バカと俺達の召喚獣   作:ターダン8

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Bクラス戦 罠

協定通りBクラスとの試召戦争は16時で一度やめ、

戦況をそのままにして明日の9時に持ち越しとなった。

 

一応予定通りBクラス前まで進撃できたので明日はそこからとなる。

 

今は明日の事で話し合っている所だった。

すると、ムッツリーニがやってきて話に加わった。

 

今日の戦争ではムッリーニは戦線に出ず情報収集を任務としていた。

 

雄二「なに?Cクラスが試召戦争の用意を始めているだと?

   相手はAクラスか……いや…それはないだろうから。

   漁夫の利を狙うつもりか……いやらしい連中め」

 

つまり、この戦争の勝者と戦うつもりなのか。

疲弊している相手ならやりやすいだろうしな。

 

明久「雄二どうするの?」

 

雄二「そうだな……Cクラスと協定を結ぶか。

   Dクラスを攻め込ませるぞと脅せば俺たちに攻め込む気もなくなるだろ」

 

明久「それに、僕らが勝つなんて思ってもいないだろうしね」

 

雄二「よし、それじゃ今から行って来るか。秀吉と姫路は念のためここに残ってくれ」

 

姫路「はい、わかりました」

 

秀吉「なんじゃ?ワシは行かなくて良いのか?」

 

雄二「お前の顔を見られると万が一の場合にやろうとしている作戦に支障があるんでな」

 

秀吉「よくわからんが、雄二がそう言うのであれば従おう」

 

素直に引き下がる秀吉。まぁ雄二の事だ何か策があるのだろうな。

 

明久「じゃ行こうか。ちょっと人数が少なくて不安だけど」

 

秀吉と姫路を残して、

俺、明久、雄二、楓、命、ムッツリーニというメンバーでCクラスに向かう。

 

島田「あれ?吉井に坂本?どこか行くの?」

 

廊下に出ると島田と須川、近藤に会った。

 

貴浩「島田と須川、近藤。ちょうど良い。Cクラスまで付き合ってくれないか」

 

まさかとは思うけど、念のためにボディガードは多いほうがいいだろう。

楓と命を守る人材も必要だからな。

 

島田「んー、別にいいけど?」

 

須川「ああ、俺も大丈夫だ」

 

近藤「俺もいいぜ」

 

 

【貴浩は盾もとい仲間をゲットした】

 

 

秀吉「急がんとCクラス代表が帰ってしまうぞい」

 

明久「うん、そうだね。急がないと」

 

こうして更に島田と須川、近藤を加えた9人でCクラスへと向かう事になった。

 

 

 

         ☆

 

 

 

雄二「Fクラス代表の坂本雄二だ。このクラスの代表は?」

 

教室の扉を開くなり、雄二がそこにいる全員に告げる。

Cクラスにはまだかなりの人数が残っており、

ムッリーニの情報通り漁夫の利を狙って試召戦争の用意を始めているのだろう。

 

小山「私だけど、何かようかしら?」

 

俺たちの前に出てきたのはCクラスの代表の小山だった。

 

雄二「Fクラス代表としてクラス間交渉に来た。時間はあるか?」

 

小山「クラス間交渉?ふぅん……」

 

小山は雄二の言葉を聞いてなんだかいやらしい笑みを浮かべでいる

 

何か嫌な予感がするな

 

雄二「ああ。不可侵条約を結びたい」

 

小山「不可侵条約ねぇ……どうしようかしらね、根本君?」

 

小山は振り返り、教室の奥にいる人たちに声をかけた。

 

するとそこには、Bクラスの根本と根城がいた。

 

根本「当然却下。だって必要ないだろ?

   それに酷いじゃないかFクラスの皆さん。協定を破るなんて。

   試召戦争に関する行為を一切禁止したよな?」

 

根城「先に協定を破ったのはソッチだからな?これはお互い様、だよな」

 

根城が告げると同時にその取り巻きが動き出す。

 

その後ろには先ほどまで戦場にいた長谷川先生の姿があった

 

B「長谷川先生!Bクラス芳野が召喚を──」

 

須・近「「させるか!Fクラス須川(近藤)が受けて立つ!試獣召喚(サモン)!」

 

Bクラスが雄二に攻撃を仕掛ける前に、

間一髪で須川と近藤が身代わりとなるファインプレイを見せてくれた。

 

明久「僕らは協定違反なんてしていない!これはCクラスとFクラスの──」

 

貴浩「無駄だ明久!あいつらは条文の『試召戦争に関する行為』を盾に

   しらを切るに決まっている。だから、ここは逃げるぞ」

 

戦闘を行っている須川と近藤に背を向け

俺たちはCクラスから離脱しようと駆け出す

 

根本「逃がすな!坂本を討ち取れ!」

 

 

 

背後から根っこコンビの指示と複数の足音が聞こえる

 

 

 

はっきり言ってマズイな。

 

 

 

明日の戦争があるから楓と命は今は使えないし、2人の体力では追いつかれてしまう。

 

 

 

 

楓・命「「はぁ、はぁ、ふぅ・・・」」

 

貴浩「2人とも大丈夫か?」

 

廊下を走っていると、やはり楓と命が遅れだした。

 

体の弱い2人にこの全力疾走は厳しそうだ。とか言う俺もキツい…

 

命「あ、あの、さ、先に…行って、ください…」

 

息も絶え絶えに命が言うと楓も同じ事を口にした。

 

このままだと追いつかれてしまう。

だがここで置いて行くわけにはいかない。

 

明日の戦争のこともあるが、何より2人を置いて逃げる事なんてできないな。

 

仕方ないか、もう少し力を隠しておきたかったが……

 

俺は明久と目線を合わせると明久も俺と同じ考えらしい。

 

貴・明「「雄二!」」

 

雄二「なんだ2人共!」

 

明久「ここは、僕と貴浩が引き受ける!雄二は命と楓を連れて逃げてくれ」

 

俺たちはその場に立ち止まり振り向いて雄二に向かって親指を立てた

 

命「あ、明久君、私の事は、気に、しないで」

 

雄二「・・・わかった。ここは2人に任せる」

 

雄二が俺たちの要望に応じる。

さすが雄二だな。感情に流されず、今必要な処置を正しく把握している。

 

康太「・・・・・・(ピタッ)」

 

明久「いや、ムッツリーニも逃げてほしい。明日はムッリーニが戦争の鍵を握るから」

 

一瞬立ち止まったムッツリーニ。

気持ちはありがたいが明日は重要な役割があるはずだ。

ここで失うわけにはいかない。

 

康太「・・・・・・(グッ)」

 

ムッリーニは俺たちに親指を立てて走り去って行った。

 

貴浩「…さて、どうする明久?」

 

明久「うん。僕に考えがあるんだ。僕だって補習室に行きたくないしね」

 

貴浩「お前の策を信じてやるよ」

 

B『いたぞっ!Fクラスの吉井と織村だ』

 

B『ぶち殺せ!』

 

正面から追っ手がやってきた。長谷川先生も一緒だ。

 

明久「Bクラス!そこで止まるんだ」

 

相手の気勢を削ぐように、明久は強い口調で呼び止める

 

B「いい度胸だ。たった2人で食い止めようってか?」

 

Bクラスからの追っ手は5人ほどいる。

さて、明久の策とやらを信じてみますかね

 

明久「その前に長谷川先生に話がある」

 

長谷川先生に?何か脅迫するネタでもあるのか?

 

長谷川「なんですか、吉井君?」

 

明久「Bクラスが協定違反していることはご存知ですか?」

 

長谷川「話を聞く限り、休戦協定を破ったのはFクラスのようですが」

 

まあ、あの根っこコンビのことだからうまく言っているだろうしな。

さて明久の考えってヤツに期待するかな。

 

明久「・・・・・・万策、尽きたか・・・・・・」

 

貴・B『こいつ馬鹿だぁーっ!』

 

なんだよあんなの全然策じゃないだろうが、

コイツに期待した俺が馬鹿だった……Orz

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  

 

 

 

 

 

命「坂本君、明久君と貴浩君は大丈夫なんですか?」

 

雄二「もちろんだ。他のヤツならともかく、あの2人ならなんとかなる」

 

命「でも・・・」

 

雄二「貴浩はそこそこ勉強できる。明久は確かに勉強はできない。

   でもな、学力が低いからといって、全てが決まるわけじゃないだろう?」

 

命「そ、それは、どういうことですか?」

 

私が首を傾げると

 

雄二「明久も伊達に《観察処分者》なんて呼ばれないって事だ」


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