バカと俺達の召喚獣   作:ターダン8

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男らしさとデットボールとホームラン

雄二「よし! さっきはちょっとしたハプニングがあったが、だいたい計算通りだ!

   さっさと点を取ってブッ倒すぞ!」

 

「「「おおーっ!」」」

 

雄二の言葉に全員に拳を掲げて応える。

 

貴浩「トップバッターは秀吉か。頑張れよ」

 

楓「ヒデ君、頑張ってくださいね」

 

秀吉「任せておくのじゃ」

 

『木下。まずはアンタを討ち取って波に乗らせてもらうわよ!』

 

マウンド上ではピッチャーを務める中林が闘士を燃やしている。

体育会系の連中が多いクラスの代表だけあって、ノリもそんな感じらしい。

 

秀吉がバッターボックスに入ったのを確認してから、中林がボールを投げる。

 

『ボール』

 

『ボール』

 

一球、二球と続きボールはストライクゾーンから外れる。

 

『ストライク』

 

三球目にストライクをとるが、どうもコースが定まらないようで中林は顔を歪めていた。

そのまま投球が続き、2ストライク、2ボールとなった状態で初めて秀吉が動く。

 

『ファール』

 

あまり気のないスイングで、ボールにバットを当てるだけ。

俗に言うカットってヤツだ。

 

明久「ねぇ貴浩。あのスイングだと秀吉は」

 

貴浩「ああ、おそらくフォアボール狙いだな」

 

その後も中林が投げるボールをカットしていき、2ストライク、3ボールとなる。

 

中林「く・・・! いやらしいやり方してくれるわね・・・・・・

   思いっきり振ってきなさい木下! 勝負よ!」

 

秀吉「すまぬが、それはできん。なにせ、0対3という状況じゃ。

   5回までしかない以上、ワシらは確実に点数を返さねばならぬからの」

 

中林「何よ! 私が怖いの!? フォアボールなんか狙わないで、

   ちゃんとヒットで塁に出なさいよ!」

 

秀吉「なんと挑発しようが無駄じゃ無駄じゃ。

   ワシはワシの仕事をしっかりこなすだけじゃからな」

 

中林「く・・・っ!いいから勝負しなさいよ───男らしく!」

 

秀吉「・・・・・・・・・・・・男らしく、じゃと」

 

『─────トライクッ!バッターアウト』

 

楓「ドンマイですヒデ君。次頑張ってくださいね」

 

秀吉「すまぬお主ら。無理じゃった」

 

明久「いや、まぁ仕方がないけど・・・どうして最後だけ大降りだったの?」

 

秀吉「気にするでない。ワシにも色々譲れんものがあるんじゃ」

 

明久「ふ~ん・・・・・・?」

 

秀吉がアウトになったから次は2番のムッツリーニか。

 

 

【古典】

 Fクラス      VS   Eクラス

 土屋康太 42点       中林宏美 105点

 

 

明久「どうしようか。僕にはコールド負けの光景まで見えるんだけど」

 

雄二「奇遇だな明久。俺もだ」

 

貴浩「・・・・・・まだ大丈夫だろ・・・あと4回あるからそれまでに逆転すればいいんだ」

 

明久「すでにこの回は諦めてるんだね」

 

『アウト!』

 

そんなこと言ってる間にムッツリーニがアウトになる。

これで2アウトか・・・次は3番だから、明久か。

 

明久「よし、ここは一発、でかいのかましてくるか!」

 

雄二「おう、期待してるぞ明久」

 

明久「任しておけっ」

 

どん、と胸を叩いて明久がバッターボックスに入る。

まあ明久なら、塁に出てくれるだろう。

 

ゴスッ

 

『───デットボール。一塁へ』

 

明久「痛みがっ! 顔が陥没したような痛みがぁっ!」

 

初球からデットボール。

俺と明久の召喚獣はフィードバックがあるから召喚獣に受けた痛みは

何割かで自分に返ってくる。そして今現在、明久が地面に転がっている。

マウンド上から中林が申し訳なさそうに明久に謝っていた。

 

中林「ごめんさなさいね吉井君。次は気をつけるわ」

 

西郷「よくやったぞ中林。吉井がいなくなれば織村は・・・・・・フフフッ・・・

   中林、吉井の打席は全てデットボールで頼むぞ」

 

吉井「アンタ最悪だっ! 西郷君、僕に何の恨みがあるんだっ!」

 

中林「黙りなさい西郷っ! 本当にごめんざなさいね吉井君」

 

そう言いながら、明久は痛む身体を引きずって一塁へ向かった。

 

雄二「さて。ここで真打の登場というワケだな」

 

そして今度は4番の雄二が打者となる。

 

 

 

【古典】

 Fクラス       VS   Eクラス

 坂本雄二 216点       中林宏美 105点

 

 

 

両者の点数が表示される。

今の雄二なら点数も高いし、召喚獣操作技術も上がってるから

Eクラス相手なら問題ないだろう。

 

中林「う・・・。コイツも怖いけど次はあの姫路だし、その後も織村君だし・・・

   ここは勝負で・・・・・・行くわよ、Fクラス代表!」

 

2アウトランナー一塁の状況。

中林が振りかぶって一球目を投げる。その球はミットへと向かっていき──

 

雄二「あらよっとぉーっ!」

 

キィン、と甲高い音を奏でて宙を飛んでいった。

球の行方を見守るまでもない、アレはホームランだ。

 

【Eクラス 3  VS  Fクラス 2】

 

明久と雄二がホームへ還り、2得点。これで1点差だ。

 


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