バカと俺達の召喚獣   作:ターダン8

133 / 231
5/2 修正


決着

クレータには姫路さんと島田さんの召喚獣の姿があった。

どうやら僕とライダーの攻撃を回避したらしい。

 

そして、2人の召喚獣はかなり違っていた。

2人の召喚獣は装備が悪魔の様な装飾へと禍々しく変貌していて、

武器も禍々しく変貌し、尻尾も黒く鋭利な武器を思わせる様相だったからだ。

 

明久「……なんか、ヤバそうなんだけど?」

 

刀麻「そうだなって……何ィっ!?」

 

そこで2人の召喚獣の点数が表示される。

 

<日本史>

 姫路瑞希  400点

 島田美波  400点

 

何故か2人の召喚獣は400点と表示されていた。

 

明久「……どうやら、ここが正念場みたいだね」

 

そういうと2人の召喚獣が襲ってくる。

 

雄二「……やばいな」

 

これをスクリーンでみていた雄二がつぶやく。

 

雄二「このままだとまた作戦失敗だな」

 

楓「そうですね。今現状で戦えるのは明久君だけですしね」

 

ライダーは先ほどの攻撃のあとで姿を消した。

やはり貴浩が本当の所有者なので僕が使うと消費点数が大きかったみたいだ。

 

なのは「それに明久君はさっきの技で点数が300をきっちゃったからね」

 

秀吉「ならフィールドを変えたら良いのではないか?」

 

そこで秀吉がそう提案する。

 

命「そっか!フィールドを変えたら点数も元に戻りますしね」

 

雄二「それは無理だ」

 

刀麻「えっ?なんでだ?」

 

雄二「それはフィールドを変える時間が無い事もあるが、

   それ以前にこれ以上フィールドを展開することが難しい。

   だから持ってあと30分だろう。なのにフィールドを変えたら10分も持たない。

   それにな、明久が歴史科目以外で今より高得点になるとは思えない」

 

刀麻「そ、そうだな・・・」

 

雄二「だから明久に頑張ってもらうしかないんだ」

 

命「……ここまでなのかな」

 

命が少し諦めたようにいうと

 

明久「まだだよっ!!」

 

明久が声をあげる。

 

明久「僕は絶対に諦めないっ! こんな事で転校するなんて嫌だっ!!」

 

命「……明久君」

 

明久「それに僕にだって腕輪がある」

 

明久がそういうと明久についている黒金の腕輪ではなく召喚獣の腕輪が金色に光りだす。

 

明久「行くよ『ソード』ッ!!」

 

明久がキーワードを述べると、明久の召喚獣が一瞬光を上げる。

 

光が晴れ終わるとそこには、

赤い外套を纏い髪の毛の部分が白色にかわった明久の召喚獣の姿があった。

 

久保「あれが吉井君の腕輪の力……」

 

雄二「明久の召喚獣の姿がかわっただけのように見えるが……」

 

明久「まだだよ雄二。僕の腕輪の力はこれからだよ『複製(トレース)ON』」

 

命「明久君の召喚獣のまわりに剣が浮いてます…」

 

明久が再びキーワードを述べると、

命の言うとおり明久の周りに6本の剣が浮いていた。

 

剣の種類は、片刃の短剣2本、片刃の直剣2本、

片刃で、持ち手が刃に埋め込まれている形の直刀1本、

両刃で二股のようになっている剣が1本の合計6本だ。

 

明久「いくぞっ!」

 

そういうと片刃の短剣と片刃の直剣を1本ずつ片手で持つと、

姫路と島田の召喚獣に向かっていたった。

 

明久「これがラストバトルだっ!」

 

腕輪を発動させると2人の暴走召喚獣と相対している。

 

何が凄いかというと、あの2人の暴走召喚獣を相手に

腕輪を発動して出てきた6本の剣を上手く使い明久はまだ傷1つ受けていなかった。

しかもその戦い方はまるで踊っているように見えた。

 

久保「凄いな吉井君は……」

 

秀吉「そうじゃな。アレは舞のようにみえるのじゃ」

 

雄二「ああ、俺も正直驚いている。

   まさか明久が腕輪を取っただけじゃなく、あそこまで戦えるなんて」

 

今の明久の動きに皆が驚き感心していた。

 

雄二「おそらくあいつは学年1の操作技術を持つだろうな」

 

命「凄いです明久君!」

 

楓「あっ!相手の様子が」

 

楓がそういうと島田さんの暴走召喚獣の攻撃が少し雑になってきていた。

今までの攻撃があたらないのが気に入らないのか、攻撃が大降りになってきていた。

 

僕はそれも見逃さず、大振りになってガラ空きになった胴体に剣を突き立てて攻撃した。

それが急所を貫いたので島田さんの召喚獣が消滅する。

 

あとは姫路さんの召喚獣だけとなった。

 

 

 

 

 

 

 

僕は姫路さんの暴走召喚獣と向き合った。

 

<日本史>

 

  吉井明久    VS    姫路瑞希

  233点          400点

 

僕の召喚獣は腕輪の使用によって20点消費しているだけ。

 

すると相手が武器を構えて突撃してきた。

そのスピードは姫路さんとは思えないくらい物凄く速かった。

けど僕は負けるわけにはいかない。

それに合宿で先生達相手に戦った経験がある。

いくら速いと言ってもバカ正直な突進に当たりはしない!

相手の突進方向、構え、武器の形状から繰り出される攻撃を予測する。

相手の狙いは武器のリーチを生かした横払いのようだ。

しかも見た様子、島田さんの召喚獣がやられて少し焦っており

防御を考えていないように見える。

 

明久「ふぅ……」

 

僕は小さく息を吐き、コースを予想して相手の攻撃を屈んで避ける。

これはいくら点数をあげようができない技術だ。

しかも相手はシステムが操作しているんだからなおさらだ。

だからこういう技術で負ける訳はない!!

 

相手が空振りした大剣を豪腕で引き戻し、今度は大上段に振りかぶる。

あの姿勢だと間違いなく振り下ろしだろう。

いくら力が強くてもそんなに振りが大きいと避けるのは難しくない。

 

僕は一歩だけ横に動かすと、相手の腕を目がけて剣を振るう。

 

<日本史>

 

  吉井明久    VS    姫路瑞希

  233点          350点

 

そして僕はすぐさま飛び下がる。

今の攻撃で姫路さんの召喚獣の右腕が切り落とされていた。

 

命「す、凄いです……」

 

明久「さて時間もやばそうだし、これで決めるよ」

 

明久が時間を見ると、

雄二と秀吉のフィールド形成時間が残り5分なのに気づいた。

 

すると、明久のまわりに浮かんでいた剣が1つに合わさった。

 

久保「剣が合体した………」

 

明久「じゃあ、これで終わりだ!」

 

明久が剣をもち相手に向かって走り出す。

姫路の召喚獣もなんとか片手で横払いの攻撃を繰り出すが、

明久はそれを再び屈んでかわし、剣で姫路の召喚獣を切り裂いた。

 

<日本史>

 

  吉井明久    VS    姫路瑞希

  233点            0点

 

そして今の攻撃で姫路の召喚獣も消滅した。

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。