バカと俺達の召喚獣   作:ターダン8

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観察処分者と特別処遇者

雄二「今から勝つことのできるわけを証明してやる!」

 

雄二は教卓の前に立ちそう宣言すると

雄二「おい康太、いつまで姫路と楓、命のスカートを覗いているんだ」

康太「……!!」

そういうと康太は素早く立ち上がり首を横に振った。

楓・命・姫路「「「えっ!?」」」

 

姫路さんと楓、命は素早くスカートを押さえた。

雄二「土屋康太。こいつがあの有名な寡黙なる性職者ムッツリーニだ」

そういうと康太ことムッツリーニは激しい勢いで首を横に振った

F「馬鹿な……奴がそうだというのか?」

F「見ろ!まだ証拠を隠そうとしているぞ」

F「あぁ、ムッツリの名に恥じない姿だ」

さすがムッツリーニ。その名に恥じない姿だ。

だが楓のスカートを覗いたんだから後でOHANASIだな

雄二「それに姫路と織村楓の事は皆その実力をよく知っているはずだ」

楓・姫路「「え?私ですか?」」

 

そうだ。この2人は学年トップ10に入っているほどの実力がある。

雄二「ああ、ウチの主戦力だ期待している」

F「そうだ!俺達には姫路さんと楓さんがいる!」

F「彼女達ならAクラスにも引けをとらない!」

F「ああ、楓ちゃんさえいれば何もいらない」

本当に誰だ?さっきから楓に熱烈なラブコール送っている奴は……

雄二「それに木下秀吉だっている」

秀吉「ワシもか?」

F「演劇部のホープ!」

F「確かAクラスに木下優子っていう姉がいただろ」

雄二「ほかにも島田と木下命もいる」

島田「えっウチ?」

命「わ、私もですか?」

雄二「島田は数学だけならBクラスレベルを誇る。

   そして、木下命も現国と家庭科ならAクラスに匹敵するだけの実力がある」

 

命は文系だから文系科目はBクラスレベルあるからな。

体調を崩してFクラスにはいるが元々Cクラス並の成績を持ってるしな。

 

雄二「当然俺も全力を尽くす」

F「坂本って小学校の頃『神童』とか呼ばれてたんだろ」

F「確かになんかやれそうな気がしてきたぞ」

F「これはいけるんじゃないか!?」

F「よし!やってやろうじゃねーか!!」

今教室の士気が高まっていった──

雄二「それに吉井明久と織村貴浩だっている」

 

というとシーンと教室内は一気に静まりかえった。

F「誰だよその吉井明久と織村貴浩って」

F「それ以前にそんな奴らこのクラスにいたか?」

もう忘れらてる!?

貴浩「おい雄二!何でそこで俺らの名前をだした!?

   せっかく上がった士気が台無しじゃねぇか!!」

明久「だいたい僕は普通の人なんだから普通の扱いを……」

俺と明久が文句を言うと、雄二が睨み付けてきた。

雄二「そうか、知らないのなら教えてやる。

   こいつらの肩書きは『観察処分者』と『特別処遇者』だ!!」

 

F「確か観察処分者って『馬鹿の代名詞』じゃなかったっけ?」

明久「ちっ違うよ!!ちょっとお茶目な16歳の愛称で……」

明久は慌てて否定するが、

雄二「そうだ『馬鹿の代名詞』だ」

明久「肯定するなバカ雄二!!」

姫路「あのそれってどういうものなんですか?」

すると姫路が雄二に観察処分者について質問する。

雄二「観察処分者っていうのは具体的には教師の雑用係だな。

   力仕事とかの雑用を特例として物に触れるようになった召喚獣でこなすんだ」

命「それって凄いですね!試験召喚獣って見た目と違って力持ちらしいですしね」

 

命は、期待の眼差しを明久に向ける。

明久「あはは。そんな大したものじゃないよ。

   確かに僕なんかの点数でも召喚獣の力はかなり強いけど、

   その時受ける召喚獣の負担の何割かは僕にフィードバックされるんだ。

   しかも皆と同じで教師の監視下でしか呼び出せないし、僕にメリットもないしね」

F「おいおい…じゃあ召喚獣がやられたら本人も苦しいって事だろ?」

F「だよな…それならおいそれと召喚できないヤツがいるって事じゃん」

雄二「気にするな!明久はいてもいなくても大して変わらん雑魚だ」

雄二は気にもせず明久をズバッと捨てた。

明久「……雄二そこは僕をフォローするところだよね」

命「そうですよ坂本君。あんまり明久君の事悪く言ったら駄目だよ」

そこへ命がフォローを入れた

明久「命……ありがとう」

明久は本当にありがたそうに命に礼を言った。

雄二「んで、今度は特別処遇者の事なんだが……貴浩説明しろ」

貴浩「自分で言えよ面倒くさい。……わかった。じゃあ説明するぞ。

   簡単に言うと、俺って足に怪我って言うか障害があるって事で

   学園側が召喚獣の実験もかねて特別に用意してもらった制度なんだが、

   効果は明久の観察処分者とほとんど同じで、

   召喚獣の負担のフィードバックが少しばかし軽減されるぐらいで

   後はほとんど変わらないぞ」

F「それじゃあ、あんまり使えないじゃん」

 

と、あちこちで不安そうに囁き始めた。

雄二「いや、案外そうでもないぞ。

   明久に貴浩お前ら何回ぐらい召喚獣を操作した?」

明久「正確に数えた事無いけど…えっと…僕は3桁はあると思うよ」

貴浩「俺もそれぐらいはあるはずだ」

雄二「聞いたか、こいつらは召喚獣を使っていろんな雑用や実験をしてきている。 

   要するに、何度も召喚獣を使ってるから操作に慣れてるんだ。

   だから、細かい操作もできる。相手の防御してないところを攻撃したり、

   攻撃をいなしてカウンターを掛けたりとかな。

   細かな操作ができれば点数が上のやつとでも十分渡り合えるんだ。

   余程のことがない限り、同学年では攻撃が当たらない筈だ」

 

そうなんだよな。去年なんか訳もわからない実験に付き合わされたよなぁ。

F「なるほど…」

F「それって凄く有利じゃないか」

 

雄二の説明に納得するFクラスメンバー

雄二「とにかくだ!俺達の力の証明としてまずDクラスを制圧しようと思う。

   皆この境遇に大いに不満だろう?」

「「「「「当然だ!!」」」」」

雄二「なら全員筆を執れ!!出陣の準備だ!」

「「「「「おぉーーーーーッ!!」」」」」

雄二「俺達に必要なのは卓袱台ではない!Aクラスのシステムデスクだ!!」

「「「「「うおぉーーーーーッ!!」」」」」

「「「おッおーー///」」」

 

姫路・楓・命の3人も恥ずかしげに腕を振り上げていた。

そして、俺たちの戦いの幕が開いた。


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