「もう...!何なのよ...!!ここは一体どこなの!?」
「まぁまぁ、そうカッカしなくたっていいじゃありませんか。」
山の中腹の神社の縁で、緑色の髪をした巫女に宥められる。
ローランとアンジェラが突然消えて、それを探していたら謎の本を見つけて、それを開いたら何故かこの神社の目前に居た。
そして、そこでこの神社の巫女――東風谷 早苗―と出会い、ここまでの顛末を話していた。
「えぇと、今の質問に答えさせていただくと、ここは、時の流れと共に忘れ去られたものが集まる"幻想郷"です。」
「"忘れ去られた"って...」
最悪の可能性が頭をよぎる。
あの本には何らかの細工がされていて、私の存在が誰の記憶からも消し去られてしまったという可能性。
結果として、それは杞憂だった。
「あぁ、お気になさらず。あなたの話を聞く限りだと、今回は何かしら別の要因により連れてこられたようですし...。」
「別の...要因...。」
別の要因、何も思い当たる節はなかった。
「まぁ、どちらにしろその本とやらに何かしら仕掛けがあるのはほぼ確実でしょう。」
本...細工...。
ある閃きが、頭の中で音を立てて現れた。
「ねぇ、」
私は無意識のそのことを聞こうとしていた。
「"忘れ去られる"以外に幻想郷に来る方法はある?」
「そうですね...」
早苗はしばらく沈黙したのちに、口を開いた。
「まず、幻想郷は、外の世界と"博麗大結界"で隔てられている世界です。」
「幻想郷に来るということは、それ即ち博麗大結界を抜けたという事を意味します。」
「結界を抜ける方法。例えば..."無意識のうちに通り抜ける"とか、"次元を移動して結界の隙間から入る"とか..."死んで、黄泉や冥界から降りてくる"のようなものですかね...」
誰が、何のために、どうやって。
それは何一つ理解できなかったが、とりあえずほんの少しだけ真相に近づいただけ。
「...わかったわ。ありがとう。」
それでも十分だった。
そういえば、他の司書はどうだろう。
「ねぇ。もう一つだけ、良い?」
早苗は首を傾げた。
「はい?」
「あの...もしも、本に仕掛けられた細工が"誰かひとりを無差別に選ぶ"みたいな物でなければ...あと、ローランとアンジェラと私の他に8人。いるはずなのよ。」
「うーん...わかりませんね...。」
「やっぱりだめか...。」
「あっ!」
早苗が突然声を上げた。どうやら妙案を思い付いたようだ。
「とりあえず、博麗神社まで行きましょう。」
「博麗神社...?」
「はい、とりあえずそこに行けば手がかりが掴めるかもしれませんから。」
・ティファレト
自然科学の階指定司書
見た目的には指定司書の中でもかなり幼い。確か作中でローランが中学生くらいって言ってた気がする。子供らしく生意気で気が短い。メスガキである。因みに初対面でローランに"背が低い"と言われ、キレて殴りかかっている(ローランが悪い)