明久「ねぇ貴浩、雄二」
雄二「なんだ?」
明久「そういえばさ、やけに周りからの視線が軽くなったのは気のせいかな」
雄二「奇遇だな。俺もそう思う」
貴浩「そりゃあ嫉妬だろうな。俺達みたいな中の下のような奴らと、
上玉すぎる女性陣が一緒にいるんだから」
刀麻「確かに。文月学園には何でああも美人ぞろいなんだろうな」
久保「確かにそれに吉井君や貴浩君の周りの女子は特にレベルが高いよ」
明久「偶然じゃないの?」
貴浩「そうかもしれないが、俺達もまだそういう視線で見られるっていうのは嫌だな。
どうにかして釣り合わないといけないだろうな」
刀麻「そういえばムッツリーニはどうしたんだ?」
雄二「カメラのレンズの洗浄に行った」
貴浩「どのみち鼻血で汚れるのにな」
明久「それでも動くのがムッツリーニだからね」
刀麻「確かに」
愛子「お待たせ~」
明久「あ、おかえり、結構時間かかったね」
雄二「海の家はそんなに混んでいたのか?」
優子「そこまで混んでいたわけではないんだけど」
貴浩「?」
優子「また、ナンパに出会ってね」
貴浩「そうか……ご苦労さんです」
刀麻「乙です」
と言って、荷物を受け取ろうとすると
愛子「全く……皆、乙女心がわかってないね」
優子「ちょっと冷たすぎない?」
翔子「…もうちょっと心配すべき」
姫路「そうですよ」
島田「酷いわね」
貴浩「そうは言われてもな・・・」
優子「もうちょっと嫉妬はすべき」
愛子「そうだよね。少しぐらいは嫉妬してほしいよ」
貴浩「優子なら断れるからな」
俺が優子と愛子と話していると、雄二と明久は何故かヒートアップしていた。
雄二は翔子と明久は姫路と島田に
雄二(なんか理不尽に怒られた気がするぜ)
明久(何で僕たちがモテないんだ・・・僕達一応彼女持ちなんだよ)
雄二(自分たちがナンパされたくらいで調子に乗りやがって)
明久(ホントだよ。僕たちだって出来るってことを証明しないと)
雄二(そうだな)
貴浩「……ムッツリーニ?………」
そして俺の視線の先には……
?『よかったら一枚撮ってくれない?』
康太『……別に構わない』
?『本当?ありがとっ♪』
?『この子も可愛いから一緒に撮ろうよ』
貴浩「ム、ムッツリーニが逆ナンだと!?」
刀麻「な、なんだって!?」
雄二「馬鹿も休み休み言えと──」
明久「そうだよ。ムッツリーニが逆ナンなんて──」
?『写真撮るの上手』
?『すごいっ! むちゃくちゃ綺麗じゃない!!』
康太『……一般技能』
?『照れちゃって可愛い~!!』
明・雄「「グハッ……む、ムッツリーニが逆ナンされてる」」
刀麻「なあ雄二」
雄二「なんだ?」
刀麻「もしかして、このメンバーの中でモテないのって俺たちだけ?」
雄二「な、何を言ってるんだ」
明久「だけど……」
雄二「俺たちも見返してやらないとな」
刀麻「ああ! 当たり前だ!!」
明久「うんっ! 貴浩一緒に行こう」
貴浩「ん? どこに行くんだ?」
明久「実は・・・(略)・・・ 」
貴浩「お前ら………せっかくこのメンバーで来てるんだから、海を楽しめよ」
雄二「でもな、あいつらは・・・」
貴浩「それに見つかったらどうなると思う?」
雄二「DEATH」
明久「海の底」
貴浩「分かればいい。そんなつまらないことで悩まずに、
雄二は霧島と、明久は命ともっと仲良くなれるようにしろよ」
刀麻「俺は?」
貴浩「・・・・・・・・・ガンバっ!」
刀麻「なんか俺の扱い酷くないか!?」
貴浩「だってな・・・明久と雄二、秀吉、ムッツリーニは彼女持ちだし。
光一だって婚約者がいるみたいだしな。
ここで独り身なのは俺と刀麻、多分久保の3人だけだぞ」
刀麻「・・・ぐっ」
その後、昼ごはんを食ったり、
6VS6のビーチボールをしたり、明久、雄二たちとマジ泳ぎしたり・・・
そんなことをしてたら、日も傾いてきていた。
光一「そろそろ戻るか。それにどうやらこの先の神社でお祭りがあるらしいし」
明久「え、そうなの?」
命「それは楽しみです」
貴浩「なら着替えて皆で行こうぜ」
そして全員、別荘に戻って着替え始めたのであった。