バカと俺達の召喚獣   作:ターダン8

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5/2 修正


修理の手伝い

しばらくゲームをして遊んでいると

 

 

≪ピンポンパンポーン≫

 

 

放送のチャイムが聞こえた。

 

 

《2年Fクラス。織村貴浩君、吉井明久君、至急学園長室までお越しください》

 

 

何故か俺と明久が呼び出しを食らった。

 

楓「兄さん何したの?」

 

貴浩「ん?なんだろう?見に覚えがありすぎてわからねぇ。

   今さっきFクラスのヤツらから逃げ回っている時に窓割った事か?

   それともドアを壊した事か?それとも…」

 

命「やりすぎだよ」

 

明久「まさかこの前の合宿所でのことがバレたのかな」

 

雄二「それは無いだろう。

   もしそうなら俺や秀吉、ムッツリーニも呼ばれているだろうしな」

 

貴浩「まぁいいや。とりあえずババアのところまで行ってみるか。行こうぜ明久」

 

明久「了解。でもババアの顔なんて見たくないなぁ」

 

貴浩「それは言うな明久。俺だってババァのところに自分から行きたくねぇよ」

 

愛子「学園長をババア呼ばわりって…」

 

優子「さすがにそれは学園長に失礼でしょ」

 

とりあえず俺と明久は学園長室まで向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

学園長室

 

貴浩「で、俺と明久をいきなり呼びだしたのはなんでだ?」

 

いきなりの呼び出しで学園長室へと訪れたのは、5名の男子生徒。

織村貴浩と吉井明久、坂本雄二、木下秀吉、土屋康太。

 

学園長「…確か織村と吉井しか呼んでないはずだが・・・まあいいね。

    問題が発生したからあんた達に働いて貰おうって事さね」

 

雄二「どういうことだ?」

 

高橋「それは──」

 

と、一歩前に出たのは高橋女史。

 

高橋「実は先程、学園内に侵入者があったのです」

 

明久「侵入者!?」

 

貴浩「まさか、召喚システムのデータでも盗みに来たのか?」

 

学園長「そうじゃないさね。実は清涼祭での校舎破壊にこの前の合宿での覗き騒ぎで、

    学園の評判がガタ落ちでね」

 

その言葉に、俺と明久、雄二は目をそらした。

ついでに言うと、学園長も3人を刺す様な眼で見ている。

 

貴浩「ん?って覗きの件は俺達が防いだじゃねえか!?」

 

学園長「でもそれを1番最初に行動に起こしたのはお前らじゃないかい!」

 

明久「うっ・・・それをいわれると」

 

学園長「だからその汚名返上として、学会に召喚システムのお披露目をする事になってたのさ」

 

雄二「イメージアップ戦略か。涙ぐましいな」

 

貴浩「ご苦労様です」

 

学園長「……このガキどもにはもう1度、この学園の最高権力者が誰かという事を、

    教えてやる必要がある様だねえ」

 

学園長は高橋女史になだめられて話に戻る。

 

高橋「それでは、話に戻りますよ?」

 

貴・雄「「……はい」」

 

キラリとメガネを光らせ、睨みつける高橋女史。

それには流石に2人も肯定をもって応えるほかなかった。

高橋先生は意外と怖かった。

 

貴浩「じゃあこの状況は、その学会のお披露目を狙った奴の仕業ってことか?」

 

明久「えーっと、どういう事?」

 

雄二「学会にシステムのお披露目をして、

   イメージアップを謀ろうってのがババァ長の……」

 

高橋「坂本君?」

 

雄二「……学園長の狙いってことだから、それを邪魔しようって奴等が居るってことだろ。

   学園祭の時の様に」

 

学園祭において、腕輪の暴走を一般観衆の前で引き起こし、

文月学園存続を脅かそうという動きがあった。

……が3人の活躍によって、それは免れたが。

 

明久「じゃあこの状況は、その侵入者の仕業って事ですか?」

 

森田「そうね。まあシステム自体には問題はないけど、

   ハードの方に問題が発生したみたいでね」

 

そこで森田先生が事情を説明する。

 

貴浩「じゃあ修理すれば元に戻るって事じゃないか。

   何で俺達を呼び付けるんだよ?俺達にそんな高度な修理をさせようってか?」

 

学園長「あんたたちなんかにそんなことさせないよ。

    サーバールームの防犯システムにアクセス出来なくて扉が開かないんだよ。

    電源を落とそうにも、無停電電源装置があるから一月は機能するさね」

 

となると、壁を壊して中に入るしかない……が。

 

雄二「その学会のお披露目とやらがあるから、派手な事は無理ってわけだ」

 

明久「壁に穴があいてるなんて、いくらなんでも非常識だよね」

 

森田「だから、その修理の為にアンタ達を呼んだのよ。

   システムのコアに近い教師用召喚獣は、

   完全にフリーズしていて召喚ができないのよ。

   生徒の召喚獣は暴走状態にあって制御ができないの」

 

高橋「ですから、吉井君と織村君に頼むしかないのです」

 

明久と貴浩が、顔を見合わせる。

その他の3人も、疑問符を浮かべた。

 

森田「観察処分者、特別処遇者のベース召喚獣はシステムの別領域で走ってるから、

   他の生徒と違って暴走の影響を受けてないのよ」

 

貴浩「じゃあ、現状で唯一召喚獣を使える俺達に召喚システムの修理をやれってことか?」

 

学園長「その通りさね。不具合のある教師フィールドじゃまともに召喚は出来ないから……」

 

学園長は腕輪を1つ机の上に置く。

 

学園長「これはそこの坂本がもっている腕輪とほぼ同じ能力の腕輪だよ」

 

雄二「ってことは俺の腕輪とこの腕輪を使うんだな」

 

学園長「そういうことだよ」

 

秀吉「じゃが、この腕輪は使用しても大丈夫なのじゃろうか?」

 

森田「それは大丈夫よ。さすがにそれは実験済みよ」

 

そして話し合いの結果、机に置かれた腕輪は秀吉が使用することになった。

 

明久「その前に、回復試験を受けさせてもらえますか?

   僕達覗き騒動で点数消費したままなので」

 

高橋「では、こちらへ」

 

貴浩と明久と秀吉の3人は高橋女史に連れられ外へ出た。。

雄二とムッツリーニは学園長室に残った。

 

そして、空き教室へと向かう途中。

 

愛子「あっ!貴浩君に吉井君に秀吉君!」

 

明久「あっ、工藤さんに命に楓に皆!どうしたの?」

 

命「大丈夫ですか明久君」

 

島田「アキ!」

 

姫路「明久君!」

 

貴浩「おい(ギロッ)」

 

島・姫「「ひっ!」」

 

皆は俺と明久が心配で来たらしい。

何故島田と姫路が来たのかは分からないが

 

刀麻「で、どうだったんだ?」

 

明久「えっと、詳しくは高橋先生から聞いてくれるかな。

   僕達これから試験を受けないといけないから」

 

貴浩「それじゃ、俺たちは回復試験受けないといけないから、これで」

 

と、高橋女史に伴なわれて去る3人

 

島田「……ねえ、瑞希」

 

姫路「はい……やっぱり誤解はすぐ解きたいです」

 

2人を見送った姫路と島田は、どこかへと駈けだした。

 

 

 

一方、学園長室にて。

 

雄二「それで学園長。侵入者の処分はどうするんだ?」

 

森田「内密に処理するしかないわね。セキュリティの問題まで暴露されたら、

   お披露目以前の問題だからね」

 

学園長「森田先生の言うとおりだよ」

 

雄二「それは教師の中に内通者がいるかもしれないからか?」

 

雄二の進言に、学園長と森田先生は表情を変えた。

 

雄二「召喚システムのサーバールームは学園の中枢同然だ。

   なのにどうして侵入者が、誰にも見つからずに簡単にサーバールーム内部に入れた?

   しかもお披露目とやらが控えた時期と重なっている辺り、手際があまりにも良過ぎる」

 

学園長「……本当にアンタは頭が回るねえ」

 

どの道、密告者の存在自体もスキャンダルとしては十分。

ただでさえ評判が下がってきてるのだからな。

 

雄二「となると、急いだ方が良いな。内通者が居るとしたら、この状況は格好の餌食だ」

 

学園長「そうさね。まぁ一応手は打ってるけどね

    それにあのコンビなら、上手く行くんだろ?」

 

雄二「ああ。明久と貴浩のコンビなら上手くいく。断言しても良い!

   一応俺のほうでも人を使って調べておく。

   だがこういう時に光一が休みなのが痛いな。

   あいつの情報収集力はかなり頼りになるのに」

 

そう光一は今日に限って家の用事で学校に来ていない。

光一がいればもう少し簡単に内通者を見つけ出す事も可能だろうし、

学園のシステム回復にも少しは協力できるのだが

 

雄二「・・・・・・まあいないのなら仕方がないか。

   まだこちらにはムッツリーニがいるからな」

 

森田「頼むわね」

 

雄二「了解。さーて俺も試験受けてくるかね」

 

雄二の指示によりムッツリーニには内密に内通者について調べてもらう事にした。

 

そして、作戦が始まる


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