sideレイヴン
「個性把握…テストォ?!」
誰かがそう叫んだ。グラウンドには自分たちのクラスしかおらず、声は酷く反響している。誰かは分からないが、すぐに肉球の女子が相澤に詰め寄っていく。
「入学式は?!ガイダンスは?!」
「ヒーローになるなら、そんな悠長な行事出る時間ないよ。」
どちらとも、立場に経てば真っ当な…
『レイヴン、彼の言い分はかなり暴論です。』
冷静に考えれば死球に近かい、もはや滅茶苦茶を言ってるようにも思える相澤の言葉を冷静に聞いていた。
「雄英は「自由」な校風が売り文句。そしてそれは先生側もまた然り。」
自由に、少しだけ目が疼く気がする。
相澤はとぼとぼと歩きながら何らかの資料を眺めながら顔を顰めた。いわゆる体力テストと呼ばれる競技種目をあげながらしばらく悩む。
「入試で1番はレイヴン、お前だったな…投げてみろ。」
ソフトボールを投げ渡される。危なげなく受け取り、相澤を見る。どこからか呪詛を感じるが、相澤は顎をしゃくり、個性は使うなよと付け加えた。
「円から出なけりゃいい。」
ソフトボールを思いっきり投げた。軽く砂埃が舞う。
「おいおい…個性無しでこれかよ…」
誰かがそう呟いた。記録は70mだったのだが、呪詛が強くなるのを感じた。舌打ち付きである。とりあえず、無視することにした。
「次は個性ありでやってみろ。全力でいい、どうせ壊れやしないさ。」
そう言われたら、本気でやるしかあるまい。全身を、変換させた。
コーラルを燃やし、赤く燃やしながら全身を、変換させるとバイザーを下ろした。
『メインシステム起動、戦闘モードには…移行できませんね。』
side爆豪勝己
気に食わねぇ、ただでさえ2位であることに許せねえのに、それをこんな、こんなふざけたクソッタレ赤目が俺より上だと?!
俺は、俺は常に1番だった。誰よりも苦労せず誰よりも上だった。だから爆発的に上に立つ為に、爆死するほど努力してきた…つもりだった。
なのに、なのに、こんな細い腕の、包帯女に素の記録ですら負けるなんて、ふざけんなよ!!
包帯クソ女を睨んでれば、次は個性ありだと。1呼吸おいて女は、女は…全身が機械になりやがった。2mぐらいの全身金属のそいつは、ロボットに変わりやがって、背中から火を吹いてボールを吹き飛ばした。
衝撃波で吹き飛ばされそうになってる奴もいる。砂埃で目も見えねぇ。すごい熱気だ。でも俺は目を離さねぇ。円内ギリギリに高速で前進してボールを投げたのを俺は見逃さねぇ。
俺が超えるべき壁が出来た。ずっと昔のことだ。それよりも前にコイツを、この女を越えなきゃならねえ。俺は壁を越えてやる。
相澤が突き出した記録用端末には、2,453mという数字が叩き出されていた。
「すっ…げぇ…」
どいつかがそう零した。そうだよ、コイツはすげぇ、でも俺はもっとスゲェ。見てろよ女。
デクブツブツうるせぇぞ!!!
side葉隠透
レイちゃんが個性でロボットに変身するとこ見てるとちょーかっこよかったし、ボール投げも2,453kmっていう凄い記録出してた。
誰かが言った、そう、言っちゃったんだ。
「なんだこれ!!すっげー面白そう!」
「個性思いっきり使えるんだ!!!さすがヒーロー科!!!」
ざわざわと、伝わっていくのがわかる。レイちゃんってやっぱ凄いんだ!!でも、でもさ…
「面白そう…か……」
ここはさ、ヒーロー科、式もガイダンスも飛ばすようなとこなんだよ…?レイちゃんが何考えてるかは分からないけど、皆を見つめてるであろう赤く光るセンサー…?見たいなやつは凄く冷たい気がする。
「ヒーローになるための3年間、そんな腹積もりで過ごす気で居るのかい?」
相澤先生は、凄く怖い声で、とても恐ろしい事を言った。
「トータル成績最下位のものは見込みなしとして、除籍処分としよう…」
どうしよう…私…私…
sideレイヴン
自分には関係の無い話ではある。しかし面白くない、自由意志の象徴である自分が、自由であるこの場所で、今自由を奪われようとしている彼らを見るのは。
少しだけ、気に食わなかった。
『…毎年ですが、間違いなく除籍処分は出ているようです。去年のニュースでは…1年生が全て除籍となっています。』
目が合った気がする。その見えない少女の、依頼を確かにこの傭兵が受けようと、そう思ったのだ。
「生徒の如何は俺達の自由、ようこそこれが雄英高校ヒーロー科。」
不敵に笑う相澤を横目に、静かに生徒達を眺める。怯えるもの、火をつけられ相澤と同じく不敵に笑うもの、冷静に次のことを考えるもの。多岐にわたる。
「最下位は除籍って、入学初日ですよ?!って、いや、初日じゃなくても理不尽すぎる!!」
「そういう理不尽を、覆していくのがヒーロー、放課後ファストフード店で談笑したいならお生憎、これから3年間、雄英は全力で苦難を与え続ける。」
「Plus ultraさ。最初の壁だ。全力で乗り越えてこい。」
そうか…これも…だから戦友の言葉を借りよう。借り物の翼でここまで来たんだ。今更いくら借りてもいいのだ。だって、返さなくてもいいのだろう?
side葉隠透
先生の演説に、ビックリだけどレイちゃんが、口を開いた。まあヘルメット?に隠れて見えたわけじゃないんだけど。拡声で、いつもより聞き取りやすい、ただ凛とした、強かな声で私たちを元気づけてくれた。
「これも…巡り合わせ…一緒に…壁越え…しよう…。」
入試1位が、私達をバカにすることもなく、一緒に、壁を越えようって言ってくれてる。それだけで私達は、勇気で満ち溢れたんだ。やったるぞー!!
って言っても、そこからレイちゃんはほぼ全ての競技で1位を取ってた。
50メートルは、周りに人が居ないようにって相澤先生に頼んでから、物凄い勢いでゴールして、記録は計測不能だった。何人か吹き飛んじゃってて少しだけ申し訳なさそうにこっちに飛んできてたのは面白かったかも。
私は頑張って走って8秒は切ったよ!!
その次は握力、レイちゃんは個性使いっぱなしなんだけど、握力測るやつが壊れちゃってこれも計測不可能。
なんか…背がちっちゃくなってない…?それぐらい落ち込んでるみたい。
私は…30…まあ、普通かな…
立ち幅跳びは、帰ってくるまで時間がかかるからって大体の距離を計算して言ったみたい。だいたい1キロぐらいは飛びっぱなしで行けるんだって…
次が唯一レイちゃんの負けた種目なんだけど、ボール投げは麗日お茶子ちゃんが計測不能を出してたんだ。無重力にする個性なんだって!
それで、緑谷出久君が出てきた時、すっごく青くなってて、見てるこっちが不安になるぐらいだったんだよね。
彼もなんか、私と同じで個性が記録に影響してないみたいなんだよね…どうするんだろう…あ、投げた。
「46m」
「な…今確かに使おうって…」
もっと青くなって今にも倒れそうな彼を、相澤先生がレイちゃんみたいな赤い目で睨んでた。
「個性を消した。つくづくあの入試は合理性にかくよ。お前のようなやつでも入学できてしまう。」
「消した…?!あのゴーグル、そうか…抹消ヒーロー、イレイザーヘッド!!」
「いれ、なに?俺知らないそのヒーロー…」
「名前だけは見た事ある、アングラ系ヒーローだよ!」
クラスのみんながざわつき始める。相澤先生が首に巻いてた布で緑谷君を縛り上げて何かを話したあと、さっきとは違って個性を使ってボールを投げれたみたい。でも…指が…ボキボキに折れて…っていうか700m超えてる?!凄い…それに比べて、私なんて…
でも、レイちゃんは言ってくれたんだ、壁を、超えるんだ…!!
レイちゃん、私頑張るね!!
「…?」
あ、伝わったみたい。
反復横跳びも、1500m走もレイちゃんが、1位だったよ。1500mとか直線だったから真上をすごいスピードで飛んで行って凄かった…
上体起こしと長座体前屈はロボットの個性きって、生身でやってたけど、上体起こしは男子よりも回数多かったし、長座体前屈は個性で記録を無理やり伸ばせる人とは違うけど、それでもぺたーってなってた。すごい…
「んじゃ、パパっと結果発表…だけどいちいち順位を口頭で言うのは合理的では無い。1位はどうせ分かりきってるだろうし、知りたいのは誰が除籍されるかだけだろ?」
緑谷君は青くなって震えてるし、私も、少し震えていた。どうしよ、私は、彼よりも点数が低かった。除籍には、なりたくないな…せっかく素敵な友達ができたのに…っ!!
その時、優しく手を握られたの。驚いて振り返ると凄い勢いで振り返ったからか目を少しだけ見開いたレイちゃんが居た。少しだけ、笑顔になって、レイちゃんは…私に…
「大丈夫。」
たった一言だったけど、その一言が…すごく、とても…やっぱり凄いな…
「ちなみに除籍は嘘な」
?!
「君らの最大限を引き出す、合理的虚偽」
「「「はぁあああ?!?!」」」
ま、まさかレイちゃんもこれを知って…あ、いやそんなことないや、ちょっと驚いてるもん。
「あんなの嘘に決まってるじゃない…少し考えたら分かりますわ…」
お嬢様みたいな子…たしか八百万百ちゃんだっけ、やれやれって感じで言ってるけど…ほんとにぃ…??
レイヴンちゃんのアセンです
HC-2000/BC SHADE EYE
CC-2000 ORBITBR
AC-2000 TOOL ARM
2C-2000 CRAWLER
BOOSTER
ALULA/21E
FCS
IA-C01F:OCELLUS
GENERATOR
IB-CO3G: NGI 000
EXPANSION
ASSAULT ARMOR
コーラルを使う以上こうする他ありませんでした。武器はまた今度のお楽しみに。
恋愛要素は必要?
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素敵だご友人(Yes)
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はぁ…残念ですレイヴン(No )