アイがアイドルに復帰して早数ヶ月。
彼女が戻ったB小町は快進撃を――
――遂げている訳ではなかった。
「今月の給料20万……」
渋い顔で預金通帳を見つめるアイ。
俺は横から通帳を覗き込み、何とも言えない気持ちになった。
一人暮らしならまだしも、3人の子持ちの片親が生活するには心もとない金額だ。
アイドルと聞けば華やかでお金をガッポリ稼げるイメージが付くだろう。
しかし実際は歌唱の印税やテレビ出演料はメンバーと山分け、ライブは物販が売れなければ赤字なうえに衣装代は給料から天引きされるなど、様々な理由で給料がしょっぱくなる事がざらにあるのだ。
「ねぇミヤコさん、うちの事務所 給料渋いよー… こないだ出したシングル、オリコン3位だったよねー 中抜きエグすぎない?」
「大手と違ってうちは弱小芸プロ。 利益が薄いのは承知の上でしょ、今更どうしたのよ」
パソコン作業を淡々とこなしながらミヤコさんが問いかけると、アイが悟ったような顔になる。
「――世の中、結局お金だって気づいたの」
「嫌な事に気づいちゃったね……」
「アイドルはやってて楽しいし、私一人なら今のままでも別に良かったんだけどさー…」
アイはルビーを高く抱え上げる。
「だけど…この子たちを良い学校へ入れたり、習い事をさせたり……色んな選択肢を与えるには私がもっと売れて、もっとバシバシ稼がなきゃ駄目なんだよね?」
神妙な面持ちでルビーをジッと見つめるアイ。
「――…今のままじゃ、この子たちを幸せにできない」
その時見せた彼女の表情は、まさしく子供の事を真剣に考える母の顔をしていた。
どのような事情で俺たちを身籠ったのかは知るすべはないが、彼女は彼女なりに俺たちを必死に育てようとしてくれている。 それだけは伝わってくる。
その後、アイはダンスのレッスンへ出かけいった。
俺たちはミヤコさんに、なぜアイに仕事が来ないのか文句を言ったが、彼女自身はアイの実力を高く評価していると話した。
しかし、アイの実力はアイドルという分野に限った話であり、芸能界は一人でも戦える何かが無いとやっていけない世界なのだそうだ。
アイは歌って踊れて顔がめちゃいい…レッスンにボイトレなど家で振り入れする努力の子。
俺たちからすれば今のままでも天の上にある存在だというのに、それでも足りない。
芸能界は俺たちが想像する以上に険しいものだと思い知らされた。
アイのこれからについては悩みが尽きないが、俺たちにはもう一つの悩みがある。
それは……
「ミャーコさん、ミルク」
「あ、はーい。 どうぞラブラさん」
「ありがと」
ミヤコさんから哺乳瓶を受け取り、黙々とミルクを飲むラブラ。
先ほどアイが俺たちの未来を憂いていた時、こいつはそんな事など知る事もなく寝ていて、今さっき起きたところだ。
親の心子知らずということわざは、今のこいつに当てはまるのかもしれない。 だからと言ってラブラを責める事ができない。 というのも……
「ちょっとラブラ! ママが落ち込んでるってのに、なに呑気にミルク飲んでんのよ!」
「……プハッ そんなこといったって、おかあさんのこと、よくわかんないもん」
そう、未だにラブラはアイドルとしてのアイを理解できないでいた。
前世持ちである俺とルビーと違い、ラブラはただの赤ん坊として生まれている。 強いて違うところを言えば、通常の乳児よりも高い知能を持っている点だろう。
数か月前はオウム返ししか出来なかったが、今では普通に会話できるほどに上達している。
それからルビーがラブラにアイの布教を開始したのだが……
「あんたさ、ママのライブ映像見てなんも思わないわけ!?」
「みたよ。 ヒラヒラでキラキラのおよーふくきて、クルクルおどってて、たのしそーっておもった」
「だったら――」
「それだけ」
「……は?」
それだけ答えると、ラブラは哺乳瓶をテーブルに乗せ、ベビーバスケットに戻っていく。
「ちょっと! 話しはまだ終わってないわよ!」
「こんどにして、ねむい」
「いいや今! あんたはママがどんだけ凄いのか全っ然わかってない! すぐ起きなさい!」
「やだ」
「っ…あんたいい加減に――」
無理やり引き起こそうとルビーがラブラに手をかけた瞬間――
「やあぁぁぁだあぁぁぁぁぁっっっ!!!!!」
「!??」
「うるさ!?」
まるで警報のようにけたたましい声を上げてラブラは泣いた。
俺とルビーが泣き止まそうと試みるが、ラブラの号泣が止まる事はなく、その騒ぎを聞きつけたミヤコさんが慌ててやって来た。
「いったい何の騒ぎですか!?」
「……ラブラが癇癪を起したみたいなんだ。 すまないが落ち着かせてくれないか?」
「は、はぁ…分かりました」
ミヤコさんが泣きじゃくるラブラを抱え上げる。
するとラブラは縋りつくように彼女に抱き着いた。
「グスッ…ヒック……ミャーゴざあぁん」
「はいはい大丈夫ですよ~ 落ち着くまで一緒にいましょうね~」
ミヤコさんがラブラを連れて部屋から出ていくのを見届け、俺はルビーを睨む。
「お前なにしてんだ」
「なにって……私はただママの事をあの子に――」
「ラブラは嫌がってたじゃないか。 泣かしてまで無理やり布教するなんてファン失格だぞ」
「っ……そ、そもそもあの子がおかしいのよ! 私やアクアに似てないし、ママみたいに可愛げもないしっ……本当は他所の子なんじゃ――」
「言うな!!」
俺が怒鳴るとルビーは肩をビクッと震わせて委縮する。
大人げないと思われてもかまわない。 ただ、今の言葉だけは許すことができない。
「いいかルビー…お前の今の言葉で傷つくのは誰だ?」
「それは…」
「ラブラだろ。 ラブラはアイがどういう人間かを理解できていない。 それどころか自分が何者であるのか完全に理解できてすらいないんだぞ。 そんな不安定な時期の子供に『お前は他所の子』なんて言われたらどうなるか……俺たちだけじゃない、産みの親であるアイをも拒絶するかもしれないんだ。 そうなったら次に誰が傷つく?」
ハッとした顔でルビーは俺を見る。 自分の失言の愚かさに気づいたのだろう。
冗談のつもりで言った言葉が、巡りにめぐって最愛の人を傷つける事に繋がる事を。
子供の言った事だから…なんて言い訳が通用しなくなるかもしれない未来を避けるためにも、俺はルビーに粛々と告げる。
「ルビー…二度とその言葉を使うな。 分かったな」
ルビーは黙ってうなずく。
今の俺にできる事なんてたかが知れている。
前世では彼女の出産に立ち会うと言ったのに、俺が迂闊だったばかりに約束を果たすことができなかった。
それでも、彼女が…アイが望む幸せな家庭を守るために出来るだけの事をするつもりだ。
この時の俺はルビーを諫める事に頭がいっぱいで気づかなかった。
ミヤコさんに連れて行かれたラブラが戻って来ていた事に。
ドアの影から俺たちの様子を見ていた事に。
そして、
「――…よその、こ」
俺が避けていた言葉をラブラが口にしていた事に……
ぼくのなまえは、ほしのらぶらどらいと。 さんにんきょうだいのすえっこ。
きょうはミャーコさんにつれられて、おかあさんのみにらいぶにきてる。
「販促イベント! ミニライブ! 抽選でしか当たらないやつぅ!」
ふたつならんだべびーかーではしゃいでるのが、おねえさんのルビねえ。
そのとなりにいるのが、おにいさんのアクにいだ。
ルビねえはおかあさんのふぁんらしくて、ぼくにおかあさんのここがすごいんだぞって、しつこいくらいにいってきてしょーじきこわい。
アクにいもおかあさんのふぁんだけど、ルビねえほどむりやりじゃないからましかな。
「いいですか…どうしてもって連れてきましたが、こんなの社長にバレたら怒られるの私なんですからね……」
ぼくをせおってるこのひとはミャーコさん。 おかあさんがおしごとにいってるときに、ぼくたちのおせわをしてくれるひと。
はじめはこわいひとかなっておもったけど、おかあさんのおしごとのおてつだいと、ぼくたちのおせわをがんばってくれるいいひと。 けっこーすき。
このみにらいぶには、ルビねえがどうしてもいきたいからって、ミャーコさんにめーれーしてつれてこさせたんだ。
ついさっきミャーコさんにこっそりかえろうってみみうちしたけど、ルビねえからのてんばつがこわいからってだめっていわれた。 ルビねえはほんとにえらそうだ。
「推さない、駆けない、喋らない! おしゃぶり付けて大人しくしてくださいね!」
そういうと、ミャーコさんはぼくたちにおしゃぶりをつけた。
ぼくたちはミャーコさんのこどもとして、ここにきてることにしてる。
おかあさんとぼくたちが、おやこであることをしられないように、めだつことがあってはいけないみたい。
ルビねえがおとなしくできるのかふあんだけど、アクにいがとなりにいるからだいじょうぶかな?
『皆様お待たせしましたー! 本日はB小町のお三方にお越しいただきましたぁ!!』
そのこえをあいずに、おかあさんとふたりのおんなのひとがすてーじにあがった。
おおきなおんがくがながれ、おかあさんたちがうたっておどりだす。
すると、おかあさんたちのおうたがきこえにくくなるくらいに、まわりにいたひとたちがさわぎだした。
しょーじきいって、ぼくはこーいうばしょはすきじゃない。
おんがくはあたまにガンガンひびくくらいにうるさくて、みみをふさいでもきこえるし、かいじょーをギラギラてらすあかりは、とじたまぶたをつきぬけるくらいにまぶしい。
なによりかいじょーのふいんきがこわかった。
たくさんのひとたちがひかるぼうをもって、おかあさんたちにむかってさけんでるのがぶきみだし、おかあさんたちはこわくないのかな?
ぼくにはわからない。
おかあさんは、たしかにきれいでかわいい。
おにんぎょうさんみたいなえがおで、うたっておどっててたのしそう。
だけどぼくは、まわりにいるひとたちみたいにさわごうとはおもわなかった。
なんでみんなはそこまでむちゅうになれるんだろう
それともぼくがへんなのかな?
おかあさんにむちゅうになれないぼくは、よそのこなのかな?
バブッ バブッ バブッ バブッ
なんかへんなこえがきこえるし――…ってあれ、おかあさんたちがうたうのやめてこっちみてる。
あれだけさわがしかったまわりのこえが、いつのまにかやんでる。
バブッ バブッ バブッ バブッ
あのへんなこえがおおきく…いや、ちかい? すぐよこからきこえ―――
「「 バブッ! バブッ! バブッ! バブッ! 」」
……なにしてんの? なにしてんのふたりとも!?
ふたりはいつのまにかひかるぼうをもってて、いきぴったりでぶんぶんふりまわしていた。
ルビねえはともかく、アクにいもなにしてるのさ!
ミャーコさんがぜったいめだつなっていってたじゃん!
「なんだあの赤ん坊! ヲタ芸打ってるぞ!」
「乳児とは思えないキレだ!」
どうしよう……まわりのひとたちにみられちゃってる。 これじゃあ、おかあさんがこまっちゃ―――…え?
おかあさんのことがきになって、すてーじのほうをみたぼくは、めをまるくした。
おかあさんがわらってる。 さっきまでみせてた、おにんぎょうさんのようなえがおなんかじゃない。
ほっぺたがあかくなり、ふだんみるおめめのおほしさまがキラキラひかってた。
なんというか、いまのおかあさんのえがおは”あったかかった”。
「みんなぁ! まだまだいくよぉ!!」
おかあさんがさけぶと、まわりのひとたちが おぉ! とおおごえをあげて、アクにいたちとおなじようにひかるぼうをぶんぶんふった。
かいじょーがあつくかんじて、 いつのまにかたくさんのあせがでてきた。
だけどぼくは、あせをふくこともわすれておかあさんをみていた。
おかあさんのおどりは、さいしょのてーねーなうごきからがらっとかわってはげしく、だけどすごくたのしそうだった。
うごくたびにとびちるあせが、かいじょーのあかりにてらされることできらきらひかり、まるでおほしさまをばらまいているみたいだった。
「あーなーたーの アーイドール……」
ぼくはおもいだした。
これはルビねえになんどもみせられたびでおで、なんどもきいたきょく。 そのきょくのおわりのぶぶんだ。
もうおわってしまう。 やだ、もっとみたい。
ぼくもおかあさんになにかしてあげたい。
でもぼくはひかるぼうをもってないし、アクにいたちみたいにうごけない。
だったら―――
「ら、ラブラさん!?」
ぼくはミャーコさんのあたまによじのって、おかあさんたちにてをふった。
きづいてくれなくたっていい。 ぼくにできるのはこれだけだから……とおもってたとき、
おかあさんとめがあった。 おかあさんはやさしくわらい、そして――
「サインはBィィーーーッッ!! チュッ!」
「……!?」
いま、なにがおきた?
おかあさんが、かたほうのおめめをパチンッととじたとたん、ぼくのむねのまんなかあたりがあつくなった。
おもわずむねにてをあてたけど、てのひらにあつさをかんじない。
だけど、いまもむねのおくがじんじんするようなあつさがのこっている。
みにらいぶがおわって、ミャーコさんがぼくたちをつれてかえるときにも、むねのあつさがつづいていた。
ぼくはなにをされた? おかあさんはぼくになにをした?
わからない。 わからないけど……わるくない。 それだけわかった。
「21万リツイート…転載動画もすでに200万再生……赤ちゃんコンテンツはバズりやすいとはいえ、これは流石に……」
やってしまった。
ミニライブで絶対に目立たないと言ったのに、アイのライブが始まった途端、つい本能でヲタ芸をしてしまった。
そのせいでSNSにトレンド入りするわ、俺とルビーのヲタ芸動画が拡散されるわでとんでもないことになっていた。
無論、この事態を斉藤社長が許すわけがなく……
「ちょっと来い…!」
ミヤコさんを引きずって部屋から出て行ってしまった。
俺たちが自分たちの行いに後悔していた時、アイがツイッターのとあるレスを見つけ、ニヤリと笑った。
「なるほど……コレがイイのね。 覚えちゃったぞ~~」
よーっし!とアイが元気よく立ち上がると、自室へと戻っていった。
「と、とりあえず…ママが元気になったみたいでよかった」
「よくねぇよ。 おかげで俺たちはネットのおもちゃに――…ん?」
ふとラブラを見やると、アイが向かった先をぼーっと見つめていた。
「ラブラ?」
「……」
「おいラブラ」
「へ!? あ、なに?」
「なにじゃないだろ。 なんかぼーっとしてたし、どうかしたのか?」
「……えっと、ね」
ラブラは自分の鳩尾あたりに手を当てる。
「このあたりがへんなんだ」
「変って……痛むのか?」
俺の問いにラブラは首を横に振る。
「アクにいたちのおたげいをみてたおかあさんのえがおをみたら、めのまえがかわったきがしたんだ」
「うん?」
「それでね? それまできょーみなかったらいぶのふいんきがここちよくなって…おかあさんがいままでよりもキラキラしてるようにみえて…ぼくもおかあさんをおーえんしたくなって、てをふったんだ」
「うんうん」
「おかあさんがぼくをみて、かたほうのめをパチンッととじて…そしたらここがいきなりあつくなって……いまでもおかあさんをみると、ここがじんじんするんだ。 ぼくってへんかな?」
ラブラは鳩尾をさすりながら首をかしげる。
自分の状況を理解できずにプチ混乱しているようだが……間違いない。
俺とルビーは顔を見合わせて頷く。
「ラブラ……お前のそれは”アイドル熱”ってやつだ」
「あいどるねつ…? それってびょーき?」
「…あぁ病気だ。 それも重症だ」
「お、おいしゃさんにみてもらったほうがいい?」
「いいえラブラ、その必要はないわ」
不安げな顔になるラブラの左腕を掴むルビー。
それに続くように俺はラブラの右腕を掴んだ。
「ルビねえ? アクにい?」
「医者に診せるよりも効果的な方法がある。 一緒に来てもらおうか」
「ちょっとまって! どこいくの!? ふたりともかおこわいんだけど!?」
「まあまあ」
「細かいことは気にすんな」
俺とルビーは抵抗するラブラを引きずっていく。 そして……
1週間後。
『あーなーたーの アーイドール……サインはBィィーーーッッ!! チュッ!』
「アイィィィィ!!!」
「ママァァァァ!!!」
「おかあさぁぁぁん!!!」
アイのライブが生中継で放送されるテレビの前で、俺たちはサイリウムを持って叫んだ。
1週間前、ラブラを引きずっていった俺たちは、アイの布教を開始。
はじめは戸惑っていたラブラだったが、次第にのめりこむようになり、今では俺たちと遜色ないほどのヲタ芸が出来るほどに上達していた。
「アクにい! ルビねえ!」
「なあに?」
「どうした?」
「”推す”っていいね!」
その言葉が嬉しくて、俺とルビーも笑った。
「ちょっと皆さん! もう少し静かに――」
「ミャーコさん! ミャーコさんもいっしょにやろうよ!」
俺たちに注意しようとミヤコさんが部屋に入ってきた途端、ラブラが彼女に駆け寄ってその手を引いた。
ラブラの変わりようにミヤコさんは面食らうが、やれやれとばかりに苦笑いを浮かべる。
「分かりましたよ。 でもあまりはしゃぎすぎないでくださいね」
「はーい!」
手を上げて元気よく返事したラブラとともに、ミヤコも加わったのだった。
ライブを終えたアイは帰りのバスでスマホを見ていた。
その周囲の席では、他のB小町メンバーが先週のミニライブに突如現れたヲタ芸赤ちゃんについて語り合っており、その話を耳にしたアイは自慢げに笑う。
(確かにアクアとルビーはすっごく可愛いいよ。 おかげで私に足りないものも知ることができたし。 でもね……)
アイはとあるツイート動画を開く。 リツイート数200程度と少なく、アクアとルビーの動画の足元にも及ばない。
タイトルは『赤さん、推しに目覚める』というもので、ミニライブが始まったあたりから撮影されたものだった。
そこには会場に来ていたミヤコと、彼女に背負われたラブラが写っていた。
映像の中のラブラは見るからに不機嫌そうで、早く帰りたいと言いたげな顔をしていた。
ところが、アクアとルビーがヲタ芸を打ち始めたあたりから彼の様子が一変する。
二人を見て驚いたラブラがステージに視線を移すと、その顔が驚きと感動が入り混じったものへと変わっていき、目が釘付けになっていた。
曲が終盤に差し掛かると、ラブラはミヤコの頭によじ登っていき、まるでアイを応援するようにステージに向かって手を振る。
そしてアイが曲の締めでウィンクをした瞬間、ラブラは咥えていたおしゃぶりを落とし、呆然とした顔で胸に手を当て……そこで動画が終わった。
動画へのコメントには、
[これは堕ちたな(確信)]
[この年で推しへの扉を開いたか]
[ようこそ推しの世界へ]
[ママさんペロペロ]
と、一部センシティブ気味な内容を含みながらも、推しに目覚めた様子のラブラを快く迎えるコメントが並んでいた。
(ラブラも二人に負けないくらい可愛いんだからね♪)
アイは微笑み、自宅で待つ子供たちへと思いを馳せるのであった。
3話の後書きで述べましたが、現在プレイしている艦これで秋刀魚イベントがあって執筆に集中できないので、秋刀魚イベントを終わらせてから執筆を再開しようと思いますので、ここで一旦お休みさせていただきます。 当シリーズを楽しみにされている方々にご迷惑をおかけしますが何卒宜しくお願い致します。