バカと俺達の召喚獣   作:ターダン8

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変態と八つ当たりと勝負

俺は清水とのOHANASIが終わった後クラスに戻り再び作業を始めていると

 

常夏島「「「お前らうるせぇんだよ!!」」」

 

――3人の三年生が怒鳴りこんできた。ん? あの3人は……

 

常村「騒がしいと思ったらやっぱりまたお前か! 吉井!」

 

夏川「お前はつくづく目障りなヤツだな……!」

 

島村「さすが学園初の観察処分者だな」

 

なんだ・・・常夏島トリオか・・・・・・

 

明久「変t――変態先輩でしたっけ?」

 

夏川「おい!? 今言い直そうとしたくせに

   俺達の顔を確認して言い直すのをやめなかったか!?」

 

常村「お前! 俺達を心の底から変態だと思っているだろ!

   常村と夏川と島村だ! いい加減名前くらい覚えろ!」

 

貴浩「それで常夏島先輩。どうしたんですか?」

 

島村「テメェら……個人を覚えられないからってまとめやがったな……」

 

貴浩「いえいえ違いますよ。覚える価値がないのでまとめただけですよ」

 

常村「それはそれで最悪じゃねえか!?」

 

夏川「っていうかお前らうるせぇんだよ! 俺達への当てつけかコラ!」

 

島村「夏期講習に集中できねぇだろうが!」

 

明久「えっ、すいません、上の階まで響いているとh――」

 

貴浩「明久、謝る必要はないぞ。この変態の言いがかりだからな」

 

雄二「そうだな。貴浩の言うとおりだな」

 

明久「え? 貴浩に雄二。言いがかりってどういうこと?」

 

貴浩「俺たちが騒がしいのは認めるが、

   これだってれっきとした試験召喚獣を使った勉強の一つだ。しかも学園長公認のな」

 

雄二「それに何よりここは新校舎だ。旧校舎ならともかく、

   試召戦争という騒ぎを前提として作った新校舎で、

   下の階の騒ぎ声が上の階の扉を閉めた教室の中にまで聞こえるわけがあるわけがない」

 

明久「あ、そっか」

 

貴浩「要するに、この常夏島は。勉強に飽きてフラフラしているところで

   俺達が何か楽しげなことをしているのに気がついて八つ当たりしにきたってわけだ」

 

俺がそういうと常夏島はバツが悪そうに目を逸らした。

 

島村「それじゃあ言わせてもらうがよ! お前らは迷惑極まりないんだよ!

   学年全体での覗き騒ぎに、挙句の果てには2年生男子が全員停学だぞ!?

   この学校の評判が落ちて俺たち3年までバカだと思われたらどうしてくれんだ!

   内申に響くじゃねぇか!」

 

貴浩「何を言っていてんだ?」

 

常村「あぁっ?」

 

貴浩「学年全体の覗き騒ぎではなく、A~Eクラス男子の覗きだ。

   俺達Fクラスは関係ねえよ。まあ刀麻は除くがな」

 

命「貴浩君、それフォローにはなってないですよ?(苦笑)」

 

貴浩「フォローなんてしてないぞ?覗きを行ったのは事実だしな」

 

雄二「まあ貴浩の言うとおりだが常夏島が的外れなことを言ってるのは確かだな」

 

常夏島「「「何だと!?」」」

 

常夏島が怒りの表情でこちらを見てくる。俺は我関せずといった表情で

 

貴浩「確かに文月学園のイメージが落ちたのは事実だが…

   それが直接的に内申に響くわけではないよな。

   内申っていうのは教師がその人の学習活動や学校生活についてを書く文書のことだ。

   だから、お前らがしっかりしてれば内申には響かないんだよ。

   それに文月学園のイメージはこの肝試しが成功すれば上がるしな。

   それにお前らには言われたくないな。清涼祭の時この学園を陥れようとしたお前らには」

 

常夏島「「「ぐっ!」」」」

 

島村「・・・・・・ッメぇら上等じゃねぇk――」

 

西村「喝ッ!」

 

「「「っ!?」」」

 

貴浩「あ、鉄人」

 

島村先輩が怒鳴ろうとした時、鉄人の声が聞こえて先輩は動きを止めた。

ところで何で鉄人がここにいるんだ?学園長先生と一緒みたいだが・・・

 

西村「織村兄…鉄人言うな」

 

優子「どうされたんですか学園長、西村先生」

 

学園長「私と西村先生は少し様子を見に来ただけさね。で、何をモメているんだい?」

 

学園長は周りを見て、そう聞いてきたので

 

優子「それはですね。こちらの先輩方(・・・)が―――」

 

優子が代表して事の顛末を説明してくれる

 

学園長「ふぅそういうことかい……まぁいいよ。

    それじゃあここは私の顔を立てて怒りを納めて欲しいね」

 

「「「あ、はい・・・・・・」」」」

 

さすがのこの3人も学園長に直々にそんな事を言われたら頷くしかない。

 

島村「だ、だが・・・・・・」

 

学園長「これだと2年生と3年生の間に遺恨が残ってしまうね。

    そうさねぇ……なら、3年生もこの肝試しに参加したらどうだい?」

 

常夏島「「「なっ!」」」

 

学園長「ふぅ……。では、こうしようかね。

    ジャリ共、明日の夏期講習・補習の最終日は全員参加の肝試しにするよ」

 

常夏島「「「な・・・・・・っ!?」」

 

学園長先生がやれやれといった感じでそういう通達をすると、

常夏島(クズ)トリオが目を白黒させる。

 

学園長「これはあくまでも補習と夏期講習の仕上げだからね。

    補習と講習の参加者は余すことなく全員参加すること。いいね」

 

そう告げると、学園長は颯爽と教室出て行った。

 

貴浩「そういう事らしいですよ先輩♪ 楽しくやりましょうね?

   清涼祭の時のは水に流して、ね?」

 

夏川「グッ……お、お前らなんざと仲良くやるつもりはねぇ……」

 

雄二「だろうな。俺たちもお前らは気にくわないしな。ってことで、こういうのはどうだ?」

 

常村「あぁ?」

 

雄二「驚かす側と脅かされる側にわかれて勝負をする。適当な罰ゲームでもつけて、な」

 

島村「2年と3年で分かれて、ってことか」

 

雄二「ああ。それなら仲良くやる必要は全くないだろう?」

 

常村「悪かねぇな。当然俺たち3年が驚かす側だよな?

   俺たちはお前らにお灸を据えてやる必要があるんだからな」

 

雄二「ああ。別にそれで構わない」

 

島村「決まりだな……ルールと負けた方への罰は?」

 

雄二「コレが最初俺達と学園側が予定していたルールだ。文句があれば一応聞くが?」

 

そう言って雄二が取り出したのはA4サイズのプリント。

俺達も受け取ったプリントに目を通してみる。

 

えっと、内容は――

 

①2人一組での行動が必須。1人だけになった場合のチェックポイント通過は認めない。

 ※1人になっても失格ではない

②2人のうちのどちらかが悲鳴をあげてしまったら、両者とも失格とする

③チェックポイントはA~Fの各クラスに1つずつ。 合計6ヶ所とする

④チェックポイントでは各ポイントを守る代表者2名(クラス代表でなくても可)と

 召喚獣で勝負する。撃破でチェックポイント通過扱いとなる

⑤一組でもチェックポイントを全て通過できれば驚かされる側、

 通過者を一組も出さなければ驚かす側の勝利とする

⑥驚かす側の一般生徒は召喚獣でのバトルは認めない。あくまでも驚かすだけとする

⑦召喚時に必要となる教師は各クラスに一名ずつ配置する

⑧通過の確認用として驚かされる側はカメラを携帯する

⑨設備への手出しを禁止する

 

 

 

明久「へぇ~、結構凝ったルールだね。 面白そうだね」

 

雄二「あとはこれに設備を壊した時の代償を追加する予定だ」

 

常村「おい坂本。この悲鳴の定義はどうなっている?」

 

雄二「そこは声の大きさで判別するつもりだ。

   カメラを携帯させるからそこから拾う音声が一定値を超えたら失格になる」

 

夏川「そんな事ができんのか?」

 

康太「・・・・・・・・・・・・問題ない」

 

砂原「問題ないよ」

 

ムッツリーニと砂原が親指を立てる。さすがだな。

 

島村「チェックポイントの勝負科目はどう決める?」

 

雄二「それについてはお互いに2つずつ科目を指定ってことでどうだ?」

 

島村「2つずつ? 3つずつじゃないのか?」

 

雄二「ああ。もう既に数学と現国と教師には話をしてしまってるんだ。

   受験で選択され易いその2つならそこまで有利不利もないし問題ないだろ?」

 

A~Fクラスなので、チェックポイントは全部で6つ。

そのうち2つは現代国語と数学で決定済みで、残り4つをそれぞれが選ぶということになる。

 

夏川「坂本よぉ。それよりさっさと負けた側の罰を聞かせろよ」

 

雄二「そうだな。負けた側は2学期にある体育祭の準備や片付けを

   相手の分まで引き受ける、ってことでどうだ?」

 

2学期に予定されている体育祭。

それは結構大掛かりなイベントで、準備も片付けもそれなりに手がかかる。

 

島村「随分とヌルい提案じゃねぇか。さては、勝つ自信がねぇな?」

 

貴浩「はぁ……。本当に馬鹿だな」

 

島村「何だと!?」

 

雄二「貴浩の言う通りだな」

 

貴浩「この勝負は皆には伝えていない。

   それなのに、重い罰ゲームを相談なしに決めて学年全体から

   顰蹙(ひんしゅく)を買いたいんですか?」

 

島村「……けっ」

 

雄二「そう逸るなよ先輩。勝負がしたいのなら先輩達はチェックポイントにいてくれたらいい。

   個人的な勝負をするからな?」

 

常村「チェックポイントで直接対決か……面白れぇ。その話、乗ったぜ」

 

貴浩「それじゃ、勝負はその時ってことで。楽しみにしてますよ、先輩?」

 

島村「クズどもが。年上の怖さを思い知らせてやる」

 

……面倒な準備作業のある脅かし役を押し付けられても気付かないなんて、本当にバカだな。

 

さて続きでもやるか

 

 


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