ガ ク ブ ル へ ル メ ッ ト 団 作:名もなきドクター
キキョウの花言葉:気品、優美
向日葵の花言葉:情熱、憧れ
「トリニティのお嬢様だ!逃すな!」
まるで世紀末のモヒカンかってくらい野蛮なスケバン達が一人の女学生を追いかけていた
パン!
やけに乾いた音が鳴ったと同時に、少女は白い制服を茶色に染め、自分の顔ごと地面に叩きつけた
「こ、来ないで!」
必死に声を上げながらトリニティ生は距離を離そうと四つん這いなりながら逃げようとするが
「足を潰せ!野郎ども!」
「痛ッ痛い、や、やめて!」
スケバンの番長の一声で、集中砲火を浴びてしまう
大小様々な口径の銃弾が彼女の腹や足、下半身を中心に撃ち込まれる
「嫌!いやああ!!なんで!?止めてっていッ!?「五月蝿え!!」
喚き散らす少女をスケバンの一人が銃弾で黙らせる
「ぺっ!うちのメンバー何人も潰した癖に、自分の番になった途端『ヤメテー』だ?」
あるスケバンは彼女の薄い色彩の髪に唾を吐きながら正論を叩きつけた
「都合のいいこと言ってんじゃねえぞ!」
そうだ!そうだ!と周りのスケバン達も相槌を打つ
「そ、それは!」
途端にトリニティ生は言葉に詰まった
「それにアンタ、正義実現委員会なんだってな?もう一回言ってみろよ?あぁ!?下品で野蛮なゲヘナをどうするって?」
「....。」
正実のトリニティ生は絶望する
自分の実力を過信し、ゲヘナの野蛮さを見誤ったことを酷く後悔しながら、これから起こることに恐怖を抱く
ポス
一つの紙袋が輪の中に投げ込まれる
「あ、ミスった!?」
遠くからそんな声がした気がした瞬間
辺りは轟音と爆炎に包まれた
結果、集団リンチを始めようとしているスケバンたちとトリニティ生は共々吹き飛んだのだった
ーーーーーーーーー
転生以来、炸薬リトルは常に弱者であり続けた
誰かを助ける余裕は無く、ただ毎日を必死に過ごすので精一杯だった
同時に、誰かを助けるということは考えたことも無かったのだ
「どなたか!助けてください!」
誰かの声が聴こえた時、どうすればいいか全く分からなかったのだ
助けなきゃ!
結局その根本にあった善性が彼女を突き動かした
自分が今まで遭わされていた苦痛を誰かが経験するのが堪らなく嫌だったのだ
リトルは空の紙袋に目一杯爆弾を詰め込んで、アパートを飛び出し、悲鳴の元へと走った
元来体力がないリトルが息を切らして急いだ先では既に包囲が完成していた
猶予がない最中、ハンマー投げの要領で投擲、更に地面に落ちる直前で神秘を操作し、爆発するよう強く念じる
それを切れかけてた息で必死にやった結果
予想以上に着弾地点が奥になったのだ
ーーーーーーーーーー
鞄に入れたタオルを取り出して、水に濡らす
そして、床に寝かせている、汚れて尚品位を感じさせる制服を纏った少女に目を向ける
...やってしまった
「起きたら謝らなきゃな...。」
人助けしようと思ったら救助対象と不良を一緒に爆破しました!
「アホか、アホだ。一応、先輩に報告しておこうかな...。」
一応ヴァルキューレ警察学校にも連絡したが、辺境であるため行くまで時間が掛かる旨の返答があった
イオリ先輩にポチポチとメッセージを打ち込む
暫くしても既読がつかないので一旦スマホを置き、昏睡するトリニティ生の顔を拭いてあげる
こう見るとキヴォトス人の顔の良さがわかる
ゲヘナを野生的な美とするなら、トリニティは無垢な美である
天使がモチーフってすごいよな
一通り顔や手足は拭き終える
転生者として脱がしてはいけないと感じたので、身体の傷は放置する方針で行く
なんか食べ物を用意した方がいいかな?
「うっ...」
そんなことを考えていると彼女は顔を歪めながら、ゆっくりとその瞼を開けた
「....。」
「....。」
無言の時間が生じる
「おはよう、ございます?」
静寂を打ち破ったのは、リトルだった
「...ええ、おはようございます?」
戸惑いを隠せないままトリニティ生も返事をする
「ちょっと待ってて、飲み物とか取ってくるよ。目が覚める結構喉乾くよね。」
経験則だが、酷い傷を負った時の眠りから覚めると大体喉がガラガラになる
だから、これは気遣いであって、決してコミュニケーションからの逃避ではない
自室から戦略的撤退を果たしたリトルは自分のコップと予備のコップに冷たい麦茶を注いで戻る
部屋に戻ると、彼女はどこか落ち着かない様子だった
「えっと、粗茶?ですが...どうぞ。」
お嬢様用語のSOCHAを用いておもてなしを図るリトル
「...はい、頂きますね。」
どこか心ここに在らずのまま、地に落ちた天使は100均のプラスチックコップに口を付ける
その違和感にリトルは今度ティーカップとか買おうと決意した
こう言う気まずい時は...あれだ!
「私の名前は炸薬リトル、貴女の...お名前をお伝えしていいでしょうか?」
KEIGOだ!お嬢様といえば敬語!
クスリと今度こそ彼女は笑い
「私の名前は
彼女は麗らかに微笑み、こちらを呼び返してくれる
「あっえ、はい...。」
背伸びして敬語を誤用するという学生にありがちなミスを犯してしまうとは!
顔に血が昇るを感じつつ、どうにか話題を逸さないと
「あっお体、の...。体調は大丈夫ですか?」
大人しくですます使っとくか...
「大丈夫、とは申し上げ難いですが、特別苦しいと言うことはございませんわ。」
「良かったです。」
これで死にそうですわと、なったら私の責任だもん
「あの、一つお尋ねしても宜しいでしょうか?」
「あ、全然大丈夫です。」
「私の銃器をお見かけなさらなかったでしょうか?白い散弾銃で、キキョウの花の彫刻がされてありますの。」
そんな銃があったなら絶対気づくはずだし、無かったはず
「...すみません、あのスケバン達は持ってなかったと思います。」
「...そう、ですか。ありがとうございます。」
明らかに憂いを帯びた表情の彼女を見ると心が騒つく
きっと大切な物だよね、普通は
銃を使わない私では分からないけど、放っては置けない
「私!あの、探してきますね!」
それだけ言い残して、リトルは外に飛び出し、記憶を頼りにカナの逃げてきた方向へと向かっていった
「......。」
リトルは背中で彼女の浮かべていた歪な表情に、気づかなかった
ーーーーーーーーー
私はゲヘナが大っ嫌いでした
彼女らは人の皮を被った下等生物の癖に私達のような高貴な存在を襲う
マナーを知らず、モラルを持たず、猿より少しマシな程度の知恵しかない愚鈍で品性のカケラもない獣風情であるにも関わらず
しかし有ろうことか、ティーパーティーの方々は、あの蛮夷のゲヘナと平和条約を結ぶなどという冗談でも吐き気がすることを言い出しましたの!
そんなのは有ってはならない!
どうして我々選ばれしトリニティがあの様な反吐以下のゲヘナと平等に条約を結ぶと言うのですの?
だから、この『浄化』活動の話を聞いた時には心が躍りましたわ!
下賤なゲヘナどもを一匹ずつ調教していく、崇高な活動に私は使命すら覚える程でしたわ!
身の程知らずの駄獣達に我々トリニティの正しき教えを伝え、彼らの思い上がった傲慢と間違いに満ちた感性を叩き潰して差し上げなければいけない、と
そう、委員長に進言したあの日、私は委員会を除名された
彼女曰く「正義とは守られるべきものであり、決して誰かを傷つけるものではない、オマエのソレは正義ではない。」と
私の『正義』が誰かを傷つけるものですって?
ゲヘナが人であるはずないでしょう!!
組織に属せずとも、私には同志が多くいますわ!
ある仲間が闇市で違法の鎮静剤を入手し、力だけは強い獣どもを黙らせるため、多くの同志に配布いたしましたわ
私は『正義実現委員』として訓練を受け、例え脳味噌までが暴力に支配されているゲヘナの野獣どもでも、負ける気はしませんでしたので、受け取るだけで使うつもりはございませんでしたの
しかし、あろう事か
アイツが、アイツが...!
『ウチは、
あの図々しく、余計な節介ばかり掛けてくる女、鬼嶋メイが私の前に現れた!
私が劣勢に追い込まれてたなどと勘違いしたあの残念な頭の中身がどうなってるのか気になりますわ
たったの十数人のヘルメット団にこの私が負けるはずないでしょうに!!
その間抜けな面に馬鹿みたいに笑顔を浮かべて、聴いてもないことを勝手に話しかけてくる、その無神経さに腑が煮え返りそうでしたわ!
『ねえねえ!その銃の彫刻、マジで綺麗だね!どこでやってもらえるの?』
アンタみたいな脳天気女に似合うはずないでしょ?
『見て見て!このクマのアクセサリー!D.Uのゲーセンで二つ取れたんだぁ、一緒に銃に付けよ!』
勝手にその穢らわし手で私の愛銃に触らないで頂戴!
『あれ、何してるの?銃の手入れ...?へぇ〜ウチのもやってよ!』
銃は我々のもう一つの身体よ?人にやらせるとか正気じゃないわ!
『実はさ!いいパフェのお店見つけたんだよ!一緒にいこ?かななんと一緒だったらぁも〜っと美味しく食べれると思うからさ?』
そんな、低俗なものを...
もう、黙ってよ...
まるで、まるで!
....
....
....
貴女、最近活動の調子はどうですの?
ねえ、前まで良く報告なさってくれたじゃない?
もし、お一人での『浄化』が困難でしたら、ワタクシ達同志が、お手伝いいたしますよ?
『珍しいね、かななんがウチを呼び出すなんて、ねえ!今日は何をするの?』
......。
『...どう...して?』
ふふふ、いい気味ですわ
貴女と私、友人になれると本気で思っていらっしゃるの?
ふふ、ふふふ!
あはははは!!
そうだ!もっと!もっと!
もっと多くの邪悪で暴虐なゲヘナどもを浄化しなきゃ
....
....
「おい?あぁん!?何ガン飛ばしてんだよ?」
「その制服、トリニティのお嬢様じゃねえか!おーい、皆集まれ!!鶏がネギ背負ってきたぞ!」
ふふ、やはり学のない野蛮人ですわ
そうよ!そうに決まってるわ!!
訓練で培われた技術を持って、素早く踏み込み、そのアホ面に弾丸を叩き込む
「ぐっ!?」
ばたりとソイツは地面に倒れ伏した
一人
「はぁ?野郎ども集まれぇーー!!」
その五月蝿い口も弾薬で塞がるのかしら?
銃口を大きく開いた口に差し込み、トリガーを引く
二人目も口から汚い泡と硝煙を漏らしながら落ちた
三人目....
四人目...
五人目..
六...
...
...
十三...人目
絶えず動き続け、正中線を意識して回避!
リロードは素早く、射撃は至近で!
命中か不命中か問わず、撃ったら即離脱!
十四...
...
...
十...七..
...
...
「ッ痛!」
手に弾丸が当たり思わず動きが一瞬止まってしまう
その隙に顔に一発、左肩に一発
顔を庇って愛銃で弾丸を防いだ衝撃で、ふわりと熊を模した装飾が落ちた
視界がそれを追ってしまった
右手に二発同時、脇腹に一発
手から愛銃がするりと抜け落ちていく
ほら?やっぱり十人程度のゴロツキくらい、どうってこと...ないわ!
顔面に、腹に、太ももに、頭に
腕に、右膝、左胸、肋骨...
「あっ?」
意識がゆっくりと遠のく
私、死ぬんだ...ねえ、メイ?
『ねえねえ!その銃の彫刻、マジで綺麗だね!どこでやってもらえるの?』
『そうね、知り合いの工房で彫刻して頂けるわ。私のはキキョウですけど、貴方ならそうね、向日葵はどうかしら?』
『向日葵かぁ...。ウチはかななんとお揃いがいいなぁ〜』
『ふふ、貴女の様な元気な人には向日葵が良いわよ?』
『...かななんがそう言うならきっとそうなんだね!色んなこと知ってるし、ゆ、ゆ...優雅!だし。』
...
まだ、死にたくない!
死ねない!
薄れゆく意識が浮上する
後ろへと倒れる勢いを利用し、そのまま側転
くるりと方向転換して、走り出す
走って、叫んだ
「どなたか!助けてください!」
...
...
助けは来ない、だって私が拘束したんだもの
「足を潰せ!野郎ども!」
元々限界に近かった私の動きは遂に止まった
...
...
「ぺっ!うちのメンバー何人も潰した癖に、自分の番になった途端『ヤメテー』だ?」
「都合のいいこと言ってんじゃねえぞ!」
...そう、ね
「アンタ、正義実現委員会なんだってな?もう一回言ってみろよ?あぁ!?下品で野蛮なゲヘナをどうするって?」
はは、委員長の言う通りね
私の『正義』はとっくに崩れてたのね
正義実現なんて...できるわけないものね
メイ、もう...一回
『「あっミスった!?」』
ふふ、走馬灯ってやつなのかしら?
...
...
ーーーーーーーーーーーーー
すっかり夜も深くなった森の中、リトルはスマホのライトを頼りに辺りを探していた
「うーん、形跡的にこっちだと思うんだけどな。」
途中で何人ものスケバンが気絶していたし、カナさん相当強いのかな?
ビュー
なんか寒いな...
ガサ
ガサ
ひっ!?な、なんの音?
音のした奥の茂みにライトを当てる
「むー!むーー!!」
「わひゃーー!?お化けぇーーー!!」
爆音の悲鳴をあげてリトルは逃げようとした
スカ
しかし、足元に何か木の枝の様なものを踏んづけて転んでしまった
「痛った!何これ...!」
スマホのライトで照らすと、土や煤や自分の靴跡で汚れているものの、そこには花の彫刻が施された美しいデザインのショットガンがあった
「これが、かなさんの愛銃だよね。」
「んーー!」
ガサリ
茂みの奥からナニカが現れる
「ひぃ!?...人?」
恐怖のあまり反射的にお化けにライトを浴びさせると、そこにいたのは頭に一本の角が生えたムチムチのお姉さんがいた
「むーー!むむむー!」
ただ、手足と口がガムテープで塞がれている以外は
...助けるべきだよね
明らかにスケバンじゃないし
スマホを一旦地面に置いて、鬼のお姉さんの拘束を外す
「っぷはぁ!ふーー新鮮な空気おいし〜!」
そして元気よく鬼の女性は笑った
ギャル、そうギャルだ!
着崩した制服、オシャレなアクセサリー
デコられた爪
どこからどう見てもギャルだった
「あっ!それかななんの銃じゃん!」
「あっはい、かな先輩?に頼まれて...」
あれ?これって頼まれたのかな?
私が勝手に飛び出しただけの様な気もする
と言うか、この人かなさんの知り合いっぽい
なんで森の中で拘束されてたんだろ?
「マジ?んじゃあ、今かななんってどこにいるの?」
「あ、えっと...スケバンに襲われてたんで、そんで...家に連れて行ったので、多分今自分の家にいます。」
やっべ、かなさん巻き込んだこと謝ってなかった...
「へ〜そう。ねえ、かななんを襲ったスケバン達ってどこか、わかる?」
さっきまでの大らかな雰囲気が一転
冷たい殺気を放つ鬼の先輩
「あーえっと、多分もうヴァルキューレに連行されたと思い...ます。」
これ、私がかな先輩ごと爆破したこと知ったら殺されるやつじゃん...
「ちぇっ、あっそう。残念!この手でウチの親友を傷つけた報いを受けさせたかったのに〜」
あはは、と活発なギャルに戻った先輩の切り替えに少し慄きつつ
「んじゃ、先輩も家案内しますよ。」
「おっマジ?助かるぅ!あっウチの名前は鬼嶋メイ、気軽にメイメイって呼んでもいいよ?」
「君の名前は?」
「炸薬リトルと言います...。」
おお〜すげえギャル
マジパネエ
メイ先輩の溢れ出る陽オーラに圧倒される
「あっごめん、ちょっと待ってて、ウチの銃とスマホとか取ってくるから。」
そう言ってメイメイ先輩はそのまま茂みの奥まで戻り、クマのアクセサリーの付いたアサルトライフルと、これまたデコデコとしたスマホを手に戻ってきた
「んじゃ、案内よろしくね!」
そのまま、二人は帰路を辿ってアパートの一室に戻って行った
ーーーーーーーーーー
この後何故か、かな先輩がメイ先輩を見た途端、全力で号泣しながら謝り倒してた
そして勢いのままに、自分の愛銃で自決しようとするのをメイ先輩と二人で止めたと言う謎の騒動があった
結局、二人を一晩うちに泊めることになったが、かな先輩がうちの冷蔵庫の中身で女子力の高そうなパスタ(袋麺)を作ってくれて、とても美味しかった
それと...その後の二人の世界がすごく、こう百合百合しくて尊かったとだけ言っとく
翌朝、連絡先を交換して解散する時に、イオリ先輩が風紀委員状態で家に突撃してきた
そしてなんやかんやあって、かな先輩が連行されて行った...?
本当、なんで?
ーーーーーーーーー
「以上で私の知っていること全てお話しいたしましたわ。」
風紀委員会本部、とある一室にて
綺麗になったトリニティの制服を纏った蜜町カナが椅子にしっかりと座り、淡々と今までの出来事を報告した
対面には、ゲヘナ風紀委員長を中心に左に行政官、右に切り込み隊長が控えていた
「なるほど...ヒナ委員長、これは大きな成果です。イオリも大手柄よ!!」
「これでどうやっもトリニティ側が不誠実な態度を取ったと言うことで、こちらから揺りを掛けられます。」
「アコ、黙って。今回の件は何も無かったと言うことにして頂戴。」
「え?なんでですか!?これは立派な「反省文、今なら10枚で済ましてあげる。」
「....はい、わか...りました。」
...
そのやり取りを向かいで見ていた元正義実現委員は、自分の元上司と目の前の風紀委員長と重ね合わせていた
なるほど、存外治安維持組織はどこだって一緒なのかもしれない
トリニティやゲヘナ、そんなものに囚われて自分の『正義』を見誤った自分を、委員長が諭してくれていたと気付いたのだ
「蜜町かな、貴女には期待しているわ。貴女とあの子が示してくれた、エデン条約の実現性、私は...それに感謝するわ。」
それだけ言って、高貴なるものは山積みの業務の元へと戻って行った
行政官が反省文を書いている間、仕事量は単純に倍になるのだ
取り残されイオリは、己の仕事を察する
「早朝はすまなかった。あの子、リトルに何かがあったのかと思って冷静さを欠いた。ここから先、アンタの身柄の安全は私が責任を持ってトリニティまで送り届ける。」
「ええ、お世話になりますわ。あの小さな子に伝えといて、爆発に巻き込んだことは気にしてないって。」
「...モモトークは交換したのだろう?」
「貴女だって、あの子に会う口実くらいは確保した方が良いわ。」
「....。」
それ以降会話は特に無かったが、イオリの仕事が終わる頃には、そのモモトークに新たな名前が登録された
ーーーーーーーーー
リトルのアパートの付近の森で、一人のゲヘナ生が四つん這いで地面を探していた
そして、ある木の根の側
汚れたクマのアクセサリーが落ちていた
「はぁ、かななんとは暫く会えないかぁ。」
残念だな...
そう思いながら、汚れた方のクマを自分のアサルトライフルに繋げた
二匹のクマは久々の再会を喜ぶ様に、くっ付いた
ここまでお読みいただきありがとうございます
いやあ、書きたいこと書いていたら主人公の出番が無くなってた
当初の予定では、かなには本物のトリカスでいてもらうつもりだったけど...勝手に内なるカプ厨とメイちゃんが暴走した