バカと俺達の召喚獣   作:ターダン8

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肝試しとPRと試作腕輪

貴浩「失礼します」

 

学園長「ん? 織村兄に吉井に坂本かい…なんだい何のようさね。今忙しいんだが?」

 

学園長室に俺と雄二と明久が入ると

そこには学園長と森田先生、高橋先生が何やら作業をしていた

 

貴浩「いや、今回の召喚獣ですが……アレなんですか?」

 

学園長「……どうやら知ってしまったようだね」

 

森田「そうみたいね。でどうやって知ったのかしら?」

 

雄二「なに、偶々レイブン…烏丸先生が居たから召喚許可を頂いて召喚したんだ」

 

森田「まったくあのバカは……」

 

高橋「仕方がありませんよ。どっちにしろ坂本君と木下君は

   召喚獣を召喚する腕輪を持ってましたから時間の問題でしょう」

 

貴浩「あれ直るんですか?」

 

森田「……もう知ってるみたいだから言うけど、直るのには時間がかかるわね」

 

学園長「今回調整に失敗してオカルトの部分が強くでたからね」

 

明久「大変ですね」

 

雄二「ってか珍しく素直だな。誤魔化すと思ったんだが」

 

森田「あんた達はもうあの召喚獣を見たんだから言い訳が聞かないでしょう。

   なら素直に言ったほうが早いわ」

 

明久「でもこれってマズくないですか?

   これでまた問題になることも考えられるんじゃ?」

 

確かに明久の言うとおりだ。

この前のシステムの異常からまだそこまで日にちが経っていないのにコレだ。

それでまた学園に問題ありと言われたらたまったもんじゃない。

 

高橋「確かにそうですね。ですから今急いで修復作業に取り掛かっているんです」

 

そうだな…なら……

 

貴浩「なら、コレを利用すればいいんじゃないですか?」

 

学園長「……どういうことだい?」

 

俺の言葉に作業をしながら話していた先生達の手が止まる。

 

貴浩「この状況ってすぐには直らないんですよね」

 

学園長「そうさね」

 

貴浩「なら、このままの状態にしておくんです」

 

雄二「なんだと?」

 

森田「どういうつもりよ?」

 

俺の発言にこの場に居る全員が首を傾げる。

 

貴浩「もうすぐ夏だから、肝試しにはもってこいの季節が近いじゃないですか。

   だからその為に召喚獣を妖怪仕様にカスタマイズしたと言うんです。

   そしてコレを夏休みの間も持続させておいて

   夏休みにある学園紹介とかで使用するとかも言えば皆も納得するでしょうし」

 

雄二「そういうことか。つまりサプライズとして知らせようとするんだな。

   ついでにそれで召喚獣の戦闘とかをビデオとかで録画するのもいいかもな」

 

貴浩「そういうこと。そしてその間にいつでも元に戻せるようにすればいいんですよ。

   これなら学園のPRもできて誤魔化せもしますから一石二鳥ですしね」

 

森田「確かに織村の言う通りね。そっちのほうが安全ね」

 

ここにきてのシステムの不調など、マイナス要素にしかならないからね。

それでもし転校とかの騒ぎになったらたまったもんじゃない。

 

学園長「じゃあ織村の案を貰って早速肝試しの企画をまとめるかね。

    召喚獣らしく、点数を使っての勝負を盛り込んだ企画も含めて」

 

貴浩「そうですね」

 

学園長「なら詳しいことが決まったらあんた達にも手伝ってもらうからね」

 

貴浩「わかりました」

 

ぶっちゃけそれならあわよくば夏休みにある補習も潰せるかもしれないし

 

明久「では、失礼します」

 

学園長「そうだ。少し待ちな」

 

ん? 俺達が学園長室から出ようとすると学園長に止められた。

 

雄二「なんだ?」

 

学園長「いや坂本には用は無いよ。

    用があるのは織村と吉井、アンタらだよ」

 

ん?俺と明久だと?何かやったかな?

 

学園長「アンタらの腕輪を1度返してもらうよ」

 

明久「えっ!? 何でですか?」

 

学園長「吉井は今回の期末で相当点数が上がったみたいだしね。

    今のアンタの点数だと暴走する危険性があるからね。

    そして織村のは、さすがにその腕輪の副作用は危なすぎるからね。

    少し修理してみるのさ」

 

貴浩「そういうことですか。確かに俺の腕輪の失陥はフィードバックの倍増ですからね」

 

明久「僕の腕輪は確かBクラス並の点数だと暴走する恐れがあるんだよね」

 

学園長「今までは何とか問題にはならなかったが、今後はどうなるか分からないからね」

 

貴浩「そういうことなら」

 

明久「僕も」

 

俺と明久は腕輪を学園長に渡す。

 

学園長「で、ついでにコレを渡しておくよ」

 

学園長がそういうと俺に青色の明久に灰色の腕輪を渡した

 

貴浩「これは?」

 

学園長「コレは試作品の腕輪さね。織村の腕輪の能力は『融合』さね」

 

雄二「効果はなんだ?」

 

学園長「織村に渡すから織村の召喚獣と他の人の召喚獣の融合だね。

    点数は織村の点数+相手の点数で、融合人数制限は一応なしだね」

 

雄二「ありえない能力だな」

 

学園長「ただ欠点として、1つ、相手の同意が必要。

    2つ目に点数が0になった時融合した相手も補習になる。ってとこだね」

 

雄二「貴浩にはあまり縁のない欠点だな」

 

明久「そうだね。点数も高いし操作能力もあるしね」

 

森田「で、吉井に渡したのは武器チェンジの腕輪ね」

 

明久「ってことは僕の武器をかえることができるんですね」

 

森田「ええ、アンタの召喚獣の操作技術は高いから、

   多数の武器をどれだけ扱えるのかデータが欲しくてね」

 

学園長「というわけで腕輪が直るまでその腕輪を使っておくれ。

    ついでに言うと多くのデータを取っておいておくれ」

 

貴浩「わかりました。一応自分特別処遇者ですから、

   そういう実験の手伝いもしないといけませんしね」

 

明久「僕もいいですよ。僕もいろんな武器を使ってみたかったですし」

 

学園「わかってくれたならいいさね。では帰っていい」

 

そして俺達は教室へと向かった。

 


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