バカと俺達の召喚獣   作:ターダン8

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期末試験編
何があった?


翔子「……雄二」

 

雄二「なんだ翔子?」

 

翔子「……携帯電話を見せて欲しい」

 

雄二「どうした?なんでいきなりそんなことを言い出すんだ?」

 

翔子「……昨日、TVで言ってたから」

 

雄二「TVで?何を?」

 

翔子「……浮気の痕跡は携帯電話に残っていることが多いって」

 

雄二「ほほぅ」

 

翔子「……だから、見せて」

 

雄二「断る」

 

翔子「……歯を食い縛って欲しい」

 

雄二「待て! 今途中経過が色々飛んだぞ!? いきなりグーか!? グーで来る気か!?」

 

翔子「……見せてくれる?」

 

雄二「あー……いや、それがだな、今日はたまたま家に忘れてぎゃぁああっ!目が、目がぁぁっ!」

 

翔子「……最初からこうするべきだった」

 

雄二「…結局…目突きじゃねぇか! 歯を食い縛れってのは何だったんだ!

   フェイクだったのか畜生!」

 

翔子「……雄二。手をどけて。携帯電話が取れない」

 

雄二「わ、渡さねぇぞ!お前なんかに奪われてたまるか!」

 

翔子「……抵抗するなら、ズボンとトランクスごと持っていく」

 

雄二「トラ……っ!? 百歩譲ってズボンはまだしも、トランクスは関係ないだろ!?

   お前は下半身裸の状態で登校しろと言うのか!?」

 

翔子「……男の子は裸にYシャツ一枚だけの格好が大好きってお義母さんから聞いた」

 

雄二「違う! 好きだからって自分がなりたいワケじゃねぇ!

   そこはかなり大事なところだから間違えんな!」

 

翔子「……それに、私も雄二のその姿を見てみたい」

 

雄二「お前は変態か!?」

 

翔子「……変態じゃない。私には、雄二の成長を確認する義務があるというだけ」

 

雄二「ええい、ベルトに手を伸ばすな! ズボンのホックを外そうとするな!

   わかった! 渡す! 携帯電話を渡すから!」

 

翔子「……………そう」

 

雄二「翔子。なぜそこで露骨にがっかりした顔をするんだ」

 

翔子「……それじゃあ、携帯電話を見せて」

 

雄二「やれやれ……。頼むから壊してくれるなよ、機械音痴」

 

翔子「……努力する」

 

雄二「そうしてくれ」

 

翔子「………………」

 

雄二「どうだ? 何も面白いものはないだろ?

   わかったらおとなしく携帯を返し……だから待て!

   なぜ俺のズボンに手をかける!?携帯はもう渡してあるだろ!?」

 

翔子「……私より、吉井と織村の方がメールも着信も多い」

 

雄二「あん?それがどうかしたのか?」

 

翔子「……つまり、雄二の浮気相手は吉井と織村ということになる」

 

雄二「いや、ならないだろ」

 

翔子「……だから、お仕置き」

 

雄二「どうして俺の周りには性別の違いを些細なことと考える連中が多いんだ……?

   いいか翔子、メールの内容をよく見てみろ、ただの遊びの連絡だろ?」

 

翔子「……でも」

 

Pipipipi

 

雄二「っと、メールか。今のは俺の携帯だよな?

   確認するから携帯を……いや、違うな。

   携帯よりも先に、ルパンもビックリの手際で抜き取った俺のベルトを返すんだ」

 

翔子「……ダメ。返さない」

 

雄二「は? 何で……ってうぉぃっ!? 今度は更にズボンを取る気なのか!?

   ここは天下の往来だと……いやいやわかった! 俺も大人だ。

   千歩譲ってズボンは渡してやってもいい。だからせめて、せめてトランクスだけは…!」

 

翔子「……ダメ」

 

雄二「お前は正気か!?自分が何をしているのかわかっているのか!?」

 

翔子「……浮気は、絶対に、許さない……!」

 

雄二「畜生!さっきのメールには何が書いてあったんだ!?」

 

 

【Message From 吉井明久】

 

雄二の家に泊めてもらえないかな。今夜はちょっと……帰りたくないんだ。

 

 

 

 

           ☆

 

 

 

 

明久と命がカップルになってもう2週間が過ぎていた。

だが正直今までと何も変わっていなかった。

変わったことがあるといえば命が明久に作ってくる弁当の数が少し増えた事。

というのもまだ明久と命の関係を誰にも伝えていないからだ。

知っているのは俺と楓、なのはの3人である。

俺たちはどうやって優子と秀吉を納得させるのかを考えているのだが未だに案が出てなかったりする。

ってか俺自身が明久と命をくっつけたので俺の仕事は終了的感じだったりするのも理由の1つだ。

 

そして俺は1人登校中だったりする。

 

貴浩「さすがに今の状況はマズイよな……さっさと優子と秀吉に打ち明けないと

   手を繋ぐ事すらできないぞあいつ等……」

 

でも一応くっつけた責任があるので少しは考えていたりしていた。

その考え事中に雄二を見つけたが、1つだけおかしな点があった。

 

貴浩「よう雄二」

 

とりあえず声をかけてみる。

 

雄二「貴浩か? 奇遇だな。珍しいな1人か?」

 

貴浩「まぁな。俺だって1人の時くらいあるさ。

   そっちこそ、下半身トランクス姿で登校なんて……」

 

そう、何故か雄二は往来で下半身がトランクス姿だった。

 

雄二「これを見ろ」

 

雄二が俺に見せたのは携帯のメール。明久からのようだった。

 

 

【Message From 吉井明久】

 

雄二の家に泊めてもらえないかな。今夜はちょっと……帰りたくないんだ。

 

 

貴浩「……明久に何があったんだ?」

 

雄二「んなの俺が知るか! これを翔子に見られたせいで浮気の証拠だとか

   罰だとかで俺はズボンも持っていかれちまったんだ!」

 

貴浩「……全く意味不明な経緯だが……お前と霧島ならありうる状況だな。

   まぁ後で俺が霧島のところ行って取り返してくるわ」

 

雄二「……すまない」

 

その後はお互い無言で学校まで歩き続ける。

当然、周囲からの視線を浴びながら……

 

「おい見ろよ、坂本のヤツ下半身パンツ一丁だぞ」

 

「マジかよ……最近女装には見慣れたと思っていたが、あれはさらに引くわな……」

 

「つーか、そんなやつと隣歩いて登校する織村もある意味勇者だよな」

 

俺はとりあえず雄二から少し距離をとってから再び元のペースで歩き出すが、

それに合わせるように雄二も俺の隣について歩く。

 

貴浩「悪い雄二。大変言い難いことがあるんだが」

 

雄二「何も言うな」

 

貴浩「俺に近寄らないでくれ、一生」

 

雄二「さすがに一生はないだろ!」

 

貴浩「冗談だ。とりあえず俺の体操着でも着てろ」

 

雄二「あるなら早く貸してくれよ」

 

貴浩「聞いてこなかったから」

 

雄二「っ! まぁいい借りるぞ」

 

貴浩「どーぞ」

 

俺は袋に入った体操着(短パン)を雄二に渡し、それを受け取ると物陰に隠れて着替えた。

 

貴浩「じゃあ行こうぜ」

 

雄二「ああ、ありがとう貴浩。本当に助かった。色んな意味で」

 

貴浩「貸し1な」

 

雄二「…わかった」

 

そして着替えた雄二と共に学校へと向かった。


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