バカと俺達の召喚獣   作:ターダン8

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紹介と非常事態と不法侵入

雄二「結構広いんだなお前の家」

 

貴浩「まあ・・・広いほうに入るんだろうな」

 

追試まであと2日と迫ってた日、

俺は自宅の居間で雄二と一緒にゲームをして遊んでいた。

俺と雄二は追試ないしな。

 

楓「兄さん、ただいま帰りました。あれ? お客さんですか?」

 

命「あ、貴浩君。お邪魔します」

 

貴浩「お、お帰り楓。いらっしゃい命。

   ああ、紹介するな・・・同じクラスの坂本雄二」

 

そこへ楓が帰ってきた。

その後ろには秀吉の妹の命も一緒のようだ。

 

楓「初めまして坂本さん。私は貴浩の妹の楓と言います。

  これからよろしくお願いしますね」

 

命「初めまして坂本さん。私はAクラスの木下命って言います。

  Dクラスにいる木下秀吉の妹です。よろしくお願いします」

 

雄二「これは丁寧にどうも・・・坂本雄二だ。

   俺の方もよろしく頼む・・・・・・へぇ~」

 

雄二は挨拶を交わすと楓と命の2人を眺める。

 

楓「あ、あの・・・どうかしましたか坂本さん?」

 

雄二「あ、悪い・・・いや・・・貴浩の妹のことは貴浩のことから良く聞いてたからな。

   なるほど・・・・・・これは貴浩が溺愛するのも無理がねぇなと思ってな」

 

貴浩「だろ! 俺の妹は可愛いだろ? でも手出したら殺すからな」

 

楓「に、兄さん!? い、一体学校で私のことをどう言ってるんですか?」

 

貴浩「いや・・・別に普通だが・・・?」

 

雄二「安心するといい貴浩の妹。別に変なことは言ってないさ。

   ただ・・・貴浩がシスコンだということがわかっただけだ。

   で、そちらが秀吉の妹か・・・・・・聞いてはいたがそっくりだな」

 

貴浩「だろ? しかもまだ姉がいるからな。

   で、遊びに来たんだろ? ゆっくりしていきなよ」

 

命「あ、はい」

 

楓「そういえば今日は明久君は来ていないんですか?」

 

貴浩「アイツはこの前の試験が悪くて追試だ。

   知ってると思うが秀吉も追試だな」

 

雄二「ちゃんと勉強やってるんだろうな・・・・・・」

 

楓「・・・・・・心配ですね」

 

命「・・・・・・秀兄・・・部屋に閉じこもってるけど・・・多分大丈夫なはず・・・」

 

するとそこへ

 

秀吉「…貴浩・・・すまぬ・・・助けて欲しいのじゃ」

 

丁度その話の人物の1人である秀吉が救済を求めてやって来た。

ってか普通に家に入ってきたな・・・チャイム鳴ってなかったと思うが・・・

 

命「えっ!? 勉強をしてたんじゃないの…?」

 

秀吉「む? み、命…!? それに織斑も」

 

雄二「……やっぱりか…」

 

貴浩「…だろうと思ってたけどな」

 

秀吉「・・・・・・すまぬ・・・」

 

貴浩「仕方が無い・・・楓に教えてもらえば確実に合格点取れるぞ」

 

雄二「ん? 成績いいのか妹は?」

 

貴浩「確か・・・今回学年で4位って言ってなかったっけ?」

 

楓「まあ・・・運が良かったので・・・」

 

雄二「マジか・・・成績良いんだな」

 

楓「いや そんな…」

 

恥ずかしそうに照れる楓。

 

バンッ!!

 

急に部室のドアが勢いよく開いた。

 

そこには…

 

明久「……」

 

康太「……」

 

楓「明久君?」

 

切羽詰まった表情の…明久とムッツリーニが立っていた。

 

明久「……た」

 

命「た?」

 

明久「助けて~!! タカエもんっ!!」

 

国民的な猫型ロボットの様な名を叫び、

その同居人の眼鏡少年みたいな声を出し俺に駆け寄ってきた。

 

とりあえず…

 

ドゴッ!

 

明久「ぎゃあっ!!」

 

不法侵入の件も兼ねて殴っておく。

 

明久「なにするんだ!!」

 

貴浩「悪い、つい手が出てしまった」

 

明久「そんな理由で!? あと本気で悪いと思ってるの!?」

 

貴浩「全く」

 

明久「そこは全力で思ってよ!!」

 

貴浩「うるせェな…落ち着けよ。命が驚いてるだろうが」

 

命「……」

 

急に現われて叫びをあげながら俺と話す明久にポカンとする命。

 

明久「・・・・・・え? 秀吉が2人?」

 

康太「・・・・・・・・これは、一体・・・・・・しかも1人の秀吉は胸が成長してるだと・・・!?」

 

明久「あ、本当だ!」

 

そういえばコイツらは命と会うのは初めてだったか・・・

ってか・・・一目見ただけで普通別人って気づかないか?

 

命「・・・・・・・・・えっと・・・?」」

 

貴浩「ああ、この鈍感そうな男は吉井明久。バカだから気をつけろ。

   で、こっちの気配の薄い男は土屋康太。変態だから気をつけろ」

 

命「あ、はい・・・・・・」

 

明久「ちょっと貴浩! なんて紹介をするんだ!?」

 

康太「・・・・・・・・・失礼だな」

 

貴浩「こちらは木下命だ。見てわかると思うが秀吉の妹だな」

 

命「よろしくお願いしますね」

 

明久「あ、うん。こちらこそよろしく」

 

康太「・・・・・・・・・よろしく」

 

貴浩「で? 突然押しかけてきて何の用だ?」

 

明久「あ! そうだった…助けてくれタカエもん」

 

康太「・・・・・・・・・非常事態なんだタカエもん」

 

貴浩「誰がタカエもんだ!」

 

明久「ヤバいんだって追試!! 全く勉強できないんだよ!!」

 

貴浩「だろうな。予想してた」

 

康太「・・・・・・・・・な、なら」

 

貴浩「頑張れ」

 

明久「ひどい!!」

 

康太「・・・・・・・・・見捨てる気か」

 

どうやら2人も秀吉同様、追試の勉強が出来なかったらしい。

そこで何故か俺に助けを求めてきたみたいだ。

 

秀吉「明久とムッツリーニもなんじゃな…」

 

明久「秀吉もなんだね・・・」

 

康太「・・・・・・似たもの同士」

 

うんうんと共感する3人。

 

楓「明久君追試だったんですね・・・・・・」

 

明久「ヘルプ ミー 貴浩!」

 

貴浩「しかたねェな…」

 

鞄から1枚の紙を取り出し、ある3文字を書く。それを明久に渡す。

 

明久「ナニコレ?」

 

智也「退学届。これに必要事項を記入し提出するんだ。

   そしたらもう勉強に悩む事はなくなるぞ」

 

明久「流石だタカえもん!! サンキュー!!」

 

 

バタンッ

 

 

俺手製の退学届を持ちリビングから出ていく。

 

命「え? え? い、良いんですか・・・?」

 

貴浩「まあ、見てろって」

 

本気で退学しそうな勢いで部室から出ていった明久を

命が心配そうにこちらに顔を向ける。

 

 

バンッ!!

 

 

明久「って退学するかァッ!!」

 

貴浩「ほらな?」

 

命「う、うん…」

 

見事なノリツッコミを披露し部室に戻って来るバカ。

やっぱコイツをからかうのは楽しいなぁ。

 

その後、急遽家で明久、康太、秀吉の3人に追試対策をすることになった。

3人とも弱音を吐きまくっていたが俺が手を出しながら(暴力により)

なんとかある程度の知識を叩き込んだ。

 


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