バカと俺達の召喚獣   作:ターダン8

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着替え

そしてその週末。

 

明久「おはよー。絶好のプール日和だね」

 

雲1つない快晴の青空の下、明久は校門に立つ俺と楓と木下3姉妹と姫路、なのはと愛子。

 

貴浩「よう明久。今日は目いっぱい楽しもうな?」

 

秀吉「おはようじゃ明久、良い天気じゃな」

 

命「おはよう明久君。今日は楽しもうね」

 

楓「おはようございます明久君。今日は本当にいい天気ですよね」

 

姫路「おはようございます明久君、今日は良い1日になりそうですね」

 

なのは「おはよう明久君」

 

優子「おはよう明久君」

 

愛子「おはよう吉井君。今日はよろしくね」

 

明久「あれ?なんで優子さんや工藤さんが?」

 

貴浩「お前話聞いてたか?優子や愛子も呼ぶって言っただろうが」

 

優子「そういうことよ。折角だから連れて来て貰ったのよ」

 

愛子「そうだよ。今日はよろしくねっ!」

 

明久「そうなんだ。じゃあ折角だし、目いっぱい楽しまないとね」

 

そして、或る人影に気がつく。

 

明久「ムッツリーニ、おは……」

 

康太「…………!!(カチャカチャカチャ)」

 

鬼気迫る表情で、カメラの手入れをしているムッツリーニ。

彼にしてみれば、ここは絶好の撮影チャンスでもある。

明久に構う暇などないと言わんばかりに、カメラに集中していた。

 

貴浩「ムッツリーニ、準備は良いけど無駄になるだろ?」

 

康太「…………なぜ?」

 

貴浩「いや。だってムッツリーニはどうせ鼻血で倒れるだろうし」

 

明久「そうだよね。チャイナドレスどころか、葉月ちゃんの着替えですら

   鼻血の海に沈む位だもん」

 

という明久の言葉に、ムッツリーニは肩をすくめて見せた。

そして大きなスポーツバッグを手に取り、2人の前に突きつける。

 

康太「…………甘く見て貰っちゃ困る」

 

と言いながら、そのスポーツバッグを開けて2人に見せる。

 

康太「…………輸血の準備は万全」

 

貴浩「どこで手に入れたかは聞かないが、ある意味準備が良いな?」

 

明久「うん、最初から鼻血の予防を諦めてる当たりが男らしいよね」

 

鞄いっぱいに入っていた携行用の血液パックをみて、

とりあえず救急車は必要ないなと思う2人だった。

 

優子「……つくづく、異常なメンバーね」

 

姫路「まあまあ。趣味は異様かもしれませんが、良い人たちですよ?」

 

優子「……姫路さんも、すっかり馴染んでるわね?」

 

“朱に交われば紅くなる” 

 

その言葉を実感した優子だった。

 

明久「準備と言えば、秀吉は新品の水着を買うとか言ってたよね?

   忘れずに買って来たの?」

 

秀吉「うむ、無論じゃ。ちなみに買って来た水着じゃが……」

 

康太「…………!!(くわっ!)」

 

秀吉の言葉にムッツリーニが目をむく。当然明久も表にこそ出さないが、興味津々。

 

秀吉「……トランクスタイプじゃ」

 

明・康「「バカなぁぁぁああっ!!」」

 

優子「……何してるのかしら?」

 

貴浩「Fクラスは女子が4人しかいないからある意味飢えてる状態なんだよ。

   増して秀吉は優子と命と瓜二つの童顔の女顔で、しかもスリムと来てるんだから」

 

状況についていけない優子に、俺が呆れながら事情説明。

 

砂原「やぁ皆おはよう♪今日はよろしくね♪」

 

椎名「おはようございます。今日はよろしくです」

 

刀麻「おはよ。今日はよろしくな」

 

砂原、椎名、刀麻も到着したようだ

 

……タタタタタッ!

 

葉月「バカなお兄ちゃん、おはようですっ!」

 

明久「わわっ!?」

 

島田「もう葉月ってば、アキがビックリしてるでしょ?」

 

明久の背中に、葉月が飛び付いた。

 

明久「あれ?葉月ちゃん、久しぶりだね」

 

天真爛漫を体現してるように笑う少女、島田葉月。

明久を好いており、婚約者を自称する少女。

 

葉月「バカなお兄ちゃんは冷たいですっ。酷いですっ。

   どうして葉月は呼んでくれないんですか?」

 

明久「あ、うん。ごめんね葉月ちゃん」

 

貴浩「呼んだら呼んだで、明久がどこぞのある人物に八つ裂きにされるだろうがな」

 

優子「……どうしてFクラスはこうも常識を足蹴にする人達ばかりなのかしら?」

 

なのは「にゃはははは」

 

ボソリと呟いた光一の台詞に、正直自分の常識を疑い始める優子だった。

なのはも苦笑いするしかないみたいだ

 

島田「家を出る準備をしていたら葉月に見つかっちゃって。

   どうしてもついてくるって駄々こねて聞かないもんだから……」

 

と、島田がため息交じりに呟く。

 

貴浩「別にいいと思うけどな?飛び入りがあって困る理由もないし」

 

島田「それもそうだけど……あれ?坂本はまだ来てないの?

   ウチが最後だと思ったのに」

 

楓「いえ、もう来てますよ?今翔子ちゃんと一緒に職員室に鍵を借りに行って

  ……あ、丁度戻ってきたみたいです」

 

楓の説明の最中に、校舎の方から雄二と翔子が歩いてきた。

 

明久「おはよう雄二、霧島さん」

 

雄二「おう。きちんと遅れずに来たようだな」

 

翔子「……皆おはよう」

 

葉月「でっかいお兄さん、おはようです」

 

雄二の粗野な外見に物怖じもせず、元気よく挨拶をする葉月。

 

雄二「ん?ちびっ子に砂原や椎名も来たのか?」

 

葉月「ちびっ子じゃないですっ、葉月ですっ!」

 

砂原「折角だからね♪」

 

椎名「鈴ちゃんが行くから私も」

 

雄二「んじゃ、早速着替えるとするか。

   女子更衣室のカギは翔子に預けてあるからついて行ってくれ。

   着替えたらプールサイドに集合だ」

 

雄二の言葉に従い、一旦メンバーは男女に分かれる。

楓と命、姫路と美波、優子と愛子、砂原さんと椎名さんは霧島さんに。

俺と明久とムッツリーニと秀吉と刀麻と葉月は雄二に。

 

明久「……ん?こらこら、葉月ちゃんと秀吉は向こうでしょ?

   霧島さんについて行かないとダメだよ」

 

葉月「えへへ。冗談ですっ」

 

秀吉「ワシは冗談じゃないのじゃが……?」

 

完全に女として認識されてる事に、改めて実感した秀吉だった。

 

島田「ほら、遊んでないで行くわよ葉月、木下」

 

秀吉「し、島田!?ついにお主までそんな目でワシを見るように!?」

 

優子「ちょっと島田さん!秀吉は……」

 

姫路「あの……それなら、木下君は1人でどこか別の場所で

   着替えるっていうのはどうですか?」

 

と、おずおずと手を挙げて提案する瑞希。

というより、自分の常識がことごとく無視されてる事に、頭を抱える優子。

 

優子「……秀吉、あんた女って認識されてるって言う話、本当なのね?」

 

楓「ヒデ君……」

 

秀吉「なぜじゃ、最近は光一のおかげで男らしくなってきておるというのにOrz」

 

貴浩「……しょうがないな。

   なら俺と秀吉は別の場所で着替えるから先に行っておいてくれ」

 

雄二「それがいいな」

 

優子「さ、早く着替えましょ? 時間がもったいないし」

 

明久「そうだね。じゃあまた後で」

 

そこで皆と別れ着替えに向かった


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