衣室があるからそっち行くよ!!」
と、半ば抱えられるように入口に近かった透と肉球の着いた女子に引っ掴まれるように教室の外に連れ出された。他の女子もぞろぞろと着いてきている。
「だ、ダメだよ、男子もいるんだよ??」
と、肉球女子が諭すように話しかけてくる。そーだそーだと透もやや激しめに抗議をしているようだ。服が大袈裟に動いている。見えない彼女なりの工夫なのだろう。
どうしてかと、不思議に思えば、既に更衣室に着いていた。
side麗日お茶子
相澤先生がそう言ってどこかに向かったあと、すぐに目の前の女の子が机に鞄を置いて服を脱ごうとし始めていた。
「ちょ、ちょっと何してるん?!」
「まっ!?レイちゃんストーップ!更衣室があるからそっち行くよ!!」
ちょちょ、脱ぐのは不味くない?!と思って、私とあと、後ろにいた透明な子がその子を止めて教室から飛び出た。
でも私と、きっとほか数人はお腹が見えた時に、この子の身体を包帯が巻包んでいるのを見逃さなかった。
「だ、ダメだよ、男子もいるんだよ??」
とその女の子に伝えると、その子は不思議そうに
「どう…して…?」
と口に出していた。電子音のようなものが混じった、不思議な声で、表情こそ変わらなかったけど、なんだろ、この子は私たちが守らなきゃ行けない気がする。ヒーローになる上で絶対にそう。
という使命感を、クラスの女子達は感じてたと思う。そんな顔してた。
更衣室について、皆着替え始める。その女の子は嫌でも視線を集めてたし、少し居心地悪そうにその子が服を脱ぐ。皆の、息を飲んだ音がした。
やはり、全身が、包帯だらけで、素肌に見えるとこがほとんどなかった。血に滲むこともなかったけどだれも、口を開くことが出来なかった。
でもその女の子は飄々と着替えてそそくさとグラウンドへ向かってしまった。出る既でこちらを振り返って
「…早く…しよ…?」
って言葉で私たちは疑問を飲み込んで着替えることに集中した。
「「「(釈然としない(ですわ)…)」」」
APP18ぐらいはありそう。
今日中にもう1話出せそうなら出します。あとそろそろ恋愛のアンケート締切にしましょう、あまり待たせても悪いですからね。
恋愛要素は必要?
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素敵だご友人(Yes)
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はぁ…残念ですレイヴン(No )