明久「雄二。今のところは順調そうだね」
雄二「そうだな」
周りが墓場なだけで今のとこ何も仕掛けはなかった。
声がでたとしても失格レベルには至らない小さな声だ。問題ないってところだな。
明久「……何もしてこないね」
秀吉「ということは、向こうもそろそろ動きを見せる頃合いということじゃな?」
雄二「ああ。向こうもこっちの様子は筒抜けだからな」
貴浩「何かしらの方法で落としにかかってくるだろうな」
お互いにカメラを通じて状況を把握できる分、臨機応変な対応が可能になる。
向こうが順調ならこっちが、こっちが順調なら向こうが手を打つのは当然だ。
命「そうなると、今度は何をしてくるのかな?」
雄二「さぁな? 見当もつかない…」
雄二が言葉を途中で句切ってモニターに身体を向けた
優子「何か雰囲気が変わったわね」
愛子「そうだね。暗くて分かり難いけど……どうも広い場所にでたように見えるよ」
愛子の言う通り、カメラは薄暗いながらも広い空間を映しだしていた。
なのは「けど、何も仕掛けがなさそうに見えるけど……」
なんだかいやな予感がするな……
砂原「広めの空間だけのようだね♪
あとは…中央の上部に照明設備らきしものが見えるくらいだよ」
更に目を凝らしてモニターの映像を見る。
確かに天井の辺りにケーブルのようなものが見える。
『何だか不気味だな』
『ああ。よく分からねぇけど、ヤバい感じがするね』
近くにいたペアも周りの雰囲気に気が付いたみたいだね。
翔子「……人」
モニターには、暗闇の空間の中央に誰かが静かに佇む影が映しだされていた。
あれが向こうの仕掛けだろうか。いや、囮の可能性もある。
何もない広い空間と見せかけて、本命は後ろからの奇襲なんてことだって充分に考えられる。
『突っ立っていても仕方がない。先に進むぞ』
『分かった』
2人が歩を進め、カメラもそれに伴って暗闇の奥を映しださんと移動していく。
そして、2人が空間の中央まであと三歩、といったところで
『バン』と荒々しく照明のスイッチが入る音が響き渡る。
暗闇から一転して光の溢れだしたモニターの中央には、
常夏島トリオの1人である変態先輩こと夏川先輩がスポットライトを浴びて静かに佇んでいた…
全身フリルだらけの、ゴシックロリータファッションで。
『『『『『ぎゃぁああああーーっ!!』』』』』
モニターの内外問わず、そこら中から響き渡る悲鳴。
命「えっ//////?」
楓「へっ//////?」
明久と秀吉は命と楓を抱きしめるようにして夏川先輩(オブツ)を見えないようにした。
雄二「坊主野郎めっ! やってくれやがったな!!」
雄二が叫び。
貴浩「汚いっ! やり方も汚ければ映っている絵面も汚い!」
だめだ!! すごい吐き気がする!!
姫路「きゃぁああ!? お化け!いや、お化けじゃないですけど、お化けより怖いです!」
島田「うぅぅぅっ! 夢に見る・・・!」
優子「うっ…前に見た根本君よりひどいわ…」
愛子「優子…そんなこと言わないでよ…おかげで思い出しちゃっよ」
椎名「気持ち悪いです」
命「え、えっ!? 何が起きてるの!? 明久君/////!?」
楓「何が起きたんですか!? ってそれよりヒデ君////!?」
アレを見たものは全員気分不快をおこしていた。
命と楓はわけがわからないと質問してるが見せるわけにいかない。ナイスだ明久!秀吉!
翔子「……気持ち悪い」
雄二「…翔子大丈夫か?」
翔子「……大丈夫」
秀吉「あれは流石にわしも耐えられん…! じゃが楓には見せるわけにはいかぬ!」
明久「そうだね。あんなもの見せるわけにはいかないよね」
貴浩「畜生!! なんてもん見せやがるんだ!!」
明久「命に見せないで正解だけど、ダメージがひどいよ…」
命「////////」
ほかのみんなもこのグロ画像に悲鳴は避けられなかった。と言うか一部失神してる。
『何だ? 今、こっちの方から何か聞こえなかったか?』
『ああ。 間違いない。 そこで悲鳴g・・・・・・』
ギャァァァァァァァアアアアアアア!!!!-
はっ! しまった!! 悲鳴が呼び水になってマズいことになっている!
明久「雄二!! 早く手を打たないと全滅する!」
雄二「く・・・! 無理だ!」
貴浩「あいつら既に突入しているんだ! もう助けようがない!」
刀麻「何っ!? 奴らを見捨てるしかないって言うのか!?」
そう俺達は何もできず、モニターを見続けることしかできない。 ゴメン、皆!!
『ぎゃぁああーっ! 誰か、誰か助k・・・』
『嫌だ! 嫌だ嫌だ嫌だ! 頼むからここからだしてくれ!』
『助けてくれ! それができないならせめ殺してくれ!』
『いやぁぁぁぁああ!!!!!!??????』
『奇g&p$#~*krt!?』
『アァッー!!!!』
康太「・・・・・・・・・・突入部隊・・・全滅・・・」
戦力は全て壊滅。モニター越しに見ていた俺達でもこのダメージだ。
直接、見てしまった彼らは、当分社会復帰できないだろう・・・おのれ! 何て惨いことを!
貴浩「ここの被害は?」
光一「男子一部、そして女子の過半数が…」
「坂本!仇を・・・! アイツらの仇を討ってくれ!」
「このまま負けたら、散っていったアイツらを申し訳がたたねぇよ・・・!」
「あんなの酷すぎる!」
Fクラスの生徒だけでなく他のクラスの皆までもが涙ながらに訴えてきた。
雄二「分かってる!向こうがそうくるならこっちだって全力だ!
こちらからは、ムッツリーニ&八神ペア、貴浩&工藤ペア、
そして刀麻&砂原ペアの3組を投入するぞ!!」
ムッツリーニとなのは、俺と愛子、刀麻と砂原のペアか。
貴浩「さすが雄二だな。こんな手を打つとはな」
雄二「ああ、こっちだってやりかえさないとな」
愛子「だってさ。よろしくね、貴浩君」
貴浩「おう!」
なのは「康太君。よろしくね」
康太「・・・・・・(コクリ)なのはは俺が守る」
なのは「//////」
砂原「カッコイイねムッツンは」
貴浩「刀麻。これ持ってくの手伝ってくれ」
刀麻「ん? なんだこのでかい鞄は?」
貴浩「まあ必要な道具だな。それより良かったな砂原とペアで」
刀麻「…ああ////」
雄二「頼んだぞ、6人とも。何としてもアレを突破し、Eクラスをクリアしてくれ」
雄二が俺達の目を見て話しかける。
教室の広さを考慮すると、坊主を突破したら残りはチェックポイントだけのはず。
俺とムッツリーニ、砂原の3人は雄二の意図を読み取り頷き
愛子、なのは、刀麻の3人は好きな相手と行けることで頭が一杯だった。