バカと俺達の召喚獣   作:ターダン8

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不戦勝と準決勝とスポーツマンシップ

3-E対3-Fの試合は結局勝負がつかず、俺たちの不戦勝となった。

 

そして

 

貴浩「いよいよ準決勝か」

 

明久「確か僕たちの相手は3-Aだっけ?」

 

雄二「ああ、あの常夏島トリオがいるクラスだ」

 

秀吉「んむ? ということは2-Aは負けたということじゃな」

 

光一「そうなるな」

 

明久「負けたってあの霧島さんがいるのに?」

 

雄二「ん~・・・まぁ姫路程じゃないが、アイツも野球はそこまで詳しくないからな。

   その辺が原因で負けたんじゃないか」

 

貴浩「そうなんだろうか? 霧島以外にも優子や愛子に椎名、刀麻、砂原、久保が

   いるからそう簡単には負けないと思うんだが・・・」

 

秀吉「3年にも霧島クラスがおったのかもしれんの」

 

貴浩「・・・そう考えるのが妥当か・・・」

 

光一「今は考えるのはやめましょう。目の前の敵に集中しないと」

 

明久「そうだね。会ってみたら分かるだろうし」

 

貴浩「で、雄二。この試合はどんな作戦でいくんだ?」

 

雄二「ああ、正直。3-Aが相手と言っても2-Aが負けるとは思っていなかったからな。

   殆ど作戦なんて考えていないが───」

 

そういいながらも雄二のことだ何か策があるんだろうが

 

雄二「────奴らの召喚獣を殺そうと思う」

 

秀吉「もう既にスポーツマンシップという概念は消え失せておるようじゃな・・・」

 

命「ひどい作戦ですね」

 

貴浩「おいおい、雄二さすがにそれはマズイだろ。

   常夏島トリオならいくら殺ってもいいが、他の先輩達に迷惑だろ」

 

雄二「・・・確かに・・・そうだな。狙うなら常夏島トリオにしておくか」

 

明久「そうだね。で、乱闘で常夏島トリオを再起不能にするんだね」

 

光一「どうせなら、召喚獣だけでなく本体の方も再起不能にしたいな」

 

康太「・・・・・・どうやって始末する?」

 

楓「なんで皆さん、躊躇いもなくその作戦が受け入れられるんですか・・・?」

 

貴浩「乱闘じゃなくてもなくてもいいだろ。

   他にも殺す手段は直接攻撃以外にもあるからな」

 

明久「そっか。タックルしたりデットボールを狙ってもいいしね」

 

康太「・・・・・・振り切ったバットを相手に投げつけてもいい」

 

貴浩「さすが、理解が早くて助かる」

 

秀吉「お主ら本当に外道じゃな!」

 

島田「アンタらねぇ・・・そんなことして、相手に『卑怯だ!』って、

   文句言われても知らないわよ?」

 

卑怯? 文句? お前は何を言っているんだ?

 

明久「ふふっ、わかっていないなぁ美波は」

 

雄二「全くだ。島田には俺たちのスポーツマンシップが全然伝わっていないらしい」

 

康太「・・・・・・理解不能」

 

貴浩「だな。こんなの常識だろ」

 

俺達は肩を竦めてみせる。

やれやれ本当に勉強不足すぎるな。

 

島田「な、なによアンタら。何が言いたいのよ」

 

明久「いいかい、美波」

 

戸惑う島田に、諭すように4人で一斉に告げる。

 

「「「「卑怯汚いは敗者の戯言」」」」

 

島田「アンタら最低過ぎるわっ!」

 

これは勝負の鉄則だ。

 

秀吉「んむ? じゃが、向こうの召喚獣を行動不能にしたところで、

   こちらの勝ちになるわけではなかろう。そのあたりはどうするのじゃ」

 

雄二「相手は3年だからな。持ち物検査が俺達2年しか行われなかった以上、

   向こうの優勝に対するモチベーションはこっちほど高くないだろう」

 

貴浩「だから、そのモチベーションの差を利用するわけだな」

 

秀吉「そうは言われてもの」

 

命「そ、それなら、わざわざ行動不能にしなくても」

 

貴浩「行動不能にするのは、ただの俺たちの気まぐれだ」

 

命「・・・・・・本当に最低ですね」

 

それ以上の作戦の説明もなく、俺達はとりあえず試合が行われるグラウンドへと向かっていった。

 


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