ゴールドシップはメジロマックイーンと仲直りをしたいのですが、素直に謝りづらい状況なので、一緒に焼きそばを焼こうと思います。 作:BuddPioneer
ゴールドシップはふと思った。焼きそばを焼こうと。いつもならそこに理由はない。いつもは焼きそばを焼きたいという衝動に駆られていつも焼いていたのだが、今回は違う。
「マックイーンと仲直りしてえなぁ……」
ゴルシはマックイーンと仲直りがしたかったのだ。理由は一週間前に遡る。
~一週間前~
ゴルシはいつも通りチーム・スピカの部室でハノイの塔をして賢さを鍛え上げていた。
「ゴールドシップゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!!」
すると、突然部室の扉が破壊された。開くのではなく、ドロップキックされて物理的に破壊されたのだ。
「ど、どうしたんだぜ、マックイーン」
「ゴールドシップ、貴女って子は……」
扉を破壊したのはチームメイトでもあるメジロマックイーン。いつもゴルシはマックイーンに対していたずらをよくしている。いつもなら軽く受け流されるようなことなのだが、今回は様子が違う。その身体は覇気を纏い、ただならぬ雰囲気を漂わせている。
「お、おう、どうしたんだぜ」
「ゴールドシップ、貴女はまだしらばっくれるのですか?」
一歩ずつ、ゴールドシップに歩み寄っていくマックイーン。ますます強まっていくオーラに思わず彼女も一歩、また一歩と後ずさる。ゴールドシップは、本当に何が起きたのか全く理解できていない。
「ゴルシちゃん、本当に何が起こったのかわからないんだぜ」
「嘘はおよしなさいゴールドシップ!」
本当に何が起こったか全く理解できていないゴールドシップに対して中々見せないマジの怒りを爆発させたマックイーン。後ずさりしすぎた結果、とうとう壁際まで追い詰められてしまった。
「ゴールドシップ、貴女はいつもそうやってしらを切りますわよね?」
「こ、怖いんだぜマックイーン。目が笑っていないんだぜ」
「……? 私の目は笑っていますわよ???」
天皇賞に挑んだ時レベルのオーラを纏い、しかも目が笑っていないマックイーン。その怒りにゴールドシップは恐怖を覚えてしまう。
マジの覇気を纏うマックイーンと全く理解できないゴールドシップの目線が合う。その瞬間、
ドッゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!!!!!!!!!
マックイーンの正拳突きが炸裂。ゴールドシップの12ミリ横を掠め、壁に大穴を開けていた。
「ヒッ」
この正拳突きにはゴールドシップもびっくりである。その場にへたり込んでしまった。
「……はあ。何事も説明しなければいけないのですわね、ゴールドシップ」
「そ、そうなんだぜマックイーン。教えてくれると助かるぜ」
壁際まで追い詰められたゴールドシップに、マックイーンは拳を引きながらため息をつき、話し始めた。
「単刀直入に言いますわ。私が大切に取っておいたプリン、食べましたよね?」
「あ」
マックイーンの言葉を聞いてゴルシは我に返った。
「た、確かに部室の冷蔵庫にあったどう見ても見た目が高価そうなプリンは食べたぜ。でもあれは名前が書いてなかったから大丈夫だと思ったんだぜ」
「いいえ、名前はしっかりと書いておきましたわよ」
「ど、どこにだ?」
「容器の底に小さく書いておきましたの。米粒くらいの大きさで」
「それは見えねーよ!」
思わずツッコミをしてしまうゴールドシップ。基本、チームの部室にある冷蔵庫には何を入れてもよい。ただ、中に入れるものは各々の名前を書かなければいけないルールになっている。勿論、ゴルシはちゃんと確認していた。だが、書いてあった場所はプリンの容器の下に小さい文字で書いてあっただけ。それは気づかないのも無理はない。
「ゴールドシップ、この借り、しっかりと返してもらいますわよ」
「お、おう」
マックイーンはそう言うと、部室を去っていった。ただ一人ぽつんと取り残されたゴールドシップであった。
~~
「あれ以降、マックイーンとはぎこちない関係なんだよなあ……」
あの一件があってから、マックイーンとゴールドシップの関係性はギクシャクしたままである。素直に謝ってプリンを奢ればいいのだが、ゴールドシップはそういうコミュニケーションが苦手なのだ。どうしようと迷っていたところに、焼きそばを一緒に焼こうというのを思い付いた。理由は特にない。マックイーンと一緒に焼きそばを焼きたいな、と思った、ただそれだけのことである。
「よーっし、マックイーンと一緒に焼きそばを焼いて仲直りをする作戦、始動だーっ!!!」
誰もいないトレーニングコースの芝の上で、ゴールドシップは密かに誓った。マックイーンと一緒に焼きそばを焼いて仲直りをしよう、と。
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