バカと俺達の召喚獣   作:ターダン8

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明久の・・・・・・ポッ

そんなこんなで夕飯を作りながら玲さんが来た経緯を聞いた。

なんでも明久の生活態度のチェックに来たらしい……

先ほどの減点分振り分け試験の時より明久の成績が上がっていなければ

玲さんが明久の家に居座る事になり明久の独り暮らしは幕を閉じてしまうのだ……。

雄二は明久が独り暮らしの方が何かと都合がいいから

明久の普段の行動を隠すことに積極的に協力するらしい。

俺も玲さんは正直苦手なので協力するつもりだ。

そもそも明久の成績は上がっているのだがそれを報告してなかったのと、

前回、学園のシステムを直すために受けた試験で日本史と世界史以外の教科を

捨てていたらしいので他の教科の点数が低いかったたので帰ってきたらしい。

なんて事を考えながら作業に没頭していると――

 

玲『良ければアルバムでも見ますか? アキ君の小さな時の写真ですけど』

 

姫路『え? いいんですか?』

 

秀吉『面白そうじゃな』

 

楓『私は知ってますよ』

 

命『そういえば楓ちゃんも明久君とは幼馴染でしたね』

 

島田『アキの小さな頃ってどんな顔してたのかしら』

 

玲『それでは持ってきますね。少し待っていてください』

 

アルバム公開か……やっぱり定番だな。

 

玲『お待たせしました。これがアキ君の2歳の時のお風呂の写真です』

 

姫路『す、すっごく可愛いです!』

 

秀吉『うむ、愛らしいのう』

 

島田『素直そうでかわいいわね~』

 

命『……可愛いです』

 

楓『……なんでお風呂の写真なんですか?』

 

………

 

玲『それでこっちがアキくんが4歳の時のお風呂の写真です』

 

島田『あははっ! アキってばお風呂の中で寝てるわ』

 

姫路『よっぽど気持ち良かったんですね』

 

秀吉『無邪気な寝顔じゃのう』

 

命『本当だ……可愛いですね……』

 

楓『………』

 

玲『そしてこっちがアキくんが7歳の時のお風呂の写真で――』

 

姫路『小学生の頃ですね。懐かしいです』

 

秀吉『かなり背丈も伸びておるのう』

 

命『あれ? お風呂の写真しか見てないような気が……』

 

ってかなんでさっきから風呂の写真ばっかなんだ?他にも色々とあるだろ……

 

玲『さらにこちらがアキくんの10歳の時のお風呂の写真です』

 

楓『ええええ!? ちょっと待ってください!』

 

明久「待った! 姉さん! どうしてさっきからお風呂の写真ばかりなの!?」

 

明久がキッチンから声を張り上げる。楓もさすがに声をあげる。

 

玲『そしてこれがアキくんの昨夜のお風呂の写真です』

 

島田・姫路『『……………(ゴクリ)』』

 

命『………………明久君の裸/////』

 

楓『2人とも見る気ですか!? って命も想像しないの!!』

 

明久「このバカ姉がぁーっ!! いつの間にそんな写真を!? さては着替えか!?

   脱衣所に着替えを持ってきた時かっ!?」

 

雄二「明久、鍋から目を離すな。吹きこぼれるぞ」

 

明久「離せ、雄二! あのバカ姉を一刻も早く止めないと僕の社会的立場が……!」

 

雄二「料理を舐めるな。いいからおとなしく鍋を見ていろ」

 

明久「離せーっ! 雄二のバカーっ!」

 

……………やっぱり俺この人苦手だ……

 

 

 

        ☆

 

 

 

貴浩「みんな待たせたな。夕飯が出来たぞ」

 

玲「ありがとうございます。お客さんなのにお手伝いまでさせてしまって」

 

雄二「いや、気にしないでくれ。料理は嫌いじゃないからな」

 

貴浩「俺の場合はほぼ強制だった気が……」

 

姫路「あ、ありがとうございます……(ポッ)」

 

島田「お、おいしそうね……(ポッ)」

 

明久「姫路さん、美波、どうして僕の顔を見て赤面してるの?」

 

命「……明久君////」

 

明久「命まで!? どうしたのさ命!?」

 

さては見たな……

 

玲「アキくん、あなたはどうしてそんなに落着きが無いのですか。

  リビングにまであなたの声が響いてましたよ」

 

明久「姉さんの行動が原因だからね!?」

貴浩「玲さんが原因ですからね!?」

 

俺と明久がほぼ同時に突っ込む。

 

玲「ほらまたそうやって大きな声を出して……タカくんもですよ。

  2人ともカルシウムが足りないのではないですか?」

 

そう言って玲さんは明久の分のパエリアの皿を引いて煮干の入った袋を置いた……。

 

玲「アキくんはこれを食べてください」

 

明久「何それ!? 僕の夕飯は煮干だけなの!?

   カルシウム不足だって言ってるけどこれってただのイジメだよね!?」

 

貴浩「酷すぎだろ玲さん」

 

明久「姉さん……前から思っていたけど……。姉さんは僕の事が嫌いなの……?」

 

玲「何を言っているのですかアキくん。

  姉さんがアキくんを嫌う訳ないでしょう? むしろその逆です」

 

明久「え? 逆ってことは?」

 

玲「無論大好きです」

 

明久「そ、そうなんだ……」

 

玲「はい。姉さんはアキくんの事を愛しています」

 

ここまでならいい姉なんだがな……

 

玲「――1人の異性として……」

 

玲さんの愛は重いんだよ……

 

明久「最後の一言は冗談だよね!? むしろ嫌いでいてくれた方がありがたいんだけど!?」

 

玲「日本の諺にこういう言葉があります」

 

明久「何!? また余計な事を言うの!?」

 

玲「バカな子ほどかわいい、と」

 

雄二「諦めろ、明久。世界でこの人ほどお前を愛している人はいないぞ」

 

明久「待って! それは僕が世界で一番バカだって思われてるってことなの!?」

 

島田「う、ウチだってアキの事世界で一番バカだって思っているわ!」

 

姫路「わ、私だって! この世界で明久君ほどバカな子はいないと確信しています!」

 

命「大丈夫ですよ明久君。私は明久君の努力を知ってますから」

 

明久「……命……僕の味方は命と貴浩と楓だけだよ」

 

本当に明久が不憫に感じてきた。まぁ今は命がいるから大丈夫か。

もしいなかったら飛び降りしそうな感じだけどな

 


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