バカと俺達の召喚獣   作:ターダン8

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協力

午後は通常の授業を受けた後、

放課後Fクラスメンバーは残りDクラス戦で消費した教科の回復試験を受けた。

 

貴浩「ふぅ~。おわったー!」

 

試験が終わると俺は荷物をまとめ、いつものメンバーと帰ろうと仕度をする。

 

貴浩「明久、雄二、秀吉、ムッツリーニ帰ろうぜ」

 

メンバーに声をかける。

だいたいいつもこのメンバーで帰る。たまに、楓や命たちと帰ったりもする。

 

雄二「悪いな。俺は今日は用事があってな」

 

明久「あっ!僕もちょっと用事があって先に帰らないと行けないんだ」

 

康太「・・・・・・・同じく」

 

秀吉「すまぬの…今日は部活があって一緒には帰れんのじゃ」

 

貴浩「そうか。それなら仕方が無いな。ってことは楓も部活か」

 

楓「はい、兄さん。部活があるから帰り遅くなるね」

 

貴浩「了解。夕飯作って待ってるよ。秀吉、帰り楓のこと頼むな」

 

楓は秀吉と同じ演劇部に所属しているのと、

帰り道が同じなので、秀吉に一緒に帰ってもらっている。

本当は俺が迎えに行こうと思ってたのだが楓が来ないでなんて言うから仕方が無く…

 

秀吉「わかっておる。無事に家まで送り届けるとする」

 

貴浩「じゃあ、命一緒に帰るか?」

 

命「そうですね、じゃあ一緒に帰ろう」

 

秀吉と楓は部活に、明久とムッツリーニと雄二は用事があって帰って行った。

 

貴浩「じゃあ、俺達も帰るか?」

 

命「はい」

 

そうして2人は教室をでた

 

貴浩「そういえば、今日は優子が一緒じゃないけど良かったのか?」

 

命「えっと…優姉、今日は用事があるみたいで先に帰っちゃったんだ」

 

貴浩「そうか。いつも一緒に帰ってるんだと思った」

 

俺と命は他愛もない会話をしながら帰宅した。

 

 

 

      ☆

 

 

 

帰宅後、俺は着替えて明日の弁当の買い物に出かけた。

 

いつものスーパーに向かって弁当の材料を買って帰っていると、

先ほど別れた命が荷物を持っていたので声をかけることにした。

 

貴浩「よぉ!先ほどぶり」

 

命「あ、貴浩君」

 

貴浩「どうした。買い物帰りか?」

 

命「うん、そうだよ。貴浩君は?」

 

貴浩「俺も命と同じく買い物帰りだ。

   明日の弁当の材料とついでに学校で食べようと菓子を買ってきた」

 

俺はそう言って命が持っている買い物袋をみた。

 

貴浩「命は随分と買ってるけど、明久にでも弁当を作るつもりか」

 

俺は冗談で言ってみたのだが

 

命「えっ!?えっ!?なんでわかったんですか?貴浩君エスパーですか?」

 

貴浩「えっ…いや…ただ冗談で言ってみただけなんだが……明久に弁当ねぇ(ニヤニヤ)」

 

命「な、なんですか?」

 

貴浩「明日、Bクラスとの試召試験戦争だから栄養をつけさせようとしてるんだな」

 

命「は、はい。そうですよ。栄養をつけて頑張ってもらおうと思ってるんです」

 

命はそう言いながら目は泳いでいた

 

貴「そっか。明久の奴、喜ぶだろうな。

  そういえば、明久の奴、確か…パエリアとか肉じゃがが好物だったような」

 

俺はさりげなく明久の好物を口にした。すると───

 

命「ほ、本当ですか!?」

 

貴浩「あぁ、確かそう言ってた」

 

命「……よし(ボソッ)」

 

貴浩「ん、何か言った?」

 

命「いいえ。なんでもありません。

  そ、そういう貴浩君もなんか買った物やけに多くありません?」

 

貴浩「ん?ああ、3人分の弁当を作ろうとしてるからな」

 

命「3人分?貴浩君と楓ちゃん、あれ?あと1人誰ですか?」

 

貴浩「工藤だよ」

 

命「愛ちゃん?どうして愛ちゃんに作るの?」

 

貴浩「昨日、俺達の買い物につきあってもらっただろ。

   それと今日の朝Fクラスの男共に追われた時に

   Aクラスにかくまってもらったお礼もかねて」

 

命「そうなんですか……本当にそれだけですか?(ニヤニヤ)」

 

命はニコニコ笑いながらに聞いてきた

 

貴浩「それだけって?うーん…後はそうだな、これから宜しくの意味もかねてだな」

 

命「宜しくって?まさか付き合うってことですか」

 

命は迫力ありげにこっちに迫ってきた

 

貴浩「いやいや、友達としてだよ。

   会って2日で告白とか、どんだけ無節操なんだよ俺は」

 

命「なんだ。そうなんですか……つまんない(ボソッ)」

 

貴浩「おーい、今なんか最後に言わなかったか?」

 

命「いいえ。なにも言ってませんよ」

 

貴浩「そうか?ていうか、俺のことより命はどうなんだよ」

 

さっきの仕返しだといわんばかりに俺は質問した。

 

命「えっ?ど、どういうことですか?」

 

貴浩「明久のこと好きなのか、と聞いているんだ」

 

俺はど真ん中ストレートで聞いてやった。

ぶっちゃけ女性にこんなこと聞くのはどうだろうかとも思ったが、まあいいや。

 

命「わ、私が、明久君を、snこttnあrwknいよ///」

 

顔を真っ赤にして否定しているが、もう何言っているのかが滅茶苦茶だ。

ここまで動揺するか・・・。

 

貴浩「なんて言ってるかわからんが、まあ今の反応と態度見たらわかるけどな」

 

俺はニヤニヤしながら答えると

 

命「うっう~///」

 

顔を真っ赤に染めて既に少し涙目になってる。

これ以上やると泣き出しそうだ。

やばい、やり過ぎた。このままじゃあの過保護姉弟に殺される(汗)

 

貴浩「な、泣くなよ」

 

命「な、泣いてなんかいません」

 

そう言って俺から顔を背けた

 

貴浩「悪かったって、だから怒るなよ」

 

俺は手を合わせて謝る

 

命「怒っていません!」

 

完璧に怒っているな。仕方が無いか・・・

 

貴浩「はぁ~わかった。じゃあ命に協力してするから。もう怒るなよ」

 

・・・明久すまない

 

命「協力?」

 

貴浩「そう、協力。命が明久をおとすための」

 

命「お、おとす!?/////」

 

俺がそういうと命の顔が一瞬でゆであがった。

 

貴浩「そうだ、明久のこと好きなんだろ?」

 

その後、しばらくして無言で、

 

命「・・・・・・(コクン)」

 

と命はあきらめたようにうなずいた。

 

貴浩「なら俺が、命が明久の彼女になれるよう少しだけ手助けしてやるよ」

 

命「え?いいの?本当に?」

 

先ほどまで目に涙をためていた顔が一瞬で笑顔に変わった。

 

貴浩「あぁ、男に二言はない!」

 

命「じゃあ、じゃあ!お願いします!!」

 

貴浩「わかった。ただし、できるのは手助けまでだぞ」

 

命「はい、もちろんです」

 

貴浩「…だから、さっきのことは優子と秀吉には内緒の方向でお願いします」

 

俺は両手を合わせお願いする。

 

命「はい、わかりました。絶対に言いません。ですのでよろしくです」

 

貴浩「了解です!」

 

命「貴浩君約束ですよ」

 

さっきと打って変わって凄い嬉しそうに命は帰っていった

 

・・・・・・明久悪いな。俺はまだ死にたくなかったんだ(泣)

俺は明久を売るという事で自分の命をつなぐ事ができた。

 

そうして今日という1日は終わった。

 

 

【貴浩は命の恋路に協力することになった】

 

 

 

そして翌日

俺は珍しく早起きして、朝食と弁当の準備をしていた。

そこへ楓が起きてきた.

 

楓「兄さんおはよう」

 

貴「おはよう楓、お皿準備してもらって良いか。もうできるから」

 

楓「はい、わかりました」

 

そして、並べられた皿に料理を乗せて行った。

 

貴浩「じゃあ食べようか。いただきます」

 

楓「いただきます」

 

今日の朝は、ごはん、味噌汁、卵焼き、シャケの塩焼きだ。

俺が作ると大抵は和食になる。

ちなみに、昨日の夜に楓には工藤に弁当を作ることを伝えてある。

 

楓「兄さんのお弁当か。久しぶりだね」

 

そうなのだ。弁当は作る時は作るがほとんど楓が作る。

理由は簡単、俺が朝弱いから作ることがほとんど無い。

そんな雑談をしながら朝食を食べ、学校へ出かけた。

 

 

その登校途中、秀吉たちを見かけ共に学校に行くことにした。

そして、俺は命に近づいて秀吉たちに聞こえないような声で話し掛けた

 

貴浩(命、明久に弁当作ってきたのか?)

命(はい、でもどうやって渡せば良いのかわからなくて)

貴浩(そこは俺に任せろ)

 

昨日言った通り、俺は命の恋を応援することになったのだ。

 

貴浩(……そういえば、1つ気になったんだがいいか?)

命(はい?何ですか?)

貴浩(命が明久のこと好きなの、2人は知ってるのか?)

 

2人とは優子と秀吉のことである。

2人は命のことを溺愛しているから、気になってしまった。

 

命(い、いえ。教えてはいません。優姉も秀兄も優しいんですが…)

貴浩(あの2人だからな・・・)

 

お互い苦笑いした。

 

貴浩(わかった。なら今は2人には知られないようにしないとな)

命(すみません。お願いします)

 

そうしないと俺もだけど明久も2人からの制裁を受けるかもしれないしな。

時間の問題だろうけど……その時はその時だ。

 

すると

 

秀・優「「2人でいったい何を話しておるのかしら(かの)?」

 

そこで優子と秀吉から声をかけられ振り返ると、笑顔だが目が恐ろしかった。

 

貴浩「い、いや今日の試召戦争について話していたんだよ。なあ?」

 

俺はそこで命に同意を求めた。

 

命「そ、そうだよ」

 

秀「そうであったのか?」

 

貴浩「ああ、そうだ。ほら、命って体弱いから大丈夫なのかなって思ってな」

 

俺は2人にばれないように適当に話をした。

 

優子「そういえば……Fクラスって新学期早々に試召戦争を始めたんですものね」

 

貴浩「そうそう、それで今日からBクラス戦だからな」

 

秀吉「そういえば、そうだったかの」

 

命「うんうん。だから、そのことで貴浩君が心配してくてたんだよ」

 

優子「そうなの、ならいいんだけど」

 

そこから、会話をしながら学校へ向かった。……助かった。

 

そして、教室に着くとすぐ俺は工藤にメールした。

 

貴浩〔おはよう!もう教室にいるか?

   弁当作ってきたんだけど居るなら持って行くけど〕

 

とメールを打ち送信した。その数分後に返信がきた

 

愛子〔居るよ!待ってるね!(b^-°)〕

 

顔文字をつけて返ってきた。

そして俺は弁当を持ってAクラスへと向かった。

 

貴浩「失礼します。工藤さんはいますか?」

 

Aクラスの扉を開け、近くの女子生徒に尋ね、工藤を呼んでもらった

まぁいることはわかっているけど。

 

愛子「おはよう貴浩君」

 

貴浩「おはよう工藤。はい、これ約束の弁当」

 

そう言い工藤に弁当を渡す

 

愛子「わぁ!本当に作ってくれたんだね。うれしいな」

 

貴浩「じゃあ放課後、弁当箱取りにくるな」

 

愛子「うん、わかったよ」

 

俺は話短めにし、教室に戻っていった。

だって周りからの目線が怖かったんし……


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