バカと俺達の召喚獣   作:ターダン8

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明久&雄二VS優子&翔子

~ 明久SIDE ~

 

 

瀬名「お待たせしました!これよりタッグマッチ戦準決勝を開始したいと思います!」

 

僕らが到着すると、審判を務める日本史の鈴村瀬名先生のアナウンスが流れた。 

 

瀬名「出場選手の入場です!」

 

まるで格闘技の入場みたいだと思いながらお客さん達の前に立つ。 

僕らの向かい側からは対戦相手の霧島さんと優子さんがやってきた。

 

明久「雄二作戦は?」

 

雄二「任せておけ。抜かりはない――頼むぞ秀吉っ!」

 

雄二が目の前の優子さんに向かって秀吉と呼びかける。

 

何を言っているんだろう?

確かに外見は秀吉に見えるけど

中身はAクラスに所属している秀吉のお姉さんのはず……って、そうか!

秀吉と木下さんが瓜二つだということを利用した、二人の入れ替わり作戦か!

やるじゃないか雄二!

 

だが、しかし

 

優子「ああ、秀吉なら……」

 

と、優子さんがステージ脇の一角を指差す。

 

明久「ひ、秀吉!? どうしてそんな姿に!」

 

そこには手足を縛られた秀吉がいた。

つまり雄二の策は失敗したということだ。

 

雄二「バ、バカな!」

 

霧島「・・・・・・雄二、邪魔しないで」

 

雄二「そうは行くか。俺はまだやりたい事がたくさんあるんだ!」

 

 

明久・雄二ペア VS 翔子・優子ペア

 

 

ペアチケット目当ての霧島さんは、その相手となる雄二を前にして悲しい顔をする。

 

霧島「雄二の考えてる事くらい、私にはお見通し」

 

秀吉「くっ……すまぬ、雄二。ドジを踏んだ……」

 

康太「・・・・・・・・・!!(パシャパシャパシャ)」

 

明久「撮影なんかしてないで、早く秀吉の縄をほどいてあげてよ!

   (その秀吉の写真、後で売って欲しい)」

 

雄二「明久、本音が混ざってるぞ?」

 

その後優子さんの降伏勧告があっている間にムッツリーニは即座に秀吉の縄を解いた。

僕はそこで貴浩と目線で会話しある行動に出る事にした。

 

明久(雄二、僕に考えがあるから、指示通りの台詞を言ってほしい)

 

と言った後に、多少のやり取りをして僕は雄二の背に身を隠す。

 

明久(翔子、俺の話を聞いてくれ)

雄二「翔子、俺の話を聞いてくれ」

明久(お前の気持ちは嬉しいが、俺には俺の考えがあるんだ)

雄二「お前の気持ちは嬉しいが、俺には俺の考えがあるんだ」

 

僕の指示通りに、雄二は棒読みにならない様気を付けてセリフを合わせる。

 

霧島「・・・・・・雄二の考え?」

 

明久(俺は自分の力でペアチケットを手に入れたい。

   そして、胸を張ってお前と幸せになりたいんだ!)

雄二「俺は自分の力でペアチケットを手に入れたい。

   そして、胸を張ってお前と幸せになりたい……って、ちょっと待て!」

 

霧島「・・・・・・雄二」

 

雄二が僕の方を慌てて向こうとするが、そうはさせない。

僕は強引に雄二の頭を押さえつける。

一方、霧島さんは雄二の台詞に、うっとりとした表情を浮かべ始めた。

 

明久(だから、ここは譲ってくれ。そして、優勝したら結婚しよう)

雄二「だっ、誰がそんな事言うかボケぇッ!!」

 

そこで貴浩がスタンガンを取りだし僕に放り投げる。

それを受け取ると雄二の首に最大出力でおしつけた。

 

明久「くたばれ」

 

雄二「くぺっ!?」

 

霧島「・・・・・・雄二?」

 

続きの台詞を待ち望む霧島さんに僕は貴浩は目配せし

 

貴浩(おい、秀吉)

秀吉(うむ、了解じゃ)

 

貴浩の指示に従い、秀吉がゆっくりと深呼吸。

 

雄二(秀吉)「だからここは譲ってくれ。そして優勝したら結婚しよう。愛している翔子」

 

本人と区別がつかない秀吉の声真似で、最後の台詞が紡がれた。

指示していないセリフまで追加となっていたが、この際気にしなかった。

 

霧島「・・・・・・雄二、私も愛している」

 

雄二「ま、待て……俺は、愛してなど……こぺっ!?」

 

僕は雄二の首をひねり、そのまま黙らせる。

 

明久「ふはははは!これで最強の敵は封じ込めた!残るは優子さんだけだよ!」

 

優子「ひ、卑怯な……!」

 

霧島さんは雄二の亡骸に抱きつき戦意喪失。

だが雄二の方も力なく項垂れており、とても戦える状態になかった。

 

貴浩「おーい明久、明日の決勝は頑張れよ!」

 

そこへ貴浩からの声援が聞こえてくる。

 

優子「貴浩君バカにしないで!アタシ1人でも吉井君に負けないはず! 

   行くわよ試獣召喚(サモン)!」

 

明久「僕だって負けられないよ試獣召喚(サモン)!」

 

 

【保健体育】

 

2-A   木下優子  VS  2-F 吉井明久

      321点          153点

 

 

 

優子「あら?吉井君成績上がったわね」

 

明久「それはそうだよ。ほぼ毎日貴浩たちに勉強を教えてもらってるもん」

 

まあ、あれだけ教えてもらっておいて点数が上がってなかったら

絶対貴浩からのOHANASIがあるだろうからね。それだけは回避しないと

 

優子「でも容赦しないわ。行くわよ」

 

明久「僕だって負けられないよ!!」

 

優子さんの召喚獣が向かってくる。

僕はその攻撃をかわし反撃に出る。

 

明久「魔人剣双牙(まじんけんそうが)!!」

 

2つの斬撃が優子さんの召喚獣に向かっていく。

 

優子「えっ?きゃあ!?」

 

斬撃は優子さんの召喚獣を切り裂いていく。

 

貴浩「さすが明久だな俺の攻撃より鋭い」

 

優子「何よ今の攻撃は?」

 

明久「まだだよ。獅子戦吼(ししせんこう)!!」

 

今後は物凄い衝撃波を解き放ち攻撃する。

 

優子「くっ!」

 

優子さんは防御するが吹っ飛ばされてしまう

 

明久「これでとどめだよ!爪竜連牙斬(そうりゅうれんがざん)!!」

 

僕の召喚獣は優子の召喚獣に近づき木刀で斬りつけていく。

その攻撃により優子さんの点数は0点になった。

 

明久「僕の勝ちだね優子さん」

 

明久がそういうと優子の召喚獣が消滅していった。

 

瀬名「勝者!坂本・吉井ペア!!」

 

鈴村先生が勝者をコールする。

この瞬間、試合を見ていた人たちから歓声があがる。

 

貴浩「さすが明久だな。まさかあそこまで技を出せるなんて」

 

秀吉「凄いのじゃ明久。まさか姉上に勝ってしまうとわの」

 

優子「ええ、本当に驚いたわ。あの動きは凄かったわよ明久君」

 

明久「いや、貴浩や秀吉のおかげで霧島さんを抑えてくれたから

   優子さんに集中して戦う事ができたからだよ」

 

秀吉「それでもあの点差なのに勝てたのは明久が凄かったからじゃぞ」

 

貴浩「そうだな。あの技のキレは凄かったぞ」

 

明久「皆ありがとう。……そういえば雄二は?」

 

優子「坂本君ならあそこで代表と一緒にいるけど?」

 

優子さんが指差したほうを見ると雄二が霧島さんに何か薬か何か飲まされるところだった。

 

貴浩「ちょ!?霧島ストップ!!」

 

明久「まだ雄二はこの後も必要だから薬は止めてあげて!!」

 

僕と貴浩はすぐさま雄二と霧島さんに近づき薬を飲ませる事を止めさせた。

 

危ない危ない、さすがにあんな薬を飲ませたらさすがの雄二でもやばいよ。

 

 

 

 

 

 

秀吉「さて、次は貴浩の番じゃぞ」

 

貴浩「ああそうだな。頑張るとするかな」

 

そして俺は舞台にあがる

ちなみに明久と雄二、秀吉は俺の試合を見ていくことになり

霧島さんと優子は教室に戻り掃除の手伝いをするらしい


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