バカと俺達の召喚獣   作:ターダン8

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学園破壊

〔ただいまの時刻をもって、清涼祭の一般公開を終了します。

 各生徒は速やかに撤収作業を行ってください〕

 

明久「お、終わった……」

 

命「終わりましたね」

 

秀吉「さすがに疲れたのう……」

 

楓「お疲れ様です秀吉君」

 

なのは「土屋君もお疲れ様でした。厨房に撮影と忙しかったですね」

 

康太「・・・・・・・・・・・・忙しいのは慣れてる」

 

優子「さすがに疲れたわね」

 

愛子「もうクタクタだよ」

 

放送を聞いて皆、足から力が抜けている。流石に疲れたな。

料理を作ったり、ホールにも出たりして忙しかったし。

 

明久「そう言えば、姫路さんのお父さんはどうしたんだろう?」

 

貴浩「ん?お父さんって何だ?」

 

明久「あれ?貴浩には言ってなかったっけ?」

 

そして俺は明久から姫路の転校の話を聞いた。

明久こういう大事な事は早めに話しておけよ

 

秀吉「後夜祭の後で話をしにいくと言っておったのう。結論はその時じゃな」

 

島田「じゃ、ウチらは着替えてくるわ」

 

女性陣達が更衣室に向かおうとします

 

明久「ええっ!? どうして!?」

 

貴浩「そうだ!何故着替えるんだ!?打ち上げまでその服装でいるんだ!!」

 

康太「・・・・・・・(コクコク)」

 

優子「どうしてって言われても……恥ずかしいからに決まってるでしょう!」

 

楓「さすがにこの服装で打ち上げは……」

 

愛子「僕もさすがに恥ずかしいな」

 

なのは「私もちょっと……」

 

命「すいません。すぐに戻りますので」

 

明久「待って! 皆、考え直すんだ!カムバーック!」

 

俺達の必死の説得?も虚しく、女性達は着替えのため去っていった。

ちなみに、葉月ちゃんはそのままの格好で帰っていったが正直、将来が不安だ。

 

雄二「おい明久と貴浩。遊んでないで学園長室に行くぞ」

 

雄二が呆れたような目で見てくる。

 

貴浩「ちぇ、わかったよ」

 

秀吉「学園長室じゃと?3人とも学園長に何か用でもあるのか?」

 

雄二「ちょっとした取引の精算だ。喫茶店が忙しくて行けなかったからな。

   遅くなったが今から行こうと思う」

 

一応、取引だからな。報告しに行かないとな

 

貴浩「秀吉とムッツリーニも一緒に行くか?」

 

康太「・・・・・・・・・・・・(コクコク)」

 

秀吉「そうじゃの。では行くとするかの」

 

そして、俺達は学園長室に向った。

 

明久「失礼しまーす」

 

雄二「邪魔するぞ」

 

貴浩「失礼」

 

ノックと挨拶をして学園長室の扉を開けます

 

秀吉「お主ら、全く敬意を払っておらん気がするのじゃが……」

 

明久「そう?きちんとノックをして挨拶したけど?」

 

あの学園長先生に敬意を払えるだけの威厳はないから別にいいだろ

 

学園長「アタシは前に返事を待つようにいったはずだがねぇ」

 

明久「あ、学園長。優勝の報告にきました」

 

学園長「言われなくても分かっているよ。

    アンタ達に賞状を渡したのは誰だと思ってるんだい」

 

貴・明「「妖怪」」

 

こんな学園長先生に敬意を払う意味はない

 

雄二「さて、これで問題は解決したな?」

 

学園長「ああ。感謝するよ、おかげでデモンストレーションも無事終わったからね」

 

来賓も満足していたと、嬉しそうに言う学園長。

 

明久「それで、腕輪は返却した方が良いですか?」

 

学園長「いや、それは後で良いさね。どうせすぐに不具合は直せないんだ」

 

ふと横にいる雄二を見るとが疑問符を浮かべていた。

 

貴浩「ん? どうした雄二」

 

雄二「そう言えば、どうしてあいつら俺達がババァと繋がっている事を知っていたんだ?」

 

貴浩「え?……そうだ!何であいつら……まさか!?」

 

明久「それじゃ学園長。これをゲットするっていう取引は成立しましたので、

   教室の改修をお願い……」

 

雄二「待て明久! その話はまずい!」

 

明久「え?」

 

俺と雄二は、それぞれ窓とドアに向け駆け出す。

 

康太「・・・・・・盗聴の気配」

 

雄二「やられたか!」

 

ドアを開け放った雄二が、逃げていく例の常夏島トリオを発見。

 

雄二「あいつら……追うぞ明久、貴浩!」

 

明久「ちょっ…どういう事!?」

 

雄二「常夏島トリオが、学園長室を盗聴してやがったんだ!」

 

明久「なんだって!?」

 

先程の会話を聞かれ、それを録音されていたら…それこそ文月学園は終わり。

その為、ムッツリーニと秀吉、俺と明久と雄二の2組に分かれ、捜索に走る。

 

雄二「それじゃまずは放送室を抑えるぞ!」

 

貴・明「「了解!」」

 

 

~放送室~

 

 

雄二「邪魔するぞ!」

 

「なっ、何だおまえらは!?」

 

明久「ダメだ!ここにいるのはタバコ吸ってるバカだけだし、

   置いてあるのは密かに学園祭で取引されてたアダルトDVDくらいだよ!」

 

雄二「よし、とりあえずタバコとDVDを押収して、先を急ぐぞ!」

 

明久「そうだね! 校則違反だもんね!」

 

「ど、どろぼう! 泥棒!!」

 

 

~廊下~

 

 

島田「あれ? アキに坂本、それに織村?そんなに急いでどうしたのよ?」

 

優子「ねえ貴浩、話があるんだけど・・・」

 

霧島「・・・・・・雄二」

 

明久「ごめん島田さん、優子さん、霧島さんちょっと急ぐんでまたあとで!」

 

貴浩「悪いな!」

 

優子「あ、待って!何か落としたわよ?えっと『女子高生緊縛物語』……何コレ?」

 

明久「逃げよう貴浩、雄二!何だか島田さんと優子さん、霧島さんを中心に、

   物凄い量の闘気の渦が見えるんだ!」

 

貴浩「いや、違う!あれは殺意だ、全力で逃げるぞ!!」

 

雄二「もちろんだ!」

 

優子「待ちなさい!アンタ達何でこんなものを持っているのよ!!」

 

島田「話を聞かせなさい、アキ!!」

 

霧島「・・・・・・雄二詳しく聞かせて」

 

貴・明「「うわぁっ! 追って来たぁ!!」」

 

 

~2-A教室~

 

 

愛子「あっ!貴浩君。もしかしてボクに会いに来てくれたのかな?」

 

貴浩「ごめん、先急ぐから」

 

愛子「そうなの? 残念だなあ、折角貴浩君の為に着替えようとしたのに」

 

貴浩「え!?そっそれって…」

 

明久「雄二、貴浩、ここにはいないから先を急ごう!」

 

貴浩「待て明久、こっちはこっちで大変な事になろうとしているんだ!」

 

明久「早く次行くよ」

 

貴浩「ま、待ってくれ」

 

校舎を探しても見つからず、俺、明久、雄二の3人は主に人目のつきにくい所へ。

 

雄二「マズいな……随分と時間をロスした」

 

明久「そうだね。あいつら一体どこに……ん?」

 

貴浩「何かあったのか?ってこれって?」

 

そこにあったのは、良くテレビに出てきそうな布に包まれた玉。

俗に言う、打ち上げ花火である。

 

貴浩「なんだ、ただの打ち上げ花火じゃないか」

 

明久「あれ?打ち上げのための大砲みたいなのがないけど?」

 

雄二「おいおい、花火も火薬の塊なんだから手違いで爆発なんてしゃれにもならないぜ?」

 

明久「流石試験校、お金があるね。こんなに大きな打ち上げ花火を用意しているなんて」

 

大きさから、2尺位ある。

 

雄二「感心してる場合か!? そろそろ向こうも何か動きだす筈だと……」

 

Prrrrrrr!

 

貴浩「もしもし?……っ!新校舎の屋上!」

 

新校舎の屋上を見始める。

 

貴浩「やべぇ!あいつら、屋上の放送設備を準備してやがる!!」

 

明久「なんだって!?」

 

現地点から屋上までは、流石に明久たちどころか鉄人でも不可能。

 

雄二「貴浩、秀吉達は?」

 

貴浩「部室連だ! そこからじゃ速くても5分はかかる!」

 

雄二「……だったら!」

 

雄二が腕輪をつけた腕を2人に突きつける。

そして、視線を二尺玉に向けてにやりと笑みを浮かべる。

 

貴浩「そうだな。やっぱりお前も考えたか?」

 

明久「だよね。他に方法はないよね?」

 

貴浩「よし、雄二。頼む!」

 

雄二「ああ……『アウェイクン』!」

 

貴・明「「試獣召喚(サモン)!」」

 

一方、屋上にて。

 

島村「夏川、そっちの準備は大丈夫か?」

 

夏川「大丈夫だ。へへっ、これが流れりゃ俺達の逆転勝利だな」

 

常村「そうだな。これで受験勉強なんかしなくても……おぉぉぉっ!!?」

 

夏川「なんだよ常村、何をそんなに驚いて……ゲぇッ!? ウソだろぉっ!?」

 

島村「とにかく伏せろぉぉっ!!」

 

 

ドォーーーン!! パラパラ……

 

 

貴浩「よし、スピーカー命中を確認!」

 

明久「流石は貴浩!」

 

雄二「続けていくぞ!」

 

雄二が2尺玉を運びライターを導火線に近づける。

 

そしてその2尺玉を、俺と明久の召喚獣は物質干渉能力を持っているので担ぎあげる。

没収品のライターで火を付け、そのまま……

 

明久「発射!」

 

召喚獣の投擲により、目標物へ。それは放送器具に直撃し、向こうの無力化を確認。

 

雄二「よし、これで向こうは何もできなくなったはずだ!」

 

明久「そっか! それじゃ、いい加減ここにいるのも危ないし……」

 

貴浩「そうだな。常夏島トリオに一発ブチ込んだら逃げるか?」

 

悪をやっつけるなら徹底的に。俺は2人が用意した玉を、召喚獣に担がせる。

 

貴浩「えーっと、少し動きまわってやがるな……よし、それじゃとどめの一撃!」

 

西村「貴様等ァッ! 何をやっているかァッ!」

 

貴浩「うわあっ!」

 

その声は、自身達の天敵、鉄人のドスの利いた怒鳴り声。

それにより制御を誤り……

 

ドォーーーンッ!!!

 

雄二「た、貴浩! 学校にぶち当たったぞ!?」

 

明久「ああっ!校舎がゴミの様だっ!?」

 

貴浩「しっ、しまった!俺とした事が!?」

 

砲弾は見事なまでに校舎の一角に命中し、もはや部屋の主壁も見当たらない。

 

布施「き、君たち!よりにも寄って、教頭室になんて事をしてくれたんだ!!」

 

貴浩「教頭室!?……ある意味ラッキーか」

 

西村「吉井に織村兄、坂本ぉっ!貴様ら、無事に帰る事が出来ると思うなよ!!」

 

3人にとってお馴染みの怒鳴り声。それを聞くなり、3人は散り散りに逃げだした。

 

西村「逃がすか!今日は絶対に帰らせん!!」

 

明久「違うんですよ先生!僕等は学園の存続のために!」

 

西村「存続だと!?バカを言え!たった今お前らが破壊したばかりだろうが!!」

 

貴浩「これには深い事情があるんだ!だからせめて話くらい聞いてくれ!!」

 

鉄人が大声を出すからなのだが、結局は逃げ回るしか手はなかった。

 

雄二「恩に着るぞ明久、貴浩! 鉄人を引きつけてくれるとは!」

 

貴浩「なっ!テメ雄二!こうなったら…誰か助けて!変態教師が襲ってくる!!」

 

明久「ひいいいっ!服をはがしてどこかに連れ込もうとしてくる!!」

 

西村「貴様らはよりにもよって、何という悲鳴を上げるんだ!!」

 

こうして彼らの学園祭最後の夜は、恐怖と耐久マラソンで飾られる事に。

そして彼らは学園中にその悪名を轟かせ、畏怖と軽蔑を持って挙げられる名となった。


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