バカと俺達の召喚獣   作:ターダン8

220 / 231
5/12 修正


目覚めと耐性と戦慄

女性陣が姫路の具材が入った闇鍋を食べてから数分後

 

優子「うぅ……な、なんなの、あの味は……」

 

霧島「………食べ物とは思えない味」

 

愛子「ぼ、ボクもこれはちょっと……」

 

良かった……一命は取り留めたみたいだな。

 

砂原「提案したのは私だけど…まさか、こんな味になるなんて……」

 

命「これが姫路さんの料理なんですね……

  少ししか入れてないはずなのにこの威力なんて……」

 

楓「はい、少し甘く見てました。まさかここまでの威力だったなんて……

  それを兄さんや明久君たちは今日以上の破壊力あるお弁当を食べていたんですね……」

 

飲み物を手にして口直しをする女性陣。

そうやって落ち着いているのを待ってると、

 

愛子「じゃあ、次は貴浩君たちが食べる番だよね」

 

愛子がそんなことを言い出した。

 

砂原「そうだね。次は男子の番だよね。

   まあ、私達のを見たあとだから…よし、なら私達が食べさせてあげよう」

 

翔子「………鈴歌それいい案」

 

愛子「そうだね。僕達が食べさせてあげるよ」

 

砂原の発言で断る雰囲気で無くなる。

よし…ここはトイレとか言って一時離脱するか。

 

ガシッ

 

そんなことを考えていると後ろから誰かが俺を捕まえた気がする。

 

貴浩「え?」

 

椎名「ダメですよ、貴浩君。さあ愛子ちゃん、優子ちゃん。貴浩君に食べさせてください」

 

なにぃ、椎名だと!?お前は俺の味方じゃなかったのか!

 

愛子「良かったね貴浩君。雪に後ろから抱きつかれて。

   それにボクと優子の2人から食べさせてもらえるんだよ」

 

ああ、確かに女子に食べさせてもらえるのは嬉しいが、

 

優子「ナイスよ雪。そんなに照れなくてもいいのよ貴浩」

 

優子の言うとおり、少し照れはするが、

これが姫路の食材が入った料理でなきゃ最高なんだが……

 

そこで俺は周りに助けを求めるため辺りを見渡すと、

 

光一「………」

 

光一は自分から手を出し倒れていた。なんて男なんだお前は。カッコよすぎるぞ。

 

霧島「……雄二、あーん」

 

雄二「冗談じゃねぇ!俺は食わねぇし、倒れても人工呼吸なんざいらねぇ!」

 

雄二は霧島に迫られてるのが見てわかる。

 

なのは「少し恥ずかしいけど、はい、康太君、あ~ん」

 

康太「………(フルフル)」

 

なのは「やっぱり私が食べさせるのは嫌かな……」

 

康太「………」

 

ムッツリーニはなのはの発言を聞き、仕方が無く口を開く。

まあ、あんな発言をされたら断れないよな。

 

砂原「さあ、とっちん!口を開けるんだ!

   余り者のとっちんには私が食べさせてあげるよん♪」

 

刀麻「くっ……」

 

刀麻は好きな相手から食べさせてもらえる最高のポジだが、

先ほどの光景を見たあとなので素直に喜べないっていうのが現状だろうな。

 

命「はい、明久君。このこんにゃく少し溶けてますけど、

  これなら少しは大丈夫だと思うから……」

 

明久「その気遣いだけで嬉しいよ命……」

 

楓「葱なら少し殺菌作用があるから幾分は大丈夫だと思いますが…」

 

秀吉「うむ、大丈夫じゃ。楓の心遣い感謝するぞい」

 

事情を知ってる楓と命は被害が最小限ですむような手を使っていた。

ちなみに島田と姫路は明久と命の行動を恨めしそうに見ていた。

 

優子「貴浩、余所見なんかしないで早く口を開けなさい」

 

愛子「大丈夫。ボクと優子が人工呼吸してあげるから」

 

貴浩「いや、それ倒れる前提だよな!」

 

愛子「今だ!」

 

貴浩「ムゴッ」

 

そんなツッコミを入れた瞬間に優子と愛子の2人から口の中に劇物を押し込められる。

薄れいく意識の中で見たのは、仲間達の口の中に劇物が押し込まれる瞬間だった。

 

 

やられた…意識が……

 

 

愛子『じゃあ、最初にボクが手本を見せるからそのあと優子だよ』

 

優子『ええ、愛子。わかったわ』

 

 

もう…意識が……

 

 

霧島『……雄二。今から助けてあげる』

 

砂原『おーいとっちん。聞こえるか~い(ペシッペシッ)』

 

 

意識が…………なくならない。

 

 

貴浩「ん?全然平気だ」

 

明久「あっ、本当だ」

 

雄二「なんだ、たいしたことないじゃないか」

 

康太「………どうということはない」

 

秀吉「んむ?本当じゃな、辛いことには辛いが、そこまでないのう」

 

口にした俺と明久、雄二、ムッツリーニ、秀吉は意識を失うことなく平然としていた。

初めて口にした光一と刀麻は気絶していたが…

 

貴浩「おそらく耐性がついたんだろうな」

 

雄二「なるほど。事あるごとに口にしてきたからな」

 

康太「………複雑な気分」

 

タバスコと溶けた豆腐とコンニャクの混ざり合ったスープを絡めて

ニンジンや葱を食べたおかげでいつもより威力が下がっていたのだろう。

明久たちに感謝だな。

 

秀吉「それに楓の心配りがあったからのう」

 

明久「うん、そうだね。じゃあ光一と刀麻の2人の処置をしよう。

   2人は僕達と違って耐性ないだろうし」

 

貴浩「ああ、そうだな」

 

そして俺達は気絶している刀麻と光一の処置に取り掛かった。

 

優子「なんでアナタ達は平気なのよ…」

 

翔子「……理解できない」

 

愛子「貴浩君たちって味覚障害……?」

 

砂原「うはぁ~、これは驚きだね~」

 

命「ああ、明久君が無事で何よりです」

 

楓「はい、耐性ができるほど食べていたと言うのは複雑ですけど、無事なら何よりです」

 

優子達が平然としている俺達を見て戦慄していた。

 

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。