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島田「お待たせ。オードブル出来たわよ」
翔子「………お待たせ」
準備を終えリビングで待っていると島田と霧島が大きな大皿を持ってやってきた。
島田「カルパチョにしてみたんだけど」
「「「おおっ」」」
雄二「島田って魚捌けたのか?」
島田「ううん、ウチは椎名さんと一緒にソースと盛り付けだけ」
椎名「魚なんて捌けませんから魚をおろしたのは代表ですよ」
明久「へぇ~霧島さんって魚も捌けるんだ」
霧島「………花嫁修業の一環」
貴浩「だってよ雄二。頼れる奥さんだこと」
雄二「………うるせぇ」
愛子「それで、こっちは牡蠣の酒蒸しと海鮮サラダだよ」
遅れて愛子となのはがテーブルに器を持ってくる。
殻付で蒸し上げられた牡蠣とエビやタコが入ったサラダだ。
愛子「もっとも僕は野菜を洗って盛り付けただけなんだけどね。
あとはなのはがやってくれたんだ」
なのは「愛子ちゃんも手伝ってくれたからこんなに美味しそうにできたんだよ」
貴浩「そうだぞ愛子。それだけでも充分だ。ところで優子は何を作ったんだ?」
優子「アタシ達はおにぎりよ。やっぱりお米がないのは寂しいからね。
でもご飯って言うのは味気ないからおにぎりにしてみたのよ」
砂原「でもただのおにぎりじゃないよん♪
中に何か具材が入ってるからそれは食べてからのお楽しみにね♪」
刀麻「中に何が入ってるか楽しみだな」
雄二「じゃあ、全員揃った事だし食べるとするか」
秀吉「そうじゃな。代わりにワシらはジュースでも……」
命「あ、待って秀兄。優姉と一緒に飲み物も作っておいたんだ。今持ってくるね」
明久「僕も手伝うよ」
そういえばさっきミキサーの音がしてたな。
命「はい、特製フレッシュジュースです」
キッチンから明久と命がグラスに注いだジュースを持ってきた。
優子「はい、貴浩」
貴浩「ありがとう」
各自にジュースがいきわたる。
貴浩「それじゃ、かんぱーい」
「「「「「かんぱーい」」」」」
乾杯の声をあげてから、グラスをゆっくり口に運ぶ。
すると、絞りたての果実の甘酸っぱい香りが鼻孔に漂ってきた。
何種類か果物を混ぜたんだろうか。色々な香りがする。
フレッシュジュースなんて滅多に飲まないからな。
それに命と優子が折角作ってくれたんだじっくり味わうとしよう。
グラスを傾けて口に含み舌の上で転がす。
それは良く知った味のようでありながら、
今まで飲んだことの無い独特の風味でもあった。
酸味が強くコクがあり、それで刺激的な…
貴浩「・・・・・・・・・」
そんなタバスコの味わい。
貴浩「甘くて辛っ!何コレッ!?甘いのに辛い!?何コレ?嫌がらせか?」
床の上で転がりまわる俺。何故こんな目に……
優子「あれ?ごめんなさい。貴浩のことを考えていたら自然とタバスコ入れちゃってたわ」
愛子「ああ、それは仕方が無いね。自然な事だもん」
雄二「なんだ。貴浩のだけ特別製か」
秀吉「姉上は貴浩思いじゃな」
康太「………手が自然に動いたなら仕方が無い」
明久「良かったね貴浩」
貴浩「良くねぇよ!あと仕方が無くでもねぇからなっ!」
完全に油断した敵は姫路だけかと思ったが、
まさか優子がこんな行動をするなんて……俺が何かしたか?
それより何か飲み物を! 何か飲み物!
貴浩「雄二!俺にジュースを」
雄二「何言ってんだ貴浩。それじゃ間接キスになるだろう?」
貴浩「何言ってんだ!?今までそんなの気にしたことねぇだろが!
なら、明久!ムッツリーニ!」
明久「ごめん。もう全部飲んじゃった」
康太「……俺も飲んだ」
貴浩「クソッ……なら秀吉」
優子「あら、秀吉。まだジュース飲み終わってないじゃない。
まさか私と命が作ったジュースを誰かにあげるなんてしないでしょううね」
秀吉「もちろんじゃ。姉上と命が作ってくれたもの誰にもあげぬのじゃ」
貴浩「秀吉もか……光一と刀麻は……」
2人のほうを見てみると丁度飲み終わってしまったところだった。
貴浩「クソッ……辛い……」
優子「もう、しょうがないわ───」
椎名「貴浩君。私のでよければいいですよ」
優子の台詞を遮り椎名が俺に向けてジュースが残ったグラスをこちらに差し出してくる。
貴浩「いいのか?じゃあ、ありがたく貰うぞ」
椎名「はい、どうぞ。遠慮せず飲んでください」
俺は椎名からグラスを受け取るとすぐさま残ったジュースを飲んだ。
「「あぁ!?」」
俺は飲み終えたグラスを机におき
貴浩「ふぅ~助かった椎名。ありがとうな」
椎名「いえいえ、どういたしましてです」
すると皆が呆然としながら俺と椎名を見ていた。
楓だけがこちらを見ずにゆっくりとジュースを飲んでいるが…
ん?一体どうしたんだ?
砂原「あ、あのユッキー?」
椎名「なんですか鈴歌ちゃん?」
砂原「普通に今ター君にジュース渡してたけど……」
椎名「はい、それがどうかしましたか?」
砂原「え、いや……間接キスだけど……いいの……?」
貴浩「ああ、そういうことか」
椎名「ん?……別に良いんじゃないですか間接キスぐらい?」
砂原「えぇ!?いいの!?ユッキー熱無い?」
椎名「何でですか!?熱も風邪も引いてません。至って平常です!」
砂原「ええ、でも…?」
翔子「………確か椎名って男子が苦手だったはず」
椎名「はい、今でも苦手ですよ。でもここにいる方たちならもう大丈夫です!」
命「でも、貴浩君と間接キスしたんですよね?それはなんとも無いんですか?」
椎名「ああ、そういうことですか。はい、貴浩君相手なら別に気にしませんけど?」
椎名は命から問いにシレっと応える。
愛子「嘘っ!?なんで!?」
椎名「だって貴浩君とは間接キスなら何回かありますし……」
「「「「「ええぇぇ!?」」」」」
明久「た、貴浩、それ本当なの?」
貴浩「まあ……本当だな」
優子「……嘘」
光一「さっきから楓は黙ってますが、そのこと知ってたのか?」
楓「はい、知ってますし見たこともありますよ」
雄二「マジか……」
愛子「えぇ、な、なんで?」
貴浩「確か椎名が俺の家に遊びに来た時だな。
楓も含めてゲームをしてた時か、適当にグラスを置いといたせいで
どれがどのコップ使ってたのかわからなくなってな。
とりあえず近くにあったグラスを使って飲んだんだが、
後々、それが椎名が使っていたグラスだとわかってた。
それ以降はあまり気にしないで飲んでるよな」
椎名「はい、最初は恥ずかしかったですけど、
考えたら高々間接ですから別に騒ぐ必要もないかなぁと思いまして、
それにジュースですから飲んだら吸収されるわけですからね」
刀麻「確かにその通りだけど……」
雄二「そう簡単に割り切れるとは……」
椎名「もうこの話は終了です!早く鍋を食べましょうよ!」
明久「そ、そうだね。じゃあ鍋の準備しようか」
優子「ねぇ……愛子」
愛子「……なに優子」
優子「これは喜んでいいのか悲しむべきなのかどうなのかしら?」
愛子「うん、難しいよね。今の話しぶりからすると
雪は貴浩君に好意は抱いてないと思うけど、もし抱いたら……」
優子「ええ、一番の脅威になるでしょうね」
「「ハァ~」」
いや、今回のバカテス11巻も大変面白かったです。
まだ購入されていない方は是非読んでみてください。
大変面白かったですから。
そして私は限定版を買ったのでドラマCDがついていたんですが、
それが明久たちが『バイトする話』と『ババアの実験でこども召喚獣の話』だったので
最高に面白かったです。
では、これからも応援よろしくお願いします