バカと俺達の召喚獣   作:ターダン8

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移動中での出来事

バスに乗ってから大体2時間くらいで見慣れない景色になってきた。

 

光一「あと2時間くらいだそうです」

 

光一があとどれくらいで目的地につくかを教えてくれる。

本来ならFクラスは現地集合なのだが

光一がバスを手配してくれたので皆それに乗って合宿場へと向かっていた。

その件はすでに担任である鉄人こと西村先生に許可をもらっているのでなんの問題もない。

 

貴浩「2時間か。眠くもないし、何するかな・・・」

 

いつもならP○Pとかのゲーム機を持ってきてるが今回は持ってきていない。

持って来たら確実に鉄人に没収されるからな。でもトランプは持ってきている。

 

ちなみに他のFクラスメンバーは雑談していたり寝ていたりしていた。

 

雄二「本当に凄いな。光一は」

 

命「ですよね。バス一台を私達のために借りる事ができるなんて」

 

ちなみに今バスの席は

 

─────   ─────

命  明久 通 俺  光一   

      路

姫路 島田   秀吉 楓   

─────   ─────

康太 雄二

  

 

という風になっている。

 

明久「あれ美波?何読んでいるの?」

 

島田が何かの本を読んでいることに気が付いた明久が声をかける。

 

島田「ん、これ?これは心理テストの本。

   100円均一で売ってたから買ってみたんだけど、意外と面白いの」

 

明久「へぇ~面白そうだね。美波、僕にその問題出してよ」

 

貴浩「あ、俺もいいか」

 

島田「うん。いいわよ」

 

島田はそう答え、適当にページを捲る。

 

島田「それじゃいくわよ。

   『次の色でイメージする異性を挙げて下さい。緑 オレンジ 青』

   それぞれ似合うと思う人の名前を言ってもらえる?」

 

明久「えっと・・・・・・って美波。そんな怖い顔で睨み付けられてると答えにくいんだけど」

 

島田「べ、別にそんなわけじゃ……!いいから早く答えなさい!」

 

明久「……順番に『緑→美波 オレンジ→姫路さんと楓 青→命』って感じかな」

 

貴浩「俺は『緑→砂原と椎名 オレンジ→命と楓 青→優子と愛子』だな」

 

ビリィッ!

 

島田の手元から凄い音がした。

 

明久「み、美波……?どうしたの?」

 

島田「どうしてウチが緑で命が青なのか、説明してもらえる?」

 

明久「ど、どうしてと仰られましても……」

 

島田はなんか知らないけど凄く怒ってるな。

 

島田「怒らないから正直に言ってみて?」

 

明久「前に下着がライトグリーンだったから」

 

島田「瑞希、窓開けて」

 

明久「捨てる気!?僕を窓から捨てる気!?」

 

雄二「島田。窓からゴミを捨てるな」

 

明久「雄二。美波を止めてくれてありがとう。

   でも、今サラッと僕をゴミ扱いしたよね?」

 

島田「いいのよ。ゴミじゃなくてクズだから」

 

明久「どうしよう。僕、ここまで酷い扱いを受けるのは久しぶりだよ」

 

雄二「クズはきちんてクズカゴに入れるべきだ」

 

明久「そして雄二もクズを否定しないんだね……」

 

命「2人とも流石に言い過ぎですよ。明久君が可哀想です」

 

明久「ああ!僕のことを心配してくれるのは命だけだよ!」

 

命「あ、明久君。顔が近いです////」

 

そして突然、雄二が島田から本を奪い

 

雄二「どれどれ?緑は『友達』、オレンジは『元気の源』、青は・・・なるほどなぁ」

 

それを見てにやつく雄二

 

島田「か、返しなさいよ!」

 

島田が雄二から本を奪い返す。

 

楓「私は兄さんの元気の源なんですね」

 

貴浩「当たり前だろ!!」

 

命「私もなんですね」

 

貴浩「それは・・・・・・命を見てたら面白いからな」

 

命「それって・・・どうなんですかね」

 

秀吉「それでは青はなんなのじゃ?」

 

島田「絶対に教えない・・・・・・第2問目行くわよ。

   『一から十の数字で、今あなたが思い浮かべた数字を順番に

    2つ挙げて下さい』だって。どう?」

 

雄二「俺は5・6だな」

 

貴浩「俺は7・8だな」

 

秀吉「ワシは2・7じゃな」

 

明久「僕は1・4かな」

 

楓「私は3・8ですね」

 

命「私は2・9です」

 

姫路「私は3・9です」

 

それぞれの答えを聞いた後、島田はゆっくりとページを捲くった

 

島田「『最初に思い浮かべた数字はいつもまわりに

    見せているあなたの顔を表します』だって。それぞれ――」

 

島田が順番に指を差しながら

 

雄二→「クールでシニカル」

貴浩→「明るく陽気」

秀吉→「落ち着いた常識人」

明久→「死になさい」

楓→「温厚で慎重」

命→「落ち着いた常識人」

姫路→「温厚で慎重」

 

と、告げた

 

雄二「ふむ。 なるほどな」

 

秀吉「常識人とは嬉しいのう」

 

貴浩「俺もだな」

 

命「私もですね」

 

姫路「温厚で慎重ですか~」

 

楓「私も温厚で慎重なんですね」

 

明久「何で僕だけ罵倒されてるのさ!?」

 

口々に感想を述べている俺達

 

島田「それで『次に思い浮かべた数字はあなたがあまり見せない本当の顔』

   だって。それぞれ――」

 

さっきと同じように島田が順番に指を差して

 

雄二→「公平で優しい人」

貴浩→「努力家」

秀吉→「色香の強い人」

僕→「惨たらしく死になさい」

楓→「努力家」

命→「意志の強い人」

姫路さん→「意志の強い人」

 

雄二「秀吉は色っぽいのか」

 

貴浩「確かに命と姫路は意志が強いそうだな」

 

明久「ねぇ、僕の罵倒エスカレートしてなかった?」

 

秀吉「楓と貴浩は努力家なんじゃな」

 

楓「坂本君は公平で優しいんですね」

 

そんな感じでその後も何問か心理テストをやっていると、

 

康太「…………(トントン)」

 

明久「あ、ムッツリーニ。おはよう」

 

秀吉「目が覚めたようじゃな」

 

康太「…………空腹で起きた」

 

貴浩「あれ?もうそんな時間か?」

 

ムッツリーニに言われて携帯電話で時間を確認すると。

時刻は13時10分。

いつの間にかお昼過ぎになっていたようだ。

 

秀吉「確かに良い頃合じゃの。そろそろ昼にせんか?」

 

楓「そうですね。あまり遅くなると夕飯が入らなくなりますしね」

 

命「そうですね」

 

雄二「だな。バーベッキューするつもりだから腹を空けておかないといけないしな」

 

姫路「あ、お昼ですね。それなら―――」

 

そういいながら姫路が傍らに置いてある鞄から何かを取り出そうとする。

 

姫路「―――実は、お弁当を作ってきたんです。良かったら……」

 

雄二「姫路。悪いが俺も自分で作ってきたんだ」

 

康太「…………調達済み」

 

貴浩「俺も自分で作ってきたんだ」

 

明久「僕も今日は作ってきたんだ。光一の分も含めてね」

 

光一「明久殿、かたじけない」

 

秀吉「すまぬ。ワシは楓に作ってもらっておるからの」

 

楓「はい。私はヒデ君の分も作ってきたので」

 

明久「楓は本当にいい彼女だよね。秀吉が羨ましいよ」

 

楓「ありがとうございます明久君」

 

姫路「そうなんですか」

 

島田「なら皆で弁当をわけない?」

 

島田の一言で俺達は震える。

光一は何のことだがわからず首をかしげている。

そして寝ていたはずのFクラスメンバーの目線がこちらに向かっていた。

もちろんそれには殺気が含まれていた。

 

俺は瞬時に俺の旅行バックからトランプを取り出すと明久たちと目をあわせる

 

雄二「第1回っ!」

 

明久「ガチンコっ!」

 

貴浩「トランプ大富豪対決っ!」

 

秀・康「「イェーッ!!」」

 

雄二「明久、ルール説明だ」

 

明久「オッケー。ルールはとっても簡単、

   貴浩が持ってきているトランプで大富豪をするだけだよ。

   8切り、11バックはあり」

 

暗黙の了解で大貧民が責任を持って姫路の料理を食べなければならないというものだ。

 

 

 

          ☆

 

 

 

勝負の結果、大富豪は光一、富豪は俺、平民は雄二と秀吉

そして貧民はムッツリーニ、大貧民が明久となった。

 

明久「・・・・・・なんてこった」

 

貴浩「一応、治療道具は光一に頼んでおいてそろえてあるから安心しろ」

 

姫路の料理を食べた明久はもちろん逝った。

明久は光一と席を変わり寝ているということにしている。

また明久に襲い掛かろうとしたFクラスメンバーは

姫路の料理を食べてからの明久の様子を見て今回はお咎めなしという方向に決まったらしい。

 

 

           ☆

 

 

合宿所についた俺達は

雄二たちに明久たちの蘇生を任せ、俺は鉄人の元へ到着の報告しにいった。

 

貴浩「鉄村先生。Fクラス全員到着しました」

 

西村「ああ、わかった。報告ご苦労。それと今、鉄人と西村を混ぜて呼んだだろ」

 

貴浩「いえ、気のせいですよ」

 

西村「それならいいが」

 

貴浩「なら自分たちは自由にしてますね」

 

西村「あまり大騒ぎするなよ」

 

貴浩「善処します」

 

俺はそういって

 

貴浩「さて、そうだ。脅迫の件で砂原や刀麻にも協力してもらうか」

 

俺は携帯を取り出し2人にあとで部屋に来るようメールして部屋へと戻っていった。

 

それがはじまりだとは誰も思わなかった。

 


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