指定司書の幻想入り   作:はくまい-human

7 / 31
打ち上げ楽しかったぜ


来訪者

「さっきの...妖怪か...?」

ここに来るまでに名前を聞いた、霧雨魔理沙と名乗った少女はそう言った。

「あー....まぁ、そんなところかもな..。」

なんだかまだあまり整理の付いていない頭で考える。

確かにあいつはもう一度演奏会を開くと言った。

そうすると、この丘の上の寺院から遠くに見える人里にも何らかの影響があるかもしれない。

「なぁ...話しておきたいことが...」

「話しておきたいことがあるの。」

「...?なんだ?二人して...」

タイミングが被ってしまったので、アンジェラに先に話してもらおうと、一歩下がってその意を示す。

「さっき...ローランを襲ったモノは...」

「もともと私達が居た場所から来たはずなの。」

「あの演奏がどうのとか言ってた異形が...?」

「名前はアルガリアよ。」

「アルガリア...」

「そして彼は...伝わるかはわからないけど、"ねじれ"でもあるわ。」

「捻れ...?」

「もとは人間だったけど、精神が追い詰められたりして化物になったの。」

「なるほど...」

がさ。

後ろの林から草をかき分ける音。

全員が凍り付き、そちらの方向を見る。

...人間の数倍もありそうな木の枝は、自身の根を周囲に伸ばし、徐々に近寄ってくる。

「幻想体か...ッ!」

その気配に覚えがあるアンジェラと俺は、すぐに身構えた。

「な、何なんだよ一体...!!」

後方の魔法使いも一歩遅れて"ミニ八卦炉"とやらを構える。

 

「あれは...確か...」

「"F-04-03-04"、WAWクラスの、4区の支部に収容されていたはず...!」

「とにかくどうにかするしか..!!」

刹那、危険を感じ立っていた場所から大きく跳躍する。

化け物が自身の枝を地面に突き刺したかと思えば、かつて自分が立っていた地面から鋭い枝が何本も何本も突き出た。

「マジかよっ!?」

「あんなの喰らったらひとたまりもないな...」

 

幻想体は自らの攻撃が外れたのを悟ると、頭の位置に該当する果実を揺らしながら、周囲に根を伸ばした。

すると、足元に茨が絡みついてきた。さすがにそのまま足が千切れたりはしないのだが、とても動きにくくなってしまった。

「クソ,,,ッ。」

このままではとても動きにくいし、蔓はかなり広範囲に及んでいる。

後ろにいる二人にも影響はあるようだ。

「光符『ルミネス ストライク』ッ!!」

後ろで魔理沙が唱えた。すると、彼女の箒から光弾が放たれ、凄まじい閃光と共に、周囲にはたちまち星が舞った。

光弾は幻想体に直撃し、後方に15メートルほど押し込んだ。

そして、俺たちの足元に絡みついていた蔓は力なく崩れた。

このチャンスを逃す訳にはいかない。

俺は林の中に飛び込み、老いた少年工房製のハンマーで幻想体の頭部を叩き潰した。

その体制のまま素早く振り向き、ムク工房製のハンマーで胴体を叩きつける。

続いてアラス工房製のガントレットで何度も殴りつける。

「ローランっ!!」

魔理沙の声と虹色の光。右の方向に飛び退る。

 

「星符『ドラゴンメテオ』!!」

魔法使いは地面から十数メートルの位置から七色の光線を放ち、幻想体はその光の中に消えた。

 

光が止んだ後、そこには先の幻想体をそのまま卵の形にしたようなものが転がっていた。

「なんだ...?これ、まさか放っておいたらさっきのがまた出てくるとかじゃないよな...?」

「おいアンジェラ、これは...?」

「それは幻想体の核よ。」

核。

「核が残ってるってことは完全には殺しきれなかったってことか...?」

「いいえ、幻想体は完全に殺しきることはできないわ。」

「マジかよ...。」

「じゃあどうするんだ...?」

「こうするのよ。」

そう言いながら、我らが図書館館長様は持っていた本を核にかざすと、卵は光の塊になって吸い込まれていった。

「おぉ...」

館長様ははちきれんばかりの得意顔を浮かべていた。




・幻想体
旧L社で飼ってたバケモン。
感情の起伏によってエンケファリンというめちゃくちゃ効率のいい燃料を出す。
討伐されると卵みてぇなモンが出てくる。時間経過で復活する。

・危険レベル
幻想体の危険レベル。
安全な方から順番に
ZAYIN
TETH
HE
WAW
ALEPH

ピアニストは危険レベルで表すとWAWクラス相当。
ピアニストは30万人の死者を出している。

・旧L社
かつて都市のエネルギーの大部分を賄っていた翼。
ある日突然機能を停止し倒産した。
詳しくは1話を参照(何一つ詳しくない)

・F-04-03-04
今回出てきた幻想体。
黒檀女王の林檎というお名前がある
容姿としては紫のドレスとマント、灰色の枝で構成された両腕に、複数の絡まった根で構成された足を持つ。
首の周りは暗い色の葉で装飾され、頭は髑髏のような明るい灰色の林檎。

うーん。ホラーかな?
あとついでに口とかの発声器官がなくても声を出せて、「白雪を連れて来い」と喋るらしい。カワイイね♡♡♡


・スペルカード
途中で出てきた
「〇符『×××××』」
のこと。東方projectに登場する技みたいなもん。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。