バカと俺達の召喚獣   作:ターダン8

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血に染まるプール

貴浩「さて、これからどうする?」

 

明久「そうだね。少しお腹すいてきたし、何か食べない?」

 

雄二「じゃあ誰か何か買いに……」

 

姫路「あ、それなら……」

 

そこで姫路が、何かを思い出したかのようにポンっと手を打つ。

そして嬉しそうに、あるバスケットを取り出した。

 

雄二「っ!・・・姫路、そのバスケットには何が入ってるんだ?」

 

姫路「実は、今朝作ったワッフルが4つほど」

 

優子「あら、おいしそうね」

 

愛子「うん、ボクも食べたいな」

 

なのは「美味しそうだね」

 

砂原「本当だねん」

 

と、何も知らないAクラス4人は無邪気に喜ぶ。

だがしかし、その威力を知る者たちにとっては鬼門だった。

それからアイコンタクトを送って……

 

雄二「第1回っ!」

 

明久「最速王者決定戦っ!」

 

貴浩「ガチンコっ!水泳対決っ!!」

 

秀・康「「イェーッ!!」」

 

雄二「明久、ルール説明だ」

 

明久「オッケー。ルールはとっても簡単、

   ここのプールを往復して最初のゴールした人の勝ちという、

   誰にでもわかる普通の水泳勝負だよ」

 

愛子「へぇ~、面白そうだね。それじゃ、ボクが判定してあげるよ。

   優勝者は、ボクの保健体育“実践”講座って事で」

 

康太「・・・・・・・・・実践(ブシュー)!!」

 

ムッツリーニは鼻血を吹きだして倒れた。

 

もちろん敗者の4人は姫路の殺人ワッフルの餌食に

 

愛子「じゃあ、行くよ!」

 

1位と2位だけが殺人ワッフルを食べる事を逃れるという事になっている。

 

そこで、俺は考える。

ムッツリーニは出血で弱っており、秀吉に体力で負ける事はない。

おそらく雄二と明久も同じ考えだろう。なら2人は勝手につぶしあってくれる。

となると、残る脅威は……

 

愛子「よーい、スタートっ!」

 

貴・明・雄「「「くたばれぇぇっ!!!」」」

 

愛子の合図と同時に、俺と明久と雄二と刀麻はとび蹴りを互いに放った。

俺は刀麻に明久は雄二に、雄二は明久に刀麻は俺に

 

雄二「明久、テメエ卑怯な真似してくれるじゃねえか!この恥知らずが!!」

 

明久「その言葉、そっくりそのまま返してやる!!」

 

刀麻「何するんだ貴浩、危ないじゃないか!」

 

貴浩「避けるなよ刀麻っ!」

 

愛子「あのさ4人とも、取っ組み合いも良いけど、

   秀吉君、ムッツリーニ君はそろそろ折り返しだよ?」

 

ふと見てみると、秀吉、ムッツリーニの順ですでに折り返しが行われていた

 

雄二「そうは行くかっ!俺はムッツリーニを止める。

   貴浩と明久は秀吉をやれ!!」

 

貴・明・「「了解!」」

 

プールに飛び込み、雄二はムッツリーニに、俺と明久は秀吉を止めるべく立ちふさがる。

 

優子「……もはや水泳対決じゃないわね」

 

なのは「なんでこうなってるのかな?」

 

砂原「やっぱりター君やアッキーたちといると楽しくていいやぁ」

 

その様子を見ていた優子となのはは、呆れたようにそう言った。

砂原は笑っていたが

 

秀吉「な、何じゃ貴浩に明久!? お主らは隣じゃろう!?」

 

明久「ダメだよ秀吉!ここは通さない!」

 

貴浩「そうだ。お前も道連れにしてやる」

 

脇を抜けて先に進もうとする秀吉にしがみつく俺と明久。

水中だとうまく捕まえられず、難儀する。

 

秀吉「貴浩に明久、離すのじゃ!」

 

貴浩「お前も道連れじゃぁあ!」

 

明久「逃がすもんかぁぁあっ!!」

 

ズルッ!

 

明久「……? なんだろう?」

 

明久その場に足をついて、手に残った物を確認し始める。

 

姫路「あ、明久君! 何をしているんですか!?」

 

明久「え? ……もしかしてこれって、秀吉の……?」

 

秀吉「んむ? そう言えば胸元が涼しいのう」

 

ゆっくりと振り向いた先には、上に来ていた秀吉の水着が無くなっていた。

それもそのはず、その上の水着は明久の手にある。

 

康太「…………死してなお、一片の悔いなし……!!」

 

上の水着が無くなった秀吉とムッツリーニを中心に朱に染まっていく水面

 

刀麻「うおっ! 大丈夫かムッツリーニ!?この出血量はマジでヤバくないか!?」

 

康太「…………構わない。むしろ本望……!」

 

貴浩「おい、大丈夫かムッツリーニ!?気をしっかりもつんだ!」

 

なのは「わああっ!土屋君が大変な事に!?

    血がものすごい勢いで出ているんだけど!」

 

雄二「とっとにかく、俺は輸血パックを持ってくるから、

   明久は早く秀吉に水着を返してやれ!!」

 

明久「わ、わかったよ」

 

島田「き、木下っ!早く胸を隠しなさい!土屋の血が止まらないから!」

 

秀吉「いいいイヤじゃっ! ワシは男なのじゃ!胸を隠す必要はないのじゃ!」

 

姫路「木下君、わがままを言っちゃダメです! 土屋君が死んじゃいます!」

 

優子「もう……最後の最後まで、どうしてこうなの」

 

楓「……ヒデ君」

 

翔子「………愛子。救急車の手配、頼める?」

 

愛子「わかったよ。すぐ連絡するよ」

 

砂原「さすがター君やムッツン達だね。一緒にいて飽きないよ♪」

 

葉月「バカなお兄ちゃん達、いつも楽しそうで羨ましいです」

 

 

結局、ムッツリーニは何度も峠を迎えながら、

皆と救急隊員の懸命な延命措置で命を取り留めた。

 

 

その週明けの朝

 

 

西村「……吉井、織村兄、坂本、ちょっと聞きたいことがある」

 

現れるなり朝の挨拶もせず、鉄人が3人を低い声で呼びとめた。

 

貴浩「だが断る!」

 

明久「黙秘します」

 

雄二「言う事なんて何1つない」

 

3人はそれに対し、拒否の姿勢を取る。

すると、鉄人はプルプルと震え始めた。

 

西村「……どうして……どうして掃除を命じた筈なのにプールが血で汚れるんだ!?

   鉄拳をくれてやるから、生活指導室で詳しい話を聞かせろ!!」

 

響くは、教室中を揺るがすような大音響。

それに対し、苦労した3人は心外と言わんばかりに抗議をする。

 

雄二「説教なんて冗談じゃねぇ!むしろ死人を出さなかったことを

   褒めてもらいたい位だ!」

 

貴浩「その扱いはあんまりだ!俺達は俺達で大変だったんだ!!」

 

明久「そうですよ!本当に危ないところだったんですからね!」

 

西村「黙れ!お前達の日本語はさっぱりわからん!!」

 

雄二「この暴力教師め!逃げるぞ明久、貴浩!」

 

貴・明「「了解!」」

 

西村「貴様ら、今度は反省分とプール掃除では済まさんぞっ!!」

 

必死に逃げ出す3人。

 

愛子「あれ?またあの3人西村先生に追われてるよ」

 

優子「多分、あの事じゃない?まあ今回は事情を知ってるだけに同情するけどね」

 

翔子「………捕まった」

 

その様子を見るAクラスの眼前では、鉄人に担がれ生活指導室へと連行される3人。

その後、殴りながら3人から事情を聴いた鉄人は一言。

 

西村「……今度の強化合宿の風呂は、木下を別にする必要がある様だな」

 

等と呟いた。

 

 

ちなみに映画には椎名と明久の3人で行った。

見た映画はもちろんタイバニだ。

映画見た後は俺の家でモン○ン3rdして遊んだ。

モン○ン時は命も呼んで4人で狩った。

 


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