それから週明けの学校で。
雄二「おい、貴浩!」
貴浩「ん?おはよう、雄二。どうしたんだ?」
雄二「如月ハイランドでは随分と色々とやってくれたな」
貴浩「あははっ。結果オーライだっただろ。
ついに霧島に告白したみたいだしな(ボソッ)」
俺は雄二に近づき皆に聞こえないよう耳元でそう呟いた。
雄二「なぁ!?なんでそれをお前が知ってやがる!?」
貴浩「霧島から聞いた」
雄二「翔子からだと!?どうやって聞いたんだ?」
貴浩「電話で。最近は霧島にアドバイスとかしてたからな。
その次の日に教えてくれたよ。大丈夫、皆には内緒にしとくから(ボソッ)」
雄二「……そうか」
貴浩「まあこれから頑張れよ」
俺は雄二の肩に軽く手をおく。
雄二「ところで、お前にプレゼントがある」
貴浩「え?なになに?食べ物?ゲーム?お金?」
雄二「違う、映画のペアチケットだ。
気になる相手がいれば(・・・・・・・・・・)一緒に行くといい」
雄二が取り出したのは映画のペアチケットだった。
だがそれは男女ペアでないといけない物だった。
貴浩「ペアチケット?う~ん、そんなものもらっても使い道に困るんだが・・・」
雄二「それじゃあな」
雄二は強引に俺の手の中にチケットを握らせて席から離れていった。
貴浩「これどうしようかな」
俺が雄二からもらったチケットを眺めていると
明久「どうしたの貴浩?それって映画のペアチケット?」
貴浩「そうなんだよな。俺が今見たい映画はタイバニとかのアニメだしな」
明久「あっ僕も見たいな。面白そうだし」
貴浩「ただ、それを女子と見るのもなぁ」
明久「確かにそうだよね。ウチの女子でアニメ好きはいないだろうしね」
そうだよな。一応、ここは進学校な訳だしな・・・・・
貴浩「明久にあげてもな。お前行かずに換金するだろうしな・・・」
明久「そうだね。僕が映画のペアチケットを持ってもね・・・」
俺が明久と映画のペアチケットの話をしていると
そこに凄い形相の姫路と島田がやってきた。
島田「あ、アキっ!そういえば、ウチ週末に映画を観たいとおもっていたんだけど――」
姫路「あ、明久君っ!私も丁度観たい映画があったんですけど!」
明久「へぇ?なになに?どうして2人ともそんなに殺気だってるの!?
それにこのチケットは僕のじゃないよ!貴浩のだからね。
それに映画が見たいなら2人で行って来なよ。
僕は今はアニメの映画が見たいだけだし、それに今、正直金欠なんだよね」
貴浩「またか明久。お前浪費しすぎだろ」
明久「仕方ないじゃないか。僕の周りには誘惑が多くて・・・・・。
それにこの前のグランドパークで命に人形とかプレゼントしたから(ボソッ)」
貴浩「まあそれなら仕方がないか・・・」
姫路「あの、織村君。そのチケットどうするつもりですか?」
島田「もし使わないな───」
貴浩「そうだな。とりあえず誰か誘ってみるか」
明久「頑張ってね貴浩」
貴浩「そうだな。最悪の場合は明久に女装してもらって映画に行くかな」
明久「いやだよ!そんなの!!」
貴浩「半分冗談だ。ところで島田。今何か言ってなかったか?」
明久「半分ってなに?ねぇ?」
島田「え?いや、なんでもないわよ」
貴浩「それならいいが」
さてなら誰を誘うかな。
できればアニメのほうが見たいがそんな趣味の女子いないだろうしな。
俺はひとまずチケットを鞄にいれて明久たちと雑談を始めた。