バカと俺達の召喚獣   作:ターダン8

149 / 231
5/5 修正


住む世界が違う

明久「ここが霧島さんの家……?」

 

貴浩「俺も正直驚いてる」

 

楓「はい…凄いですね」

 

貴浩「光一は来た事あるんだよな?」

 

光一「霧島家とウチは交流がありますしね」

 

明久「僕達とは世界が違うよ」

 

何度か取引関係で出向いた光一の案内で、

織村兄妹と明久は初めて見る霧島家に驚いていた。

 

家が金持ちだとは聞いていた物の、やはり百聞は一見にしかず。

光一の実家も凄いものだがこれもまた凄い。

 

ある程度落ち着いた所で玄関で呼び鈴を鳴らす。

 

翔子「……織村、吉井、楓、光一、いらっしゃい」

 

貴浩「今日は世話になる霧島」

 

楓「今日はよろしくお願いしますね霧島さん」

 

明久「今日はよろしくお願いするね」

 

光一「今日は仕事抜きでよろしく頼む」

 

翔子「……わかった」

 

翔子の案内で家の中へ。

 

楓「へぇ・・・たくさん部屋があるんですね」

 

明久「すごいね。僕も一度でいいからこんな豪邸に住んでみたいよ」

 

貴浩「全くだな。だけど本当に部屋の数が多いな」

 

俺がそういうと霧島が指差ししながらそれぞれの部屋の紹介してくれる。

本が並んでるのが書斎で、スクリーンがあるのがシアタールーム。

 

そして……

 

貴浩「俺の気のせいか? 見るからに鉄格子の部屋が見えるんだが…」

 

翔子「……あそこは雄二の部屋」

 

貴浩「雄二! 逃げろ!!」

 

明久「……霧島雄二になる日も近いね」

 

楓「…それは冗談に聞こえませんね」

 

光一「それはおいといて勉強部屋にでも行きましょう。皆来てるのか?」

 

翔子「……あなた達が最後」

 

通された勉強部屋には、

優子、秀吉、命、愛子、康太、なのは、姫路、島田、

砂原、刀麻、椎名が揃っていた。

まだ雄二の姿は見えない。

 

姫路「あっ、吉井君に織村君に楓ちゃんに羽鳥君」

 

まず声をかけてきたのは、

なぜか髪型をポニーテールにしている姫路。

 

明久「あれ? 姫路さん何故髪型変えてるの?」

 

姫路「あ……あの、それは、勉強のために……」

 

貴浩「ふ~ん。で、なんで砂原たちまでいるんだ?」

 

俺はそこにいて当然という顔をした砂原に質問した。

 

椎名「す、すみません…鈴歌ちゃんが無理を言って」

 

貴浩「いや、謝る事は全然ないけど……」

 

砂原「ちっちっちっ甘いよター君。

   面白そうなところに現れるのが私だよん♪」

 

光一「つまりはどこかで話を聞いて霧島に頼んだんだな」

 

砂原「そーいうこと♪アッキーやター君たちがいるんだから

   絶対面白いことになるしね」

 

貴浩「一応名目は勉強会だからな」

 

刀麻「まぁ俺達でよければ手伝うからさ」

 

貴浩「まあ確かにAクラスの人たちがいるからかなり楽できるな」

 

明久「ところで命、工藤さんとムッツリーニはなにしてるの?」

 

貴浩「そうだな。かなり口論してるみたいだが?」

 

命「えっと…何でも第二次性徴を実感した出来事っていう議論が

  講じてああなっちゃったらしくて」

 

愛子『ムッツリーニ君は頭でものを考え過ぎだよ!

   “百聞は一見にしかず”って諺を知らないの?』

 

康太『…………十分なシミュレーションもなく実践に挑むのは愚の骨頂』

 

愛子『そうやって考えてばかりだから、すぐに血をふいて倒れちゃうんだよ。

   そもそも貴浩君だって知識は実践を介さないと身にならないって考えなんだから』

 

康太『…………それもまた事実ではある。でも俺は何を言われても信念を曲げる気はない』

 

そんな話をしていたので俺は深く関わらないようにした。

 

そして時間が時間なので、そろそろ勉強会を始めようと言う流れになった処で……

 

明久「あれ? ねえ貴浩、雄二は?」

 

貴浩「雄二?……そう言えば見てないな。どうしたんだ?」

 

翔子「……雄二を連れて来た」

 

ドサッ!

 

絨毯の上に、ロープでぐるぐる巻きの芋虫状態の雄二が転がされた。

 

雄二「ん? 明久に貴浩? どうしてお前達がここに居るんだ?」

 

明久「……ああ、うん。霧島さんのご好意でね。

   皆で泊り込みで勉強会を開く事になったんだよ」

 

貴浩「霧島から何も聞いてないのか?」

 

雄二「ああ、何も聞いてない。いつもの様に気を失って、目が覚めたらここに居ただけだ」

 

俺は雄二のロープを解きながら、会話は進んめていく。

 

貴浩「霧島、雄二の着替えと勉強道具は?」

 

翔子「……大丈夫、準備は万全」

 

貴浩「……ツッコンだら負けか?」

 

こうして、少々騒がしくも勉強会は始まった。


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。