バカと俺達の召喚獣   作:ターダン8

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Bクラス戦 教室前攻防戦

午前9時よりBクラス戦が再開された。

俺たちは昨日中断されたBクラス前という位置から進軍を開始した。

 

秀吉「ドアと壁をうまく使うんじゃ!戦線を拡大させるでないぞ」

 

秀吉の指示が飛ぶ

 

雄二曰く『敵を教室内に閉じ込めろ』とのこと。

 

そういうわけで指示どおり今は敵を閉じ込めている。

 

貴浩「皆、絶対1人で戦うな!周りと協力して敵を叩くんだ!」

 

秀吉「勝負は極力単教科で挑むのじゃ!補給も念入りに行うんじゃ!」

 

貴浩「無理をしすぎるなよ。危ないと感じたら下がるんだ」

 

秀吉「そうじゃ。いざとなったら命に回復してもらうのじゃ」

 

命の腕輪の能力は少し特殊で召喚獣の点数の回復ができるのだ。

なので、Bクラスから少し離れたところに護衛を数名つけて待機してもらっている。

 

最初は教室左側を秀吉率いる2番隊が、右側を明久率いる1番隊、

その後ろに俺が率いる3番隊と4番隊。

 

本来ならば4番隊は須川が隊長なのだが昨日のBクラスの不意打ちを受け、

殿(しんがり)を引き受けてくれ、戦死してしまい今日の戦争には参加できないので

姫路が率いる事になっているのだが、

先ほどから様子がおかしいので今は秀吉に隊を頼み、

姫路の所に明久を向かわせ様子を見てもらっている。

 

なので現在は秀吉が2・4番隊を俺が1・3番隊を指揮し敵を教室に押し込めている。

 

 

 

 

しばらくして

 

F「左側出入り口押し戻されています!」

 

F「古典の戦力が足りない!援軍を頼む」

 

そう聞こえ左側を見てみると少しずつ押し戻されている。

Bクラスは文系が多いので強力な個人戦力で流れを変えないと一気に突破されてしまう

 

明久「姫路さん、左側に援護を!」

 

姫路「あ、そ、そのっ…!」

 

先ほどから姫路の様子がおかしく動いてくれない

 

秀吉「楓よ、援護を頼めるか」

 

楓「はい、わかりました。織村楓。

  古典で勝負を仕掛けます『試獣召喚(サモン)!』」

 

 

【古典】

 

2-F  織村楓    VS   Bクラス  モブ×3

     430点              平均190点

 

 

楓「一気に狙い撃ちます『五月雨(さみだれ)』」

 

そう言うと楓の召喚獣が敵の召喚獣に向かって無数の矢を放った。

 

 

【古典】

 

2-F  織村楓    VS   Bクラス  モブ×3

     410点               0点

 

 

秀吉「楓よすまぬがもう少し頼めるかの」

 

楓「はい、わかりました!では腕輪を使います!」

 

楓がそういうと腕輪が光だし召喚獣の背中から銀色の翼が生えた。

 

秀吉「おお!綺麗じゃ!」

 

楓「ありがとうございます。では今度は空中から狙い撃ちます『五月雨(さみだれ)』」

 

今度が空を飛んだ状態で矢を複数放つ。

その矢が敵に刺さり倒れて行く。

 

それを数回撃ち終えたところで楓を下がらせる。

そう何度も撃てるものではないからだ。

 

秀吉「すまぬのじゃ。楓は一度下がるのじゃ」

 

秀吉は一度楓を下がらせる。

楓のあの技は点数を消費するのであまり乱用できないからだ。

そして腕輪を発動しているので点数が消費されるからでもある。

 

貴浩「明久!左の援護頼む」

 

明久「了解!」

 

明久は返事すると共に古典の竹中先生に近づいていき耳元で

 

明久「・・・・・・ヅラ、ずれてますよ(ボソッ)」

 

竹中「ッ!?」

 

頭を押さえて周囲を見渡す竹中先生。

いざと言う時の為の脅迫ネタの1つだ。まさかここで使う事になるとはな

 

竹中「少々席をはずします!」

 

狙いどおり竹中先生がその場を離れ古典のフィールドが解除される

 

秀吉「森田先生、物理のフィールドお願いするのじゃ」

 

そこで古典から物理へとフィールドが変わった。

 

秀吉「ここで2番隊から4番隊へと交代するのじゃ。

   そして2番隊で古典の消耗が激しいものは回復してくるんじゃ」

 

ひとまず左翼は大丈夫そうだな。

と俺が安心していると

 

F「隊長!」

 

貴浩「なんだ?どうした?」

 

F「右側の出入り口が数学から現国に変更されました!」

 

貴浩「数学教師の木内先生はどうした?」

 

F「Bクラス内に拉致された模様です」

 

やばいな。理系から文系の科目に切り替えられたか

 

貴浩「1番隊は交代、3番隊前に出るぞ」

 

先ほどまで数学でこちらが若干押していたが、

現国に変わった事で相手の得意科目となりこちらが引き始めた。

 

「「「了解」」」

 

貴浩「出撃する前にあえて言わせてもらう皆、死ぬなよ」

 

「「「はっ!!」」」

 

貴浩「3番隊突撃!!」

 

「「「了解」」」

 

・・・でもこのままじゃやばいな。自力の差で破られるな。

秀吉の方もきついだろうしな

 

貴浩「姫路こちらの援護頼めるか?」

 

姫路「は、はい。行きま・・・あっ・・・・」

 

姫路が返事の途中でうつむいてしまった。

先ほどからずっとこの調子だ。何かがおかしいな。

そう思いBクラスの教室内を覗いてみると、

窓際に腕を組んでこちらを見下ろす卑怯者である根本と根城の姿があった。

そこでようやく気が付いた。

おそらく姫路はあいつらに何か弱みを握られているんだろう。

だがどうする。今の状況ではこちらは何もできない。

すると明久から声をかけられた

 

明久「貴浩、秀吉!ちょっとここを任せるよ!」

 

貴浩「ん?」

 

秀吉「どうしたんじゃ明久?」

 

明久「ちょっとね。姫路さん調子が悪いんだったら命の所まで下がって良いよ」

 

姫路「・・・・・・はい」

 

おそらく明久も気づいたのだろう。なら明久に任せるとするか

 

貴浩「わかった。こっちは任せろ」

 

明久「じゃあ頼むよ」

 

明久はそう言うとFクラスの教室へ向かって行った。

 

秀吉「どうしたというのじゃ」

 

貴浩「何か策があるんだろうよ。秀吉、今は戦場に集中しよう」

 

今の明久の顔は久しぶりだな。頼れる時の顔だ。

こういう時の明久は頼れる。さて、明久が戻ってくるまで粘りますか

 

秀吉「ここが踏ん張りどころじゃ。皆頑張るんじゃ」

 

秀吉が皆に指示する

 

俺も明久に答えるため隊を指揮する。

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

だが時間が経つにつれ状況は悪くなってきた

 

F「隊長こちらの右翼が突破されそうです」

 

貴浩「何だと?クソッ。後ろにいる1番隊から数名援護に出す。

   それまで持ちこたえろ。KMF団の意地をみせてやるんだ」

 

「「「「「うぉおおおお!!」」」」」

 

横溝「隊長!」

 

貴浩「どうした横溝?」

 

横溝「開戦前の約束は大丈夫でしょうか?」

 

貴浩「約束?ああ、クッキーの事か?」

 

俺はこの戦に勝利したら楓のクッキーをあげると約束したのを思い出した。

 

横溝「そうです」

 

貴浩「ああ、約束は守る」

 

横溝「わかりました。その言葉を信じます」

 

貴浩「それが、どうしたんだ?」

 

俺が聞き返すと横溝は答えた。

 

横溝「我々KMF団5名はこれより敵右翼に向け突攻をしかけます」

 

貴浩「な!?そんなことしたらお前らは地獄(ほしゅうしつ)行きだぞ!?」

 

横溝「それはもちろん覚悟の上です。

   我らの聖母様を悲しませたBクラスのクズ野郎を

   隊長たちが殺ってくれるならここで地獄(ほしゅうしつ)に行こうが、本望です!!」

 

「「「「私達も同じ意見です」」」」

 

貴浩「お前ら・・・」

 

横溝「約束もありますしね。

   これより我々5名は敵右翼に突攻をしかける。俺に続けぇ!!」

 

「「「「うぉおおおお!!」」」」

 

B「なんだ、こいつら補習が怖くないのか」

 

B「まさか相打ち覚悟なのかよ」

 

「「「「「我らが聖母様のためにぃいいい!!」」」」」

 

 

・・・・・・

 

 

F「隊長報告します。先ほどの横溝たち5名の突攻により

  敵のダメージは大きい模様です」

 

貴浩「わかった。・・・あえて言っただろうに死ぬなと。

   ……横溝達の死を無駄にするな!この気を逃すな!!

   1番隊・3番隊全員突撃だぁ!!」

 

F「「「「「うぉおおおおおおおおお!!!」」」」」

 

貴浩「俺も出る。『試獣召喚(サモン)!』」

 

 

【現代国語】

 

2-F  織村貴浩  VS  Bクラス  モブ男

     166点            178点

 

 

俺は点数では負けてはいるが、操作なら負けないので少しずつ点数を減らして敵を倒した。


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