バカと俺達の召喚獣   作:ターダン8

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合宿の夜と朝

貴浩「まさか霧島がネックレスの所有者だったなんてな・・・」

 

明久「そうだね。しかもあの点数にあの能力…凄すぎだよ」

 

雄二「だが、翔子のおかげで俺達が翔子たちと組んでいるとは思われないだろうな」

 

貴浩「だな。後は光一たちが犯人を突き止めてくれるのを待つだけだ」

 

康太「・・・・・・・・・」

 

貴浩「ん?どうしたムッツリーニ?難しい顔なんかして」

 

康太「・・・・・・貴浩、明久頼みがある。俺に召喚獣の操作について教えてくれ」

 

明久「どうしたのいきなり?」

 

康太「・・・・・・昨日、今日の戦闘で思っていたことだが

   結局のところ教師を倒したのは貴浩と明久の2人だ。俺は何もできていない」

 

雄二「ムッツリーニの言う事もわかるな。

   俺もランサーに任せてばかりで何も出来ていないしな」

 

秀吉「ワシもそうじゃな」

 

康太「・・・・・・鈴村先生と戦った時、正直俺は自分の力を過信していた。

   この腕輪があれば負けることは無いと・・・」

 

貴浩「だが、結果はボロ負けだったわけだ」

 

康太「・・・・・・ああ、だから俺はもっと強くなりたい」

 

雄二「俺もだ。このまま何も出来ずに終わりって言うのは好きじゃねぇしな」

 

秀吉「ワシもじゃ。ワシも皆の力になりたいのじゃ」

 

貴浩「・・・わかった。じゃあ今から練習するか。

   時間が無いから明久は雄二に、俺がムッツリーニと秀吉に教えるぞ」

 

明久「うん、わかったよ」

 

こうして俺達は雄二が清涼祭でGETした腕輪を使い

夜遅くまで召喚獣の操作練習を行った。

 

 

 

そして朝。

 

 

 

明久が目を覚ますと寝てる秀吉が目の前にいて、

衝動で口付けしようとして……。

 

明久「夢オチ!? がっかりだよ畜生!」

 

という生殺しな夢を見たショックで大声を挙げた。

 

しかも目の前には秀吉ではなく雄二の顔があった。

 

今の明久の声で秀吉やムッツリーニ、光一も目を覚ました

 

秀吉「んむ?……なんじゃ? 雄二はまた自分の布団から離れた場所で寝ておったのか?」

 

明久「秀吉、またってどういう事?」

 

秀吉「いや、別に大したことではないのじゃが……雄二は寝像が大層悪い様でのう。

   明け方はワシの布団の中に入ってきておって……やめるのじゃ明久!

   花瓶を振りかざしてどうするつもりなのじゃ!?」

 

明久「殴る!コイツの耳からドス黒い血が出るまで殴り続ける!」

 

ガチャッ!

 

西村「おいお前ら! 起床の時間だ……ぞ……?」

 

明久「死ね雄二! 死んで詫びるんだ! あるいは法廷に出頭するんだ!」

 

雄二「何だ!? 朝からいきなり明久がキまっているぞ!? 持病か!?」

 

光一「明久殿落ち着いてください!」

 

秀吉「明久落ち着くのじゃ!

   西村先生、すまぬがこやつを取り押さえるのを手伝って頂きたい!」

 

康太「…………(コクコク)」

 

西村「……お前らは朝から何をやっているんだ」

 

花瓶を雄二にたたきつけようとする明久と、

それを取り押さえようとする光一と秀吉とムッツリーニ。

その光景に、朝から呆れてものが言えなくなった鉄人だった。

 

西村「で、そこの男はなんでこの状況で眠っていられるんだ」

 

貴浩「Zzz…」

 

そこにはまだ爆睡中の貴浩の姿があった。

 

明久「あっ、まだ寝てたんだ。貴浩は」

 

西村「おい、さっさとおきんか織村兄!!」

 

鉄人が貴浩の布団を剥ぎ取るが貴浩はまだ起きていなかった。

 

秀吉「凄いのう貴浩は、先ほどまでの騒ぎなどがあったのに起きないとは」

 

西村「コラっ!! おきんか織村!!」

 

明久「西村先生、今のままじゃ当分貴浩は起きませんよ。

   今から専門家を呼ぶんで少し待ってください」

 

そこで明久は携帯を取り出しある人物へと電話した。

 

その人物とは────

 

楓「失礼します」

 

秀吉「おはようなのじゃ楓よ。ところでどうしたのじゃ、男子部屋まで来て」

 

楓「おはようございますヒデ君、皆さん。それは明久君に呼ばれたので」

 

明久「楓、じゃあ貴浩をよろしくね」

 

楓「…はい、わかりました」

 

西村「織村妹は何をするつもりだ?」

 

明久「見てればわかりますよ。あとそれと心の準備をしてたほうがいいですよ」

 

明久はそういうと耳を塞いでいた。

光一も明久と同じように手で耳を塞いでいた

 

雄二「明久、これから何が──」

 

楓「では、いきますね」

 

楓はそういうといつの間にかにフライパンとお玉をたりだし

 

楓「死者の目覚めっ!!!!」

 

ジャン! ジャン! ジャン! ジャン!   お玉とフライパンを叩きあわせた音

 

貴浩「ん?……おはよう楓、皆」

 

のっそりと貴浩が目をさました

 

秀吉「す、凄い音じゃの……」

 

雄二「ああ、耳鳴りが凄いんだが」

 

明久「だから言ったでしょ? 心の準備をしてたほうがいいって」

 

雄二「それだけで分かるか!!」

 

楓「兄さんおはようございます。では私はこれで失礼しますね」

 

明久「楓ありがとうね」

 

秀吉「このために楓を呼んだのじゃな」

 

西村「……本当にお前達は……」

 

 

 

           ☆

 

 

 

そして自習時間

 

俺達は朝の貴浩の件で話していた。

 

愛子「朝からそんな事があったんだね。本当に面白いね貴浩君は」

 

秀吉「あの音はもはや攻撃なのじゃ」

 

貴浩「そうか? 俺はいい目覚ましになんだがな」

 

優子「楓も朝から大変ね」

 

楓「もう慣れましたよ」

 

明久「僕は最初のころは本当にあの音には驚いたよ」

 

雄二「ってか、俺は明久に朝から襲われそうになったんだが…」

 

刀麻「何やったんだ雄二?」

 

雄二「わからん」

 

刀麻「なぜ襲ったんだ明久?」

 

明久「僕が目を覚ましたら目の前に雄二の顔があったんだよ!

   直前までいい夢を見てなのに起きたらこんなブサイクの顔だよ!

   殴りつけるしかないじゃないか!!」

 

貴・刀「「なるほど!! それはそうだな!!」」

 

雄二「納得するな!!」

 

翔子「……大丈夫。雄二がカッコいいのは私が知ってるから」

 

雄二「ん、そうか///」

 

いきなり翔子に言われた雄二の顔が赤く染まる。

 

貴浩「雄二、顔真っ赤だぞ」

 

明久「いいよね雄二は。そんな事をいってくれる人がいて。

   僕にはそんな人いないからね」

 

貴浩「俺もだな。そんなヤツがいたらいいな」

 

明久「そうだね」

 

雄二「お前らそれ本当にそう思ってるのか?」

 

雄二が驚いたように俺達に聞く。

 

明久「え? 当たり前じゃないか! 僕にそんな人いるわけないじゃないか!」

 

貴浩「いたら会ってみたいな」

 

俺と明久は同時に返答した。

 

明・貴「「えっ?」」

 

明久「貴浩にはいるじゃない。まさか気づいていないの?」

 

貴浩「明久にだっているだろ。まさかまだ気づいていないのか?」

 

貴・明「「誰が俺(僕)に好意を向けているって言うんだ!?」」

 

貴浩「明久にはみk───」

 

明久「貴浩には優──」

 

俺達が同時に相手の名前を言おうとすると

 

優・愛・命「「「うわぁアアあああああああ!!!!!」」」

 

優子と愛子、命の3人の声によってかき消された。

 

そして俺は命に、明久は優子と愛子によって連れて行かれた。

 

 

貴浩&命

 

 

命「貴浩君は何言おうとしているの!?」

 

貴浩「悪ぃ。つい口が滑りそうになった」

 

命「もう気をつけてよ」

 

貴浩「ああ、気をつけるよ。

   …ってか命が明久に告白したらいいんじゃないのか?」

 

命「こ、告白!?わ、私にはまだ早いよ」

 

貴浩「早くしないと他のヤツに明久を取られるぞ。

   明久のヤツ、清涼祭の時から人気が出ているからな」

 

命「え?そうなの?」

 

貴浩「ああ、明久は料理が上手いし顔も悪くないからな。

   今まで人気がなかったほうが不思議なんだよ」

 

命「そうなんですか」

 

貴浩「急かす訳じゃないが命も早く決めたほうがいいぞ」

 

命「うん・・・・」

 

そうして俺と命は雄二たちの元へと戻った。

 

 

明久&優子&愛子

 

 

愛子「吉井君は何言おうとしてたの?」

 

明久「え? それは優子さんと工藤さんが貴浩のことが好きだって事を・・・」

 

愛子「うわぁあああ。もういいよ! そこでストップ!!」

 

優子「明久君はいつからその…私達が…貴浩の事を好きってことに気づいたの?」

 

明久「僕が気づいたのは清涼祭の時、貴浩たちが休憩から帰ってきたときからかな」

 

優子「結構前から気づいていたのね」

 

愛子「なんだか恥ずかしいね」

 

明久「で、2人は貴浩に告白しないの?」

 

愛子「告白はまだかな。まずは貴浩君に僕達の気持ちに気づいて欲しいからね」

 

優子「それとなくは少しずつ行動はとってるのだけど…」

 

明久「気づいてくれないんだね。でも早くしないと他の人に取られるかもよ」

 

優・愛「「え?」」

 

明久「貴浩は昔から女子に人気があるからね。

   ただ貴浩が鈍感なだけで気づいていないだけだけど。

   だから早めに行動したほうがいいよ。僕でよかったら応援するから」

 

優子「え? そう、ならお願いしようかしら」

 

愛子「吉井君これからよろしくね」

 

明久「僕も貴浩が幸せになるなら手伝うよ」

 

明久たちも話を終え雄二たちの元へと戻った。

 

 

 

 

貴浩「で、雄二、作戦のほうはどうなっているんだ?」

 

雄二「今、ムッツリーニと光一、砂原に探らせている」

 

しばらくすると、

 

光一「戻った。昨日、高橋先生やジュディス先生たち教師陣や女子生徒を倒した噂が

   広まって全学年の男子が覗きに参加するらしい」

 

雄二「なに? もう全員なのか?」

 

光一「ああ、昨日の戦闘が思ってたより好評でな。皆、乗り気らしい」

 

明久「まあ、一昨日から女子生徒だけでなく教師も倒してるからね」

 

秀吉「そうじゃな」

 

雄二「で、犯人の方はわかったのか?」

 

光一「それは康太と砂原が突き止めたみたいだ」

 

貴浩「それは本当か?」

 

康太「……(コクン)」

 

砂原「うん、犯人はね(ごにょごにょごにょ)だよ」

 

雄二「あいつらが犯人か。よくもやってくれたな」

 

康太「・・・・・・ただ、それは覗きの犯人であって貴浩の脅迫の犯人ではない」

 

貴浩「・・・そうか、でも覗きの犯人が見つかっただけよしとするか」

 

雄二「なら砂原。翔子たちを呼んできてくれ」

 

その後、Aクラスから霧島と優子、愛子、なのは、刀麻、砂原、椎名、

Bクラスから蘭と五十嵐、Cクラスから小山、Dクラスは玉野、Eクラスからは中林、

Fクラスは俺、雄二、明久、秀吉、ムッツリーニ、楓、命を呼び作戦会議を開いた。

 

そして今夜、決戦が始まる。


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