バカと俺達の召喚獣   作:ターダン8

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シングルス戦決勝戦

砂原《さあついに始まりました召喚大会決勝戦!!

   なおこの試合の実況を務めさせていただくよん♪

   2ーA所属の砂原鈴歌だよ。皆さんよろしくね♪》

 

『『『鈴歌ちゃーーーん愛してるーーーー!!』』』

 

へぇ~決勝戦は実況がつくのか。ってか砂原って人気あるんだな。

 

ルーティ『さて皆様。長らくお待たせ致しました!

   これより試験召喚システムによる召喚大会の決勝戦を行います!』

 

決勝の立会いを務める日本史のルーティ先生のアナウンスが鳴り響く。

決勝大会は先にシングルス戦を行い、その後でタッグマッチ戦を行うみたいだ。

 

砂原『出場選手の入場だよ!』

 

砂原の言葉で俺と明久、雄二が舞台へと上がる。

先に俺達を紹介するみたいだ。

 

ルーティ『まずはシングルス戦では2年Fクラス所属・織村貴浩君、

   そしてタッグマッチ戦では2年Fクラス所属・坂本雄二君と、

   同じくFクラス所属・吉井明久君です!皆様拍手でお迎えください!』

 

盛大な拍手。さすがの決勝戦だからお客さんが多いなぁ。

 

ルーティ『何と、最高成績のAクラスを抑えて決勝戦に進んだのは、

   2年生の最下級であるFクラスの生徒です!

   これはFクラスが最下級という認識を改める必要があるかもしれません!』

 

貴浩「ルーティ先生は嬉しいことを言ってくれるな」

 

明久「そうだね!頑張った甲斐があるよ」

 

ルーティ『そして対する選手は、シングルス戦では3年Aクラス所属・島村辰彦君

   タッグマッチ戦は3年Aクラス所属・夏川俊平君と、

   同じくAクラス所属・常村勇作君です!皆様こちらも拍手でお迎え下さい!』

 

拍手を受けながら入場。コールを受けて僕らの前に姿を現したのは、

昨日散々迷惑をかけてくれた例の常夏島トリオだ

 

ルーティ『出場選手が少ない3年生ですが、

   それでもきっちりと決勝戦に食い込んできました。

   さてさて、最年長の意地を見せることができるでしょうか!』

 

同じように拍手を受けながら、3人はゆっくりと俺達の前にやってきた。

 

ルーティ『それではルールを簡単に説明します。試験召喚獣とはテストの点数に比例した――』

 

アナウンスでルールの説明が入る。

俺達ははそれを無視して先輩たちと睨みあった。

 

雄二「ようセンパイ方。もうセコい小細工はネタ切れか?」

 

腕を組んで小馬鹿にしたような雄二の態度。

こういった仕草が様になる男だな。

 

夏川「お前らが公衆の面前で恥をかかないように、という優しい配慮だったんだがな。

   Fクラス程度のオツムじゃ理解できなかったか?」

 

貴浩「残念ながらあんたらの言葉なんてAクラス所属でも理解できないだろうな。

   まずは日本語を覚えてくるんだな。サル山の坊主大将」

 

常村「て、テメェ、先輩に向かって……!」

 

観客には聞こえない程度の小声で挑発合戦が行われている。

 

明久「先輩。1つ聞きたいことがあります」

 

島村「ぁんだ?」

 

明久「教頭先生に協力している理由はなんですか?」

 

そう聞くと、先輩たちは一瞬驚いた顔をする。

 

島村「……そうか。事情は理解してるってコトか」

 

明久「大体は。それでどうなんですか?」

 

島村「進学だよ。上手くやれば推薦状を書いてくれるらしいからな。

   そうすりゃ受験勉強とはおさらばだ」

 

明久「そうですか。そちらの2人も同じ理由ですか?」

 

夏川「まぁな」

 

常村「そういう事だ」

 

明久「……そうですか」

 

明久は小さく頷いて会話を打ち切る。

 

常村「本当は小細工なんて要らなかったんだよな。

   Aクラスの俺たちとFクラスのお前らじゃ、そもそもの実力が違い過ぎる」

 

雄二「そうか。それなのにわざわざご苦労なことだな。

   そんなに俺と明久、貴浩が怖かったのか?」

 

夏川「ハッ!言ってろ!お前らの勝ち方なんて

   相手の性格や弱味につけこんだ騙し討ちだろうが。

   俺たち相手じゃ何もできないだろ!」

 

ルーティ『それでは試合に入りましょう!ではシングルス戦からです。

   選手の方は前に、どうぞ!それ以外の方はリングから一度降りてください』

 

説明も終わり、審判役の先生が俺たちの間に立つ。

 

貴浩・島村「「試獣召喚(サモン)」」

 

掛け声をあげ、それぞれが分身を喚び出した。

 

向こうの装備はオーソドックスな斧と鎧。

高得点者の召喚獣らしく、質はかなり良さそうなものに見える

 

 

【日本史】

 3-A 島村辰彦  VS  2-F 織村貴浩 

     323点          492点

 

砂原『おっーと何だ?あの点数?さすがター君だね♪』

 

島村「な、なんだよその点数は!?」

 

貴浩「日本史は得意科目の1つだからな。

   ってか俺は元々Aクラス並みの成績なんだよ」

 

島村「チッ、理数系の教科なら問題ねぇのに」

 

貴浩「さあせっかくの祭りを邪魔をしたんだ。覚悟しろよ!」

 

俺は先輩の召喚獣に斬りかかっていく。

 

島村「そう簡単に当たるかよ!」

 

さすがは一応先輩だ。

俺達より1年早く操作しているだけある。だけど俺や明久には負けるな。

 

貴浩「魔人剣!」

 

俺の斬撃が先輩の召喚獣にあたる。

 

砂原「おっーと!ター君の召喚獣から何か斬撃みたいなのが飛んで行ったぞ」

 

島田「なにぃ!?それがお前の腕輪の力か!?」

 

全然違うけど

 

貴浩「もういっちょう、魔人剣!!」

 

今度は斧で斬撃の直撃を防ぐ。

 

島村「そう何度も直撃するか!」

 

貴浩「なら近づいて斬るだけだ」

 

そういうと何度か斬りつけ鍔迫り合いになった。

 

島村「なら仕方ねぇ。2年相手に大人げないが、経験の差ってやつを教えてやるよ!」

 

先輩の召喚獣が距離をとった。

 

島村「確かお前は特別処遇者とかいって物に触れられるんだよな」

 

なんだ?何をするつもりだ?

そういうと先輩は足元に落ちているリングの破片を蹴った。

 

貴浩「ッ!?」

 

その蹴った破片が俺の召喚獣の頭の部分にあたりよろめく。

 

砂原「おっーと、ター君どうした?急に動きが鈍ったぞ。

   その隙にシマタツ先輩が攻撃に行ったぁ!」

 

島村「だれがシマタツだっ!?……まあ今のうちに!」

 

貴浩「グゥ!?」

 

俺は咄嗟に後ろに下がったが胸のあたりに痛みが生じる。

先輩の攻撃が胸に少しかすったみたいだな。

まさか物に触れられるという発想からああいう攻撃をしかけてくるとは…

 

島村「チッ、仕留められなかったな。だが今ので点数がかなり減ったぜ」

 

 

【日本史】

 3-A 島村辰彦  VS  2-F 織村貴浩 

     210点          226点

 

 

砂原「今の攻撃で点数が大幅に減ってしまったぞ!

   このままシマタツ先輩が勝ってしまうのか?

   それともター君が反撃に出るのか?」

 

貴浩「そっちがそういう手を使うならもう容赦はしない!」

 

俺は先輩の召喚獣に突っ込んでいく。

 

島村「はっ!何を言ってやがる。また同じようにやってやるよ!」

 

貴浩「『グラビトン』」

 

俺は腕輪の能力『重力』っを使い先輩を中心に重力をかける。

俺の召喚獣は物に触れることができる。

つまりは物理的に干渉が出来るという事だ。

ならば腕輪の効果も同じ事が言える。

よって腕輪の能力により島村先輩自身に重力がかかっている状態になるわけだ。

 

島村「なっ!?何だこれは!?体が重い…」

 

貴浩「さっきのお返しだ!行くぞ!!『殺劇舞荒剣(サツゲキブコウケン)』」

 

島村「グッ!」

 

貴浩「おりゃりゃりゃりゃりゃ、おりゃぁ!!」

 

俺は剣や格闘による連続攻撃の後、敵を気で大きく吹き飛ばす。

※攻撃方法はスタンの殺劇舞荒剣です。

 

 

【日本史】

 3-A 島村辰彦  VS  2-F 織村貴浩 

       0点          206点

 

 

ルーティ「勝者 2年Fクラス 織村貴浩!!」

 

そこで会場から歓声があがる。

 

砂原「シングルス戦の勝者は2年Fクラスの織村貴浩だよ♪

   皆、勝者に拍手を送ってあげてねん♪」

 

再び歓声と拍手が鳴り響く

 

明久「やったね貴浩」

 

雄二「よくやったな」

 

貴浩「当たり前だ!!」

 

俺は明久と雄二にハイタッチする。

 

貴浩「次は2人の番だぞ。必ず勝てよ!」

 

雄二「わかっている」

 

明久「もちろんだよ」

 

貴浩「最後にあいつらの行動に注意しろよ」


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