「うぅ...」
どうやらいつの間にか眠ってしまっていたようだ。
手で顔に覆いかぶさっていた本を退ける。
周りを見渡し、今自分が置かれている状況を確かめる。
見慣れた光景のようで安心した。
木の枝や根の不規則に伸びた木材で形作られた本棚と、所々にかかった梯子。
本棚の側面には絵が飾られている。どれも芸術的で悪くない出来だ。
ついでに淡く緑色に発光する謎の小人なんかも居たりする、俺にとっては見慣れた光景だ。
「やっと起きましたか、ローランさん...。」
ここは芸術の階。そして声の主は芸術の階指定司書であるネツァク。長い緑の髪を結い上げている。緑の司書服に身を包んだ青年だ。
...まぁ、図書館の力で酒を出したりしてアンジェラにしょっちゅう俺と一緒に怒られているから、少なくとも真面目な性格だとは言い難い。
「あぁ...いつの間にか酔いつぶれてたみたいだよ。すまない、邪魔だったか?」
彼から返ってきた返事はこうだ。
「いえ、先ほど、アンジェラさんが探していたので。」
また何かやらかしてしまったのかとビクビク怯えながら、館長室...室と言っていいのか分からないほど広大な場所へ足取り重く向かう。
そして、
「やっと来たのね。」
聞きなれた女性の声。
この図書館の館長であり、紆余曲折を経て俺と”友達”になった...一応種族的には機械に分類される。
白い肌に黄色の目とまるで空のように蒼い髪を持つ。確か、蒼白の司書とも呼ばれていたっけ。
「あの...俺、また何かやらかしたのか?」
「いえ、ただ見慣れない本があったから呼んでみただけよ。それとも、何か心当たりでもあるのかしら?」
一瞬、背筋が凍った。
「も、もしかして昨晩ネツァクのところで酔った時に何か...」
寛大な心を持つ館長様はため息交じりに
「はぁ...。まぁ、いいわ。」
と言っただけで、それ以上追及することはなかった。
「さて、そろそろ本題に移りましょう。」
アンジェラから本を受け取り、少し観察し、見覚えのない本であることを確認して、彼女に返す。
「その本は...見覚えがないな。題名もないし...。」
「やっぱり、あなたもそうなのね...」
アンジェラは落胆した様な表情を作り、視線を一瞬本に逸らした。
俺はここまでで一番疑問に思っていたことをアンジェラにぶつける。
「ところで、中身は...」
「今から確認しようと思ってたの。」
「なるほどな、それじゃあ早速見てみようか。」
「えぇ、そうしましょう。」
アンジェラが本を開く。
次の瞬間、
初出設定は...そうだな
・図書館内では本の力を通じて物体を具現化できる
くらいかな?
勢いでそのまま書き上げたお話でした