貴浩「……うわ、これは酷いな」
秀吉「まさか…こうくるとはのう」
明久「……卑怯だね」
教室に引き返した俺たちを迎えたのは、
穴だらけになった卓袱台とヘシ折られたシャーペンや消しゴムだった。
明久「酷いね。これじゃ補給もままならない」
秀吉「うむ。地味じゃが点数に影響の出る嫌がらせじゃな」
俺たちは再び教室を見渡していると、楓と命がしゃがみ込んでいる姿が目に見えた
貴浩「楓・命どうしたんd───」
俺が2人に話し掛けようとして言葉が途切れた。
秀吉「ん?2人ともどうしたのじゃ───」
秀吉も心配に2人に声をかけると途中で言葉に詰まった。
なぜなら2人が泣いていたからだ。
楓「に、兄さん……私の鞄が……」
命「ひ、秀兄……」
見ると楓と命の鞄がズタズタに引き裂かれていたのだ。
よく見ると周りの何人かの鞄も引き裂かれていた。
明久「ここまでやるなんて」
雄二「まさか、ここまでされるとはな」
すると雄二が教室に入ってきた
貴・秀「「楓(命)を泣かせるとはあいつら(あやつら)覚悟できているだろうな(の)!」」
明久「……雄二。どうして教室がこんなことになっていることに気づかなかったの」
雄二「Bクラスから、16時までに決着がつかなかったら戦況を
そのままにして続きは明日の午前9時に持ち越し。
その間は試召戦争に関わる一切の行為を禁止するっていう
協定の申し込みがあってな。調印の為に教室を空にしてしまった」
明久「それ承諾したんだ」
雄二「そうだ」
明久「でも体力勝負に持ち込んだほうがウチとしては有利じゃないの?」
雄二「楓・命・姫路以外は、な。
あいつらを今日の戦闘は終了だろう。そうなると作戦の本番は明日になる。
その時はクラス全体の戦闘力より、楓と姫路の戦闘力のほうが重要となる」
貴浩「明久。とりあえず俺たちは前線に戻るぞ。
向こうでも何かされているかもしれないしな。秀吉と雄二は2人を頼む」
秀吉「了解した」
俺はそう言うと駆け足で戦場に戻って行った。
……Bクラスの奴らを八つ裂きにしてやる
☆
少しすると明久も追いついてきた。
明久「なんか、まだまだ色々やってそうだね」
貴浩「そうだな。この程度で終わるとは思えないしな。気を引き締めて行くぞ」
そういい戦場に戻ってみるとやはり問題が起きていた。
明久「待たせたね!戦況は!?」
須川「かなり不味い事になっている」
やはりこちらにも何かやっていたのか。根っこコンビめ。覚えていろよ。
ひとまず現状を聞いてみると島田が人質にされているらしい。
今度は人質か!どこまで卑怯なんだ!
貴浩「……ひとまず状況をみたい」
須川「それなら前に行こう。そこで敵は道を塞いでいる」
俺たちは須川に着いていき、部隊の人垣を抜けると須川が言った通りの状況だった
明久「島田さん!」
島田「よ、吉井!」
B「そこで止まれ!それ以上近寄るなら召喚獣に止めを刺して、
この女を補習室送りにするぞ!」
島田を捕らえている敵の1人が俺たちを牽制してくる。
あいつら、わかっていないな。
島田に止めを刺した瞬間、お前らもすぐに補習室に送ってやるよ。
それに早くBクラスのヤツをぶちのめしたい。
楓を泣かせたんだ…覚悟はできているんだろうしな。
フッフフフ………
明久「総員突撃用意ぃーっ!!」
F「隊長それでいいのか!?」
おっ!明久も俺と同じ考えか?
B「ま、待て、吉井!コイツがなんで捕まったと思っている?」
明久「馬鹿だから」
島田「殺すわよ」
……違ったみたいだな
貴浩「……おい、お前ら。俺たちの教室や筆記道具を壊しておいて、
次は人質をとるのか。覚悟はできているんだろうな?」
俺は殺気を込めて言うと
???「その話本当か?」
人質をとっているやつ等の後ろのほうから女性の声が聞こえた。
そうすると、2人の女性が姿を現した。